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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

493

俺もさっと支度して先生と近くへ。
喫茶店で食事をしていてふと先生がこっちを見た。
「ねぇ。来週寒いんですって。ちゃんと着込まないとダメよ?」
「寒い? どれくらいでしょう」
「ええっとねぇ。確か水曜くらいから冷え込むって言ってた気がするわよ」
「やだなぁ寒いの」
「今くらいだと楽よねえ。こっちはマイナスになるらしいわ」
「うへぇ…そりゃ寒い。水曜の夜ですかね」
「多分そうだったと思うけど。急に冷え込むから困るわね」
「おうちも暖房ちゃんと焚かなきゃ。廊下とか気をつけないといけませんね」
「そうねぇ。ヒートショック? 怖いもの」
「あっちの家やうちの家みたいに全部を温めるのがベストですが先生のお宅はねえ」
「そうなのよね、使ってない部屋が多いから」
「廊下、床暖房にしませんか。随分変わりますよ」
「床を剥がすの? うーん」
「剥がさなくても上置きタイプありますが」
「どれくらい高さ変わるかしらね」
「後でショールーム行きませんか。たしか立川にあった気がします」
「一度家に帰ってからね。お母さんに言ってみるわ」
食後、そのまま先生のお宅へ戻って八重子先生にふってみた。
「結構高いんじゃないの?」
「100程度なら俺出しますよ」
「そんなわけにはいかないわよ」
「だって俺、冷たい床苦手ですしーってことで」
八重子先生には受けたようだ。
「じゃ、ショールーム行きませんか」
「私は良いよ、あんたら二人で行って来たら?」
「良いんですか? 先生が気に入れば即決しちゃいますよ?」
「いいよ」
着替えて先生と二人、ショールームへ。
説明を受けて床材を見せてもらう。
実際にはってある床を歩いて確かめると納得がいった様だ。
「では現地確認など必要ですので近くの販売店のものを向かわせます」
「先生のところは出入りどこでしたっけ。そこかな」
どうもそのようだ。
日取りや時間は先生にお任せしておおよその金額を聞く。
間取りを図にして算出。予算内でいけそう。
近日中に現場確認と言うことでショールームを出るとお昼を過ぎていた。
八重子先生に連絡を入れると作ってないとのこと。
先生が食べたいものを出す店を探し、入った。
結構にうまかったので覚えておこうかな。
帰ってご報告。
そして月曜には下見に来て正式な見積もりが出たようだ。
火曜日のお稽古の後に確認した。
「本当に良いの? こんな大金…」
「どうせ必要じゃないですか。寒いの嫌でしょ?」
勿論かかるガス代の分、いつもお渡ししてる金額に加算する予定である。
乾燥機も連日雨の時は使っているそうだ。
寒くて乾かない冬は特に使い勝手が良いだろう多分。
見積もりを確認したのですぐに工事の日取りを決めてもらった。
まだそんなに予定が詰ってないそうで幸い来週の頭にはと言うことだ。
風呂に入って布団に潜り込む。
先生の体を少し楽しんで先に寝た。
ちょっと不満そうだったけどあまりに眠くて。
朝、求めてくるかと思ったがさすがにそれはなかった。
「寒いわねぇ」
「はい、スリッパ」
「ありがと。あんたもうちょっと寝てたら」
「いや、寒いのは慣れてるから」
ふらーっと台所に行って朝飯を作る。
いつもの水曜。
朝飯を食べたら後は掃除。掃除。掃除。
特に廊下を磨かされた。
やっぱりね、工事の人に汚いところは見せられないって思うよね。
掃除に疲れた頃おやつを頂いて一服し、お夕飯を買いに出る。
先生にもたっぷりとショールにマフラーを巻いて。
「やぁねぇ。これからずっと寒いのかしら」
「もうすぐ大寒ですからね、仕方ないですね」
手を繋いで買物を済ませ帰宅し食事を作る。
今日は肉じゃが。
煮崩れ上等。
つまりはいつもの男爵芋だ。
先生から丁寧に面取りするよう言われた。
フライパンでこんにゃくと一緒に酒で煮て他の材料も入れた。
こんにゃくは最終的にどうするのだろう。
と思ったが先生は普通に盛り付けてしまわれた。
夕飯を食べて帰ろうとすると表の寒さに一瞬震えた。
「マフラーしなきゃだめじゃない」
「はい。持ってきてるの忘れてました」
一度中に戻って首元をしっかり塞ぎそれから改めて別れを。
寒い外気に包まれて電車に乗る頃にはすっかり冷えた。
車内は暑く、コートもマフラーも外した。
置き忘れに注意。
ちゃんと下車時に思い出してコートを着てマフラーを巻いた。
家に着いたが室内も冷え切っている。
ストーブと床暖とエアコンまとめてつけて急いで温めた。
温まった頃エアコンを消し、ストーブと床暖の設定温度を下げ、ベッドに潜り込む。
おやすみなさい。

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492

金曜は年末準備に忙しく帰宅が夜の9時過ぎということで。
帰ってすぐに寝たが先生のメールを無視する結果になっていたようだ。
土曜も仕事に追われ、稽古には何とか間に合わせ到着し参加する。
稽古の後、先生にメールしたのにと愚痴られてしまった。
申し訳ない。
「でもこれからそういうこと、増えると思います。すみません」
「年末だから?」
「はい」
ちょっと不機嫌そうだ。
水屋を片付けて夕飯を頂く。
今夜はにんにくも入った匂いのあるものが出た。
明日休みで予定がないから、らしい。
食後、台所を片付け酒を持ち出して先生を呼んだ。
「八重子先生、先生をお借りして良いですか。ちょっと飲みたいので」
「あぁ。いってらっしゃい」
「えぇ? …私ちょっと眠いわよ」
「ま、そう仰らず付き合ってくださいよ」
「帰ってくるの昼過ぎてもいいからいっといで、ほら」
先生は渋々席を立って上着を取りに行った。
寒いのは嫌だから先日設置したリモコンをリモコンするツールでエアコンを先に入れる。
先生を連れて部屋に入ると暖かいことに驚いている。
床暖とストーブをつけ、エアコンを切った。
先生を座らせてぐい飲みを二つ出し、横に座って酒を注ぐ。
「ねぇ先生、少し飲みましょうや」
しょうがないなという顔して飲んでいる。
それでも飲んでいるうちに少し緩んできた。
引き寄せてキスする。
片手で帯締めなどを解いていると腕を叩かれた。
「ん?」
「脱ぐからちょっと待って…」
「すとりっ…痛い痛い、待て! 爪を立てるな!」
「バカなこと言うなら帰るわよ?」
うー。
仕方なく寝巻きに着替えるのを手伝った。
「寒くない?」
「丁度良いくらいかしら。ちょっとさっきまで暑いって思ってたのよね」
「…俺もそう思ってた」
「あんたも着替えたら?」
「そうする」
俺も着替えて先生の横に座る。もう少し飲もう。
でも二度注いだ頃、先生の口からあくびが出だした。
もうこれ以上飲ませてはまた寝られてしまう。
布団に入れるのも危険。と言うことで膝の上に引き寄せて乳を揉んだ。
「ん…」
もはや我慢も限界だ。
キスマークを胸の上につけてしまうほど求めて、先生もそれに応えて乱れてくれた。
終った後もうピロートークも何もあったものじゃなくすぐ寝てしまわれたけど。
朝になってやっぱり先生は起きられなくて。
風呂に湯を張ってから寝ている先生を眺める。
いくつキスマークをつけたのか朝日の中確認しているうちにまたしたくなった。
綺麗な体だなぁ…。
「あ、ダメ…朝なのに…」
「だって綺麗だ。したくなるほどに」
流石に昨日のようにガツガツとはせず優しく丁寧に愛して。
一息ついてから風呂に入った。先生をまず洗って浴槽に入れてから自分を洗う。
「あら。だめじゃないの。こんなに。どうするのよ~」
キスマークつけすぎてて怒られた。
「どうせ八重子先生の前くらいしか着替えないでしょうが」
「だけど困るわよ」
「本当は縄の痕とか、そういうのつけたいんですけどねえ…」
笑って言ってやると赤くなってる。
「可愛いなぁ。好きだよ」
「からかわないで」
「からかってないさ、好きだよ。絹」
身を乗り出してキスをする。
「のぼせそう…」
「そりゃいけない。先に出てて」
慌てて立とうとして立ちくらみしたようだ。
俺の肩に体重を乗せて頭も俺に預けてる。
暫くして息が漏れた。
「ん、もう大丈夫、と思うわ」
「そのまま」
体を拭いてあげて抱き上げてベッドに下ろし、毛布を掛け、膝下に枕を入れる。
「大げさね…」
頭と足首を常温の水で絞ったタオルで冷やした。
「疲れてるところに長湯させた俺が悪いね、ごめん」
常温で台所に隠してあったポカリを飲ませつつ様子を見る。
顔色も見ているうちに良くなってきたようだ。
自分から這い出して俺の膝に座り、もたれかかってくる。
「横になってるほうが良いよ。ほら」
一緒に添い寝のようにしてあげると嬉しそうだ。
「あ、こら。ダメでしょ。何で俺のを触るんですかね」
乳を揉むなと言うに。
くすくす笑いながら触っている。
と、先生の腹がなった。
「おなかすいた?」
「そうみたい」
「喫茶店行きますか? それとも帰る?」
「どうせ帰ってもご飯炊きなおさないとないわよ」
「んじゃ着替えますかね」
先生の身支度の間に八重子先生に喫茶店寄って帰る旨を連絡した。

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491

夕方になって起きて夕飯の支度をする。
ご飯が炊けた頃先生も起きてきた。
トイレへ行って椅子に座り、ぼんやりしている。
「おなかすいた…」
まだ半分寝てるな?
「もうすぐ出来ますよ」
「うん…」
最後のおかずが出来たので先生の前に並べた。
ご飯をよそい、お味噌汁を掬う。
お箸と共に食卓に並べたらやっとぼんやりとした目がしゃっきりしてきた。
「あ、おいしそう。いただきます」
「どうぞ」
でもまだちゃんとは起きてないようだ。
こりゃ多分飯食い終わったらまた寝るなぁ。
先に食い終わって酒を持って飲む。
「少しちょうだい」
お猪口を出して注いでやるとおいしそうに飲む。
綺麗に食べ終えてあくび一つ。
「もう一度寝たら?」
「ん、食べてすぐ寝たら牛になっちゃう…」
「じゃさ、俺の膝で寝ない程度に横になるのはどう?」
「そうしてくれる?」
「もう少し飲んでて。これちょっと片付けるから」
「はーい」
食べたお皿をシンクにつけおきにしてトイレに行き、床に長座布団を敷く。
ハーフケットを用意して先生を手招きした。
くいっと残った酒を煽って俺の膝枕で転がりハーフケットを自力で被ろうとして。
うまく被れてなくて腹を立てている。可愛い。
一旦頭を下ろしてちゃんと掛けてやり、それから膝に乗せた。
小一時間ほどテレビを眺めて本気で眠くなったようだ。
先生は起きてトイレに行きベッドに潜った。
俺は台所の片付け。
それから俺も寝る用意をして横にもぐりこんだ。
「おやすみなさい」
「はい、おやすみ」
もはや寝息に近いような、微かな声。
背中をなでて寝かせ、俺も寝た。
翌朝、先生がよく寝ているのを尻目に出勤し、休み明けの暇に耐えつつ。
会社の事務員がイルミネーションがどうとか言っているのを小耳に挟んだ。
どうやら女性はそういうものを好むようだ。
神戸のルミナリエやロームは知ってたが、こっち来てからというもの。
気づいたらなんか光ってるなとしか思ってなかったからなぁ。
先生が生理終わったら連れて行ってみようかな。
喜ぶのかどうかはわからないが。
あ、いやでも畠山、明日連れてくと喜ぶか?
帰ったら聞いてみようかな。
流石に帰ったら起きてるとは思うが…。
客からじゃこの良いのを買いに行くと聞いて俺の分も頼み、ついでに唐辛子も頼んだ。
気が向いたら炊こう。
仕事が終わりの時間に近づいて客が帰ってきたのでお金を返す。
鯛を1枚と伊勢えびの弱いのを買って帰った。
「ただいま」
あれ、反応がない。
風呂場で物音がする。着替えがてら覗けば体を洗ってるところだった。
「お帰りなさい。お昼まだなの。ごめんなさいね、さっき起きたのよ」
「ああ、どこか食べに出ようか? それとも鯛があるけど食べる?」
「お野菜ないんでしょ? 遅くなって良いなら外で良いわ」
「はいはい。何食べたいかな」
「パスタがいいわねえ」
「了解。ところで」
「なに?」
「背中洗ってあげようか?」
「…Hなことしそうだからいらないわよ」
バレたか。
寒いから閉めてって言われた。
苦笑して扉を閉め、手を洗って着替えているとざぶん、ざぶっと浴室内から水音がする。
うーん。うっすら見えるからエロい。気がする。
しちゃいけないと思ってるから余計だな。
風呂場から離れてリビングに行き、寝転ぶと眠くなってしまった。
腹減ったなぁ。
ぼんやりしてると先生が風呂から上がり浴衣を着て出てきた。
ふぅっと息をついてる。
「風呂疲れしたんたらなんか買って来て作るけど」
「ううん、食べに行きたいの。おなかすいてるわよね。ごめんね」
「いや、ゆっくりしてくれたらいいよ」
気にしてるようなので俺も風呂入ってくる、と時間を作ってあげた。
体も頭もざっと洗って上がれば丁度髪を乾かし終えたところだ。
俺が頭を拭いている間に外出の支度を整えている。
「ん、なに着よう…」
「近所の店だから普段着で良いよ」
「じゃこれにしようかしら」
「うんそれで」
「あなたも着物着る?」
「どっちでもいいよ」
「んー…これ着て欲しいわね」
「はいはい」
タオルドライを済ませ、肌襦袢や長襦袢を身に纏う。
着物を着て帯締めて。
先生も着替え終えたようだ。
トイレに行ったら羽織を着て二人で外出。
お店へ入ってメニューを眺める。
先生は栗と鮭とキノコのクリーム、俺は鮭とカボチャと小松菜のチーズパスタ。
うまいなぁ、こってり系だけど野菜も入ってて。
おいしく頂いて帰り道は晩御飯の買出しを。
鯛と伊勢えびがあるというとあとは煮物を作る気になったようだ。
「あ、でも青いものも欲しいわね、何しよう…」
「春菊とほうれん草でゴマ和えにしましょうか」
「あらいいわね、じゃそれと人参と」
色々選んで買い、牛肉も少々買う。
春菊少々と炒めるつもりだ。
お買物を済ませてコンビニに立ち寄り、プリンを買った。
好きだよなぁ、甘いもの。
帰ったらちょっと疲れたようだ。
添い寝をしたくなって着替えて一緒に布団へ潜る。
俺の胸にくっついてきてほんの少しの時間で寝息が聞こえる。可愛い。
んー、良い匂い。
柔らかいし。
女の人だよねー。
とか思ってたらなんか噛まれてるし。
痛いけどまだ甘噛だな、これは。
俺も少し寝て、今度は先に先生が起きた。
揺り起こされて食事の支度をする。
というのもギシギシいってる伊勢えびは流石に先生には調理できなかったようだ。
献立どおりに食事を作って先生と二人で食べる。
煮物はちゃんと先生の味でおいしい。
「あ、そうだ。明日。畠山行きませんか」
「ん?何かあるの?」
タブレットを出してみせる。
「ほら、ここ。11時からミニトークって」
気が乗らなさそう。
「明日も一日寝てるほうが良いかな」
「うん、悪いけどそうさせて頂戴」
「じゃ明日、夕方になったら送りましょう」
「一人で帰れるわよ。夜じゃないから危なくもないし」
「俺が、あなたと一緒にいたいんですよ。俺が」
くす、と先生が笑う。
「次の日も会えるじゃないの」
会えるけどさ。
夕飯を終えて洗い物をしてそれから先生を引き寄せ抱き締めながら時を過ごした。
キスだけに止めるのは中々辛いものがあるけれど。
水曜は休みと言うことで朝寝を楽しみ、でもまだ先生のアレは終ってないので何もせず。
夕方になっておうちまで送り届けた。
上がらずに別れ、帰宅する。
土曜にはあちらの部屋に連れて行こう。うまく言いくるめて。
明日我慢できるのかな、俺。
寝るに寝られずジャコと唐辛子を炊き、布団に入って溜息一つ落として寝た。
翌朝仕事が終った後タッパーを二重にして提げて先生のお宅へ行く。
お稽古の後、夕飯に出してもらった。
やっぱりうまいよなぁ。
自分で作っといてなんだけど。
先生の食べてるのを見ているうちむらむらと来てしまった。
困ったな…どうしよう。今日は絶対させてくれない筈。
とりあえず食べ終わって洗い物を律君がしてくれることになり、団欒。
ダメだ、触れたい。
八重子先生がトイレに立った。
思わず先生を脱がしにかかってしまい、抵抗にあうものの。
止まれなくて肌襦袢までも脱がせた。
「静かに」
無理に伏せさせて背中を触る。
気持ち良い肌だなぁ、と思いつつ背中を揉む。
「何してるんだい、こんなところで」
「え、いやぁ。なんとなくマッサージしたくなっちゃいまして」
戻ってきちゃったよ、八重子先生。
「部屋でしなさい、部屋で」
「寒いじゃないですか」
マッサージとわかって先生は力を抜いてきている。
「この子ったら急に脱がすのよ。びっくりしちゃったわよ。あ、もうちょっと右」
「はいはい」
「そこくすぐったいわ」
「まったく…」
八重子先生が呆れてる。
十分肌の感触を楽しみ先生も緩々にしたので着せようとしたが風呂に入るとの事。
かといってそのまま風呂場まで行くわけじゃなく寝巻きをさっと着て行かれた。
慎み深くしとやかな人だ。
俺なら下帯一つで行って怒られるところだ。
脱がせて散らかした着物や帯を片付ける。
「さて、じゃそろそろ帰ります」
「そうだね、もう良い時間だわ。気をつけて帰んなさいよ」
「はい、お邪魔しました。それじゃまた明後日に」
それなりに満足して帰宅する。
先生の焦ってる顔とか好きなんだよね。
でも土曜日はちゃんと抱かせてもらおう。
少しの期待と殆どの諦めを感じつつ就寝した。

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490

着替えてトイレに行って戻ってきた、と思ったら生理になったという。
「嘘ついてんじゃねえだろうな」
「そんな…」
「見せてみろ」
困り顔をしつつも足を開く。
指を這わせると多少のしるし。
「これくらい問題ない。汚さないようにしてやるから来いよ」
いやいやをする。
「おい、いい加減にしろよ。縛っちまうぞ。鞭を使われたいか?」
あ、泣いた。
「泣いたら良いと思ってるのか」
声を上げて泣き始めた。胸を叩いてくる。
その手をねじ上げて床に敷伏せた。
「動くなよ。怪我したくなかったらな」
いやいやと泣く先生の耳元でたっぷり犯してやると言うと更に泣いた。
「痛いことされたくなかったらいつものようにベッドに行けよ。
 優しくしてやっても良いんだぜ」
少し迷ったような気配がした後、ベッドに行くと返事があった。
手を離してやって防水シーツをセッティングする。
それから裸になった先生を引き込んだ。
体が冷えてる。
布団をかぶらせて暫く抱いてゆっくりと冷えている部分を撫で擦る。
涙目で震えていて。
俺を怖がっているのがわかる。
体が温まってきた頃、俺も諦めがついた。
「絹」
「は。はい…」
「トイレ行って始末しておいで。寝ていい」
「え?」
「すまなかった。嫌なこと言ったね。ほら寝巻き着て」
「あ、はい」
そろそろと布団から這い出して寝巻きを着てトイレに行った。
その間に防水シーツを外し、毛布を入れた。
先生が戻ってきて布団に入れる。
「さ、寝な。飯は腹が減ってからにしたら良い」
「あの」
「何か食いたいものあるかな。買物行くけど」
「良い、の? しなくて」
抱き締めると震えた。
「怖かったろ。ごめん。落ち着いたからもう俺は」
「その…ごめんなさい」
「だから。もう怖がらないで寝てくれたら良い」
そっとキスし、頭をなでた。
少しずつ先生の震えがおさまって長い息一つ。
「レバニラ食える?」
「え?」
「鉄分。レバーが良いって言うから」
「あ、うん、嫌いじゃないわ」
「じゃ、晩飯はそれと小松菜の胡麻和えとかどうだろう」
「でも…久さんレバー嫌いよね」
「俺は俺でなんか作るから」
「だったら、ん、それで」
「OK、決まりだね。眠くないかもしれないけど寝てて」
なんとなくうやむやにして寝かせ、買物に出た。
自分で自分がバカらしい。
頭痛を感じつつ買物をしていると先生からメール。
プリンね、はいはい。
買って戻ると先生は寝息を立てていた。
昨日の疲れと、生理の眠気だろう。
しかしあんな脅され方して、良くその部屋でのんきに寝息を立てられるものだ。
苦笑して下拵えをし、先生の横に潜り込む。
少し寝た。

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489

寒い中の一週間が始まり、火曜は先生のお宅でいつものように抱いて。
眠くなってきた頃。
「あ、そうだわ。日曜朝から出かけるのよ。久さんは土曜日帰る?」
「んん?」
「ほら、出来ないのに一緒の布団は嫌とか言ってたでしょ」
「言ってたけど…おでかけかぁ。お友達?」
「そう、お茶の。でどうするの?」
「どうしようかな。考えておく。今すぐ決めろってことじゃないよね」
「土曜までに決めてね」
「OK、じゃ今日は寝ましょう」
軽いキスをして寝かしつける。
木曜の朝、会社から指令があった。丁度良い。
八重子先生に電話して土曜の稽古を休む理由を告げてから稽古場へ行った。
いつものようにお稽古を済ませ、夕飯を頂く。
土曜に来ない旨を告げたら先生は少し嫌な顔をした。
「すいません。ちょっと用がありまして」
「しょうがないわねぇ…」
「まぁまぁ、仕事だって言うんだから仕方ないじゃない」
八重子先生のとりなしもあり、何とか機嫌を直していただいて帰宅した。
忙しき連休前の仕事をこなし土曜の仕事を終えて帰宅する。
昼寝をして夕方、料亭へ。
業者会だ。
「あら、お久しぶり」
「姐さん。お元気そうですね」
宗直さんだ。
「今日はお稽古日だったんじゃないの?」
「やーぁたまには休んでみました」
「不真面目ねー」
稽古の進捗具合を喋って飲んで。男共は若い芸者とはしゃいでる。
今日の参加者で女は俺一人だ。
いつものばあちゃんも今日は息子が代わりに来ている。
話し相手不在になるところだったから宗直さんがいて助かった。
先生から夕飯写真のメールが来た。
姐さんに見られて少し気恥ずかしい。
暫く騒いで業者会がお開きになり三々五々帰宅する。
久しぶりにしっかり飲んだ。
帰りにつまみと明日の朝の分を買って。
ストーブをつけて少し飲み直してから布団に入った。
布団が冷たくて、何でここに先生がいないのかと思う。
少し腹を立てつつも寝た。
翌朝早く、先生から遊びに出た旨メールがある。
折角の連休なのに俺は一人か。
苛立ちのあまり部屋を掃除した。
熱が入ってしまい、昼飯も食わず気づけば外が暗い。
外に食べに出ることにし、着替えて近くの居酒屋へ行く。
ガッツリ食って飲んで憂さを晴らす。
いい加減帰ろう、と思ったのは11時半を過ぎていた。
家に帰ると鍵が開いていて、草履がある。
あぁ、また家に帰らずこっち来ちゃったのか…。
和室を覗けば着物が脱ぎ捨ててあり、ベッドを覗くと寝巻姿で布団に潜り込んでいる。
苦笑して和室の着物を衣桁に掛け、肌襦袢を洗濯籠に入れた。
それからシャワーを浴びて先生の横に潜り込む。
いつもと違いお酒の匂いや化粧の匂いがする。
男の匂いがしないだけマシか。
寝てるの起こすと機嫌が悪くなるのはわかっているがやりたくなって。
熟睡してるから反応は薄い。
途中で目が覚めたようで怒ってる。
それでも構わずに反抗できなくし抱いた。
先生は終った後不満そうに背を向けて寝てしまった。
むかついたので明日いじめてやろう…。
翌朝、9時を過ぎた頃目が覚めた。
先生もまだ寝ている。
腹減った…。
冷蔵庫の中、なんもないんだよな。
ガサガサと冷凍庫を掘り返していると先生が起きた。
「おはよう」
「おはよ、もう早くはないけどね」
「おなかすいたの?」
「なんかないかと思ったけどなんもなかった。買物行くけどどうする」
「そうねぇ、ちょっと待てる? 待てるなら喫茶店行きましょ」
「待ってる。着替えてきて」
先に洗面所を使わせて先生と交代で洗面所を使う。
俺の着替えはすぐ終わるしね。
着替えている先生を見るとむらむら来るが朝からは叱られるしそれより腹が減った。
先生が普段着に着替えて俺も着替え終えて、煙草と財布と携帯だけを身につけた。
トイレだけ行って、外に出る。
先生が俺にくっついてくる。
「寒いわねぇ」
「うん」
近所の喫茶店に入ると暖房が効いてて自然と先生が離れる。
席に着いて先生はホットケーキを頼んだ。
「好きですねえ」
「あんたこそ」
ま、俺もまたカレーを頼んでしまったわけだが。
「昨日、何時帰ってきたの?」
「11時半過ぎてたかな。帰ったら鍵開いてるし草履はあるし。
 着物も脱ぎ散らかしてあったよ。どんだけ飲んだんだって思った」
「あら。そうだった? ごめんなさい、記憶がないのよね」
「これで男の匂いでもしたら問い詰めようかと」
「ばか、女の人よ。昨日会ってたの」
「でも飲みにいったんでしょ? そこで何かあったら。記憶ないんでしょう?」
「…記憶はないけどそんなことするような女だと思ってるのかしら」
「あなたからしなくても男からする奴がいてもおかしくない」
「あなたみたいに?」
食事がきたので話は一時中断。
「本当にあなた嫉妬深いわよね」
食べつつ深い溜息をつかれてしまった。
良い女だから取られそうで怖いとも言えず、苦笑をこぼすしかなかった。
食べ終わって夕飯の買出しをしたいというが、させず。
鮨を取る宣言をした。
そのあたりでやっとこれから何をされるのかわかったようだ。
ちょっと引いてる。
「あの、明日お稽古よ? わかってくれてるわよね?」
「ええそうですね。八重子先生にお願いしてあげましょう」
「ちょっと、ねぇだめよ」
「なぁ、俺はあんたのなんなのさ。たまには良いだろ」
先生はうっと詰る。
「でも…」
「なんだよ」
暫く困った顔をしてついに折れた。
俺は八重子先生にお願いの電話をした。
簡単に了承を取り付け、先生に着替えてくるように言った。

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