食後部屋に戻って脱がせる。
「綺麗だ…」
「そんなにまじまじと見ないで。恥ずかしいわよ」
「可愛いな…」
何度しても、ちゃんと脱いだときは胸と股間を手で隠すんだよな。
丸みを帯びた肩に手をやって唇に軽くキス。
首に、鎖骨に、とキスを落としていくと私のシャツを握り締めて息を荒くする。
胸元、乳房、乳首、お腹、おへそと下げていくとお布団に、と言われた。
押し倒して再度唇にキスし、耳元で囁く。
「好きです」
「ねぇ、一度でいいの、名前で呼んで…」
「……絹、愛してる」
「嬉しい…久さん」
先生から深いキス。うぉう。
最近甘えてくれることがあってすっごく嬉しい。
嬉しくてつい優しいえっちをしてしまう。酷いこともしたいのに。
熱中して愛していたらアラーム。
え、もう9時!
「先生、帰る用意しなきゃ!身づくろいして帰らなきゃ今日中に着けませんよ!」
「いやよ、帰りたくないわ。もっとあなたと一緒に居たいの」
「だけど今日帰らないと」
「明日は別にお稽古じゃないもの、帰さないで」
「いいんですか?」
「いいの。それとも山沢さんあなた私を帰して何かするつもり?」
「ちょ、なんでそっちに話が行くんですよ、もう」
「女の人呼ぶの?」
「なんで好きな女抱いてんのに帰して、他の女呼ぶんですか」
「だって帰したそうだもの」
「本当は帰したくはないですよ。もっとあなたとしたいんですから」
口を封じるためにキス。
「なんであなたそんなに俺が浮気してるって思うんです?」
「女の人の扱い上手でしょ…だからそういうの、慣れてそうだもの」
「慣れてなんかいません。エッチのほうは手探りですしねえ。
ほら。最初の頃。あのころはあなたのいいところがわからなくて結構大変でしたよ」
「えぇ?あら、そうだったの?翻弄されてたわよ?」
「今だから言いますが一杯計画練って手順確認してましたからね」
「イメトレ? そんなことしてたの? なんだか可愛いわねぇ」
「そんなことしないとあなたともこういう関係になれなかっった。
あなたが好きで、手に入れたかった」
「過去形?」
「ええ、今はほら、あなたは私の腕の中だ。逃げないで下さいよ。愛してます」
「逃げたりなんてしないわ…久さんも私だけ見て。他の女の人なんて見ないでね」
「…うーん」
「なんでそこで即答しないのよ」
「いや八重子先生とか生徒さんを見ないというのは現実として難しいなと」
「もうっ!そういうことじゃないでしょっ。性的な目で見ないで!」
「ああ、それなら守れます、良かった」
「お母さん見ないでなんてお稽古にもならないじゃない。
もう、笑えて来ちゃったじゃないのよぅ~」
「あなただけだよ、絹」
引き寄せて耳元で囁くと笑いが止まって少し震えたようだ。