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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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527

ふと目が覚めると久さんは隣にいなくて、もうお仕事行っちゃったのね、と寂しくなる。
気だるい。
昨日は久しぶりに久さんが本気で求めてきた。
もう無理、と何度繰り返したかわからない。
こほっ、と一つ咳。
枕元のお茶を飲んで寝返りを打つ。
私が起きるのはお昼になってもかまわない、あの人はそういう人。
安心して二度寝をする。
きっと起きたら久さんが横にいる。
首輪が目に入った。
手にとって眺めるとなかなか手の込んだものだった。
パチン、と音がしたのは磁石でくっつくのね。
縫い目は、これは手縫いね。端も綺麗に始末してある。
ちゃんとした職人さんに作ってもらったのかしら。
少し恥ずかしいけれど何かうれしい。
触っているうちにいつしか寝てしまって夢を見た。
久さんに職人さんのところへ連れて行ってもらう夢。
首にメジャーを当てられる。
布地を選ぶ。
そんな夢だった。
次に目が覚めると久さんは横に座って私の髪をなでている。
「おはよう。よく眠れた?」
手に首輪を握り締めたまま寝ていたことに気づく。
これじゃまるでして欲しいみたいであわてて隠した。
「トイレ連れて行こうか?」
そういわれると尿意を感じてうなづく。
軽々と久さんは私を抱き上げる。
あ、裸。
ちょっと恥ずかしい。
トイレの便座におろされて、久さんは楽しげに私がするのを見る。
これはちょっとじゃなく恥ずかしくて好きじゃないのに、久さんは好きみたい。
たまにしている最中にキスしてくるのはやめて欲しい。
大きいほうの時だけはがんばって追い出すのだけど。
始末をしたらまた抱き上げられて布団へ連れて行かれた。
寝巻を着せてもらってもう一度寝るか聞かれる。
まだ眠気はあるけれど空腹感が強い。
お鮨を取ってくれるという。
いつものところ。あそこはおいしくて好き。
届くまで、と久さんが言って私をなぶる。
せつなくて、気持ち良いけれど人が来る前にというのは恥ずかしくて落ち着かない。
でもきっと久さんはここしばらくずっとしてないから、私を欲しているのだと思うから。
快感だけを追いたくなってこのまま、と思いそうになる。
私のもので汚れた指をなめさせられて口の中もなぶられた。
久さんはひどい人…。
余韻に浸っているとピンポンがなり、久さんが出て行く。
きっとお鮨がきたのね。

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526

翌朝、出勤しようとしたら先生が目を覚ました。
「もうそんな時間?」
眠そうにしつつも見送ってくれた。
かなり久しぶりかもしれない、これは。レアだ。
ということでやる気が出て仕事も好調だ。
GW明けではあるのでそんなに売れないが。
先生にイセエビ食いたいかと聞く。それよりは白身の魚、というので目板鰈をチョイス。
お造りにして盛り付けて持って帰った。
「ただいま」
「おかえりなさい。何もって帰ってきたの?」
皿を渡して着替える。
「あらお刺身、おいしそうね。何のお魚?」
「メイタですよ、こっちでは煮付けにするんでしたっけ?」
「あれをお刺身にしたの? おいしい?」
「うまいですよ、保証します」
後は何かいろいろ作ってくれていた。
「買い物いったんだ?」
「だって冷蔵庫、何にも入ってないんだもの。ほら、座って? もうできるから」
「はーい」
食卓の上も片付いていて、洗ってある布巾が置いてある。
やっぱり先生は完璧だなぁ。
お味噌汁におひたし、お漬物、メイタ、それと俺には肉の味噌炒め。
「足りるかしら」
「少し多いかも知れないな、最近そんなに食べてなかったから」
「あら、そうだったの?」
「急ぐから適当に軽く食うようになっちゃって」
「だめよ、ちゃんと食べないと」
そうだよな、と返してご飯を食べる。
「うん、やっぱり先生の味付けはうまいなー」
「そうね、朝ごはんくらいしか作らなかったから」
うまくて飯がすすむ。
「ご飯とお味噌汁、おかわりいらない?」
「あ、欲しいな」
にこっと微笑みつつよそってくれた。
いちいち台所に立つの面倒だろうにそんなことは毛ほども見せない。
お変わりしたのも食べつくして、おかずもなくなった。ご馳走様。満腹満腹。
「お粗末さま」
洗い物は引き受けた。
先生は広告を見ている。何か良いもの載ってるのかな。
「ねぇ、久さん? 三越だめかしら」
「良いですよ、行きましょう」
水を切って手を拭いて、それじゃ着替えるか、と声をかけた。
俺も部屋着だが先生もだから銀座へ出るのにはちょっとそぐわない。
先生が着替えを済まして顔を直すのと、俺が着替えるのが同じくらいの時間。
着慣れてる差が出る。
トイレに行ったらお出かけだ。
久々に先生が綺麗に装っているのを見た。
普段は化粧も薄くしかしないし着物だってお稽古着か普段着だからね。
「なぁに?」
「綺麗だな、って思ったんだよ」
「あら嬉しいわ」
三越へ着いて先生は早速にも呉服売場へ。
単の着物、夏の着物。
その中の一反に目を止めた。
「これどうかな」
「あら、良いわね。涼しそう」
「惜しむらくは正絹だ。お稽古に使えないけど」
「うーん、でも良いわぁ
 帯をこういうのにしたらどうかしら、こういうときに着るのには良いんじゃない?」
「あ、そりゃいいですね」
店員さんが寄ってきたのでもう3本、帯を持ってきてもらった。
並べてためつすがめつ。
やはり最初のものがよさそうだ。
「仕立てはどうなさいます?」
「あ、そのままで結構です」
「すざきに頼むんですか?」
「そう。あそこもほら、大変だったでしょ、だからちょっとでもと思うのよね」
後は足袋を二足買い、それからミセスのファッションフロア。
めったに着なくても見るのは好き、というのはわからなくもない。
ストールの感じの良いのを見つけたようだが値札を見て戻した。
「買ってあげるから戻さなくて良いよ」
「だって悪いわ」
「俺の金で好きな女が綺麗に装う、そういうの良いじゃないですか」
あ、耳赤くなってる。
「さらっとそういうこと言うわよね、あなたって…」
ふふっと笑って買ってあげた。
ストールは着物でも洋服でも使えるからコスパ高いんだよね。
よく見ると米沢織。なるほど高いわけだ。
後は夕飯になりそうなものを地下で買って先生の明日の朝飯分も確保する。
帰宅。
お茶を先生が入れてくれてなんとなく落ち着いた。
「あぁ楽しかった。久しぶりだわ」
「心の余裕ですね」
まぁこの後その余裕はなくなるだろうけど。
くつろいでいる先生に着替えてくるように言い、支度をする。
久々でもあるし、そんなに飛ばしては大変だから今日の所は軽めに気持ちよくしてやろう。
ペニバンはどうするか。
とりあえず使えるようにだけしておくか。
無理そうなら入れなくても別に良いわけだし。
あ、シャワーの音。
別に入らなくても良いのに。
まぁいいか。俺も脱いで入ってやろう。
風呂場の戸を開けると先生が驚いている。
うーん、良い体だ。
背中から抱きしめる。
首筋にキスを落としてあちこちに手を這わせた。
「だめ、こんなとこで…」
「たまにはいいだろ?」
乳首をつまみ転がし、もう片方の手を股間に這わせる。
敏感なところに触れると身じろぎするがシャワーの音であえぎ声は聞こえない。
「声を出して」
「やだ、恥ずかしいもの…」
啼かせたくなり、少しきついが先生の片足をかかえた。
「あっ、こんな格好、だめ、ねぇっ」
浴室の鏡になぶられる股間が映って顔を背けている。
黒々とした毛の中に俺の指が埋まってうごめいて。なんとも淫靡だ。
先生は俺の腕をつかみ指が動くたび呻く。
俺が男ならこのまま突っ込んでしまうんだが。
そうも行かないので一度逝かせ、ぐったりした先生を風呂場から回収した。
「もうっだめって言ってるのに」
「だめ? 今日はだめは通用しないよ」
にっこり笑ってやる。
「絹、首輪。出来てるからね」
「えっちょっと、い、いらないわよ」
「ほら、これ」
渡してやると顔を赤らめて俺と首輪を何度か見る。
手から取り上げて環を外し、先生の首にあてがった。
パチン、と音を立てて首輪が締まる。
「サイズ、ちょうどだね」
「外して…、おねがい」
「鏡見てごらん、似合ってるよ」
鏡を見せると震えている。
ふと女のにおいがして先生の股間に手を這わした。
「随分濡れてるじゃないか。気に入った?」
首を横に振ってさらに外してと訴えてくる。
いやなら自分で外せばすむんだけどね。
俺は鏡越しのプレイが好きだからそのまま背後から弄ることにした。
さすがに首輪の視覚効果は抜群だ。
俺が興奮してしまい少し荒くなってしまったが先生とて被虐心を揺さぶられたようだ。
声も大きくなり、俺の荒さにもよく応えてくれている。
「もうだめ…」
かすかに聞こえた頃、手を止めた。
気づけば暗い。
電気をつけると先生のあちこちに擦れた痕が残る。
キスマークも。
首輪を外してやると首にもこすれた痕。
あわてて軟膏を塗りこむ。
先生はぼうっとしてされるがままだ。
うーん。
明日以降しばらくはコンシーラーか何かでごまかすか。
苦しくないよう少し余裕を持たせたのが仇になったかな。
ホットタオルを作って体を拭いてやると気持ちよさそうだ。
足の指の間まで拭いていると先生の腹が鳴った。
「おなかすいた…」
「飯にしますか」
「うん、でも起きれないわ」
布団の上で食べられるようセッティングをしてお盆に載せて出した。
一口ずつ口に運んでやる。
「おいし…」
今日は弁当ではなく惣菜を買ったので先生は俺の分を残そうとしている。
「好きなものは全部食べたら良いよ。俺は残ってるの食うから」
「でも…」
「品数多目に買ってるし、俺が嫌いなものは買ってないよ」
「そう? じゃ遠慮なく」
嬉しそうに食べてる姿を見るのも楽しい。
暫くしてもうおなかいっぱい、というので下げて寝かせる。
「太っちゃう…」
そう言いながら、うとうととしている。
気持ちよさそうな、幸せそうな顔して。
sex中の気持ちよさとは違った気持ちよさなのだろう。
先生が寝付いたのを確認した後、俺も食べて片付けた。
寝室のあれやこれやも片付けて先生の横に潜り込む。
規則正しい寝息に誘われてあっという間に寝た。

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525

夜中、一度八重子先生がトイレに起きたのに付き添う。
翌朝からは無理をせず、ゆっくりと家になれることを重点においてくださった。
GWの三日を過ごして退院はできそうだ、と先生との意見は合致した。
明日、律君付き添いで病院に戻ってお医者様と退院日を決められるそうだ。
ひして先生のお稽古お休みの三日間は先生がうちへ来てくださる。
俺が帰って掃除をする暇はない。
というか掃除をするために来てくださるそうだ。申し訳ない。
翌朝、律君が二人を乗せて病院へ行った後、掃除をして、律君のお昼を用意して置いた。
先生達が戻ってきたのでその足で俺の車に乗せて帰宅する。
「何か久しぶりねぇ、あなたの家に行くのも」
「そうですねえ」
連れて帰って第一声は「汚なっ」だった。
本気で呆れられて、あきらめた顔で指示をくれる。
もうここまで放置してるとどう掃除して良いか自分ではよくわからんのだよね。
雑然とした部屋が先生の指示に従っているうちにだんだん綺麗になる。
不思議な気分。
整頓も先生が言うようにするとちゃんと収まる。
終わったころはもう日が落ちていて、先生はお疲れである。
「とりあえず銭湯行きましょうか」
「あぁお風呂、洗ってないわね、まだ」
着替えと風呂セットを持って先生と近所の風呂屋へ。
「銭湯って久しぶりねえ」
「久しぶり続きですね」
「あら」
もちろん女湯に入る。番台が一瞬変な顔をした。
俺はたまに仕事帰りに入るから気づいたようだが。
この時間帯、女湯はほぼ無人ゆえ気兼ねなく先生が脱いでいるのを眺めつつ。
汚れを落としてすっきりして、先生の髪を乾かし涼んでから着替えた。
それから飯を食いに出る。
先生のご希望でスパゲティ。
豆乳を使った和風のスープスパに先生は舌鼓を打ち、俺はカレーのスパを食う、
こっちをみてお子様ね、と笑った。
「お子様じゃない所、うち帰ったら見せてあげましょうね」
にやっと笑うと恥ずかしそうにしている。
可愛いね、簡単に墓穴掘っちゃう。
そんなつもりじゃなかったのに、という感がありありと出ている。
先生のスパは半分ほど食べた後ゆず皮のおろした物をかけるようだ。
多分うまいんだろうなぁと思う。
見ていたらスープをすくって俺にくれた。
「あ、うまいな、これ」
「でしょ? あなたもたまには頼んでみたら良いのに」
「でもカレー好きなんだよ」
くすくす笑ってるのも可愛いなぁ。
食べ終えてアイスレモンティと温かいほうじ茶。
「さてと、帰って寝ましょうか」
「あ…はい…」
会計を済ませて手をつないで帰宅した。
さて寝る前に布団を取り入れてシーツをかけねば。
先生がくつろいでる間にそれらを済ませた。
では、と。
「おなかこなれた?」
「ちょっと待って」
トイレに行った。我慢してたのか?
着替えてベッドで待ってると先生が鍵を確かめ、リビングの電気を消して戻ってきた。
そっと浴衣の帯を解く。
「待った、今日はやらないつもりだから」
「えっやだ、恥ずかしい…」
あわてて直して布団にもぐりこんできた。
「だってあなた今日は疲れているでしょう?」
「いいの?」
「良いんだよ、ほら、早いけど寝ましょう」
背中をなでているうちに先生の体が温かくなりあくびが出た。
「おやすみなさい」
「おやすみ」

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524

翌日。
仕事の後、先生のお宅で稽古が終わるまで家事をしていると斐さんが来た。
「おじゃまするわよ、あら、お稽古中?」
「こんにちは、どうされたんですか?」
「あぁ山沢さん。お母さんのことでね、一時退院」
「うーん、今日は私じゃお稽古変われないんで…お待ちいただけますか」
「夕飯は作ってきたから大丈夫よ」
「なんなら一緒に食べて行かれます?」
「あら、いいの?」
「先生も大勢がいいってよく言ってらっしゃいますし」
「じゃ遠慮なく」
「とりあえずお茶かコーヒーかどっちがいいですか?」
「コーヒーいただこうかしら」
「渋目かあっさり目かどちらがお好きでしたっけ」
「あっさりがいいかしらね」
「はーい」
戻ると斐さんがご自宅に電話されている。
軽いお菓子とコーヒーをお出しして、それから食事の支度を開始した。
しばらくして斐さんが覗きに来る。
「何作ってるの、手伝うわ」
「豚と水菜の炊いたのですよ。手伝ってくださるならちょっと鍋見ててください」
冷凍庫から味噌漬けを出す。
困ったときのストックだ。
それと万願寺を買ってあったのをじゃこと炊くことにした。
メインはそれで良いだろう。
先生もあまり好きじゃなかった銘柄の酒を沢山入れる。
「そんないいお酒、お料理に使うの?」
「いや私も先生もこの酒好きじゃないので…料理に使う方が良いじゃないですか」
「でもいっぱい入れるのねえ」
「あ、下がっててください、燃やしますから」
「えっ、きゃっ」
さっと青い火が上がり、すぐに赤い火になった。
日本酒はそこまでアルコールが高くない。
「乱暴ねえ、沸騰させるだけでいいのに」
「あれ、そうなんですか? 昔からずっと火を入れてました」
「危ないじゃない」
「まぁそうですけど」
苦笑しつつ料理を続ける。
「意外と手際いいわねえ」
「はは、八重子先生に仕込まれました」
もともと自炊できないわけでもなかったし。
そろそろ支度が終わりそうになったころ、玄関の音。
生徒さんが帰られたようだ。
ご飯が炊けて、食卓を拭いて用意をしていると先生が戻ってきた。
「あら、姉さん。いつの間に来たの」
「もうちょっと前よ、お稽古の邪魔になるから待ってたの」
食卓に配膳する。
「あ、おいしそう」
「山沢さんって結構上手ねえ」
「そうでしょ、おいしいのよ。助かってるわ」
「まぁとにかく食べましょうか、おなかすいてるでしょう?」
「わかっちゃう?」
「わかっちゃいました。どうぞ」
「いただきます」
食事を始めてから先生が斐さんに何で来たのか聞き始めた。
「あぁそうそう、お母さんね、外泊でGWの間どうかしらって先生がおっしゃってるの」
「良いですね、丁度練習になる」
「そうする?」
そうしよう、ということで食事が終わった後、斐さんが帰って行った。
「ごめんなさいね、GW遊ぶって言ってたのに」
「いやぁそんなことより戻ってきてもらうほうが良いでしょう、俺とはいつでも遊べる」
「うん、そうね。じゃあ明日、お母さんのところ行くわね」
「はい」
お風呂に入る前に今日は抱くことにして、先生は翌朝風呂に入られた。
「んー、気持ち良いわ」
「今日も暑くなりそうですね」
「じゃ早めに行こうかしら」
「そうしましょう、用意してきますね」
先生の身支度が整ってから八重子先生の下へ。
3日間の外泊、という形で帰宅してもらうことになった。

GWに入る前の夜。
律君が八重子先生を連れ帰ってきた。
普段通りの生活ができるか、試しにということだ。
それだからいつもの部屋に玄関から歩いて上がることになった。
少し大変そうではあるが危なげ、というほどでもない。
ゆっくりと杖を使って歩き、部屋に入られた。
「やっぱり落ち着くねえ」
「でしょうね、あ、今日は俺、隣の部屋で寝ますから」
「そうしてくれるかい?」
「もちろんです、たぶん大丈夫でしょうけど。見た感じ」
「そりゃあリハビリ頑張ったもの」
「長かったですよねえ」
「嫌になったこともあったけどお手水も自由にいけないのはごめんだからねぇ」
「男の人はそうじゃないらしいですけどね」
とりあえずはいったん居間に戻っていつもの場所へ。
やっぱり収まりが良い。
先生が水屋の片づけから戻ってきた。
「どう? 大丈夫そう?」
心配そうに覗き込んでいる。
「まぁなんとかなるだろ」
「とりあえず、ご飯にしましょうか」
夕飯を食べてゆっくりして。
「そろそろお風呂、どうする?」
「明日のお昼に入るよ」
じゃあと律君と先生が入った。
「あんたは?」
「俺は明日、八重子先生と入ります」
「そうしてくれるの?」
当然だろう。
退院後初めて一人で風呂に入るときは怖いもんだ。
いつものように火の元と施錠を確かめて、八重子先生の隣の部屋に布団を敷く。
先生は八重子先生の部屋に布団を敷いたり寝かせたりしているようだ。
寝る前にトイレに行こうと思うとちょうど先生も出てきたところだった。
「あ、お布団敷いた? じゃ寝ましょ」
俺の部屋に向かおうとするから止めて先生は自分の部屋で寝るよう伝える。
「どうして?」
「俺、横の部屋で寝てますから。ほら、なんとなく心細かったりしません?」
「あら、そうね。じゃそうしてくれる?」
「はいはい、じゃおやすみなさい」
「おやすみなさい」
っと寝る前のキスはしておきたい。
腕をつかんで振り向かせてキスをして、ちょっと胸を揉んだ。
「こら」
こつん、と額を叩かれて笑って離してあげて別れた。

翌朝。
早くに目が覚め、一つのびをして八重子先生の部屋を伺う。
もう起きてらして着替えておられた。
「朝ご飯、作ろうかねえ」
「俺、作りますからいいですよ」
「じゃ見てるだけ」
先生も起き出してきて台所はいっぱいいっぱいだ。
「暑い…」
「二人とも居間に行っててくださいよ、暑い」
狭い台所に三人はさすがにきつい。
先生たちが居間に行って多少気分的にも涼しくなった。
朝飯をとった後、八重子先生がお稽古を、という。
電熱で、ということで用意して先生に俺のお稽古をつけてもらった。
八重子先生が入院してからあまり稽古ができてなかったからずいぶんと直される事に。
少しへこみはしたものの、仕方がない。
それに退院されたら多少先生にも余裕が出て、もっとお稽古つけてくださるはずだ。
何度もお稽古をつけてもらううちにおなかがすいてきた。
八重子先生が気づいたらいなくて台所からおいしそうなにおいがする。
「久さん、よそ見しない」
「はい、すいません」
「まぁでもお昼過ぎちゃったわね…」
気を取り直して点前を終えた。
八重子先生がお昼を食べなさいと呼びに来てお昼ご飯をいただく。
「あぁおいしいわぁ、久しぶりね、お母さんのご飯」
「うん、うまいですよねえ」
「久しぶりに台所に立ったけどやっぱり疲れるね」
「じゃ食べたら寝てください」
「そうさせてもらうよ」
食後、先生が八重子先生を寝かせに行って俺が茶室の片付けをした。
居間へ戻って買い物に行くことを告げる。
「んー、アイス買ってきてくれる?」
「辻利? バニラ?」
「バニラが良いわ」
「了解、行ってきます」
夕飯の献立に従い買い物をして、最後に近所のコンビニでアイスを買って戻った。
「ただいま」
「おかえり、アイスは?」
どうぞ、と渡して台所へ。
ゆったりと休みの開放感を楽しんだ後夕飯を作って八重子先生を呼んでもらい。食事。
それからお風呂。
八重子先生と入った。
できるだけ手は貸さず、見守る。
浴槽へは試行錯誤。
事故もなく風呂から出て居間でくつろぐ。
先生のあくびを契機に寝ることにした。

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長野さんの話である

カッターシャツに黒のスラックスを履いた、長野彰35歳。
最近お茶を習い始めて三ヶ月になる。
先生が美人で優しく、気に入ったのだ。

昔通っていた高校の茶道部に所属していたこともあり、
三ヶ月とは思えない早さで稽古が進んでいる。

先生がいい女だから熱心にもなると言うものだ。
そんな思いは毛ほどにも見せず、仕事の後に通っている。
週に3回。
普通の三倍の月謝を払っている事になる。
先生は熱心さを誉めているが実際は先生に会いたさに通っているといってもいい。

この三ヶ月で先生の家族構成や性格も随分わかってきた。
やはり貞淑な女性のようだ。

私より9歳年上。
まだ女盛りのうち。
色が白く肌目細やかな肌をしている。

稽古の合間に透き見しているうちに機会が訪れた。
他のお弟子さん方が都合で先に帰られた為、
先生と二人で後片付けをすることになったのだ。

指示に従いつつ、少しの雑談と共に片付ける。
「先生、色白いですね」
「そう? 一応色々気を使ってるもの。着物も結構紫外線通さないのよ」
「いや、二の腕とかふくらはぎとか、白いなぁって思って」
「どこ見てるのよ」
「いや失礼しました。でも白い人って乳首もピンクなんでしょうか」
「えっ、それは、その、知らないわよ」
「見せてくださいません?」
「ば、ばかね、そんなの出来るわけないでしょ」
「先生、唇もそんなに塗ってらっしゃらないでしょう、けど綺麗だ」
そっと指でなぞる。
先生の顔が赤くなった。
「知ってます?  あそこの色って唇と同じ色なんですって」
手を先生の太ももに這わす。
びくりとして私の手をつかんだ。
「だめ、やめて」
「見せるくらい良いでしょう?」
「だめよ、そんな。はしたないわ」
「じゃあ一緒に温泉でも行きましょうか。おごりますよ」
「もっとだめよ。そんなの」
抵抗しているがするりと帯紐をほどくとお太鼓が解けた。
先生は慌てているがうまく帯揚と枕の紐もほどくことができた。
「なにを・・・」
「わかりませんか?」
帯を完全にといて胸紐に手をかける。
さすがにすんなりとはほどけない。
「いい加減抵抗は諦めませんか? 無駄ですしね」
「・・・人を呼ぶわよ」
「今日、どなたもいないの知ってますよ。
 それにご近所にもここからじゃ聞こえない」
うっ、と息をつまらせている間に腰紐もほどけた。
着物の下には長襦袢。
「さぁてこの下には何を着てらっしゃるのかなぁ?」
今度は紐ではなく帯下〆だ。
タオルにこもる汗の臭い。
悪くはない。
逃げよう、逃げようと跳ねるからだを押さえ込み、ほどく。
着物は紐でまといつけるもの。
長襦袢を開くと晒の肌ジュバンに普通の裾除け。
さてこの下は和装ブラかそれとも晒か。

「もう勘弁してちょうだい」
少し涙声だ。
「じゃあ自分で脱ぐならいいですよ、手を離して差し上げましょう」
いやいやをしている。
話しにならないな。
ジュバンの紐をほどくと白いたっぷりとした乳房と、ピンクの乳首。
「ふふ、やっぱりピンクだ」
「いやぁ」
軽く乳房をもてあそび、乳首に掠めるように指を動かす。
先生は首を降ってイヤいや、と小さな声でいっている。

「じゃ下はどうかな」
「ひっ、だめっ」
裾除けをまくり上げる。
白い太股が鮮やかだ。そこに黒々とした毛がある。
「いいコントラストだ」
きゅっと股を閉めて開かれないように頑張っている。
膝を押し込み少しずつだが開かせる。
指が一本割れ目に侵入した。
「ひいっ」
無理矢理とは言えど先ほどの乳房への刺激で少し濡れたようだ。
女は心がついてこなくても物理的刺激で濡れることがある。
ほんのすこしの粘液をクリトリスに伸ばしつけ、皮を剥いて刺激する。
「あっひっ、いやっ、そこだめ、なに、なんなの」
あれ? もしかしてあまりクリを刺激されたことがないのかな。
身を反らしてあっという間に逝ってしまった。

弛緩している間に足を大きく開けさせた。
「ああ、やっぱり綺麗なおまんこだ」
唇をつけて嘗めると嫌がって身をよじる。
中に舌の先を出し入れするといやぁ、と声を上げる。
指をネジ込むと狭い。
「先生、あまりsexしたことないんですか?」
「そんなの、聞かないで。ねぇお願いよ、入れないで、あぁぅっ」
Gスポット辺りに触れたようだ。
丁寧にいじってみるがそこまでは反応が良くはない。
未開発、という所か。
あちこち、セックスをしっかりしていた女なら感じるとこを探るがイマイチ。
旦那はこんないい女をほっといてたのかよ。
もったいない話である。
先生とてこんなことは誰にも話せないだろう、
そう確信のいくまで楽しんで解放してやった。

「ひどい」
ぐすぐすと泣いているがその風情もいい。
「来週、楽しみに待ってるよ。今度は自分から脱ぐんだ」
「ゆるして頂戴」
「今日みたいに全部むしりとられたいんだ? 
 はは、そうだな、ストリップは淑女には難しいか」
「こんな人だったなんて・・・・」
「あんたがいい女過ぎたんだよ、諦めるんだな」

次週の約束をして長野は泣き濡れる先生を置いて去っていった。

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