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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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「ね、山沢さんの使ってる化粧水、あれなぁに?」
「ああ。ここで売ってたんですけどね、あなたに合うかわからなかったから。
 コンビニのやつなら前使ったやつ有りましたでしょう?」
「お酒の化粧水ってどうなのかしら。味とかするのかしらね」
「さすがにしないでしょうよ」
そっと翳りに手をやるとすでにとろけるようになっていた。
「期待、してたんですか?」
「そうよ…いけない?」
深くキスをして。
「俺も期待してましたから」
リングのついた乳首を玩び、少しきつめに締める。
「ラブホじゃないんで大きい声出しちゃいけませんよ?」
濡れている所に指をすりつけて少し勃ってきた突起を刺激する。
ぎゅっと私の腕に爪を立てて、喘いで、可愛い。
「ねぇ、キスして、声、無理…」
口をふさぐようにキスをし、むさぼる。
痛ってェ、舌噛まれた。逝ったのか。
「ご、ごめんなさい、噛んじゃった…」
「うぅ…」
結構痛い。
腕を先生の口に押し当てて、激しく突起をこねる。
がっちり腕に歯が入る。
背中を引っかかれる。
強く噛まれること5回、手を休めると先生もちょっと涙目だ。
「酷いわ、わざとじゃないのに」
「わざとだったらもっと酷いことしますよ」
噛むんなら腕か胸かその辺にしてくれ。舌は駄目だ。
「落ち着きました?じゃ、中入れますね」
んっ、という声。
思わず出る声ってのは良いね。
中を堪能してゆっくりとなぶる。
耳元での荒い息、我慢して漏れる声。ぞくぞくする。
たかが4日しか離れてないのにこんなにも飢えていた。
一週間我慢してたら先生の家では出来なかったな、八重子先生に怒られる。
「好きです、愛してる…」
「んんっ、私、もよ…」
「嬉しいです。あなたのえっちな顔、もっと見たいな」
「やっ…それはだめ…」
「恥ずかしい?」
顔を赤らめて可愛い。
「そんなこと…」
「ほんとに、ほんとに好きですよ、あなただけです」
「本当?」
「ええ、ええ、疑わないで下さい」
「信じさせて頂戴…」
「いくらでも。腕一本でも足一本でも差し上げますよ」
「馬鹿ね、そんなことしたら困るでしょ」
「それくらいあなたを愛してて、信じて欲しいと思ってるんです」
「私、山沢さんの冷静さが嫌いだわ…」
「熱くなったりしてるでしょう?よく怒ったり拗ねたりしてるでしょうに」
「そうだけど…私ばっかり気にしてる気がするのよ」
ああ、確かにあまり先生が浮気してるんじゃないかという心配はしてないかも。
「茶会。男の方は呼ばないで欲しいな、とか思ったりしますよ。私だって。
 特に岡崎さん呼んだでしょう。あの方気があるんですよ、あなたに。」
「そうなの?」
「あの方、女性から人気ですからね、あなたを取られるんじゃないかと。
 私だってひやひやしてるんですよね。実のところ言いますが」
「あら…気がつかなかったわ」
「だからって気にしちゃ駄目ですよ。気が行くのは駄目です。許しませんよ」
くすくす笑ってる。
「山沢さんも嫉妬するのね、可愛いわ」
「俺は結構嫉妬深いんですよ。というか、からかうなら強くしますよ?」
「ん、だめ」
気持ち良さそうだ。艶だなぁ。

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95

料理が来たので半分ずつ食べながら会話を続ける。
「まぁ昨日は腹も立ちましたが。会えた事自体は嬉しいと思ってます」
「あら、本当?」
「好きな人が4時間近くもかかるのに、疲れてるのに来てくれたんですからね、
 嬉しくないわけないでしょう」
「昨日は本当にあなた怖かったわよ、首絞められるかと思ったもの」
「怖くしたんですもん。怖がってくれないと困りますよ」
「…怖がってるのがいいの?」
「えぇと、そういうときもあるかも」
腕をつねられた。
「怒ってます?」
「ちょっとだけね」
「可愛いな、そういうところも好きですよ」
「もうっ」
額を叩かれて。
「でも先生、私のためにお家の事や仕事をおろそかにはしないで下さい」
「してるかしら…?」
「お稽古休んだりとか…こんな風に来てしまうのは良くないことです」
「でも…あのまま木曜日までなんて待てないわよ」
「そういう時は一言、釈明しに来いと仰ってくださいよ。なんとかしますから」
「今度からそうするわ」
ケーキとコーヒーをいただいて。
「あ、そうそう。お釣。7万と4800円」
「あれ?化粧品そんなに安かったんですか?」
「いつものなくて。キュレルのトライアルキットお勧めされたの」
「ああ、あれは割りと合う人が多いそうですね」
「それと下地とファンデとアイブロウとリップと買ったけど良かった?」
「それはいつものあったんですか?」
「うん、そうなの」
「そりゃ良かった、合わないの買ってもしょうがないですもんね」
「ちょうどそろそろ買わなきゃと思ってたの。戻ったらお金返すわね」
「返さなくていいですよ」
「あら、だめよ」
「いいんですよ、それくらい払わせてください」
「ありがとう。そろそろお部屋戻る?」
「そうですね、一度戻りますか」
戻る道に3階へ連れて行く。
大量の酒に驚いたようだ。
「後で飲みに来ませんか?先生の好きそうなのもありますよ」
「あらー、楽しみね」
とりあえず一度部屋に戻って腹ごなしに…。
「抱いていいですか?」
くすくす笑いながら着物を脱いでくれた。
その間に手を洗って、自分も脱いだ。

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94

「あれ、そういえば鞄それだけですか?」
ハンドバッグしか持ってないじゃないか、泊まるつもりなら着替えは?
「慌てたから、お財布しか持ってないの…どうしよう」
うーん、この時間じゃどこも開いてないな。
とりあえずパジャマだパジャマ、俺の予備着せるか。
「あーパンツいりますか? 洗顔料とかもいりますよね」
戻る前に気がつけばよかった。
コンビニがあったはずだからそこで調達しよう。
明日ドラッグストアなりデパートなり行って買えばいいし。
一回分セットのお泊りセットとショーツ、ヘアバンドを購入。
部屋でパジャマに着替えさせて洗顔させる。
脱いだ着物は衣桁も着物ハンガーもないのでベッドの上で着物を畳み、
私のジャケットの中に入れておいた。
あとは寝るだけだ。
先生が髪を解いて戻ってきた。
ベッドに腰掛けて気恥ずかしそうだ。
パジャマ姿は見慣れないな。
「さてと、早いけど寝ますよ。入って」
ベッドの布団の中に連れ込んで懐に抱く。
少し身を硬くしているようだ。
「このまま寝るか、気絶するまでかどちらが良いですか?今日は選ばせてあげますよ」
顔を赤らめて迷いを見せる。
「あの、このままで…いいわ」
まあ疲れてるわな、茶事のあと電車でここまでだ。
しかも怯えてたし。
頭を撫でて、おやすみなさい、と声をかけて。
駄目だ、先に寝ちまう。
翌朝暗いうちに起き出して移動。
10万を渡して着替えを買うなり化粧品買うなりして待つように言う。
帰りたければ帰ってもいい。
気がかりだが仕事仕事、漁港へ足を伸ばして挨拶回り。
昼前、交渉も終わりホテルに戻る。
先生がいてほっとした。
「ただいま。買物してきました?」
「おかえりなさい、お化粧品とパジャマと下着だけ…」
「朝はどこかで食いました?」
「駅にあるカフェで食べたわ。モーニングセット。おいしかったわよ」
「そりゃ良かった、まだ腹は減りませんか?」
「んー、そろそろ空いたかも?」
「じゃなんか食いに行きましょう。何が良いですか?」
「ここの1階のレストラン行ってみたいわ」
はいはい。
先生は和食のイメージだけどイタリアンでもいいのか。
「あ。3階行ってみました?」
「ううん、行ってないわよ、どうして?」
「行ってないならメシの後いきましょうね」
店に入ってメニューを開く。
俺はステーキにしようか。腹減った。
と思ったら本日のピザとパスタが美味しそうだというのでペアセットに決定。
料理が来る間、昨日の茶事の次第について聞く。
なんとかの理由は糊か。糊が緩かったらしい。
乾いてたから緩めたら緩くなりすぎた、そういうことだな。
少し拗ねた顔つきで、そういう失敗もすべて俺の所為だという。
「帰って来いって言やぁ良かったんですよ。
 あの時間からなら夜中になりますがたどりつけてましたよ。
 あなたも怯えずに済んだんだ」
「今思うとそうよね、来てって言ったらよかったわよ」

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93

と、思ったら…。
フロントから電話。
飯嶋八重子様からお電話がかかっております、だとさ。
繋いでもらって電話を受ける。
絹先生が今さっきこちらに向いて発ったそうだ。
受け入れて泊めてやってくれと。
「火曜日までにお帰し出来ないかもしれませんがその点は…」
『それはいいけどあまり酷いことはしないでやってくれないかい」
「出来る限りは」
電話を切ってフロントにダブルの部屋にチェンジしてもらうことにする。
スーペリアしか空いてなかった、しかたない。
移動し、21時前後に人が来るかもしれないので、来たら通してくれとお願いする。
それまでは少しでも寝よう。つらい。
21時を少し回った頃先生が来た。
起きてドアを開ける。
ソファに座るよう言い、手を洗うことにした。眠い。
先生は怒気を感じて少し怯えているようだ。
座っている後ろから首に手を回す。
喉に触れると息を呑んだのがわかった。
「来るなと言いませんでしたか?」
「ごめんなさい…でも…」
「なんですか?浮気なんかしていませんよ、わからない?」
「だって…」
深呼吸、落ち着こう。
携帯をとり、昨日の座敷の写真を見せる。
年寄芸妓数人と私の写真。
「これでわかりますか、浮気なんざしていません」
「でも若い女の子の声がしたわ、それは?」
「仲居さんです」
「そう、そうだったの。ごめんなさい」
「メシ食いましたか?」
「えっ? あぁ、まだよ」
「食いに行きますか、俺も腹が減った。腹が立ったからですけどね。それとも」
再度、喉に触れる。
「あなたを食べてもいいんですが、ね」
先生は怯えて身を縮めている。
「あの、ご飯、食べに行きたい、です…、山沢さん…怖い…から、よして」
「ちょっと待っててください、着替えます」
さっと着替えて先生の手を取る。
「メシ、行きましょう。和食か洋食かどちらが良いですか」
「和食でいいわ」
「居酒屋ですがいいですか」
「はい…」
食事処に連れて行き、先生が好みそうな酒を注文する。
いくつかの料理とご飯。
酒とメシのうまさに少し気分がほぐれて。
先生はほろ酔い、俺は満腹で部屋に戻った。

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92

それなりに楽しく遊ばせて貰ってホテルに戻れば23時半。
うーん、明日朝イチに電話を入れるか。
八重子先生が出てくれるだろ。
なんだったら茶事が終わった頃に顔を出そう。
終電で戻って来れそうならそうしてもいい。
21時までならあちらにいられるだろう。
ま、4時間あれば高速でつくから0時までいてもいいが。
その場合一駅手前で降りてレンタカーを借りておいて、それから先生宅だな。
夜中は借りれんだろうし。
算段をして、寝る。
翌朝、6時半、電話をする。
八重子先生が出てくれた。
昼までに電話いただければ夕方には行ける旨、絹先生へお伝えして欲しい。
そうお願いした。
さて、電話はくるかなぁ。
風呂に入って、今頃用意で大変だろうと思いを馳せて。
少し飲んでいると電話がかかってきた。
取ると八重子先生、来なくていいといってるとのことだ。
様子を聞くにいらだってる模様。
うーん困った。
八重子先生はほっときなさいというが。
取敢えずはこちらはこちらで時間潰すかね。
観光でもするか。
もういっそ何だ、キャバクラにでも行こうか。
更に怒らせてどうする。
やっぱり観光だ観光!
いや、飲むか!
幸い飲みつくせない酒がここには商われているからな!
15杯を飲んだ頃、電話が鳴った。
先生からだ。はや夕刻か。
「茶事、無事に終わりましたか?」
『なんとか終ったわ…だから…今から行くわね』
「えっちょっと待ってください、何で今から?来るんですか?」
『なんでそんなに慌てるの。女の人を呼ぶ予定でもあったのかしら』
「有りません!いやそうじゃなくて…」
『お母さんは行ったらいいって言ってくれたわよ』
「駄目です無理です」
『後ろ暗いことがあるんでしょう?』
「ちがいます、もうかなり酒飲んでて寝そうで無理です」
電話の向こうでため息一つ。
『じゃ明日行くから』
「帰ってからという選択肢はないんですか」
『それまでに夜遊びするつもりでしょ』
「ああ、信じていただけない?そうですか、そうですか。おやすみなさい」
電話を切る。電源も切る。
部屋帰って寝てやる。
さすがにあそこから3時間半かかるここまでは突撃してくるはずはない。
熟睡。

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