忍者ブログ
百鬼夜行抄 二次創作

let

伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

14

なるほど親水公園か。
…恋人の聖地、だと?先生それわかってるのか?
いやきっとわかってないな。
手形スルーして海見てるしなっ。
近くによると砂浜で遊ぶ恋人達の多さよ。
そっと手を取り、降りますか?と聞く。
「この格好じゃ…無理ねぇ」
常着じゃないもんなあー今日は。
「若い人は良いわよねぇ」
「なにがです?」
「もう水着なんて着られないわよ、この年になると」
そっちか!
「イマドキはラッシュガードってもんがありましてですね…
下はパレオ巻くとかすれば良いじゃないですか。それとも日焼けが気になる?」
「ラッシュガード?」
「サーファーなんかが着てるシャツみたいなもんです
 パーカータイプもありますよ。長袖が多いです。
 紫外線と怪我防止に着るものですけどね。
 だけどあなたのビキニ姿も見てみたいな」
「やだもぅ」
照れておられる。かわいい。
「キスしたくなった」
「駄目よ」
ふふって笑っている。くっ、余裕だなっ。
夜は見てろよ…。
そろそろ戻ろうかということになって、宿への道を歩む。
「宿、ついたら大浴場行ってみてはどうです?」
露天風呂もあるし、広いお風呂は気持ち良いと思うんだ。
「そうねえ、あなたも入るんでしょ?」
「入りませんよ。この格好で夫婦者装ってるのに女湯はまずいでしょう」
めっちゃウケてる。
それに一緒に風呂に入るのは何かとしたくなって困るというのはある。
部屋に戻り、先生は着物を脱ぎ浴衣に着替え大浴場へ、私はここの風呂。
汗かいたなあ。しかも結構歩いた。
下帯と胸押さえに使っているさらしもざっと洗って干しておいた。すぐ乾くだろ。
浴衣を羽織ってぼんやりしていると先生が戻ってきた。
湯上り美人。見るたびに綺麗だなあと思ってしまう。
洗い髪を櫛巻きにしている。
髪を乾かしたら常着に着替えて晩飯だな。
その後はもちろん…ニヤリ。

拍手[1回]

PR

13

翌朝。6時半。
先に起きたので風呂に入り、和室でくつろいでいると先生が起きた。
「おはようございます。もう少し寝てても良いんじゃないですか?」
「んん、おはよう…あ…」
寝起きのキスいただき♪
「もぅ…お風呂はいってくるから」
その前に一戦…というのは断られてしまった(笑)
一緒に露天風呂に入って、先生の腕や足を確認する。
そう縄の跡は残ってないようだ。
昨日の痴態が気に入らないらしく、縄はいやよといわれた。
まぁ昨日のは腰が逃げないようにしたかっただけだしね。
一回堰を切ったからにはなくても何とかなるさ。
でもいつか自分から縛ってとか言わせて見たくはある(笑)
風呂から出て身づくろいをして朝食を頂きに行く。
朝は軽め。洋食の朝御飯だ。
部屋に戻って展覧会へ行く支度をする。
茶人らしく装う先生と、絽の長羽織に絽の長着の私。
つろくするかな?
二人連れ立って観覧に行った。
館内にはいろいろな茶道具が展示されている。
面白いな、と思ったのは玳玻釉だ。
曜変よりは好きだ。というか曜変も油滴もキモい。
そう先生に言ったら近くにいたおじいさんが滅茶笑ってた。
「あなたにはまだ使わせてなかったものねえ。でも禾目はどう?」
「ああ、あれは綺麗です。清水焼のですよね」
あ、じいさん驚いた顔しとる。
「昔、油滴のマグカップもらったんですけどもう使うに使えなくて(笑)」
「じゃ今度のお稽古は油滴ね。台天目して曜変で貴人しましょ」
うわぁ薮蛇った…。
がっくりしたまま色々見ていると、仁清の茶壷もあった。
これが有名な、偽者がそこらに山のように売られてる「仁清」の壷かぁ…。
昼を過ぎたので近くで食事を取ることにした。
午後からは起雲閣を回ると良いといわれていた。
敷地3000坪・建物1000坪とか。
ここから車で10分程度らしいというのでタクシーで移動する。
中を見学。すごく広い。
目の覚めるような群青色の和室。色彩センスが…。
和風建築のみかと思っていたが洋館がある。
天井は何かどこかで見たような・・・あ。歌舞練場の天井だ。
格子天井だな。なんというか和洋折衷。
一部、七条新地を思い出してしまった。すいませんごめんなさい。
しかし建築の手の込みようはすばらしい。
色々と建物を経巡り、庭を歩く。
喫茶室で一服。お抹茶をいただく。
洋風の重厚な喫茶室で、抹茶のミスマッチが楽しい。
先生はロシアンティ。なぜだ。
私はクッキーを、先生は和菓子を頼んでいたのだがやはり逆におかれていた(笑)
「普通は洋菓子と抹茶で頼まないですよねー」
「ほんとあなた和菓子苦手なんだから困るわぁ」
はは、お稽古のとき干菓子しか回せないですしね…。
ここから宿へは地図を見るまで気づかなかったのだがすぐそこだ。
時間はまだあるのでどうしようかと聞くと、海岸へ行ってみたいという。
ムーンテラスとかサンビーチとか書いてある。
聞くと10分かからないところらしい。
行って見よう。

拍手[1回]

12

旅行当日。
稽古終了直後、荷物を持って移動を開始した。
ついたらすぐ食事の予定だ。
せわしく乗車したが、熱海は乗ってしまえばたいした距離ではない。
温泉か。久しぶりだ。
宿に着いた。部屋はちゃんと離れになっていて、これならば、と思う。
和室と、寝室、露天、シャワーブースがあるのがいいね。
荷物を置いてそのままとりあえず食事。お酒も少々。
最近はどこも食事処が別だな。
熱海は海が近いから魚がうまい。
二人とも満腹になった。
デザートを持ってきた時に部屋へ酒を頼んでおく。
旦那さんも着物というのは珍しいですね、と言われた。
先生はオホホと笑ってごまかしている。
ここで旦那じゃないというと不倫旅行になるからな。
部屋へ戻る途次、絹さん、と呼んでみた。
「…なぁに?」
「私のこと宿の人が来るときだけ下の名前か、あなたって呼びますか?」
「そうねぇ、そのほうが良いかしら。じゃあ…久さん?」
なんか、いいなあ。
先生も何か照れくさそうだ。
部屋へ戻って荷物を広げていると酒が届いた。
若竹ってのを選んだのだが…瓶には"おんな泣かせ"って書いてある。
くっそ、こんなところで(笑)
「どうしたの?」
笑いすぎた。
荷物を片付け明日の用意をし、浴衣に着替えて酒の用意をする。
それと、手拭と縄を寝室に。
瓶を見て、先生がこっちを見ている。
「わざとじゃないですよ?たまたまです。泣かせたいですけどね」
もうすでにそれなりに顔が赤い。
「この間から、ずっとまたあなたを抱きたいと思っていたんですよ。
 こんな機会でもないとできませんからねぇ」
あ、先生、グラス一気に飲んじゃった。
新たについであげたが更に一気に。よっぽど恥ずかしいらしい。
「そんな飲み方はいけませんよ。ほら、これで」
とグイノミを手にとらせ酒を注いだ。
照れてるのも可愛いなぁ。
そっと胸を触るとすでに反応している。随分慣れてきたか。
声を我慢しているようだ。
「我慢しなくて良いんですよ?そのために離れを選んだんですから。
それに夫婦者と思われてるんです、聞こえたって良いじゃないですか」
首を振って身もだえする。
あれ?もしかして声を出すことになれていないのか?親と同居だもんなぁ。
しばらく弄りながら飲む。
そろそろいいか。
寝室につれて行くと見せかけ、柱に固定する。
手首など着物から見えるところは手拭を巻いてから軽く縄をかけた。
「何をするの…?」
先生は震えているが目は潤んでいる。
触れてみるといつもより濡れている。ゆっくり楽しむように触ってから、
足は閉じれないように固定する。
腰をきっちり固定して、逃げられないようにした。
良いところに触れるたび、声が漏れる。
今回は前回探したスポットを重点的に責める。
腰が逃げる余裕がないから、強制的に揚げてやることができる。
普段は出ないような声が出だした。もう少しだ。
叫び声が出て痙攣しはじめた。いつもより強くいけたようだ。
縄を解き、布団におろす。息が荒い。
落ち着くのを待って更に責める。
いったん堰を切ったからか声が出ている。
何度もいかせ、もうそろそろ無理そうなのでやめることにした。
私も腕が攣りそうだ。
先生がうとうとしはじめたので腕を取る。
跡が残りそうなところをクリームでマッサージしてから、寝た。

拍手[1回]

11

それから何回か稽古日が過ぎていった。
男の点前と女の点前がごっちゃになりそうだが、なんとかついていっている。
どうせなので男の単衣を何枚か作ろう。
八重子先生に相談したら、自分で着る分くらいは縫えるようになると良いと言われた。
お稽古のない水曜日に教えてくださるというので通うことにした。
売り物のような手の込んだことは教えられないけど、と。
まずは単衣から。
水曜が会社休みのときはお茶のお稽古の後泊り込むことが出てきた。
お茶の稽古に男着物を着て行くことも増え、
絹先生が男を引っ張りこんでいるなんて野暮な噂は消えたようだ。
あの旅行の後、二人になったときにキスくらいはするが手を出していない。
そんなとき、八重子先生がチケットをくれた。
熱海で開催される茶道具展だ。絹先生といって来いという。
一泊でも二泊でも良い、と。
ゆっくり見るんなら二泊だろうという話になった。
ちょうど暇な時期、会社も休みを取れるはずだ。
一応会社に確認したがかまわないと言われた。有休は売るほど残っている。
宿は熱海だし温泉宿だよな、やっぱり。
ここはやはり部屋露天のある離れだろう。たしかあそこ…。
ササッと調べると平日ということもあり空室、ラッキー。
稽古の後そのまま行けば良い。
絹先生が買い物から戻ってきたので告げると、身を堅くしている。
可愛いなぁちくしょう。
「楽しみですね」
と微笑んだところ、ぺちっと叩かれた。
「展示物が、ですよ」
頬を染めて、知らない、と庭に行ってしまった。
しかし八重子先生はどういうつもりなのだろう。
絹先生と年の近い気の合う弟子扱いなのか、はたまた知ってて知らぬ振りか。
前者のつもりで気をつけないとな。

拍手[1回]

10

翌々日。
お稽古に伺った。
今日から男の点前もするのだが、紫の袱紗と大きい懐紙もいるかと聞いたら
着物を着てるときは必要だけど今はいらないとのこと。
いつもの袱紗で男の点前でお稽古していただく。
お稽古の後、八重子先生からお呼び出し。
バレたような感じはない。なんじゃらほい。
小間に行くとこないだの人だ。絹先生と男がホテルに行ったと注進しに来た人。
どうやら旅行帰りのときも見たらしい。
そういやぁ手を握ってしまってた気もしなくもない。
「悪いけどシャツ脱いでくれないかい?」
はいはい、信じてくれないってやつですね。
ひょいひょいとワイシャツを脱ぎ、インナーのシャツを脱ぎ、さらしをはずす。
「と、いうわけで、なんなら下も脱ぎましょうか?」
納得してもらえたらしい、下は脱がなくて良さそうだ。
何でそんなややこしいとかぶつくさ聞こえる。
「私は女性の服装が苦手なので男性の格好をしているのです。
まあ、結婚式なんかだと色無地も着ますよ。男着物は一種の洒落ですね」
帯結びも楽だし。
多分この人スピーカーだろうなあ。
「有名ホテルのランチってあまりハズレがないんで結構利用するんですよね。
 それに気分が悪くなっても部屋取れたりできるんで具合が悪いままに
 無理して帰宅しなくて良いので使い勝手が良くて。」
よしこれでどうだ。
「そういうこと、あるのかい?」
「昔はよく疝気やら貧血で気分悪くなってたんでそういう使い方してましたよ。
 今もたまに疝気はありますけどね」
これで"ご休憩"くらいの申し訳が立つかな。
新しいネタ獲ったどー!みたいな顔してるぜ、スピーカー。
ところでいい加減服着て良いだろうか。
「お母さん、ちょっと…あら。」
だあぁ、絹先生に乳見られたじゃないかっ。
八重子先生に来客とのことだ。
じゃあこのへんで、とかなんとかいってスピーカー帰ってっちゃったよ。
その間にササッとさらし巻いてシャツを着た。
「意外と大きいのね」
しっかり見られていた。
「ははは…私もそろそろ帰りますね…」
先生は、ふふって笑っている。

拍手[1回]