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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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9

翌朝6時半。
外は良い天気だ、台風一過、だな。
先生が風呂に入っている間に関東方面の状況を確認する。
新幹線も動いてるようだ。
帰りの切符の手続きをする。早朝から昼までは混雑している。
1時半ごろ乗車の切符が取れた。
ここのチェックアウトは11時半、2時間ほど、どう時間をつぶすべきか。
茶道具の展覧会か何かあったかな。
ちょうど国立で良いものがあるようだ。このへんでいいか。
先生が風呂から出たので聞いてみる。展示内容から行きたくなったようだ。
帰りの格好はワイシャツにスラックスのつもりだったが、
先生が羽織に着流しが良いという。確かに先生の格好と釣り合いが取れる。
身づくろいをし朝食を取る。
戻ってきて荷物をまとめ、あらかた宅配便に任せることにした。
常着を脱ぎ、着替える。その脱いだものも荷物に入れる。
これで手荷物のみだ。
地元の人くらいに身軽である。
先生はゆっくり観覧したいというので早めにチェックアウトすることにした。
タクシーを呼んでもらい、チェックアウトの手続きをし、カードで支払う。
支払いも終わった頃タクシーが来た。
国立へやってもらう。
台風の後の国立はさすがに人が少ない。
しかしさすがに良い展示物。
講習会に来ていた人にも再会した。同じく帰宅困難で連泊したそうだ。
観覧を楽しみ、向かいのハイアットでランチをとった。
そろそろ駅へ行かねばならない。
タクシーで八条口まで行く。ちょうど1時だ。
チケットの発券を受けて改札を通る。
ロビー階で土産を買い、ホームに上がった。
自由席はすごい人のようだ。私たちは指定席なので割と空いていた。
東京へ行くまでに満席になるのだろうけれど。
ちゃんと二人席が取れていて、やはり先生を窓側へ。
和服だとやっぱりそれなりに注目されるね。
どう見えているのだろうか。夫婦?コスプレ?
先生は乗車直後から寝てしまった。昨日やりすぎたかな。
寝顔を眺めたり、車窓を眺めたりしているうちに一駅手前だ。
先生を起こして降車。
行きは駅で待ち合わせたが帰りは先生のお宅までご一緒する。
八重子先生に報告だ。
最寄り駅まで乗り継いでいく。
駅からタクシーを使った。快晴で暑いが京都よりはましだな。
「ただいまぁ」
「お邪魔します」
中は涼しいなークーラー入れてないのに。
「おかえり。台風大丈夫だったかい?」
「ええ。」
あれ、今日稽古日じゃなかったか?
先生は着替えてくるわ、と部屋に行ってしまった。
「幸い講習日は宿に戻るまで持ちましたし、その後は中でしたし。
キャンセルが出て部屋もそのまま泊まれました。」
「そりゃよかったねえ、こっちは今日は台風の後始末があるからって
 人が多くてね、お稽古はお休みにしたんだよ」
絹先生が戻ってきた。相変わらず着替えるの早い。
講習会の様子を話したり、今日行った国立の展示物について話したり。
泊まった部屋が茶室だって言うのに八重子先生が驚いている。
さすが京都、というが結構その辺にもあるんだな、これが。
私は東海で温泉探してるときに見つけてスゲーって思ったのが最初だ。
「山沢さん、実技で男点前教えてもらってたのよぉ。男装するならって」
「折衷案といいますか、蓋は袱紗でもほかは男のやり方でと。」
「じゃあ次からのお稽古は男の点前を教えようか。両方覚えると良いよ」
両方かぁ、覚えられるかな…。
そうこうしているうちに夕方だ。辞去することにした。

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8

食事も終わり、お酒だけ置いていってもらう。
布団も敷かれている。一つしか敷いていないのに先生は何も言わない。
…いいのか。それとも俺が敷くから良いのか。
ザッピングしているとドラマっぽいものがあった。
それを見ていると、和服の女性が縄目を受けているシーンが。
ああいうの、したいんですよねぇと呟くと不思議そうだ。
「どうして?」
「逃げたいのに逃げられなくて、良いでしょう?
今朝みたいな腕力でするのも良いんですが、縄のほうが逃げれなさがあって良いですよ」
そっち目的とは思っていなかったようだ。顔を赤くされている。
「ああ、縄は持ってきてないんでご安心を。
それに連休初日ならまだしも今日縛ったら明日帰ったあとも縄の跡残りますよ」
先生は残るタイプと踏んでいる。八重子先生にばれるじゃないか。
ほっとした顔だ。
酒を注ぎ、飲ませる。
「そろそろ脱いで…」
「えっ!?」
あ、言い間違えた。
「もとい、寝巻きに着替えてください」
つい本心が出ちまったじゃないか。
先生は頬を染めて、見られてたら脱げないという。
可愛いなぁうん。そういう恥じらいって大事だよね。
「脱がしてあげましょうか?」
なーんてからかいながら茶室へ移動してあげた。
衣擦れの音がして、しばらく待つと入って良いと声がかかった。
寝巻きの浴衣姿になっている横に座って酒を注ぐ。
「布団、一組でいいんですか」
を、一気に赤くなった。
「だって…したいんでしょう…?」
わかってるじゃないか。
ってか結構酔っ払ってるな、これは。
そっと手を差し入れ、胸を触る。
「もう少し飲みますか?」
こくりとうなづいた。もうちょっと酒の助けが必要か。
胸を揉んだまま何度かついで飲ませた後、口移しに飲ませてみた。
そろそろいい頃合だろう。
寝巻きの帯を解くと湯文字をつけていなかった。
先ほど一緒に脱いだようだ。
恥ずかしがっているのが大変に良い。
まだまだ女ざかり、きれいな体だ。
いつか縛ってみたいなぁ。
どこまで受け入れられるだろう。
声も抑えて、快感を我慢する姿は美しい。
離れなんだから大声出しても良いのに。
良いスポットもわかってきたが責めると腰が逃げる。
どうやらいろいろと未開発だなぁ。勿体無い。
先生もぐったりしてきたことだしここらでやめておくか。
やわらかく抱きしめて寝かしつける。
しばらくして荒い息が寝息に変わった。
ちょっとシャワー浴びてこよう。汗かいた。
風呂で一発抜いて自分も治まったので寝巻きを着て先生の横で寝た。

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7

フと見ると少し眠そうだ。
「ちょっと寝ますか?疲れてるんでしょう」
先生は恨めしげにこちらを見る。
机を端によけて布団を敷くと、あなたは?と聞かれる。
私はもともと5時間半寝れば何とかなるタイプだ。
気づいたら横で寝てるかもしれないが今は眠気は降りてこない。
そういって先生を寝かせた。
寝顔も可愛いなあ。
……落ち着こう。
テレビをつけ、音量を絞り台風情報を見る。
今晩遅くまでは無理そうだ。
今夜も抱けるかな…。
いやいやいや、そういう意図で旅行に来たわけじゃないんだから落ち着けよ自分。
昼前になったら下火を熾して昨日のおさらいをしよう。
雑念消えろ!
お稽古したいが私では炭をつげないからなあ。
寝言が。ぃゃって聞こえる。
茶室に移ろう…。
座禅でも…無理だな、妄念の塊だ。
タブレットでなんぞ読むか。あ、会社にも帰れない旨メールしよう。
昼前になって先生が起きてきた。常着に着替えている。
先生の身づくろいの間に下火を熾すことにする。
熾きたところでお昼ご飯を食べに行く。
有りものでしている割にはしっかりしたご飯だった。

午後、先生に炭を次いでもらってお稽古をする。
昨日のおさらい。
雨音が強い中、みっちりと4時間ほどやった。
稽古中は妄想も浮かばん。
水屋の始末をする頃、腹が減った。そろそろメシか。
宿の人が晩御飯を持ってきた。
始末を終えて部屋に戻り、酒を頼んだ。
英勲の大鷹があった。これは少し辛口でうまい。
それでも先生には甘口のようだ。これだから関東人は…。

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6

翌朝5時半。起床。
二人とも朝が早いのは慣れている。
小一時間で身づくろいを済ませているとおにぎりの差し入れがあった。
いただいて、落ち着かせ気合を入れる。
さて出陣だ。
私は紋付の男着物に袴、先生は紋付鮫小紋。
タクシーに乗り、角一つ前で乗り捨てて会場に行く。
講習会はほぼ茶名持ち~準教授の錚々たるメンバーだ。
場違い感はあるが、仕方あるまい。
家元からのお言葉、実技講習、セッションなど濃い時間が過ぎる。
食事休憩以外お茶尽くしで12時間、疲れきって戻ってきた。
紋服を脱ぐのを手伝った。先生は長襦袢のまま布団に倒れこんでいる。
私は先生の着物を衣桁に掛け、自分の着物を片付けた。
確かに疲れはしたが私にはプレッシャーがない。
茶名すら持たない以上知らなくても仕方がないとして扱われるからだ。
先生は違う。セッションは大変そうだった。
しかしまた布団が一組しか敷かれてないよ…。
しばらくすると宿の人が来た。
どうやら台風が来ていて明日の交通がどうなるかわからないらしい。
もし交通がストップなら、この部屋に明日も泊まれるとのことだ。
もちろん金はかかるが、駅でいつ動くかわからないことを思えばマシだ。
キャンセルでもキャンセル料はつかないというので宿泊のお願いをしておくことにした。
部屋に戻ると先生が起きていて、長襦袢を脱いでいる。
私がいるのに構う気力もないようだ。
風呂は明日朝にするという。
浴衣に着替えている間にもう1組を敷く。
見ないようにしないとやっぱり疲れててもやばい、とっとと寝ちまおう。
空けて翌朝4時半。
外は雨風がきつい。
テレビを見ると新幹線運休の情報が出ている。
先生がどうしよう、という。ああ、昨日の話してなかった。
今日一晩泊まれることを話す。
明日になったら台風はどっか行ってるでしょう。
安心されたか、朝風呂に入られる。
私はまだ時間が早いのもあり、布団にもぐっている。
朝っぱらからなんだが風呂覗きたい…
出てきたら、襲うか。
浴衣を軽くまとい、先生が出てきた。
後ろから抱きしめる。
「えっ…山沢さん…Hなことはしないって…言ってたのに…」
前日にはしないと書いた。
寝巻きの浴衣なので簡単に胸も裾もくつろげられる。
荒々しく抱き、欲望のまま楽しんだ。
終わった後、折角お風呂入ったのにと詰られた。
二人で入りましょ、と持ちかける。
朝御飯にはまだ時間がある、もう一度入れる。
寝が足りなければ昼寝すれば良い。
一緒に入り、やわやわと先生の肌を泡でなでる。
感じているようだが二回戦する時間はない。
すすいで自分の汗も流して風呂から出た。
布団を軽くなおし、サッと身支度をして朝食のレストランへ向かう。
朝食も美味しかった。
部屋へ戻るとすでに布団はしまわれて机が出ている。
上座に先生を座らせた。
宿の人がきて、茶菓子を出してお茶を入れてくれた。
お昼ごはんについて、この天気では食べに出られないだろうから
簡単なものならできるとのこと。
外を見ると豪雨の様相を呈している。
頼むことにした。
先生のお宅に連絡して今日は帰れそうにないことを告げる。

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5

4回ほどお稽古日が過ぎ、いよいよ旅行日だ。
1時間ほど前に駅につき、手配していたお弁当や切符などを受け取る。
待ち合わせ場所に20分前に着き、眠気覚ましに缶コーヒーを飲む。
飲み終わったころ、絹先生が来た。やはり着物姿でお美しいな。
私は荷物の半分以上を宅配便で送っているので身軽だが先生は荷物が多い。
荷物を持って差し上げ、切符を渡し改札を抜け新幹線のホームへ行く。
まだ新幹線はきていないので指定席の乗降口まで行くことにした。
定刻に新幹線が到着した。乗車する。2席+2席、座席が広目のタイプだ。
先生を窓側にして私は通路側に。荷物は棚へ。
早速だがお弁当を広げることにした。
籠弁当は見た目にも美しいので先生も嬉しそうだ。
味は…やはり美味。京都の茶懐石の店の弁当だからハズレはない。
食後、少しく話しているうちに反応がなくなった。
眠くなってしまったようで、まあ一駅前くらいに起こせば良いか。
寝ている先生も写真にとってしまえ(笑)
寝顔を眺めているうちに米原駅に到着した。そろそろ起こそう。
せーんせー、そろそろですよー。
おきたおきた。荷物も下ろして降車の用意をする。
八条口に降り立ち、タクシーで宿へ行く。
チェックインの手続きをして案内された先は、茶室。
ちゃんと露地がある茶室(笑)
先生が驚いている。
茶室の8畳+水屋+6畳+小間だ。露天風呂も実はある。
荷物は届いていた。驚いたままの先生と荷物をなおし、
少し落ち着かれたので宿から会場までタクシーで移動してみることにした。
15分程度と予想しているが、そんなところで着くことがわかり、
余裕を持って30分前という話になった。
当日の朝食については先に宿と話してあり、朝6時半におにぎりを
差し入れてもらうことになっている。
宿に戻ってきて、明日やるだろうことの予習をする。
茶室があるので予習も簡単だ。
夕食の時間になり、食事を取る。部屋食だ。
聞いていた通り美味。少しだけお酒も頂いた。
その後更に予習。その間に机を片付けてもらい布団が敷かれる。
私は水屋の始末をし、先生にお風呂へ先に入っていただくことにした。
目の前で脱がれるというのは理性的になれないものがある。
だったら別の場所にいるほうが良い。
始末が終わり、茶室から外を眺めていると声がかかった。
湯上りの浴衣姿だ。
理性理性理性理性……風呂に入ろう。
風呂から上がると先生がノートをまた見ている。
勉強熱心だなあ。まじめだ。
でも今日はそろそろ寝たほうが良い。そういうと何か言いたそうにこちらを見る。
ん?と思ったら布団が1組だ(笑)
押入れを探るとちゃんともう1組あったので出した。
先生は明らかにホッとしている。
「寝ましょう?」
「そうね」
布団に入りしばらくすると寝息が聞こえてきた。
寝息が聞こえると安心するんだよな。よし寝よう。

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