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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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362

翌朝二人で露天風呂に入って、朝御飯をいただく。
部屋に戻ってお片付け。
水着とか仕舞うものはしまって荷造りする。
その間に先生はきちんとお化粧。
手荷物と分けてすべて片付いた。
「まだ時間ありますし、風呂入りましょう」
「そうね」
「気持ちい~」
「結局露天ばっかりでしたね」
「あら、私3回入ったわよ」
「いつの間に…」
「夜中目が覚めちゃったから」
「誰もいませんでした?」
「いなかったわよ」
「そりゃよかった。まだほら、こことか。消えてませんし」
沢山キスマークつけちゃってたから。
そのまま一戦してしまった。
「気持ち良いですね、外の空気」
「私は恥ずかしいわよ…」
「可愛いなぁ」
そろそろ風呂から上がってチェックアウトだ。
荷物を配達してもらう手続きとお支払いをカードでした。
電車の手配は既にしてある。
少し早めにタクシーをお願いしていたので駅についても30分ある。
先生はお土産を更に選んでいる。
お酒も。
しずおかコーラとか。
せめて静岡サイダーにしようよ。
あ、わさびらむねとかカレーラムネも買うのね。
いいけどさ、誰に飲ませるつもりなんだろう。
やっぱり律君?
そんなこんなでずっしりとした土産を持ち先生のお宅へ。
「ただいまー」
「戻りましたー」
「あーおかえり。なんだいあんたそんな沢山持って」
「お土産よー」
どれどれ、と覗き込む八重子先生。
わさびラムネとか見て呆れてる。
「あんたねぇ誰に飲ますの」
「んー兄さん」
それはおもしろそうだ。
「うっかりお客様にお出ししないようにね」
うんうん。
普段着に先生が着替えだして八重子先生が気づく。
「今日は律がいるときに着替えないようにね」
「え?」
「まだ消えてませんね、すいません」
「でもエステと温泉の効果かねえ、あんた肌つやつやじゃないの」
八重子先生が先生をぺたぺた触ってる。
あ、胸もんだ。
「俺もエステ受けてきたんですよー、ほら」
乱入しちゃえ。
腕を見せたのに乳もまれた。
「えーと。どっちの感触が良いですか」
「やだもう山沢さん」
「んー絹のほうが触り心地は良いね。でも張りはやっぱり山沢さんのほうがあるねえ」
「なにやってんの、おばあちゃん」
「司ちゃんいたの!?」
「お邪魔してます」
「旅行先でエステ行って来たのよ~」
「そしたら触り心地確認されてしまったってわけ」
「お夕飯何作ろうかねぇ」
「あ、私みょうがとなすのお味噌汁食べたい」
「あらいいわね。でもメインなんにしよう」
「外は暑いしねえ」
「買物行ってきますよ?」
「じゃ、カレー」
「暑いのにカレー?」
「暑いからよ。汗かいたほうが良いのよ」
「チキンカレーかビーフカレーかポークカレーかどうします?」
「山沢さんの好きなので良いわよ」
「じゃビーフにします」
てくてくと買物に出る。
途中先生から電話があった。
トイレットペーパーがないらしい。
了解して買物続行。
肉を多めに買い込み、帰宅。
多すぎたら先生が俺の炒め物を作るときに使うから。
台所に下ろすと先生が居間から指示を飛ばす。
「じゃがいもむいておいてねー」
そんで八重子先生に横着と叱られている。
「ただいまー」
律君が帰ってきた。
「お帰んなさい」
「お帰り」
「あ、お母さん帰ってたんだ。お帰り」
早速先生にわさびラムネを飲まされているようだ。
うーん、見たい。
面白そう。
ひとしきり笑い声の後先生が割烹着を着て台所に来た。
「人参頂戴」
ほい、と渡して二人で下拵え。
「わさびは律に飲ませたわ。あとはカレーね。兄さん来ないかしら」
「コーラは?」
「覚兄さんに、と思ってるの」
結構お茶目だよな、先生。
どんどん皮を剥いて積み上げていって後は先生の独擅場。
「お肉多いわよ」
「多すぎるなら他のときにどうぞ」
炒めて煮込んでルーを入れる。
氷水に鍋を漬けて暫く放置!
居間に戻って旅行の報告色々。
司ちゃんも八重子先生も行きたいという。
「二人で行ったら良いじゃないですか」
「そうよ。お稽古は私でも見れるんだもの。行ってきたら?」
「でも高いんだろ?」
「んー、たしか今は俺の泊まった所に一泊、ホテルに一泊で一人5万になってたかと」
「二人で十万ねえ。そうだね、司さえ良ければ行って見ようかね」
「いいの? やったー」
暫くごちゃごちゃ喋って時間が過ぎる。
「そろそろ温めようかしら」
「ご飯も炊けますしね」
「お味噌汁は?」
「カレーにはスープです」
「えー」
「みょうがなすは明日の朝です。と言うことで八重子先生よろしく」
「スープ?」
「コンポタです」
キャンベルの業務用だ。
1本で8人前作れる優れもの。
同量の牛乳で伸ばす。
ご飯が炊ける音がした。
お皿にご飯をよそう。
先生がカレーを掛ける。
司ちゃんが取りに来た。
「やだこれ、手が込んでるー」
真ん中をカレーにしてみた。
カレーが終ったので先生がスープを。
俺は洗い物とか片付けをしてさあ食事だ。
「いただきます」
ぱくぱくとたべていく。
「あー美味しいわー」
「自分で作っといてよく言うよ」
「美味しいでしょ?」
「美味しいけどね」
「スープも美味しい」
「そこのスープ好きなんだよね」
わいわいとご飯を食べて良い時間になった。
「後片付けはするからそろそろ帰って寝なさいよ。明日仕事でしょ」
「うーん、もうちょっと」
「ダメよ、疲れてるはずよ」
先生の思いやりによって追い出されて帰宅した。
おー、部屋に熱気が篭ってる。
窓を全開にして着替えてベッドへ。
おやすみなさーい。

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361

朝起きたら先生はまだ寝ている。
今のうちに頭を洗おう。
シャワールームで洗い終えて露天にちょっと浸かるか、と思ったら先生も来た。
「頭?」
「うん」
「洗ってあげましょう。おいで」
「いいわよ、自分で洗うから。ゆっくり浸かってて」
髪を濡らしてシャンプーを取った。
「待った、それじゃないっ」
「ん?」
こっち、とローションを渡す。
「なぁに?」
「これで満遍なく髪濡らしてからじゃないと泡立ちませんよ」
「そうなの?」
「海水成分ついたままだと全然だめですから」
ふぅん? といって洗ってる。
湯船に入って先生が洗ってるのを見つつ。
んー天気は良くないかな。
まぁいいけど。
大浴場に行くもよし、日帰り施設の風呂に入りにいくもよし、ずっと抱いてるもよし。
今日は先生のために連れてきたんだから好きなようにすれば良い
上がって着替え、朝食をいただく。
連泊だから少し違う。
部屋に戻って先生にどうするか伺う。
「どうせだから日帰りのところ行ってみたいわね。ジムはいいけど」
急ぐ必要もないので暫く先生とまったりとしてもいいのだが。
ササッと用意されてしまった。
「行くわよ」
「はい」
送迎車で日帰り棟へ連れてってもらう
「平日なのに結構人いますね」
「そうねぇ意外だわ」
他の人もいるところで先生が脱ぐのはちょっと腹が立つが仕方ない。
「あの、お客様、男湯はこちらでございますが」
「……え。あぁ私ですか」
先生が横で笑ってる。
「この子、女性です、大丈夫ですよ」
なんとか笑いながら先生が言ってくれた。
「あ、あらそれは失礼いたしました」
ぺこぺこして去っていくのを見て先生が笑ったままだ。
「あんたも早く脱ぎなさい」
はいはい。
周囲の人が見ない振りをしつつ見てるなー。
乳が見えると視線が消えた。
下帯を外して先生と中にはいる。
うん、広い。
朝洗ってあるから掛湯をして湯船へ。
「んー、気持ち良いわ~」
幸せそうで俺も嬉しい。
いくつかある湯を楽しみ、風呂から上がる。
ふと見るとここでもエステの予約空き情報が。
「先生、昨日と別のエステ受けます? ほら空いてるって出てる」
「あら、今日は良いわよ」
下の売店でみやげ物の物色。
「ここで買えなくてもまぁ駅にも売店有りますから」
「ねぇお腹すいてきちゃった」
「ここのレストランか昨日の居酒屋どっちが良いです?」
「昨日のところが良いわ」
「ですね」
先生は色々食べる代わりにこんにゃくライスを頼んでる。
満腹で部屋に帰ってごろごろ。
少し抱く。
先生も俺の乳首を舐めたり摘んだりする。
怒らない怒らない、じゃれてるだけだろう。
その後もう一度風呂に入ったり、またじゃれたり。
恋人気分を満喫した。
お夕飯を食べに出ると初日とも昨日とも違うものが出た。
ちゃんとした宿に泊まるからこそだね。
今日は先生が梅酒を、俺は酒を頼む。
先生が美味しいおいしいと食べてる。
「こんなに毎日美味しいもの食べて良いのかしら」
「おうちに沢山お土産買って行きましょう、ね」
「ん…」
「家が気になりますか?」
「ちょっとだけね」
「なにかあるなら電話くれてますって」
里心と言うものなのかな?
「後で電話、したら良いじゃないですか」
「そう、ね。そうするわ」
食後のコーヒーを頂いて部屋に連れ帰る。
すぐに先生が携帯を出した。
「俺、ラウンジにいますから」
「うん」
いない方が話し易かろう。
ラウンジに出てブランデーの水割りを頼む。
ん、おいしいなぁ。
次はウイスキーを頂いて。
暫くしたら先生が来た。
「あなたも飲みますか」
「うん、いただくわ」
「どれにします?」
甘めのものを、というので俺のさっき飲んでたブランデーになった。
「おうち、どうでした?」
「お稽古でね、何でお母さんなのかって結構聞かれたみたい」
「ああ、あまり稽古休まないから」
「で、お母さん正直に言っちゃったらしいから…。次のとき覚悟してね」
「うっ…」
もう一杯おかわりをして部屋に帰る。
「酔っちゃったわ」
と先生が俺にもたれてきた。
可愛いな。
「ね、もう一度抱いて良い?」
「いいわよ」
脱がせて抱く。
先生は普通のえっちで普通に声を出していいから旅行は好きなのかもしれない。
先生の家では声を出せず、俺の家では普通のえっちはしてもらえないから。
「実はえっち、結構すきなんじゃ…」
ぺしっと額を叩かれた。
「そんなこというならさせてあげないわよ」
「あ、冗談。言いませんからさせてくださいよ」
今日は自力で先生は着替えて布団に入った。
「どうして朝別の布団で寝てるのかと思ってたのよね…」
「仲居さんにばれたくないんでしょ?」
「そうだけど…」
「俺の懐で寝たい?」
こくり、とうなづいた。
「OK、じゃそっち入りますね」
潜り込むと先生は嬉しそうだ。
俺も先生を抱いて寝るのは好き。
おやすみなさい。

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360

朝起きると湯の音。
先生は先に起きてお風呂に入ってるようだ。
俺も後追いで入ることにした。
「おはよう」
「おはようございます」
ぼんやり入ってると体が浮いてしまう。
先生が笑って引き寄せてくれた。
「胸とかお腹とか脂肪のあるところだけ水面から出ますね。あ、湯面か」
「ここも出てるわよ」
つん、と股間をつつかれた。
くるん、と伏せてふちに腕と顎を乗せる。
「お尻出てるわよ~」
「出ますよそりゃ。ってくすぐったい」
先生が俺の尻なでてる。
「大浴場行かなかったんですか?」
「後にしようかと思ったのよ」
先生も俺と同じ格好をした。
ぷっかり浮いてる。
喋ってると先生の腕がプルプルしてきた。
「意外と疲れるでしょこれ」
先生をひっくり返して膝の上に乗せ俺の腕をお腹にあてがい浮かないようにして座る。
部屋のテレビを伺い見ればそろそろ7時。
「朝御飯、7時半でしたっけ?」
「ああ、じゃもう出ないといけないわね。お化粧したいし」
「もうちょっとこうしてたいな」
「後ででもできるでしょ」
「まあそうですけど」
ぺちぺちと濡れた手で腕を叩かれて仕方なく開放する。
一緒に風呂から出てシャワーですすぎ、洗面台を使って身支度を整える。
きちっと浴衣を着て羽織を掛けて朝御飯のお時間だ。
適当に着るとだらしないと直されてしまうから最近はちゃんと着るようにしている。
昨日とは違って二階へ。
テーブル席だ。
フレッシュジュース、サラダから始まる本格的和風朝食。
美味しくて、そして量が多くてやっぱり先生は全部は食えなかった。
まぁ俺が食っちゃったけどね。
「やっぱり上げ膳据え膳で、色々食べられるのが嬉しいわ~」
「主婦はそうですよね」
「食べ過ぎちゃう」
「おいしいから」
うふふ、と先生が笑って俺も笑う。
「部屋で一服したらプール行きましょう」
「そうね」
二人連れ立って部屋へ戻る、その途中。
ヒーリングルームに先生が引っかかった。
「あら、ここは?」
「あぁ座ってみてください」
座らせて背中を倒しスイッチを入れる。
環境音楽みたいなものが流れるのだ。
ただ先生としては家で聞こえる鳥の声に慣れてるからそんなでもなかったらしい。
「都心から来てるとこういうの癒されるんですよね」
部屋に戻ってさて。
「あ、風呂行きますか?」
「大浴場?」
「その足でプール行きましょうよ」
「あぁそれいいわね、じゃええと何を持っていったら…」
「水着だけでいいですよ。下着は昨晩替えてたんだし」
「あなたは?」
「俺もプール入りますから安心して」
「ビキニ着るの?」
「違います」
「なぁんだ」
「何をそんながっかりしてるんですか」
ちゅっ、とキスされた。
「見たかったんだもの」
はいはい。
先生の手を引いて大浴場へ。
「あら。あらあら。凄いわねえ」
タオルを置いて掛かり湯し、湯船にはいる。
「あ、そこ段差ありますよ」
かくっとなったのを慌てて抱きとめる。
「ありがと」
一番奥まで進むと立ち湯になっていて半露天になっている。
風が気持ち良い。
少しだけ楽しんだらプールへ向かう。
そのまま奥へ進み、売店のある旨の一階がプールだ。
受付でロッカーキーを貰い、進む。
先生の横で水着に着替えるとずるい、と言われた。
うん? と思えばどうやら俺のが長袖だかららしい。
「替えますか? でも髪に引っかかりますよ。折角きれいにしてあるのに」
「んー、じゃいいわ」
ガウンを着せてぺたぺたと歩く。
ちょっとプールまで距離があるのだけど。
プールについて先生は眺め回している。
俺は二人分のビーチベッドを確保して先生のガウンを貰って置いた。
「さ、入りましょう」
こっち、と先導してプールにはいる。
「あら、あったかいのね」
「歩きますよ」
水流に逆らうようにぐるぐると2度歩く。
先生が途中でじたばたしているのを引っ張ったり。
それからジェット水流になっているところで足から背中、肩まで順番に。
「あ~気持ち良いわ~」
「でしょ?」
30分程度だけどすっかりほぐれてきて一旦上がると体が重い。
先生に水を飲んでもらって暫くまったり。
時計を見るとそろそろ10時半。
後30分したらエステだ。
少し寝湯に浸って、それから先生とエステの場所へ。
受付をして待つ間、先生の後の時間が空いてるようなのでこっそり受付に話を通す。
金額は言わずに本人に聞いて受けたいというならの受けさせるようにと。
本人に言うと遠慮するからね、金額。
各々別れてエステへ。
久々のエステは気持ちが良い。主に肩こりの面で。
一時間たっぷり掛けてやってもらって出てくると先生はもう一品目頼んだようだ。
ということは俺、一時間どうしよう。
受付の人と目が有った。
どうやらスケジュールは空いてるようなので俺はボディスクラブを頼んでみた。
気持ち良いなぁーと思ってるうちに終了。
そういう気持ち良い時間と言うのは早く過ぎるものだ。
先生が先に出て待っていて、俺を見て微笑む。
「ね、お腹すいちゃった」
「あぁ確かに」
それじゃ着替えて居酒屋に行こうかな。
着替え終えてスタッフに声を掛けると送迎車を呼んでくれた。
乗せてもらって居酒屋へ。
もうすぐオーダーストップなので慌てつつも色々軽めに頼んで待つ。
「お、うまそう」
食べる。
「うまい♪」
先生もおいしそうに食べてる。
「太っちゃうかしら」
「太ったらジム行きましょうジム」
おすすめのお造りも食べて先生は幸せそうだ。
食事を楽しんだら送迎車で一気に泊まってたところへ。
歩かなくて良くて楽である。
お部屋について先生が布団に転がった。
「お昼間からこんなことできるの、良いわねー」
「おうちだと畳の上ですもんねえ」
いない間に掃除が入っていて俺が散らかしたものはちゃんと片付けられている。
そのうち寝息になってしまった。
布団の上で寝ちゃってるのでもう一つの布団から掛け布団を剥がし、
先生の羽織を脱がせ布団の中に入れる。
俺も一眠りしよう。
携帯のアラームがなる。
あ、そろそろ起きて飯か。
先生を揺り起こして寝ぼけ眼の所、着替えさせる。
「あふ…」
「はいはい、眠いですよね」
着替え終わって部屋を出るころにはしゃっきりしてる。
「ねぇ寝皺ついてない?」
「大丈夫、綺麗ですよ」
ゆったりと食事場所まで行く。
一階だが昨日と違う場所だ。
食事も連泊なので昨日とは違うメニューになっている。
日本酒を頼み先生と杯を交わす。
今夜のご飯も美味しくて先生が嬉しそうだ。
今日は最初から少しずつ俺のお皿に分けてくださる。
「マナー違反だけど…」
「色々食べたいからね。下さい」
先生がなんか可愛いくて嬉しくなってしまった。
「味見味見、うまいなぁ」
結局俺が色々食べちゃうので良い感じにデザートで満腹となった。
お部屋に戻って更に部屋のウイスキーを飲む。
腹がこなれた頃、先生の胸に触れた。
熱海のときのように、飲みつつ。
でもあのときほど恥ずかしがってなくてやっぱり慣れだね、慣れ。
むしろもどかしげだ。
くすっと笑って全部脱がせて布団に追い込む。
「あ、着物、ハンガーにかけて頂戴よ」
はいはい。
ちゃあんと掛けて脱いだものも片付けて。
それから先生とお布団に入る。
大声は出させちゃいけないが先生のおうちほどには潜めなくて良い。
好きだ、愛してるも沢山に言って先生のうわごとの様な気持ち良さそうな声も楽しむ。
十分に先生の身体を堪能してぐったりしてるのを引き起こす。
「ほら、浴衣、着て」
脱力してるから俺にされるがままだ。
シーツのピシッとかかってる布団へ先生を寝かせて俺がくしゃくしゃの布団へ。
おやすみなさい。

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359

翌朝、ゆっくり目に起きて一応手荷物品の確認もすませた。
携帯には荷物の到着を知らせるメールが来ている。
先生から家を出たとの連絡をもらったのは11時ごろ。
さてそれでは、と松屋銀座へ。
中の人と話していると予約キャンセルが出てそれをお勧めされた。
勿論そっちを選んで持ち帰る。
暫くして先生が来た。
「いらっしゃい。お昼どうします? 今食べるか電車で遅い目のお昼にするか」
「泊まるところのお夕飯何時かしら」
「6時半にお願いしてます。新幹線は1時半です」
「じゃ…電車で頂きましょ」
上から下まで眺めて。
「なあに?」
「綺麗だな、と思って」
ぽっと頬を染めて可愛らしい。
少しお茶を飲んだり先生が手荷物を確認したり。
「じゃ行きましょうか」
「そうね」
忘れ物なし、テレビも電気も切り忘れはなし、と。
東京駅までタクシーで行き、新幹線に乗る。
お弁当を広げると先生が凄くうれしそうな顔をした。
ふふん。
おいしい、おいしいと先生が食べていて、俺も幸せだ。
ごちそうさまをして暫くしたら乗換え。
残念ながら普通車しかあいてなかったけれど海側の座席。
旅情を誘う風景だ。
俺は何度か来ているけれど。
駅について先生はきょろきょろしてる。
こっちこっちと手を引いて階段を下り外に出たらちょうど宿の送迎バスが停車していた。
先生を乗せて俺も乗る。
他の客を待って10分ほどして出発。
ほんの5分ほどで宿に到着し、フロントでお茶を頂きチェックインした。
手荷物を仲居さんが持って部屋に案内される。
送った荷物は部屋に入れてくれてある。
先生を上座に据えて落ち着くと化粧品を選ばせてくれる。
選んで細々とした説明を先生が受け、仲居さんが部屋を出た。
「すごいわねぇ」
と先生があちこちうろうろしてる。
これが見たくてつれてきたようなものだ。
「お風呂、入りますか?」
「そうね」
「その風呂か、大浴場かどっちが良いです?」
「ん、先にお部屋の入ろうかしらね」
じゃあ、とハンガーを出して先生を脱がせる。
「自分で脱ぐわよ…」
照れてるのも可愛いなぁ。
シャワー室でさっとかかり湯をして先生が風呂に入った。
俺は持ってきた浴衣に着替えて縁側から風呂へ。
「湯加減どうです?」
「気持ち良いわぁ」
「それはよかった」
湯がきらきらと反射し、先生の肌に。
綺麗だなぁ。
「ねぇ先生、付き合いだした頃熱海に行きましたね」
「あぁそうねぇ随分前に思えるわ」
「俺に抱かれるのもまだ怖がってましたっけね」
「あの頃はねえ」
「今は怖くない?」
キスする。
「たまに怖いわ」
肩を舐める。
しょっぱっ!
「どうしたの?」
「お湯、海水だったの忘れてた」
「あらあら」
くすくす笑って、そろそろ出るから、と言う。
俺も中に入ろうかな。
ぱしゃりと湯船から出てシャワー室に入ってすすいでる。
暫くすると宿の浴衣を羽織って先生が縁側に出てきた。
「良いお天気ねぇ」
「ですねぇ、湯冷めもしなさそうな」
風に先生は身体を冷まされるのを待っているようだ。
色っぽいなぁ、湯上り。
そろそろ引き寄せたくなって動いたら先生が立ち上がった。
「あなたお茶いる?」
「あー…はい、いただきます。が、冷蔵庫に冷えた水ありますよ」
「…冷蔵庫どこにあるの?」
こっち、と玄関の方へ連れて行く。
シンク下は冷蔵庫だ。
中に入ってるものを見て先生が楽しそうな顔になる。
青汁豆乳を持ってお座布団の上へ行き飲み始めた。
それ飲まれたらキスしにくいなぁ。
「それお腹膨れません?」
「うん、ちょっと」
「散歩しましょうか。館内案内しますよ」
「そうしてもらおうかしらね」
先生も持ってきた浴衣に着替え、一緒にぶらぶらと。
ここの館内履きは草履で普段から履きなれてる二人には気楽だ。
先生の手を引いて大浴場や売店、ジムやボーリング場などを見せる。
「広いのねぇ」
「あっちの方には居酒屋と日帰り温泉がありますよ。あさって昼に行きましょうね」
「明日は?」
「プールとエステ。エステは予約入れてありますからね」
「あら嬉しいわ。でもプール?」
「泳ぐんじゃなくてジャグジーみたいなやつですよ」
「水着持ってきてないわよ?」
「持ってきてありますよ、俺の見立てですけど。後で着てみてもらえます?
 サイズあってるか知りたいから」
「えっ」
赤くなってる可愛い。
ちょっとキスして頬を撫でる。
「あ、だめ、こんなところで」
「知らない人しかいませんよ、大丈夫」
「人前なんてはしたないわよ」
「可愛いなー」
「もうっ」
ゆっくり先生と歩いて売店へ。
BBクリームや口紅などを先生が見ている間に俺はサプリをいくつか。
「それ試してみますか? 色はピンク系でしょうかね」
店員さんが先生を見てこちらのお色のほうが、と勧めてくる。
手の甲に伸ばすと結構気に入ったようだ。
「じゃこれと口紅は?」
「あ、この色が良いかしら」
「うん、じゃこれとこれと…」
会計をして部屋に戻る。
先生が慌ててトイレに入った。
「我慢してたんですか? 売店にトイレあったんですよ」
「え、そうなの?」
トイレの中から返事が返ってきた。
出てきたので洗面所でさっきのBBクリームをオイルで取り、手を洗ってもらった。
大きい鏡を見ていると…先生の胸を揉みたくなってしまう。
いやもうすぐご飯だ、今はだめだ。
お座布団に座ってテレビを見つつ暫くおしゃべりして、ご飯の時間になった。
先生を連れてラウンジへ行く。
係りの人に案内されて今日は1階だ。
食前に梅酒を頼み先生と乾杯していただく。
「おいしいわねぇ」
「ですねぇ」
暫くして食事が運ばれてくる。
懐石のように一品ずつ。
「あら、あなたのメニューと私のメニュー違うのね」
「俺は魚苦手ですからね、その分あなたのお皿は良いものばかりお願いしてありますよ」
うふふ、と先生がうれしそうにしている。
次々と食べては出てくる料理。
「お腹膨れてきちゃったわ~でもおいしい」
「でしょ? どうしても多いなら助けますよ」
「そう?」
先生がちょっとずつ、残す分を平らげつつデザート。
「甘いものは」
「別腹ですよね」
うっふっふ、と先生がにこやかで見ていて本当に楽しくなる。
食後のコーヒーを頂いて部屋へ戻る。
「ああ、お腹一杯~」
「布団に寝転がっても良いですよ~」
「あらだめよーお化粧落としてないもの」
「じゃ、落としちゃいましょう」
「そうね」
「どうせだから脱いで…風呂で洗ったら良いでしょう」
「んー」
畳の上で俺の膝を枕に転がっちゃった。
そのままテレビを見ている。
番組が終って先生が脱ぎ始めた。
「あなたも一緒にはいる?」
「そうしましょう」
脱ぎ捨て先生と一緒にシャワー室へ。
先生が洗顔の間に背中を流し前も、と思ったがそれは自分ですると言われてしまった。
残念がりつつ自分の身体を洗って漱いで外の湯船へ。
う、あつい。
「早く入りなさいよ」
「ケツ押さんで下さいよ」
「お尻」
「ケツ」
ごつん、と拳骨が落ちてきた。
中ほどまで行って浸かる。
先生も俺の横に。
「あぁ良い星空ねえ」
「あ、ほんとですねえ」
ぱちゃぱちゃと湯を楽しんで先生に触れたり。
暑くなってはふちに腰掛けて涼んで、また冷えたら入って。
気持ち良いねえ。
先生が俺に覆いかぶさってキスして来た。
「そろそろ上がりましょ」
「はい」
シャワーで湯を流して宿の浴衣を羽織る。
先生は洗面台の前で化粧水をたっぷり目に使っている。
先ほど飯の間に化粧品が置かれていた。
俺も化粧水だけつけて布団に転がる。
「はー暑いー」
暫くごろごろして、むくっと起きて荷物の整理。
明日の水着を出して、後はいろんなものを仕舞ったり出したり。
ドライヤーはとりあえず先生の希望だし。
先生が戻ってきたので水着を渡した。
「着てください」
「いま?」
「そう、今」
「……え、こんなの無理よ」
「まぁそういわず」
渋々つけるものの凄く恥ずかしがる。
「綺麗だな」
「ビキニなんて恥ずかしいわ」
「ま、そうおっしゃると思って…持ってきてますよ、フィットネス水着」
着せてみると丁度良いサイズ。
「んー、でも俺はさっきのほうが良いなぁ」
「いやよ、こっちでいいわよ」
そういいつつ脱いで畳んでいる。
笑ってビキニは鞄に仕舞って先生を引き寄せる。
「なぁに?」
「そろそろ抱いて良い?」
「いいわよ」
掛け布団をのけて、先生を転がす。
キス。
「昨日してないから…」
「ん、わかってるわ」
まぁでも移動とかで疲れてるだろうからと軽めに抱いて。
案の定2回逝かせたら寝てしまった。
気持ちの良さそうな寝息がなんか良くて幸せな気分だ。
浴衣を着せてもう一つの布団に仕舞ってあちこち片付けて電気を消す。
布団は片方しか使ってないとしたのがバレバレで先生が困る。
ぐしゃぐしゃになったほうの布団に潜り込む。
大丈夫、先生の残り香がある。
おやすみなさい。

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358

朝、気だるいが出勤して仕事。
少し忙しかった。
旅行の用意をした鞄を持って先生のお宅へ到着。
食卓を囲む先生に挨拶した。
「先生、旅行の用意出来てます?」
「えっあっ! 明日からだったわね、忘れてた…お母さん、お稽古ちょっとお願い」
先生が八重子先生を拝んで、今日は八重子先生とお稽古ということに。
とりあえずはお稽古の用意をして生徒さんを迎え入れる。
二人目のお稽古が終ったころ先生が戻ってきた。
八重子先生と交代だ。
生徒の皆さんが帰られた後、俺のお稽古。
今日もかなり怒られて少しへこんだ。
水屋は先生に任せ、荷物を預かり俺の荷物と共に宅配に出す。
戻ると既に食卓にご飯が並んで先生と律君が喋っている。
「そうそう明日から山沢さんと旅行行くから。あんたお父さんのことよろしくね」
「ええっ? 聞いてないよ」
「忘れてたのよね」
「おばあちゃんは?」
「行かないよ」
「そうなんだ? じゃなくて聞いてたの?」
「聞いてたよ。お稽古の都合もあるからねぇ」
「ただいま。やぁ律君、こんばんは。お母さんいないとさびしい?」
「そういうわけじゃないけど」
「水曜になったらちゃんとお帰しするから安心して待ってたら良いよ」
「それでどこ行くの?」
「伊豆だよ。八重子先生、これ宿の電話番号です」
「はいはい」
「あ、そうだわ、ドライヤー…」
「私のでよければ入れてますよ」
「部屋にあるんじゃないの?」
「ブラシついてない奴はあるんだけどねー」
ご飯を終えて片付ける。
「ね、明日これどうかしら」
「うん、いいんじゃないかねえ」
明日着ていく着物の相談をしてるらしい。
「ねえ山沢さんはどれが良いと思う?」
「どれでもいいですよ」
むっとしてしまったようだ。
「だってどれも先生が着たら似合いそうですから」
あ、ほころんだ。可愛い。
「そろそろお暇しますね。明日お待ちしてます」
「はぁい、気をつけてね」
そして別れて帰宅だ。
手荷物だけ用意して後は明日の昼は先生が来るまでに三友居さんの弁当でも買うか。
明日が楽しみだなぁ。

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