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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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314

寝てるところも可愛いんだよなー、とにんまりして眺める。
こんないい女を自分の恋人にしているなんて去年の俺には想像できなかっただろう。
そうなりたいとは思っていたけど。
たたまあ性癖からするともうちょっとM寄りだったら助かるが。
それはしょうがない。
普段の先生では考えられないようなことをさせてるだけで満足とすべきだ。
寝ている先生に軽くキスして、俺も寝ることにした。
お休みなさい。
翌朝目覚めると先生がシャワーを使っているようで湯音がする。
時計を見れば6時半。
意外と早く目覚めたらしい。
風呂場を覗くと身体を洗っているようだ。
昨日舐めまくったからな、うん。
洗顔して着替えていると風呂から出てきた。
まじまじと見ると恥ずかしがる。
「そんなに見ないで頂戴」
「いやキスマークとか残ってないかと」
「ないわよ」
そういって着替えだした。
「早くしなさい。戻るわよ。まだ律起きてないでしょ」
ああ、そういうことね。
「はいはい、昼寝したらいいですもんね」
「そういうこと」
着替えてベッドを直し、ストーブを消した。
「忘れ物、ないわね」
「はい」
「じゃ戻りましょ」
早朝の綺麗な空気に晒され静かに帰宅して、台所へ。
八重子先生が支度している。
「あらおはよう。早かったね」
「律君が起きない内に、と仰ったので」
先生が昨日着てた着物などを起きに行って戻ってきた。
俺は冷蔵庫から日本酒をちょっと取って先生に渡す。
「なぁに?」
「昨晩飲んで騒ぐかも、とあちらに行ったんですから。
 ちょっとくらい酒の匂いがありませんとね」
「あぁ、そういうこと。じゃ頂きます」
とクイッと飲んで杯を返して、それから食卓を整えに居間に行かれた。
なんだかんだ酒つよいよね。
お味噌汁の味見をさせてもらって今日は麩の味噌汁だ。
おいしい。
ごはんにお味噌汁。お漬物、焼き魚、納豆。
日本の朝飯だね。
おいしいなぁ、お味噌汁。
お漬物は昨日八重子先生がキャベツを塩漬けしてたもの。
「お母さんお酒臭い」
「あらそう? そんなに匂うかしら」
「レポートできたのかな、律君。遅くまで頑張ってたみたいだけど」
「ええ、なんとか目処がつきそうです」
「この後も書くのかな」
「うーん、今日中に書き上げたいんで」
「じゃ煩くしないよう気をつけるよ」
魚の半分を孝弘さんのお皿にこっそり移動させつつ食事。
ごはんがうまい。幸せだ。
食べ終わって洗い物を片付けて居間に戻れば早くも先生が眠そうだ。
「布団敷きますから部屋で寝てたらどうですか?」
「そういってるんだけどねぇ」
横に座ったら膝を枕にされてしまった。
「それじゃ山沢さんがお手洗いにいけなくなるだろ」
と言うのも聞こえてないらしく早くも寝息だ。
「いいですよ、寝入ったら座布団とチェンジしますから」
寝息が気持ち良さそうでいいなぁ。
八重子先生が溜息ついてお茶を入れている。
「はい、お茶」
「あ、有難うございます」
「昼から私ちょっとお茶仲間の家に行ってくるから。
 あんたらで適当にお昼作って食べなさい」
「はい。あ、ランチされるんですか」
「そうなんだよ、古い馴染みでね。たまにはお昼でも一緒にってね」
「そりゃいいですねぇ」
「あんた、昔の友達と呑みに行ったりするの?」
「ここ半年はないですが前はたまに休みに戻ってましたから。
 居酒屋で出くわしたりしてましたね。そのあと飲みに行ったり」
「帰らなくてもいいのかい?」
「たまには空気入れ替えては貰ってますから、家は」
このまま10年とかだと引き上げてきてもいいな。
「今は…この生活が楽しいですね」
「そう。ならいいんだけど」

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313

鍵を開けて暖房をつける。
火の気がないから中は冷え込んでいた。
ストーブの前で先生を膝に乗せて座り込み、キスした。
暫くキスしてると暑くなってきて、先生もそう思ったようで膝から降りた。
ベッドを見るとオレンジのシーツに変わっている。
「また変えたんですか?」
「だって寒色はやっぱり寒々しいもの。夏はいいけど」
「抱かれるときは暗くするからわからないでしょうに…それとも電気つけてしたい?」
「いやよ…」
「そういわれるとしたくなるな。脱いで」
「やだわ」
「そのまま抱かれたい?」
うっ、という顔をしてあきらめて帯を解いた。
貝ノ口に〆ていた半幅をほどいて、しゅるり、しゅっ、と紐を抜いていく。
鎖骨が見えて、そっと指でなぞるとびくっとして可愛い。
「ほら、手が止まってる」
「だって…」
「なに? 早くしないとそのまま抱いちゃうよ?」
「やだ…」
顎に手を当ててキス。
そのまま抱かれると思ったようで焦って脱ごうとしている。
くくっと笑ってしまった。
脱ぎ終えて、裸身をさらす。
恥ずかしげで美しい。
俺が触れる指、一手一手に反応が返る。
「ベッド…お願い…床じゃいや」
はいはい。
ベッドに手を引いて連れて行くと自分で布団めくって入った。
照明を半分くらいに暗くして俺も入る。
「あ、カーテン」
「開けたままでいい」
「でも…」
「月、綺麗ですよ。ほら」
「本当…あっ」
乳首を舐めつつ股間をまさぐる。
暫く弄ってると喘ぎ声が結構出ていて楽しい。
丁度月明かりと照明で表情もよく見える。
我を忘れて喘いで呻く姿も綺麗で、もっと腰が抜けるほどしたくなる。
何度か逝かせ、うつ伏せにして腰を持ち上げて舐める。
「こんな格好いや…」
なんていいつつも気持ち良さそうで。楽しい。
息が切れ始めたのを見て逝かせて一旦終了。
苦しそうで可哀想にも思うけど。
暫くなでていると息が整って落ち着き始めた。
ベッドの上に座り、膝の上に抱き上げ窓を向かせる。
「えっ…」
足を開かせて外を股間を見せ付ける格好でまさぐっていく。
「やだやだいやよ…お願い」
「だーめ」
ちゃんと感じてるしね。
きっちり逝かせてから布団の中に戻した。
少し涙目になっていて可愛くて目尻に舌を這わせる。
「いじめるなんてひどいわ」
「嬉しいの間違いでしょ? 気持ち良さそうでしたよ」
「…ばか」
可愛いなー可愛いよー。
キスをせがまれてたっぷりキスして。
背中をなでていると徐々に寝息に変わっていく。
お疲れ様でした。

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312

台子を仕舞って釜なども片付けて着替えてお台所へ。
「ああ、終った? じゃお刺身してくれる?」
「はいはい」
「酢味噌もよろしく」
「はい」
はまちをさばいてお造りにして、わさびを練る。
八重子先生が微妙な顔で見ているのはロマネスコだな。湯がいたらしい。
酢味噌を作って味見をしてもらう。
「あら? あまりツンとしないのね」
「酢が違いますからね。もう少し甘いほうがお好きですか?」
「んー、こんなものだと思うわよ」
「じゃそろそろ孝弘さんたちお呼びしましょうか」
「そうしてくれる?」
はい、と答えて律君を呼びに行き、孝弘さんを離れから拾ってくる。
「うわ、なにこれ」
どん引きの律君に先生が苦笑する。
「山沢さんのお土産よ」
「なんでフラクタル? うーん…」
「…おいしいのかしらねえ」
「ま、食ってみて下さい」
八重子先生が好奇心に負け手を伸ばした。
結構新しいもの好きだよね。
俺は普通にマヨネーズでぱくつく。見た目が駄目なだけで美味しいから。
「なんだカリフラワーじゃないの」
「でしょう?」
律君が動揺のあまり蛍烏賊にマヨネーズつけた。
美味しいような気もしなくもない。
アタリメにマヨネーズつけるし。
一度食べたら別に変なものではないとわかったようで律君も食べだした。
孝弘さんは最初から何も気にしてない。
ハマチは今日は天然が安かったので、と言うと先生は嬉しそうだ。
俺の為にちゃんと肉のたたきを買ってきてくれてあって美味しくいただく。
満腹。ご馳走様。
ロマネスコも全部売り切れた。
よしよし。
洗い物を片付けて戻ると八重子先生はお風呂に。
律君は勉強かな。レポートだそうだ。
「ね、先生。あっちの家行きませんか」
「えっ…」
「だって多分今晩は律君夜更かしですよ」
「あ、そう、そ。そうよね。でもお母さんに言うの恥ずかしいわ…」
「風呂入ったら先行ってますか? 俺から言います」
「そうしてくれる?」
頬染めてて可愛い。
はい、とチロリアンを渡して二人で食べる。
「あら、おいしいわね」
「千鳥酢を見た瞬間にチロリアンが浮かんだものですから買ってきちゃいました」
「どうして?」
「チロリアンは千鳥屋」
「あら、やだ。ほんとね」
などとなごんでいると八重子先生が風呂から出てきた。
代わりに先生が風呂に立つ。
八重子先生にも差し上げてお願いした。
「あー…いいけどね。ちゃんと明日のうちに帰してやっとくれよ」
「いや築地のじゃなくてですね、近くの部屋のほうです」
「それならいいよ。じゃあんたも一緒に入ってきたらどうだい」
「来る前に入ってますからいいですよ」
「そうかい?」
お茶いれて、ゆったりとした時間。
暫く喋ってたら先生が風呂から上がってきたので支度してつれて出る。
冬に比べれば暖かいから湯冷めの心配がそんなにない。
先生はちょっと恥ずかしそうだ。

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311

そう思って就寝。
翌朝出勤すると結構に忙しい。
桜終ったんじゃないのかよ。
ばたばたと仕事をして、少し終るのが遅くなった。
だけど本日はお稽古はないからいい。
帰宅後いい天気なので散歩することにした。
ゆったりと散歩を終え、掃除し洗濯物を取り入れる。
いい感じにパリッとした。
やっぱり乾燥機にかけるより日干しが良い。
面倒くさいから滅多にしないけれど。
お昼寝をして、夕飯。何食おうかなー…。
あ、春キャベツとじゃこと桜海老のパスタが食べたい。
どこで見たっけ。
思い出して調べる。夜もやってた。
よし行こう。
軽めの夕食を食べて帰宅。
もうちょっとにんにく利かせて家でつくってもいいな。
お稽古の前は絶対出来ないけれど。
先生から夕飯のメール。
じゃこと春キャベツの卵チャーハンだった。
俺の食ったものをメールするとすぐに返事が返ってきた。
何たる同調か。
明日は蛍烏賊を持っていこうかな。時期だから。
酢味噌だから味噌を買っていかねば。
とメールに買いたら酢もないから買ってきて欲しいそうだ。
千鳥酢にしようかな。
チロリアンではない。
いやチロリアン買って行ってもいいけどさ。
そろそろあくびも出てきて寝る時間だ。
おやすみなさいのメールをしてベッドにもぐった。
寝酒にウイスキーを煽っておやすみなさい。
翌朝、腹が減って目が覚めた。
苦笑して出勤、朝飯を食いつつ仕事をこなして仕事終了。
面白い土産とともに先生のお宅へ。
「こんにちは」
「あら、なぁに沢山」
「天ハマチと蛍烏賊、それとこれ!」
とロマネスコを見せたら先生が後ずさりした。
「なんなのこれ…」
「それと酢と味噌とおやつ。それはロマネスコといいまして。
 ブロッコリーとカリフラワーの合の子みたいなもんです。両方の食感と味ですよ」
「そ、そうなの?」
「使い方もブロッコリーと同じで湯がいてもいいですし炒めてもいいですし」
「……どうしようかしら」
「とりあえずお台所置いてきますね」
台所にアレやこれやを仕舞って手を洗って水屋の用意を整える。
お台子も出してと。
生徒さん達が来てお稽古開始。
土曜の生徒さんは若い方でも割りと気がゆっくりされてる方が多い。
それはまあ、明日が休みの日だからと言う気楽さからくるのかもしれないけれど。
点前中にお喋りする方がいらっしゃる。
まぁ所詮趣味だから仕方ないかな。
先生も優しくお相手されてることだし。
「優しい先生が教えてくれるお教室」が人気の秘訣かな。
にこにことみなさんを見送られて、さて俺のお稽古。
…既に厳しいじゃないか。
「一昨日言ったでしょ。考えて」
しばし悩んでこうか、とやってみると正解だった。
ほっとしつつ流れだけは教えていただけて進んで行く。
だが詰まっても中々教えてはいただけない。
上級に進んだ人は皆こうなのだろうか。
「お稽古に真剣さが足りないから忘れるのよ」
それはその通りです…。
とりあえず最後まで通したら、もう一度、と言われた。
茶碗を仕込みなおして建水を清めて再度点前に立つ。
「さっき言ったのができてないわよ」
ぴしゃり、と叱られた。
慌ててやり直す。
「落ち着いてもう一度やりなさい」
「はい」
きちり、きちりと真剣にお稽古をして、やっと水屋へ下がった。
「今日はこれくらいで」
と先生から声が掛かり、ほっとした。
やれやれ、と片付けに入る。
頭を撫でられた。突然。
「お稽古厳しくて驚いちゃったかしら」
「あ、はい」
「早く覚えて欲しいの。だから暫く厳しいと思うわよ。ついて来れる?」
「頑張ります」
「普段はそんなに畏まらなくていいわよ。これのお稽古のときだけ」
ほっとしてしまった。
普段のお稽古もこの調子だと流石にきつい。
台子を仕舞って釜なども片付けて着替えてお台所へ。

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310

一服をしてから掃除。平日だからね、先生も主婦業をしないといけない。
俺も指示を貰いつつお手伝い。
廊下を拭いたり、庭の雑草を取ったり。
3時になっておやつをいただいたらお買物。
トイレットペーパーなどかさばるものも買って、焼酎も買う。
司ちゃん用のを切らしてたらしい。
「ほんと助かるわぁ…律もほら、大学あるから遅いでしょ」
「お夕飯の買物には間に合いませんよね」
「あなた力持ちだし」
「ま、仕事が仕事ですからね」
帰宅して先生の決めたメニューに従って下拵え。
今日はメイン肉じゃが。
と言うことでジャガイモの皮を剥く。
…肉じゃがなのに豚肉なのはいまだに違和感があるが仕方ない。
後は色々副菜を用意してお夕飯をいただいた。
食後お茶をいただいたら日のあるうちに帰宅の途へ。
ま、明日も会えるから。
しかしお稽古、明日からは真の行か。大変そうだなぁ。
頑張るしかないな。
帰宅して、布団に入って寝る。
朝、起床して出勤し仕事をして帰宅。
すぐに先生のお宅へお稽古に。
「いらっしゃい。今日からあなた真の行よ」
「はい、お願いします。他の方はどうなさいます?」
「平点前にしようと思ってるの。今月で炉も終りだもの」
「じゃ用意してきます」
教えてもらったように真の台子を組み立てて端に置いて、あとは普段の用意を。
生徒さんが来られてお稽古スタート。
平点前のお稽古に皆さん慌てておられる。
意外と普段やらない上に少し上の点前をすると混ざるからわからなくも無い。
先生はそれでも優しく指摘されたりしていて、焦れた風を見せない。
人に教えるにはこうでなきゃいけないのか…俺できるかなぁ。
今日は俺がいてもいなくても大して意味はないな。
ゆったりとお稽古時間が過ぎて、ずっと次客。
皆さんが帰られるころ、着替えて口を清めるよう言われた。
昨日教えていただいた真の行のお稽古だ。
最初だからと先生もやさしく次はこう、それをこうしてと教えてくださる。
2回やってみて覚えられそうにない、と言えば半年はかかるわね、と仰った。
半年で覚えられるかなぁ。
「月曜日もいらっしゃいよ、見てあげるわよ」
「うーん来たいんですが流石に時間が…」
「そうよねえ…遠いものね」
「こういうときは普通の仕事がうらやましいとは思いますけど。
 だけど普通の時間の仕事じゃ昼からここに、なんて真似できませんからねー」
片付けつつ、おしゃべりを楽しむ。
普通のサラリーマンならやっと仕事が終る時間だろう。残業なしで。
「時間の都合つくときにはいらっしゃい」
「はい」
「さ、もうそろそろお夕飯できたかしらね」
と台所へ。
今日はメインは炒め物。と、カツだ。
「あれ? 揚げ鍋ありましたっけ?」
「ああ、揚げ物は買ってくるんだよ。危ないからねぇ」
「確かに天麩羅火災多いですしね」
配膳して夕飯をいただいて、帰宅。
職場が先生のお宅に近ければなぁ、って無理だけど。
先生も職場が家だからこればかりはどうにもならない。
いつか定年退職したら先生の近くのあの家に住みたいな。
そう思って就寝。

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