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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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151

先生のお宅に戻ると司ちゃんが来ていた。
おお、振袖姿だ、可愛い。というか綺麗かな。晶ちゃんは可愛い感じになるが。
司ちゃんにもお年賀を。
「あーおなかすいたわ~」
「ですねー、さっさと着替えましょう」
先生を脱がせ、小物を片付ける。
それから俺。
袴の紐を解いて、袴を取る。
それを先生が畳んでくれている間に帯を外す。
司ちゃんが変な顔で見ている。
先生が甲斐甲斐しいのに違和感を覚えているのか?
礼装用の長襦袢を脱いで普段の長襦袢に袖を通す。
脱いだものを先に片付けよう。
「早く着なさい、風邪引くわよ」
と先生に止められてウールの着物をざっくり着る。
先生にちょいと手直しをされて。
お昼ごはんお昼ご飯♪
「いらっしゃい、遅かったね」
「忘れ物しちゃったのよ~司だけ先に来させたんだけど。あけましておめでとう」
「あら斐姉さん、あけましておめでとう」
「明けましておめでとうございます、斐さん」
「山沢さんだったかしら?明けましておめでとうございます」
「兄さんたちは?」
「そろそろ来るんじゃないかしら」
「先食べちゃいましょうか?」
台所へ行ってお重とお雑煮の支度をお手伝い。
ああ腹減った。
玄関で声がする。皆そろったのかな。
食卓にお重とオードブルを出して、お雑煮も出して行く。
ぎょっとしてるのは洸さんだな。
「母さん、お客さんなんじゃないの?律にでもやらせたら?」
「あの子はいいんだよ」
「八重子先生、孝弘さんは?」
「部屋で食べるって、律に渡してくれるかい?」
「はーい、律君、これよろしく」
最後に自分の雑煮を用意して食卓につく。
環さんの横か、まぁいいけど。
私の雑煮に変な顔を。まぁこれは仕方ない。
味噌漬けはそれなりに人気である。
「やっぱり母さんの雑煮がうまいなぁ」
あぁ、そうだよなぁ。嫁さんのとやっぱりどこか違うんだろうな。
嫁実家と折衷したりするし。
私は先生の作る雑煮と自分の作る雑煮と両方いただいてるが。
先生はうちのはもう食べたくなさそうだったしな。
箱根駅伝を見つつ、先生の末っ子振りを楽しむ。
やっぱり末っ子で甘やかされてるんだなぁ。
本人たちにそのつもりはなくとも。

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150

翌朝起きて、初夢を問う。
私の夢には茄子と扇が、先生は茄子だったらしい。
いやに頬を染めて言うので詳細を伺えば茄子の使い方は俺と同じだったようだ。
あれだ、以前に変なビデオ見せたからだろう(笑)
さすがに賀茂なすではなかったようだが。
「じゃ…濡れてる?」
と股間の辺りに軽く手を持っていったら泣きそうな顔をされてしまった。
「酷いわ…人を淫乱みたいに…」
いんら…っておい。そこまでは言ってないぞ。
「淫乱って言うのは、そういう夢を見たからしたくなった、して欲しいと。
 皆が居るのなんか構わない、隣の部屋にいてもいいとかなら淫乱ですよね。
 あなたは違うでしょう? 濡れる濡れないは生理的反応ですよ」
となだめて、それは言わずに先に見た夢の方を人には言うといいでしょう、と。
先の夢は家族皆で温泉旅行とか。
「温泉は熱くはなかったですか?」
「ううん、いいお湯だったわよ?どうして?」
「熱い湯だと健康状態に注意のサインだったかな、と」
「あらそうなの?山沢さんと二人で露天風呂にも入った夢だったわよ」
何度か入ったからなあ。
「さて、そろそろ起きますか」
「そうねえ…もうちょっとだけ」
寒いから布団から出たくないだけなのか、俺の懐にいたいのかどっちだろう。
触って煽ると後で怒られるしなあ。
「ねぇ先生。夢の通りにしていいですか? うち来た時」
「怒るわよ」
やっぱりそうだよな。
「はいはい、わかってますよ」
「わかってるなら言わないの。恥ずかしいんだから」
「というか恥ずかしがってるのが可愛いんですよねー」
「馬鹿…」
「早くあなたを抱きたいな。こうやって懐に、というのもいいけれど」
あ、顔埋めちゃった。
相変わらず恥ずかしがり屋で可愛いなあ。
ピピッと5時半のアラームがなる。
あきらめて起きて身づくろいをすることに。
さっさと用意して台所へ。
雑煮の支度やお重への詰め直しなどをして食卓に出す。
律君たちも起きてきて雑煮と御節をつつく。
食事もひと段落して洗い物を済ませるとそろそろお年始に。
黒紋付に着替えて先生のお供をする。
うん、先生、綺麗だなぁ。
先生の先生に当たる方のお宅やご親戚、ご近所のお茶仲間さんのおうちなど。
すっかり昼になって帰途に。

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149

夜半、いつも起きるような時間に目が覚めトイレに立つ。
戻ると部屋に先生がいた。
またか。
追い返すのもなぁ。
布団に入れて、懐に抱く。
「…迷惑だったかしら」
「そんな顔してましたか?」
「ええ」
「このまま抱けるならね、凄く嬉しいんですけどね。抱けないのでちょっと苦しいなと」
「あら…」
あ、耳まで赤くなった。
「まあ、我慢します。ここが落ち着くってならここで寝てください」
「…落ち着かなくなっちゃったじゃないの」
背中を撫でる。ゆっくり、優しく。
「ん、だめ…」
落ち着かそうと思ったが煽ってしまったか。
すっと先生の手が私の胸の合わせを割り開く。
「どうしました?」
ぴとっと先生が私の胸に耳をつける。
ああ、あれか、心音を聞くのか。
落ち着きたいんだな。
「山沢さん、いつも早いわよね…」
あなたとくっついてる所為もありますがね。
先生の背を撫でつつ自分も落ち着くべく努力する。
「ねぇ、明日年始まわり行くけど…あなた、一緒に来る?」
「お茶関係ですか。それなら」
「親戚も回るわよ?」
「表でお待ちしてますよ」
「寒いのにいいの?」
「あなたのいない家で孝弘さんと待つんですか?一分一秒でもあなたのそばがいいのに」
「山沢さん、可愛いこと言うのね」
「ガキっぽくてすみません」
「あら、嬉しいわよ」
「そうですか?」
先生からキスをされて。
私の胸に手が這う。
煽って楽しんでるな?されないと思って。
くるり、と組み敷く。
「あっ…」
「抱いてもいいんですよ、今」
耳を舐める。
「だめ、やめて…」
「スリル、あるでしょう?」
先生の頬が赤く染まって、衿から覗く胸の辺りもほの赤い。
きゅっと身を縮めるさまは愛らしくて、少し淫靡で。
生唾を飲み込んでしまう。
「ゆるして…お願い」
息をたっぷり吸って、吐いて。横にごろりと転がる。
「仕方ないな。おいで、寝ますよ」
先生はそろりと私の腕枕におさまって目をつぶっている。
可愛いな。本当に。
髪を撫でて、腕を撫でているうちにうとうととしてきた。
もう一眠りしよう。
「ごめん、ね」
先生がつぶやいた。
「いいんですよ。愛してます」
「ありがとう…」
そのまま眠りに落ちて行かれた。相変わらず寝るとなると早いな。
俺も寝よう。

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148

先生は、と。
とっくに着替えて燗をつけて居るらしい。
台所へ行くと先生にごめんね、と言われた。
気にしなくて良いですよ、と言ってかすめるようにキス。
少し飲みたくなって常温の天神囃子を取り燗徳利とともに先生と戻る。
律君にもついであげる。顔が赤い。
先生が燗酒を私についでくれて飲んで。返杯、返杯。
八重子先生にも。お正月番組を見て、団欒。
いいね、あったかいね。
晶ちゃんと律君は部屋に引き上げ、そちらで飲んでいるようだ。
孝弘さんも離れに寝ている。
先生があくびをした。
「少し寝たらどうです?」
「でも…」
「女手なら私がいますからね。大丈夫ですよ」
御節作りや大掃除で疲れているんだろう。
はいよ、と八重子先生からハーフケットと座布団。
先生が横になってうとうとし始めた。
可愛いなぁ。
先生の寝姿を見ながら八重子先生と酌み交わす。
少し不埒なことを考えてしまった時、八重子先生に頭を撫でられた。
「あ…えぇと、風呂。洗ってきます」
慌てて席を立った。
いかん、いかんよ俺。
八重子先生の居る前で先生をそういう目で見るなんて駄目だ。
雑念を吹っ切るべく丁寧に風呂を洗う。
洗い終えて出ると律君とばったり。
律君が慌てて後ろを向いた。
「やっだ、律、あんた山沢さん見て赤くなってるんでしょ~」
「ああ、晶さん」
うん?ってああ、そうか、風呂洗うのに下着以外脱いでるからか。
青年には刺激が強いんだな?
声を聞きつけて八重子先生が来る。
「さっさと着なさい」と叱られて着なおす。
「もー山沢さん気にしなさすぎ!」
「見慣れんものですかね…?」
「晶、お風呂どうする? 入るならお湯張るけど」
「んー、入ろっかな。山沢さん先じゃなくていいの?」
「私は後で頂きますからどうぞ」
お湯が沸くまでの間、居間でゆったり。
「おばさん寝てるの珍しいね」
「お疲れなんですよ。あ、ちょっと雑煮作ってきますがいります?」
二人ともに要らないといわれてしまった。
酒飲んで御節食べて雑煮、幸せ~。
御節も随分と夜に近い時間には減ってきた。
明日はどうするのかと聞くと詰めなおす部分と新規のものを入れるのと、とか。
皆がお風呂に入り、先生を起こしてお風呂に。
眠くてふらついてる。
「今日どうしても入らなきゃいけないというのでもないと思うのですが?」
「そうね、明日の朝にするわ…」
いっそ、と抱えあげてお部屋にお連れする。
部屋で降ろして寝巻きに着替えるように言い、布団を敷く。
衣擦れの音が心を乱す。
先生はすぐに布団に入り、寝息を立て始めた。
脱ぎ捨てられた着物を片付け、部屋を後にする。
居間に戻って飲んで騒いで、後片付けをして自室へ戻る。
他の部屋や居間から遠いこともあり部屋が冷えていて、冷気が寂しさを煽る。
同じ家にいて寂しさを感じるとは、こうなるまでは知らなかったことだ。
後二日、二日を我慢したらいいんだ。
部屋を温め、布団にもぐりこむ。
さすがに酔いも手伝いすぐに寝た。

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147

お屠蘇を飲んでお雑煮を配膳し、いただく。
先生のお宅のお雑煮は美味しいが…やはり正月といえば白味噌だ。
俺と先生だけ白味噌の雑煮を。花かつおをたっぷりと。
ただし先生のは少なめに。濃いからね、うちのは。
やはり一口飲んで絶句している(笑)
ポタージュかなにか?と晶ちゃんが覗き込む。
一口いる?と飲ませて反応を楽しんだ。
「山沢さん、これ、濃すぎるわよ…」
「京都のイメージじゃない…」
「あの綺麗な薄味の雑煮は他所向けですよ、ちょっと田舎に入るとコレです」
入ってて大根かにんじんか芋か青物、彩りにする程度。
御節をいただく。
おおっ私の希望が通ってる。
なますにたたきごぼう♪
味噌漬けも入ってる。
「山沢さん、黒豆、一粒だけでも食べなさい」
うっ。
しかしながら数の子は勘弁してもらえた。
子孫繁栄は関係ないからね。
「でもお餅、焼かないのねえ。鍋二つも何するのかと思ったわよ」
「よく伸びてたでしょう? あれは別鍋じゃないといかんので」
さて、御節もある程度食べたのでお年賀を晶ちゃんと律君に。
先生が笑ってる。
「ありがとうございます、でもこんな年になってもらえるなんて変な感じ~」
「晶さんまだ学生だから学生の間はと思いましてね」
その後初詣に行こうということになり羽織を着て皆でぞろぞろと。
やっぱり混んでるなぁ。
はぐれないように、と先生が私の右手を。
少しドキッとしてしまった。
神前まで着いて勿論願うことはこの幸せの続くこと、弥栄。
皆健康でこのまま良い状態が続くことを。
先生も真摯に何事かを祈願されている。
綺麗だな。
美しい。って見とれているまもなく怒濤に押し流されそうになる。
先生を引き寄せて人の波に乗る。
律君たちとははぐれてしまった。
お守りなどを受けて、待ち合わせ場所を決めてあるそうなのでそちらに向かった。
合流してゆっくりと元日の気配を楽しみつつ帰宅する。
律君がさっさと脱いでしまった。
若い男の子に着物は辛いか。
先生、晶ちゃん、私で坊主めくりをする。
惨敗。
最後に「これやこの」を引いた。
なお、その後に「嵐ふく」を先生が引いて、結局晶ちゃんの一人勝ち。
二回戦は先生の勝ち、俺が最後近くで坊主だ。
三回戦も坊主を引くなど坊主に好かれてしまったようで負けまくり。
お酒の入った八重子先生が負けたら一つずつ脱げとか言い出した。
あっという間に帯も着物も脱がされて一人、肌襦袢と裾除け。くそう。
晶ちゃんと先生が帯をはずした頃、それらも脱がされ胸の晒と下帯のみに。
八重子先生が次の勝負を煽る。
「おばあちゃん、これ以上は律が困るわよ」
そういって先生が終了を言い渡してくれた。
というか十分今も困ってる気がするが。
普段の着物に着替えることにして一旦部屋に戻る。
着物を衣桁にかけて普段着を出した。
裾除けを片付けてステテコを穿く。
さっと着替えて居間に戻ると晶ちゃんも洋服に着替えていた。

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