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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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109

八重子先生が開さんを叱りつつ、食事。
さすがは二十歳程度の中身、最近ちょっと年相応になろうとしてるらしいけど。
久しぶりの先生のご飯が美味しい。
黙々と食べる。
「山沢さんどうしたの?あまり喋らないのね」
「あ、いや、メシ。うまくて」
「子供みたいねえ」
なにぶん一週間ぶりだからなぁ。
「山沢さんも結構食べるね」
「だからタフなのかしら」
「仕事してるときは朝・朝・昼・夜食ってますしね」
「4食も食べてるのかい?あんた食べすぎじゃ…」
「ないんですよね、これが。暫く夜抜きにしたら体脂肪一桁に。
 大体2700カロリー目安に取るように言われてます」
「あら、私1800って言われたわよ」
「デスクワークしてた頃はそれくらいでしたね」
さて、ごちそうさまでした。
お片付けを手伝おうとしたら良いと言われお茶をいただく。
うまいなあ。
ほっこり…しててはいけない、帰らねば。
明日明後日仕事して、お稽古だな。
絹先生も戻ってきた。
「お酒、明後日飲みましょ。買うときは思わなかったけど随分沢山だったわね」
「買いすぎだよ、あんなに飲めないだろ」
「いや、司ちゃんが飲んでくれるでしょうし」
「司ちゃんねえ、誰に似たのかしら」
「八重子先生じゃないですか。いける口ですよね?」
「ああ、そういえば母さん結構飲むよね」
「山沢さんも凄く飲むのよ。利き酒の所で私が半分飲んだ杯、全部飲んでたわよ」
「ああ、でも新潟の酒は辛口で私は飲みにくいです」
「辛かったかしら、美味しいと思ったわよ?」
「京都の酒に慣れているからかもしれませんねえ、うまいとは思いますが」
ああ、タイムアップ、帰らねば。
「それではそろそろお暇を」
「あらもう? 気をつけて帰ってね。明後日お稽古だから忘れずにね」
「はい、よろしくおねがいします」
見送っていただき、バス・電車を乗り継ぎ帰宅。
即布団に転がって寝た。
翌日遅刻しそうになり慌てるものの普通の金曜日、そこまでは忙しくなく。
早めに仕事を切り上げ報告書などを纏めて送る。
帰宅してすぐに荷物が届き開梱して洗濯。
先生のパンツとパジャマ…シルクだ。
手洗いか。
洗い方がわからん。
先生に電話すると明日持ってきたら自分で洗うとの事。
別の袋に除けておく。
自分のは乾燥が済むまで放置だな。
3時間半ある。寝よう。
熟睡。疲れてたんだなぁやはり。
洗濯機が鳴って目が覚める。
畳んで片付けて。
腹が減った。何か食わねばならんがコメを炊くのも面倒だ。
冷凍庫をあさってチャーハンを温める。食べて…寝る。
ひたすら、寝る。

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踏まれる山沢君

うーん、肩凝ったな…。
先週から書類仕事が増えてやや肩こりが悪化している、そう思っていた。
今日は稽古、そして泊まって楽しく、うん。
(今日は山沢さん不機嫌ねえ、どうしたのかしら…)
夕飯をいただきき、先生を楽しんだ翌朝。
やっぱり肩こりきついな、明日マッサージに行くか。
朝御飯を軽めにいただいて、八重子先生がお出かけされた。
気持ちの良い青空に先生が洗濯物を干している。
干し終わって、私の横に来られた。
「ねぇ山沢さん?どうして不機嫌なの?」
「へ?不機嫌?」
どうやら肩こりのあまり顔をしかめていたようだ。
「あ、踏んでもらえません?」
「ええっ?何、突然? そんな趣味ないわよ」
「じゃなくて肩凝ってて。背中踏んで欲しいです」
「あぁ、もう、びっくりするじゃない。それならいいわよ」
長着と襦袢を脱いで畳みに伏そうとすると「畳の跡ついちゃうわよ」
そう言ってバスタオルをくれた。
敷いて、伏せる。
「そのままでいいの?」
「あ、出来たら足袋は脱いでいただきたいです」
「じゃなくて、背中よ。タオルとか手拭とか」
「滑りますよ、多分」
足袋を脱ぐ気配、そっと足が背中に。
冷たっ。足冷えてるなぁ。
「乗るわよ?」
「はい」
乗ってしばらく踏んでくれる。おお、気持ちいい。
足も私の体温で温まってきているようだ。
「ねぇ、先生。頭も踏んでみていただけません?」
「……ヘンタイね」
そういいつつそっと頭に重み。
「痛くない?」
怖いのか、つま先だけを載せているようだ。
「大丈夫、ぜんぜん痛くないです」
しばらくして降りていただき仰向く。
「胸のほうも乗ってもらえます?」
「何か変な光景ね…」
乳房の上に先生の足。胸板も踏んでもらい、すっきりしてきた。
足綺麗だなぁ…。
「先生、足舐めさせて」
「ほんっとあなたってヘンタイね」
そういいつつも舐めさせてくれる。
「くすぐったいわ」
足がつかれるからと涎にまみれた足を私の口から引き抜く。
踏み替え。
「あら、乳首立ってるわね」
足指でつままれた。意外と器用だな。
逆の足を舐めて、しばらくして降りられた。
何をするのかと思ったら私の股間を踏む。
「…先生何をしてるんですか」
「電気アンマ?」
ぐりぐりごりごり。
「痛い、痛いって先生、それ男子にするやつっ!ギブアップ、降参!」
もー絶対先生はSだと思う!

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翌朝、シャワーを浴びて酒臭さを抜く…無理だ、服が酒臭い。
とりあえず仕事着から臭いのしないの選んで着て、どこかで一式買うか。
どうせそろそろ秋物買うつもりだったし。
ざっと調べると伊勢丹くらいか。
いやまて、帰り大宮で乗り換えるんだから。
うん、スーツカンパニーが大宮にあるな。
デパートで買うくらいならオーダーしたい。
ブランドスーツを買ってもサイズで困るのは事実。
8時半、ホテルの精算を済ませ荷物を自宅に送って、みどりの窓口へ。
9時40分ごろの電車が良いといわれてしまった。お茶飲むか。
っと携帯がなる。先生から。
時間が有るようなら、とお願いされた。
からいすけとお福正宗の大吟醸?はいはい。4合瓶でいい。はい。
余裕で買える。戻って3階で買い、下げやすくしてもらった。
先生の指定の大吟醸3種と私の好みのにごり。
駅弁を買って、新幹線に乗る。
混んでたら指定席にすればいいかと思っていたが、すいてて自由席で全然問題なし。
乗車後すぐに弁当を開ける。
普通の幕の内だけどうまいな。米が違う。
米どころだなぁ、やっぱり。
先生のところの米はコシヒカリとは違う食味で好きではあるが。
家は最近淡雪こまち。秋田米。
ご飯を食べて、コーヒーを飲んで。車窓風景をのんびり眺めて。
しばらくしてトンネル。長いな。抜けた。トンネル。またか。トンネル多いな。
高崎。後20分ほどで大宮だ。
今寝ては危険だ。再度コーヒーで目を覚ます。
よし、大宮だ、降車して一度改札を出た。案内板を見る。
あれ?ユニクロがある。そっちでいいか。
ジャケットとシャツ、チノパン、コートを買ってその場で着替える。
畳んで袋に入れてこれも家へ送ってしまえばいい。
さて、次は埼京線で新宿か。遠回りしてる気分になるなぁ。
新宿で乗り換えて後は最寄まで一本。
駅についてさてタクシーにしようかな、そう思っていると先生から電話。
「あ、山沢さん?今どこかしら。駅?じゃあ悪いんですけど…」
トイレットペーパーついでに頼まれてしまった。
買い置きがあるつもりだったそうだ。
すぐ近くのDSで買ってタクシーに乗って先生宅前まで。
両手ふさがってるし庭から入るか。
「こんちはー三河屋です~」
なんて入ったら先生に笑われた。
「おかえりなさい、山沢さん」
「ただいま戻りました」
「お買物ありがとう。お稽古、していく?」
「ええ、お願いします」
手を洗って部屋から袱紗を取ってきて稽古をつけていただく。
ビシビシ厳しい稽古に疲れた頃、他の生徒さんが来られて水屋に回る。
生徒さんのお稽古がすみ、何か質問は?との声に生徒さん。
「先生は山沢さんには厳しくされてますがどうしてですか?」
あ、答えを探しているな、先生。助け舟出すか
「よろしいでしょうか」
「え、えぇ」
「来年にはじめに私、上級の許しをいただく予定でありまして。
 それで上級に上がるからには、と厳しくしていただいてるのですよ」
「ああ、そうなんですか!」
「そうなのよ、ホホホ」
生徒さんが帰られて、助かったわ~と仰る。
「ああいう理由にしときましょう。一番有り得るかと」
「そうねぇ」
水屋を片付けていると八重子先生ご帰宅。
「ただいま。あぁ山沢さん、お帰り。お土産ありがとうね」
「お帰りなさい、先程戻りましてお稽古もつけていただきました」
「あんた今日夕飯食べていくだろ?」
「そうさせていただければ助かります、帰りに買物しないと何もないので」
「あら、そういえば山沢さん洗濯物は?」
「それは明日家に宅配で来ますんで明日やります」
片付け終えて居間へ移動。絹先生はお台所。
八重子先生がお茶を入れてくださった。
「あっちは寒かっただろ?」
「やー流石に海は寒かったです。けど後はほぼ屋内でしたから」
塩沢くらいか、寒かったの。
「…まさかずっとしてたのかい?」
「え、いや、ええと酒飲んだりとか…も、してましたよ」
「若いねえ…」
「ははは…」
「まぁあの子が良いと言うならいいけどね」
「ありがとうございます」
「……あんた、男の人としたことはあるのかい?」
八重子先生が声を潜めて言う。
「あ、一応。後学の為に」
「するのはどうだった?嫌だった?」
「胸の内と体とは別、と言うのが体感できましたね。感覚的には面白い体験でした」
「へぇそんなもんかねぇ」
「しかし八重子先生、聞きにくいこと結構聞かれますね」
「そりゃまぁ絹の相手だからね」
あーじゃ土曜日に渡すか、検査書類。
「お母さん、ご飯できたわよ」
「はいはい」
配膳を手伝う。あれ?孝弘さんと律君は?
「律は合コンだって。お父さんはお出かけ、ご飯炊いたのに~、もうっ」
3人でご飯か。ちょっとさびしいな。
「あれ?律いないの?」
「あら兄さん。どうしたの?」
「いやちょっと借りたいものがあったんだよね。いないのか」
「どうせだからご飯食べていく?」
「助かるな。姉ちゃん今日帰ってこないからどこかで買うかと思ってたんだよね」
「あら環姉さんまた帰ってないの?」
「仕事が忙しいみたいだぜ」
「あの子も早く結婚したら良いのにねえ」
「山沢さんは出張からいつ帰ってきたの?」
「ああ、今日ですよ、昼過ぎに直接こちらへ」
「へぇー、そんなに絹がすきなんだ?」
「兄さん!?」
あ、お茶碗取り落としそうになってる。
「開…なんであんたそういうこと言うかねえ」
「ええ、そうですね」
「山沢さん!」
「あんた知ってたのかい?」
「うん、山沢さんは僕が知ってることも知ってたようだけどね」
「絹先生には言わないってことにしませんでしたっけ?なんで言うんですか」
「面白いから?」
こういう人だった、忘れてた。
八重子先生が開さんを叱りつつ、食事。
さすがは二十歳程度の中身、最近ちょっと年相応になろうとしてるらしいけど。
久しぶりの先生のご飯が美味しい。
黙々と食べる。
「山沢さんどうしたの?あまり喋らないのね」
「あ、いや、メシ。うまくて」
「子供みたいねえ」
なにぶん一週間ぶりだからなぁ。
「山沢さんも結構食べるね」
「だからタフなのかしら」
「仕事してるときは朝・朝・昼・夜食ってますしね」
「4食も食べてるのかい?あんた食べすぎじゃ…」
「ないんですよね、これが。暫く夜抜きにしたら体脂肪一桁に。
 大体2700カロリー目安に取るように言われてます」
「あら、私1800って言われたわよ」
「デスクワークしてた頃はそれくらいでしたね」
さて、ごちそうさまでした。
お片付けを手伝おうとしたら良いと言われお茶をいただく。
うまいなあ。
ほっこり…しててはいけない、帰らねば。
明日明後日仕事して、お稽古だな。
絹先生も戻ってきた。
「お酒、明後日飲みましょ。買うときは思わなかったけど随分沢山だったわね」
「買いすぎだよ、あんなに飲めないだろ」
「いや、司ちゃんが飲んでくれるでしょうし」
「司ちゃんねえ、誰に似たのかしら」
「八重子先生じゃないですか。いける口ですよね?」
「ああ、そういえば母さん結構飲むよね」
「山沢さんも凄く飲むのよ。利き酒の所で私が半分飲んだ杯、全部飲んでたわよ」
「ああ、でも新潟の酒は辛口で私は飲みにくいです」
「辛かったかしら、美味しいと思ったわよ?」
「京都の酒に慣れているからかもしれませんねえ、うまいとは思いますが」
ああ、タイムアップ、帰らねば。
「それではそろそろお暇を」
「あらもう? 気をつけて帰ってね。明後日お稽古だから忘れずにね」
「はい、よろしくおねがいします」
見送っていただき、バス・電車を乗り継ぎ帰宅。
即布団に転がって寝た。
翌日遅刻しそうになり慌てるものの普通の金曜日、そこまでは忙しくなく。
早めに仕事を切り上げ報告書などを纏めて送る。
帰宅してすぐに荷物が届き開梱して洗濯。
先生のパンツとパジャマ…シルクだ。
手洗いか。
洗い方がわからん。
先生に電話すると明日持ってきたら自分で洗うとの事。
別の袋に除けておく。
自分のは乾燥が済むまで放置だな。
3時間半ある。寝よう。
熟睡。疲れてたんだなぁやはり。
洗濯機が鳴って目が覚める。
畳んで片付けて。
腹が減った。何か食わねばならんがコメを炊くのも面倒だ。
冷凍庫をあさってチャーハンを温める。食べて…寝る。
ひたすら、寝る。
すっきりとした目覚め。
よし出勤だ!
土曜だからそれなりに気忙しく、仕事も多くてちょっと疲れた。
帰宅途中、携帯の契約をする。
かんたんなヤツ。まずはなれてもらおう。
やっぱりピンクかなピンクがいいよね、女持ちだから。
最近のものは普通のガラケくらいに使えるものになっているらしい。
1番に先生のお家、2番に司ちゃん、3番に私。
あとは先生のお宅に行って電話帳をすべて写せば良い。
充電器を二つ、一つはうちに置こう。
帰って、シャワーを浴び久々に着物を着る。
先生のパジャマを入れた袋を忘れずに持って行かなければ。
さて、電車に揺られようか。
暖かくて眠くなっていると電話が鳴った。
ん、先生のお家だ。
「はい、山沢ですが」
「こんにちは。今日お稽古来るのよね?悪いんだけど…」
「ああ、はい、わかりました」
昼の方用の和菓子が足りない模様。羊羹でもいいようだ。であれば…。
途中、日本橋で下車して購う。
早上がりした分時間に余裕があってよかった。
先生宅にいつもの時間につけそうだ。
到着、食事中の先生方に挨拶して羊羹を手渡す。
「あら、あらあら、綺麗ねえ」
「ほんとだねえ、これはいいね」
「お父さんが食べちゃったのよ~それで足りなくなっちゃったの」
「律が車乗って行ってるし買いにいけなくてねえ、助かったよ」
おや、またお出かけか、律くん。
「じゃ私たちお昼食べてるから、お水屋お願いね」
はいはい。
道具を用意して炭も確認する。
食事を終えた八重子先生に確認してもらう。
これで良いということで羊羹を切っていただく。
「おや、山沢さん。あんた芋餡は食べれたんだっけ?」
「あ、食えますじゃなくて食べれます」
「じゃ今日は誰かに濃茶練ってもらおうかね」
「いいですねえ。あ、できれば澁口さんがいいですね、あの方の美味しいから」
「そうだねえ」
しばらくして生徒さんが来られ、八重子先生と共にお稽古開始。
絹先生は外出、上の先生のところへたまにお稽古に行かれるその日らしい。
あそこ岡崎さんも来るらしいからちょっと心配なんだが。
止めるわけにも行かないし。
お稽古がすすみ、主菓子をいただいて澁口さんに濃茶を練っていただく。
美味いなぁ。でも二人で飲むのに五人分で点てた模様で、多い。
正客役は二口で渡してくれたから沢山いただくことに。
ま、いいけど。美味しいし。お正客との問答を聞きつつ。
さてさて順繰りに数人の生徒さんのお稽古も終わり、
私への厳し目の稽古も終ったので水屋をしまった。
そろそろ絹先生も帰ってくるかな?
お台所を手伝う。今日のお夕飯はなんだろう。
かぼちゃの炊いたんと肉豆腐とぬたとかぶのお味噌汁とポテトサラダ。
なぜそこにポテトサラダ。いいけど。
作り終えて居間に戻ってお茶をいただく。
「絹先生遅いですね…」
「たまのことだからお友達と話が弾んでるのかもしれないね」
「そうですねえ」
頭をくしゃくしゃと撫でられた。
「先に食べるかねえ、孝弘さん呼んできてくれるかい」
「はい」
呼びに行く。
「絹はまだ帰らんのか」
とニヤッとされてしまった。わかってていってる絶対。
絹先生がいない中での食事はやはり微妙だなあ。
早く帰ってきて欲しいなあ。
電話が鳴って八重子先生が取る。
「あらそうかい? うん、うん、それで…はいはい」
ガチャッと電話を切った。
「後30分位したら電車に乗るからってさ。
 先に食べてお風呂入っててくれっていってたよ」
「30分ですか…」
食事を終え後片付け。八重子先生がお風呂にお湯を張る。
いつもは孝弘さん、律君、八重子先生、絹先生、俺と入ってるのだが。
八重子先生が入る頃には戻ってるだろう。
居間に戻って思い出した。
「そうそう、これ。お渡ししておきます」
「なんだいこれ?」
「性病の診断書です。一応のため」
直近の先月頭に検査したものだ。
「それと宴席つれてかれた先がセクキャバだったんです。
 女には触ってはいませんが今週はそのー…しないでおこうと思ってます。
 検査して結果でてからと。なので。フォローお願いできますか?」
「セクキャバ?」
「胸触ったり下触ったりOKのキャバクラです。本番はないですが」
「あぁ…はいはい。わかったよ、だったらしないほうがいいね。
 あんたちゃんと検査してるんだねえ」
「いや、だって好きな人に移すとか一番嫌ですし…」
「そうだよねえ…」
「キスもしないでおきたいので本当にフォローお願いします」
「え、それも駄目なのかい?」
「移るやつあるらしいです。なので今日は先生お戻りになったら帰ろうかと」
「回し飲みとかは大丈夫なのかい?」
「それで移ることはないです、大丈夫です。
 ただ気分的に最後に飲むようにして頂けたらいいかと」
梅毒が怖いんだよなーあいつは1ヶ月たたないとわからん。
梅でも今は薬で治るけどさ。
そういう心配しなきゃならんから行きたくないんだよな。
芸者で遊んでるときは心配しなくてすむのに。
「来週のお稽古日はお稽古だけして帰ることにする予定なのでお願いします」
「はいはい。あんたも大変だねえ。行きたくて行ったところじゃないのにねえ」
「セクキャバ行っても面白くないんですけどねえ。後の心配大きいですし」
しばらく話し込んでいると先生が帰ってきた。
「ただいまぁ、ああつかれた~」
「はいおかえり」
「お帰りなさい、先生」
「お母さん、先お風呂いただいていい~?」
「いいよ、入っといで」
「じゃ、俺帰りますね。お邪魔しました」
「あら山沢さん、何で帰っちゃうの?どうして?」
「ちょっと用がありまして。一応お帰りを待ってたんですよ」
「そうなの?気をつけてねえ」
退散。携帯は次回だな。
折角の土曜に一人寝、日曜は掃除、食料買出しとかしょうもない。
翌週は月曜仕事、火曜仕事・お稽古、水曜仕事・検査に行く。
「土曜に恋人とsexしたいんで結果わかり次第連絡いただけますか?」
と医者に言うと電話くれることになった。
即日分は陰性、感染の恐れはない可能性が高いとのこと。
翌日も仕事、稽古。
先生からキスされそうになるのをかわして帰宅する。
金曜の仕事は連休前で大変だった。
土曜日、先生が今日は朝から家に来る。
そわそわしていると医者から電話、すべて陰性とのこと!
良かった、今日も触れないとか辛すぎるからな!
八重子先生に連絡すると良かったねと言ってもらえた。
しばらくして駅に着いたとの先生からの電話を貰いいそいそとお迎えに行く。
さっそく携帯からかけてくれたようだ。
回収して玄関を閉めた途端、後ろから抱きしめてうなじにキスする。
片手を身八つ口から入れて乳を揉む。
先生が喘ぎ身をよじる。
ちゃんと乳首のリングもつけてくれている。
「こんなところで…だめよ…」
「はい。ベッド行きましょう。我慢できない」
そのまま押し倒したいのをぐっと我慢して着物を脱ぐのを手伝い、
ベッドに入るのを待つ。
「ねぇ、どうしてキスもしてくれなかったの…嫌いになっちゃったのかと思ったわ」
「その話は後で」
とにかく抱きたい無理我慢できん。
キスも、愛撫もすべて強めになってしまい、先生の息も荒く。
先生が逃げそうになるほどに抱いてしまった。
少し収まったので懐に抱いて先生が落ち着くのを待つ。
「ひどいわ…」
「すみません。一週間出来ないとやっぱ無理です」
「どうして? なんでキスもしてくれなかったの?」
「実はですね…」
と説明する。
「もうっ そんなところ行って! だからって…」
怒られてしまった。
キスをしてその口を封じ、たっぷりと楽しむ。
押しのけようとしていた腕がしがみつくようになったころ唇を離した。
「ばか…キスなんかでごまかされないわよ」
「ごめんなさい。あなたが好き過ぎて我慢できませんでした」
「根津。今の内に行かないと駄目ね」
「はい?」
「だって…明日だと立てそうにないもの」
「あ…ですね」
ヤりまくっちゃいそうだからな、夜。
着物を着てもらって、私も衣服を改めて根津美術館へ行く。
井戸茶碗展。
名碗が沢山沢山並んでいる。
先生は楽しげだ。
茶会で練るならどの茶碗が手持ちの道具に合うだろう
そんな感覚で眺めていると聞いた。
そうか。茶会を主催する側からの感覚か。
確かに点てるときに当たりが悪くてだまが出来やすい茶碗あるな。
ああいうのはどんなに見た目が良くても駄目だ。
って程度の考えではないということか。
井戸茶碗は私は好きじゃないが、結構な人数が観覧していることを思えば、
深い考えを持って見に来ている方も多いということか。
私に取っちゃ茶碗は持ったときの感触、飲むときの口当たり、だまにならない。
そんな程度しか重要視してないが。
美術品を見る目を持たない私にとっては楽しむ先生を見る場でもある。
「ねえ山沢さん、これ。こういうの私好きなんだけど」
どれどれ?
「ああ、これですか。んー」
「でもこういうのに合うお道具がないわねえ」
「あ、細川さんの茶会のときにこういうの使ってましたよ、たしか」
「流石は、ねぇ」
いろんな井戸茶碗を鑑賞して、疲れた頃帰ろうということになった。
「どこで昼食べます?」
「あのね、ここ」
とメモを見せてくれたのは駅にも近いところ。
お友達に聞いたそうだ。お勧めのランチのお店。
行ってみるとなるほど先生が気に入りそうな。
流石はお友達だなぁ、よくわかっているんだな。
お魚のランチとお肉のランチを一つずつ頼む。
出てきた量を見て私は一品も注文。オムレツ。
先生はデザートにパフェを、私は蕨餅。
蕨餅が先生の前に置かれてしまった。
イメージだろうな、お魚食べてた着物美人はパフェじゃなく蕨餅なんだな。
先生がくすくす笑う。
それが綺麗で可愛くて、つい微笑んでしまう。
デザートも美味しくいただいて外へ出る。
昼はまだ暖かく、少し歩かない?というので表参道を歩く。
ヴィトンやディオール等々ブランドショップを見たが欲しいものはなかったようだ。
欲しいものがあれば買ってあげるのだが。
まあ女性は見て歩くの好きだからなあ。
「そろそろ帰る?」
「もういいんですか?見たいものとか有るならいいですよ」
「だってお買物なら他の人ともできるもの」
「可愛いこと仰る。じゃ帰りましょうか」
先生から手を繋いできて、嬉しいなあ。
電車を乗り継いで自宅へ。
その前に百貨店に寄りたいと言う。
デパチカでお弁当なりお惣菜を買おうと。
ああ、なるほどそうしたら篭れるな。
好きなときに食える。
銀座で降りて松屋に入った。
「あらこれ…いつか京都に行ったとき食べたわよね」
「ええ、そうですね、懐かしいな。
 これがいい? OK、これとなだ万とひとつずつしましょう」
お弁当二つと朝食のパンを手に家に帰った。
ストーブと床暖のスイッチを入れ、弁当を冷蔵庫に仕舞う。
手を洗って着替えた。先生も浴衣に着替えている。
お茶を入れてお茶菓子を出す。ほっこり。
ラグの上に座って先生ものんびりしている。
「疲れましたか?」
「ちょっとね。膝枕してくれるかしら?」
「いいですが寝心地悪いですよ」
膝の上に頭を乗せて寝転がる先生。
しばらくして、堅いわね…と起きてしまった。
「腕枕の方がまだいいでしょう? おいで」
引き寄せて一緒に寝転ぶ。
「ん、でもこれじゃあなたしたくなっちゃうでしょ?」
「ええ、でもかまいませんよ。まだ時間はたっぷりありますし」
うとうとする先生。可愛い。
頬にかかった髪を撫で付けてあげて、背中を撫でる。
昼寝は布団だと良く寝れないんだよな。そんなもんだ。
寝顔を眺めて小一時間。流石に腕が痺れて感覚が…。
と思ってたら起きたようだ。小さくあくび。可愛らしいなあ。
頭を撫でるとむくっと起きてトイレに行ってしまった。
さて、手の痺れが戻ってきた。つらい。もがいてしまった。
早くもどれ血行!早く!
楽になってきたのでお茶を飲んで落ち着く。
先生も戻ってきた。
隣に座って私に身を持たせ掛ける。
くそう、かわいい。
可愛さのあまりキスしてしまったじゃないか。
そのまま床に押し倒して浴衣の上から乳を揉む。
「脱ぐの、待てないの?」
「無理、あとでなら」
「着たままなんて…あ、ん…ん、いやよ、ね?あっ…そこ」
「ちゃんと脱がせて、あげるから。もっと声出して」
「いや」
痛っ、指を逆側に曲げようとするのはやめてくれ。
「もうっ、いやって言ってるでしょ。そんな顔しないの」
「だって…あなた色っぽいから。我慢できない」
乱れる裾の中の、白い太腿へ口付ける。
「誰がしていいって言ったのかしら」
あ、れ、冷たい声。もしかして怒ってる?
ちらっとうかがうと額に青筋。
「えぇと…ごめんなさい」
身を起こして、先生も引き起こす。
はだける胸。乱れる裾。
マテを食らわされてる気分だ。
ふぅ、と先生のため息。
浴衣の帯を解いて脱いでくれた。
「ベッド、行きましょ。ここはいやよ」
「ここがいいです」
「だめよ。来なさい」
大人しくついて行きベッドに入ると先生に言われた。
「やさしくして。できるでしょう?」
「えぇと、はい」
まずはキス。軽く。
「いい子ね」
もう一度今度はしっかりとキス。
乳房をそっと撫でて軽く揉む。
唇を離して、首筋に、鎖骨に乳房にキスをする。
片方の乳首を弄りながらもう片方の乳首を舐めると、喘ぎ声。
そういえば胸だけで逝けたはず、と思い出してしばらく胸を責める。
…あれはたまたまか。
あきらめてお腹をなでたり太腿をなでたり。
膝を開けさせる。恥ずかしそうにしているのがいい。
襞をくつろげるとたっぷりと濡れていておいしそうだ。
突起を軽く舐めると膝を閉じようとする。
「キスして」
舐められるのはいやか。
キスをしながら突起を弄り、中に指を入れてこねる。
指を動かすごとに喘いで、足をうごめかせ、指は私の背に傷をつける。
ぎゅっとしがみつかれ、背を抉られる。
相変わらず、逝く時に逝くとはいえないらしい。
荒い息の落ち着くのを待つ。
少し収まってきた頃、頭を撫でられた。
…ちょっとムカ。
子供扱いするのか。
「なぁに?怒ったような顔して」
うー…。
「ちょっと、怖いから…ね、どうしたのよ」
頭を撫でていた手を降ろして私を押し返そうとする。
構わず抱きしめて耳を噛む。
怖がらせつつ感じるところを刺激する。
困ったような、怯えるような。そんな先生の様子を楽しみ、逝かせた。
「どうして…こんな…こと…」
「子供扱いするからですよ。エッチのときの主導権は私に渡してくれなきゃね」
「だからって…ひどいわ」
「それとも。道具使って欲しかったですか?」
「いやよ!あれはいや。それくらいなら…」
「それくらいなら?」
「どっちもいやよ」
そうくるか。
「いやよいやよも好きのうち~♪」
「じゃないわよ、怖いのは嫌よ」
くくっ可愛いねえ。
しかし。気持ちのよい肌だなぁ。
ずっと背中を撫でて、肩をなでて、腰をなでまわしているけど。
ざらついたところがない。
なんとなく唇にキスを落とす。
そのままディープキス。
むさぼっていたら先生のお腹がなった。
「…腹減りました?」
「そうみたい。お昼あんなに食べたのに…」
恥ずかしげで可愛いな。
「メシにしますか」
「そういいながら腕に力入れたわよね。まだしたいの?」
「したいですねぇ。もっと声聞きたいな」
「ご飯食べてからでいいじゃないの」
「それもそうですね」
「でも離してくれないのね」
ぺろりと唇を舐めて。
「あなたを食べ足りない」
「少しお腹がすいてるほうがおいしいものよ?」
「言うようになりましたね」
あきらめて腕を緩め、先生を起こす。
ベッドから降り立とうとして先生がふらついた。
背中を抱きとめて、そのまま抱き上げる。
「そういえば結構筋肉質よね…」
壁際で一度降ろし、寄りかからせてさっき脱がせた浴衣を着せた。
また抱えあげて食卓の前で降ろし、お弁当を先生の前に広げる。
俺は…先生の後ろ。背中を抱きしめる。
「食べにくいわ。横に来なさいよ」
「ここが…」
「食べさせてあげるわよ?」
……横へ移動。
「口移しはありですか?」
「してほしいの?」
「ええ」
「やっぱり山沢さんって…」
「ん?」
「変態よねえ」
「今更ですよ。してくれます?」
天麩羅を咀嚼して。口移しにしてくれた。
飲み込む。
「こんなのでいいの?」
「ええ、嬉しいですね」
「後は自分で食べなさいよ」
笑ってる。なにか面白かったようだ。
苦笑して横でお弁当を半分個ずつ食べる。
両方有名店と言うこともあり、うまい。
先生も美味しそうに食べている。
最後の一つを先生が口にし、キスされた。口移しにしてくれる。
飲み込んでそのまま舌を絡める。
口を離すと、お茶入れてくれる?と言われた。
お湯を沸かす。
「先生、紅茶か緑茶か中国茶どれがいいです?」
「なんでもいいわよ~」
では老水仙を。
「あら。こんなお茶もあるのねえ」
「おいしいでしょう?」
二杯目を注ぐ。
「あら?あらあら?」
「面白いでしょう?これ。八杯目くらいまで味が変わっていきますよ」
更に三杯目。
「あらほんと。でもそんなに飲めないわよ」
「適当に飲みやめりゃいいですよ。
 お茶だけなのもなんですし、お酒も持ってきましょう」
伏見の酒から大鷹と嵯峨紅梅を。
錫の酒器に一つずつ注ぐ。
先生には杯、俺はぐい飲み。
「大鷹、甘くて美味しいわね」
そっちは中口だよ…。
俺の飲んでるほうを一口飲ませる。
「これ凄く甘いわねえ…」
「覚えてます?ほら、最初に先生とした時。あの時のですよ」
「そういえばこんなラベルだったかしら」
「まさかここまで、あなたが私とこうなってくれるとは思ってなかったんですけど」
「そうねえ。思わなかったわ」
「まぁどうしてとは思いはしますが嬉しいんでいいです」
「どうしてかしらねえ」
軽くキスする。
「ねぇそういえば山沢さん。煙草すってたわよね」
「ああ。最近吸ってませんね。キスしたとき味がするの嫌かと」
「そんなこと気にしてくれてたの?吸ってもいいわよ?」
「いや、やめときます」
もう一度キス。
「お酒も口移ししてほしいの?」
「それは私から」
ぐいっと呷り、口付けして流し込む。
こくりと飲み込むその白い喉に触れる。
少し、こぼれた。
たどって舐めて行く。
「ん…」
白い肌がほのかのピンク色になってきた。
「吸うならこっちがいいな」
浴衣の胸をはだけさせ、乳首を舐める。
「吸っても何も出ないわよ?」
「ぶっ、笑わせないで下さいよ、もー」
横に転がって笑ってるとお酒を先生から口移しされた。
う、辛い。大鷹か。
「山沢さんも…上気してるのね」
「好きな女とキスして冷静でなんていられませんよ」
先生が私の浴衣の前をくつろげる。
「噛んだ痕、すっかり消えちゃったわねえ」
「浮気、しなかったでしょう?」
「でもあんなところ、行ったわよね」
と乳首をひねられた。
「いたた、捻らないで下さいよ。仕事だったんですから」
「断れるものは断って頂戴」
「ええ、勿論です。じゃないとキスもできない。あれはつらかった」
先生からキス。は良いけど乳首痛いってば。
「痛いから離しなさい。そんなことしてると縛りますよ?」
よしよし手が離れた。
「そんなに縛られるの、嫌ですか?」
「だって恥ずかしいもの。いやよ。いやらしい」
「そういういやらしい事が大好きな俺とこうなったからには」
「駄目よ、させないから」
「手強いな。ま、なにかあなたが悪いことをしたときにとっておきますよ」
「しないわよ」
「だといいですね…ってなに萎縮してるんですか」
「だって…」
「だめだ、かわいい。したくなった」
「いやよ」
「ここでします?していい?」
「なんでここでしたいの?」
「なんでって…なんでだろ。そのほうがエロいからかな」
「私はそういうの、嫌なのよ」
「あ、やっぱり?」
「わかってるのになんでなのよ…きらい」
背を向けられてしまった。
「わかった、わかりました。わかったから嫌いなんていわないで下さい」
身を起こして抱きしめる。
「わっいけませんて!」
湯飲みにお酒ついで一気に飲んじゃったよ。
「そういう飲み方、駄目ですよぅ」
「酔わなきゃ出来ないわよ、あなたがしたいようなこと…」
「しないから。そんな飲み方、しないで下さいよ」
湯飲みを手から離させて、その手を撫でる。
「好きです。だからしたくないっていうならしません。怒らないで」
「床で…するのはいやよ?」
「はい」
「えっちしたい?」
「はい。でももう少し飲みたいならいいですよ」
「お手水。連れて行ってくれる?」
抱き上げてトイレに連れて行く。
裾をまくって座らせて。ついキスを。
「きゃっ。もうっ。こんなところでだめよ」
「見てましょうか?」
「馬鹿なこと言ってないで外で待ってて頂戴」
「はいはい」
外で待つことしばし。
呼ばれて抱きかかえて。ベッドへと言われてベッドに降ろした。
「少しくらい酷くったっていいけどあまり変な事はやめてくれないかしら」
「そいつは難しいな。あなた、俺がすること殆どが変なことだと思ってそうだし」
くにくにと乳首を指先で潰す。
「普通がいいけど…物足りないんでしょう?山沢さんは」
「普通か。…体はどうでしょうね、いつも結構に…」
「叩くわよ」
「そーゆーところが可愛いんですよね」
恥ずかしがって頬が赤い。
「普通だとあなた理性飛ばしてくれないから。イクとも言ってくれないし」
「そんなの言えないわよ」
「言わないでいいですけどね、おまんこいいのとか言われるほうが吃驚ですし」
「ばか、言うわけないでしょ…そんなの」
翳りの中に指をうずめてとろとろになったそこを楽しむ。
「でも気持ち良いんでしょう?」
こくりとうなづく。
乳首をこねたり、突起をこねたり。
何度も逝かせて喘ぎ声を楽しむ。
先生が涙目になった頃、やっと落ち着いた。
撫でていると酷いんだからと詰られる。
「大声出すの、いいでしょう?たまには」
「声枯れちゃいそうよ」
少し会話をしていると途中で応答がなくなった。寝てしまったようだ。
本当に可愛い人だなぁ。
布団をかぶせてベッドから出て、お酒を片付ける。
明日はどうしようかな。
一日ずっとしてたんじゃ先生がつらかろう。
さっさと先生のお宅に戻して八重子先生たちと飲むか?
それもいいな。
心が決まったので先生の横にもぐりこむとしがみつかれた。
寝息。無意識か。
可愛すぎて甘くなってしまう。困ったな。
泣き顔見るのも好きなのに。
翌朝、懐の中で先生はまだ良く寝ている。
綺麗だなぁ…。
体も子供産んでるのにそう崩れてなくて…。
もう少し寝るか。
うつらうつらと先生の寝息を聞きつつ。
6時を過ぎた頃、先生が起きた。
が、もぞもぞしたかと思うとまた寝た。
結構に疲れるのかな。
1時間半ほど寝て、トイレにおきる。
部屋に戻ると先生が起きていた。
「もう少し寝ててもいいですよ」
「うん。お手水つれてってくれない?」
「やっぱり立てませんか」
「山沢さんが悪いのよ?仕方ないじゃないの」
先生をトイレに連れて行って、部屋に連れ戻して。
もう少し寝るかと聞けば、寝るという。
一人で寝かそうとするとしがみつかれたので俺ももう一度ベッドにもぐりこんだ。
「一人で寝てるの嫌ですか?」
「折角一緒にいるんだもの。嫌じゃなかったらこうしてて?」
可愛いことを言うのでキスした。
「寝るんだから駄目」
懐に抱いて撫で、一緒に寝る。
普段ならこんな時間に寝てるなんて自堕落なことはしないだろうに。
あ、そういえば昨日化粧落とさせるの忘れた。
薄化粧だからいいのかな。
そんなことを思いつつ、うつらうつらと…。
起きたら11時だ。腹が鳴る。
こりゃ昨日買ったパン食うよりはどこか昼飯食いに出るべきだな。
とりあえず洗顔しよう。
顔を洗って歯を磨いて戻ってくると、先生が身を起こしてぼんやりしている。
「立てます?」
そろりとベッドから降りて。
おっと、一応立てるようだ。ふらついてるけど。
手を貸して連れて行き、体を支えて洗面所を使わせる。
お化粧は一応和室に鏡台有るからそっちでして貰うことにして。
まぁどうせ着替えるのも和室だし。
「メシ食いに出ようと思いますがどうです?出られそうですか?」
「そうねえ、手を引いてくれたら大丈夫だと思うけど」
「何か食いたいものあります?」
「ステーキ食べたいかも」
「ホテルでいいですか?席あるか聞いてみますね」
ホテルの鉄板焼の部署に問い合わせる。二人。1時間半後ならOK。
風呂入ってゆっくり着替えて化粧したらそんなもんだろう。
シャワーを浴びさせ、着付けを手伝って、座鏡の前に座布団を置いて座らせた。
先生が化粧をする間に自分の着替えをして財布の中身を改め、出る用意。
パチリとファンデの蓋を閉める音。
化粧、終ったようだ。
トイレに連れて行って、さてと。行きますか。
「山沢さん、凄くお腹すいてるんでしょ?」
くすくす笑ってる。
腹鳴ってるの聞こえてたのね。
タクシーでホテルまで。
レストランへエスコートしてステーキでランチ。
「なんとなく和食のイメージだったんですが」
「たまにはいいじゃないの」
うまいなー肉。先生も美味しそうに食べていて、なんか嬉しい気分だ。
結構健啖家だよね。
ごちそうさまをして、一度連れ帰る。
「おいしかったわぁ」
「ですねー」
お茶を入れて、落ち着いて。
「そろそろ帰りますか?」
「どうして?」
「ここにいたらしちゃいそうですし。明日また立てなくなりますよ?」
「あら、それは困るわねえ」
「立てなくしてずっとうちにいてもらうのもいいですけどね」
「怒られちゃうわよ?」
「私が怒られるだけなら別にいいんですけど。先生も怒られちゃいますね」
「そうねえ、よく言われるもの」
「それは申し訳ないことを」
「激しすぎるのよね、山沢さんの」
「飢えてますからねー」
「えっちなことに?」
「あなたに」
「一緒に居るのに?」
「もっと触れて居たいし、抱いても居たいし声も聞きたいですよ」
「若いわねえ」
「膝の上、来てくださいよ」
「駄目、帰るわ」
道行を着て、私のナリを見る。
ちょいちょいと直されて羽織を着せられた。
「家まで一緒に来てくれるのかしら」
「当然ですよ」
キスをしてくれた。嬉しい。
部屋を出て、電車に乗る。
道中、そっと私の手を握っていてくれて周囲に聞こえない程度に会話を交わす。
最寄り駅についてタクシーに乗る。
バスでもいいんだけど二人だと大して変わらない。
とはいえ、誰に見られるかわからないから手を握る以上は出来ないが。
お宅の前について、手を引いて家の中へ。
「ただいま」
「お邪魔します」
「あら、あんたら早かったね。夜になるかと思ってたのに」
「いやぁ、夜までじゃ先生の体力が」
って頭叩かれた。
着替えてくるといって席をはずされた。
「八重子先生も一緒に飲まれませんか?この間のお酒」
「そうだね、明日はお稽古もないしそうしようかね」
「じゃどれがいいですかね。大辛口とか?」
「鶴齢持ってきて」
おや、もう着替えたのか。
「天神囃子もいいですか?」
「いいわよ」
日本酒ケースに積まれて居る中から捜索。
鶴齢と天神囃子の二本と、うちからもってきたぐい飲みを持って居間に戻る。
八重子先生が台所からおつまみになるものを持ってきてくれた。
絹先生が燗鍋を出してきて鶴齢の御燗をつける。
つくまでの間ぐい飲みに直接注ぎ乾杯。
少しほろ酔いになった頃、晩御飯はお鮨を取るという話に。
俺は玉子のみで頼んだ。
「魚いらないのかい?」
「実は魚好きじゃないんです…」
「あらそうだったの?魚屋さんなのに変ねえ」
笑われつつもお鮨が取られて、律君と孝弘さんを呼んで晩御飯。
「はい、山沢さん」
と玉子を取ってくれる絹先生に律君。
「お母さん、山沢さんにも魚とってあげたら?」
苦笑。
「山沢さんは玉子がいいのよ。ねえ山沢さん」
「ええ。玉子がいいんです」
「遠慮してるんじゃ…」
「してるの?」
「してませんよ」
「ですってよ」
孝弘さんが勢いよく食べてる。
やっぱりこの家は食費が凄いだろうな。
食べてしまうと孝弘さんはすぐに部屋に戻ってしまう。
律君にも飲ませてしまえ。
「いや明日学校あるんで…」
とそんなに飲まないうちに退散されてしまった。
先生方に飲ませて、飲ませて、飲ませる。
絹先生はべったりと俺にくっついてキスしてきた。
八重子先生はにこやかに見ている。
いいんだろうかこの状況。
酔っ払いだから仕方ないのか。
あ、寝息。寝ちゃったか。とりあえず横に転がしておこう。
「先生の部屋に布団していきますね」
「はいはい」
布団を敷いて、先生を回収して寝かせる。
戻って八重子先生と更に酌み交わす。
「随分あんたには素だねえ、絹も」
「そのようで嬉しいです」
「結構あんたを困らせてるんじゃないのかい?」
「ええと、まあそういうこともありますが。我侭いわれたりとかも楽しい時期なので」
「じゃもうすぐしたら呆れる時期かねえ」
「どうでしょうね。八重子先生にはご心労おかけして申し訳ないと思ってます」
「いや別に良いんだけどね」
「やっぱり末っ子なんだなあと思うことはありますよ」
「まあねえ、しかも実家暮らしだからねえ」
「ま、その私も末っ子なわけですが」
「だと思ったよ」
「わかりますか?」
「わかるよ、結構甘えたいほうだろ、山沢さんも」
あ、頭撫でられた。
「絹には甘えにくいなら…」

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108

生徒さんのお稽古がすみ、何か質問は?との声に生徒さん。
「先生は山沢さんには厳しくされてますがどうしてですか?」
あ、答えを探しているな、先生。助け舟出すか
「よろしいでしょうか」
「え、えぇ」
「来年にはじめに私、上級の許しをいただく予定でありまして。
 それで上級に上がるからには、と厳しくしていただいてるのですよ」
「ああ、そうなんですか!」
「そうなのよ、ホホホ」
生徒さんが帰られて、助かったわ~と仰る。
「ああいう理由にしときましょう。一番有り得るかと」
「そうねぇ」
水屋を片付けていると八重子先生ご帰宅。
「ただいま。あぁ山沢さん、お帰り。お土産ありがとうね」
「お帰りなさい、先程戻りましてお稽古もつけていただきました」
「あんた今日夕飯食べていくだろ?」
「そうさせていただければ助かります、帰りに買物しないと何もないので」
「あら、そういえば山沢さん洗濯物は?」
「それは明日家に宅配で来ますんで明日やります」
片付け終えて居間へ移動。絹先生はお台所。
八重子先生がお茶を入れてくださった。
「あっちは寒かっただろ?」
「やー流石に海は寒かったです。けど後はほぼ屋内でしたから」
塩沢くらいか、寒かったの。
「…まさかずっとしてたのかい?」
「え、いや、ええと酒飲んだりとか…も、してましたよ」
「若いねえ…」
「ははは…」
「まぁあの子が良いと言うならいいけどね」
「ありがとうございます」
「……あんた、男の人としたことはあるのかい?」
八重子先生が声を潜めて言う。
「あ、一応。後学の為に」
「するのはどうだった?嫌だった?」
「胸の内と体とは別、と言うのが体感できましたね。感覚的には面白い体験でした」
「へぇそんなもんかねぇ」
「しかし八重子先生、聞きにくいこと結構聞かれますね」
「そりゃまぁ絹の相手だからね」
あーじゃ土曜日に渡すか、検査書類。
「お母さん、ご飯できたわよ」
「はいはい」
配膳を手伝う。あれ?孝弘さんと律君は?
「律は合コンだって。お父さんはお出かけ、ご飯炊いたのに~、もうっ」
3人でご飯か。ちょっとさびしいな。
「あれ?律いないの?」
「あら兄さん。どうしたの?」
「いやちょっと借りたいものがあったんだよね。いないのか」
「どうせだからご飯食べていく?」
「助かるな。姉ちゃん今日帰ってこないからどこかで買うかと思ってたんだよね」
「あら環姉さんまた帰ってないの?」
「仕事が忙しいみたいだぜ」
「あの子も早く結婚したら良いのにねえ」
「山沢さんは出張からいつ帰ってきたの?」
「ああ、今日ですよ、昼過ぎに直接こちらへ」
「へぇー、そんなに絹がすきなんだ?」
「兄さん!?」
あ、お茶碗取り落としそうになってる。
「開…なんであんたそういうこと言うかねえ」
「ええ、そうですね」
「山沢さん!」
「あんた知ってたのかい?」
「うん、山沢さんは僕が知ってることも知ってたようだけどね」
「絹先生には言わないってことにしませんでしたっけ?なんで言うんですか」
「面白いから?」
こういう人だった、忘れてた。

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107

翌朝、シャワーを浴びて酒臭さを抜く…無理だ、服が酒臭い。
とりあえず仕事着から臭いのしないの選んで着て、どこかで一式買うか。
どうせそろそろ秋物買うつもりだったし。
ざっと調べると伊勢丹くらいか。
いやまて、帰り大宮で乗り換えるんだから。
うん、スーツカンパニーが大宮にあるな。
デパートで買うくらいならオーダーしたい。
ブランドスーツを買ってもサイズで困るのは事実。
8時半、ホテルの精算を済ませ荷物を自宅に送って、みどりの窓口へ。
9時40分ごろの電車が良いといわれてしまった。お茶飲むか。
っと携帯がなる。先生から。
時間が有るようなら、とお願いされた。
からいすけとお福正宗の大吟醸?はいはい。4合瓶でいい。はい。
余裕で買える。戻って3階で買い、下げやすくしてもらった。
先生の指定の大吟醸3種と私の好みのにごり。
駅弁を買って、新幹線に乗る。
混んでたら指定席にすればいいかと思っていたが、すいてて自由席で全然問題なし。
乗車後すぐに弁当を開ける。
普通の幕の内だけどうまいな。米が違う。
米どころだなぁ、やっぱり。
先生のところの米はコシヒカリとは違う食味で好きではあるが。
家は最近淡雪こまち。秋田米。
ご飯を食べて、コーヒーを飲んで。車窓風景をのんびり眺めて。
しばらくしてトンネル。長いな。抜けた。トンネル。またか。トンネル多いな。
高崎。後20分ほどで大宮だ。
今寝ては危険だ。再度コーヒーで目を覚ます。
よし、大宮だ、降車して一度改札を出た。案内板を見る。
あれ?ユニクロがある。そっちでいいか。
ジャケットとシャツ、チノパン、コートを買ってその場で着替える。
畳んで袋に入れてこれも家へ送ってしまえばいい。
さて、次は埼京線で新宿か。遠回りしてる気分になるなぁ。
新宿で乗り換えて後は最寄まで一本。
駅についてさてタクシーにしようかな、そう思っていると先生から電話。
「あ、山沢さん?今どこかしら。駅?じゃあ悪いんですけど…」
トイレットペーパーついでに頼まれてしまった。
買い置きがあるつもりだったそうだ。
すぐ近くのDSで買ってタクシーに乗って先生宅前まで。
両手ふさがってるし庭から入るか。
「こんちはー三河屋です~」
なんて入ったら先生に笑われた。
「おかえりなさい、山沢さん」
「ただいま戻りました」
「お買物ありがとう。お稽古、していく?」
「ええ、お願いします」
手を洗って部屋から袱紗を取ってきて稽古をつけていただく。
ビシビシ厳しい稽古に疲れた頃、他の生徒さんが来られて水屋に回る。

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