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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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324 日曜朝

朝、起きると先生と目が合った。
「おはよう…あの、昨日はごめんなさい、寝ちゃったのよね?」
「おはようございます。また次のときに沢山しますからいいですよ」
くすくす笑いながら背中をなでる。
「それとも今からしましょうか」
「したいの? 困ったわね…もうそろそろ起きないと朝御飯作る時間よ?」
はっと時計を見れば確かにそんな時間。
「うーん…」
もぞもぞと尻をなでる。
「ちょっと、もう。だめよ」
「だめ?」
「ダメよ。戻りましょ、ねぇ、ダメったらダメ!」
「…しょうがないなぁ」
そのかわり、としっかりキスして先生を解放した。
ぱさっと俺の寝巻を着せてトイレへ立たせる。
俺はひとつ伸びをして布団を畳んで洗面へ。
トイレから出てきた先生が歯を磨いてる俺の背中から手を回して胸を揉んできた。
「…ゔ?」
磨き終え口を漱ぐ。
「先生、指冷たい」
「あらそう?」
「顔洗ったら交代しますから手、どけて。水かかるから」
手が引っ込んだのでざぶざぶと洗って交代。
タオルで拭いてると先生は寝巻を着たまま器用に洗っている。
よく袖濡れないなぁ。
タオルを欲しそうに手が泳いでるので先生用のタオルを渡す。
俺のタオルは固め。先生のはふわふわ。
干し方が違うらしい。
うちでも先生用のタオルだけはふわふわだ。
先生はそのまま顔の手入れをしている。
俺は手櫛で髪を整えて、トイレへ。
出てくると先生は髪を整えてる。
ふむ。
そろりと後ろから胸を揉んだ。
「これ、ダメよ。早く服着なさい」
ピシャッと腕をはたかれてしまった。
俺の胸は揉んだくせに。
ちぇっ、と思いつつ着物を纏う。
先生も着替えに戻ってきた。
着替えてるのを眺めてると引き寄せたくなる。
くすっと先生が笑ってキスしてきた。
うーん、遊ばれてる。
先生は貝ノ口に帯を締めてショールを羽織った。
「さ、戻りましょ」
「はい」
音を立てないよう玄関を開けて台所へ。
「おはよう」
「おはようございます」
「絹は?」
「ショール置いてくるっておっしゃ…、あ、きた」
「お母さんお早う」
「はい、おはよう。酒臭いねぇあんた」
「半分くらい飲まれて即寝ですよ」
「あぁ、じゃ昨日はしてないのかい」
「ええ」
「お母さん、朝からそんな話しないで頂戴よ」
先生がちょっと拗ねてるようで可愛い。
お味噌汁を作って朝御飯の支度。
律君が大あくびで台所に来た。
「おはよ~今日は何ー」
「あんたスクランブルエッグとベーコンか目玉焼きとウインナーかどっちがいい?」
俺はベーコンがいいなー、なんて思いつつ律君の返答待ち。
「んー、スクランブルエッグ」
ちっ。
お味噌汁はサツマイモ。
付け合せは温野菜とトマト。
「中野さんがねぇトマトのお味噌汁美味しいって言うんだけど」
「トマトを味噌汁ですか? なんかやですね」
「温かいトマトってピザくらいしか思いつかないなぁ」
なんていいつつ朝御飯。
「お母さん昨日も飲んでたの?」
「あらやっぱり匂うかしら」
「やっぱりもうちょっと量は控えましょうよ」
「そうねぇ、ちょっと二日酔い気味よ」
「味噌汁沢山飲んでください」
「あなたも結構飲んでたのに二日酔いにならないのねえ」
「飲める体質飲めない体質ってやつでしょうね。今度しじみ見つけたら持ってきます」
「そうね、司ちゃんもよく二日酔いって言ってるから」
「二日酔いになるほど飲まなけりゃいい話なんですがねえ」
律君が笑ってる。
「ほんと二人、仲良いよね」
「律君と司ちゃんみたいなものさ」
うん、春野菜がうまい。
アスパラとか面倒で家じゃ絶対入れないからな。
あ、りんごも入ってた。マヨネーズかけちゃったよ。
まぁいいか。
トマトも食べて完食。ごちそうさま。
先生はやっぱりまだ眠いようであくびをかみ殺してる。
「寝てきたらどうですか」
「んー…」
「そうしなさいよ」
「じゃちょっと寝てくるわ。後よろしくね」
八重子先生とお茶を頂きつつまったり。

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323

八重子先生が冷えてきたから寝る、と言い出し、じゃ私たちもと思ったが…。
「あんたらはあっちの家行っといで。律まだ起きてるから。お酒持っていきなさい」
「はい、そうさせていただきます」
「お母さん、もう…」
先生が恥ずかしがってて可愛い。
八重子先生が部屋に行ったので戸締りや火の元を確かめてお酒を持って外へ。
玄関の鍵を締めて先生と二人歩く。
先生の羽織っているショールはすべすべと月光をはじく。
「シルク?」
「ん? これ? そうよ」
「綺麗だな」
「これお気に入りなの」
「じゃなくて、あなたが」
頬を染めて黙ってしまった。
手を引いて部屋に入る。
「何黙ってるんですか? 怒った?」
「そうじゃないわ」
「じゃあどうしたんです?」
「なんでもないわよ、飲みましょ」
グラスを出してきて俺のに注いでくれた。
俺も先生のグラスに注ぐ。
くいっとグラスを開けてもう一杯注ぎ、半分ほど呷って先生にキス。
口移しに飲ませた。
そのままキスして胸をまさぐる。
息が荒くなって少し首筋もほの赤い。
「もうちょっと、飲んでから…ね、そうしましょ」
お願いする先生が可愛くてつい聞いてしまう。
最近甘いなー。
恋人だからしょうがない。
いける口だからとおいしそうに飲んでいる。
美味しいから沢山いただくのは好きだけど沢山飲んで酔うと正体をなくすから。
だから飲みたくないらしい。
「たしかにいつだったか間違って飲んで律君の前で俺にキスしちゃってましたね」
「それ、困るでしょ。だからあまり飲まないのよ」
おいしー♪とご機嫌さんだ。
つまみはさっきの夕飯の残った飯蛸や鯛の子。
「律君公認になれたらいいんですけどね、男の子は母親に幻想持つから無理かな」
「律には言わないで…」
「言いませんよ。ばれたときの話」
頭をなでる。
「あなたを律君の前で抱いたりとか…」
びくっとしてる。
「しませんから大丈夫」
「ばか、驚いちゃったわよ」
「そういうとこ可愛いなあって思ってるわけですが」
「もうっ」
ちょっと怒りつつお酒を飲んでる。
何杯か飲んでるうちに先生がうとうとしてきた。
ヤらせず寝る気か。
いいけどさ、たまには。
すっかり寝息に変わった。
脱がせてベッドに放り込み、食べたものを片付けた。
今度からあまり飲ませないようにしないとなぁ。
自分も着替えて先生の横にもぐりこむ。
先生のいい匂い。
抱き込んでおやすみなさい。

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322

翌朝。
それなりに荷物も動いて疲れて帰宅。
ほんの少し一服してから移動する。
ちょっと電車の中で寝て、先生のお宅へ。
「こんにちはー」
「はい、いらっしゃい」
「これお土産。晩飯にどうぞ」
「あらっ なあに?」
「鯛の子の炊いたんと飯蛸の炊いたんです」
「あらーいいわねぇ、おいしそう」
「冷蔵庫入れときますから」
「うん、お願いね」
タッパーを冷蔵庫に入れて水屋の支度。
「あ、山沢さーん、今日は小習もちょっとするから。荘物の用意しといてくれる?」
「はい」
今日やったものを風炉一回目にもする、という中々生徒さんには大変な。
用意を済ませて茶室で待つ。
……先生も来たけど生徒さんが来ないぞ。
電話が鳴る。
八重子先生が受けているようだ。
「絹ー? 生徒さん電車乗り過ごしちゃって遅れるんだって」
「あらそうなんですか。どれくらい?」
「30分か1時間ってさ。山沢さんのお稽古しちゃったらどうだい」
「そうねえ、そうしましょうか。山沢さん、入って」
「はい」
真の行のお稽古を一度終って落ち込んでいると次の生徒さん。
「あら? 山沢さん、どうしたの? 何か落ち込んでるみたいだけど」
「いやぁ覚えが悪くて叱られてるだけです」
「やーねーそんなに簡単に覚えられたらお稽古する必要ないじゃないの~」
ばっしばっし背中を叩かれる。
おばちゃんは強い。
ほほほ、と先生も笑っているが、先生が怖いのはこの生徒さんは知らないからなぁ。
その後は遅れた生徒さんが来たりおやすみの生徒さんもいたり。
うまく時間を都合してお稽古が進む。
みなさん荘り物は苦手かな。
先生はうまく生徒さんを誘導したり世間話にも少しは付き合ったり。
上手だよなぁ人あしらい。
皆さん帰られて、更にもう一度俺へのお稽古。
先ほどまでの和やかムード一転、だ。
怖い。
やっぱり厳しい。
「今日はこれまで。片付けておいてね」
「…はい」
台子や釜、水屋をしまい、火の気を確認して戻る。
ん、いい匂い。なんだろう。
八重子先生がお大根を炊いたらしい。
今日は煮炊物だな。
俺の分に、とハムステーキ。
ソースは八重子先生が作っていてレモンバターにパセリかと思ったら大葉だった。
レモンが強めで美味しい。
苦味が出てないのは八重子先生の握力のなさだろう。
しかし律君。
大学生の男の子が土曜の夜に家で晩飯を食うんじゃない。
合コンとかデートとか友達と遊びに行くとかないのか。
先生たちは律君の一人暮らしは否定的だ。
男の子が外泊するのに家に電話している姿と言うのもなんだかなぁ、と思うんだが。
どうしても食事が心配、と仰る。
確かに毎日作る習慣がないから大変だろうが…開さんだってしてたし。
なんとかなんじゃないか?
「山沢さんの食事見てるとねぇ…」
「それを言われると。
 だけど家に女の子を連れ込んだりとか親のいる家にはしにくいでしょう?」
「連れ込むなんてそんなの許しません!」
「へ?」
「責任取れないでしょ!」
「あ、そっち? 責任って結婚すればいいと思いますけど」
「それにそんな…男の家に上がりこんで泊まるような子いやだわ」
「あ、たしかにそれはちょっと。結婚するつもりならわかりますが」
「でしょ?」
「できたらお茶お花、出来る方がお嫁さんだといいですね」
「そうねぇ。お教室続けやすくなるものね」
「でもお嫁さんに俺にしてるようなお稽古はやめたほうがいいですよ」
「どうして?」
「嫁いびりと間違えられますから」
「あらあら」
先生がぷっと笑って思わず俺も笑う。八重子先生も笑ってる。
「晶さんならそんなこと考えずに済みますけどね。
 おばあちゃんはおばあちゃんのままですし。おばさんがお義母さんになるだけで」
「あら。晶ちゃん?」
「晶さんにいい縁が来なければ考えてもいいんじゃないですか?」
「…そうだねえ」
などとしゃべっているうちに夜が更けて冷えてきた。

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321

ソファからおいでおいでと手招きして膝の上に横座りに乗せた。
浴衣の合わせから太腿がのぞいて、慌てて直している。
可愛いし色っぽいしで。
「向かい合わせのほうがいいのかな…足、開いて?」
頬染めてそのまま固まっている先生が本当に可愛くて手荒くしたくなって困る。
「別にひどいことはしないよ? キスしにくいでしょう? この格好」
「あ、うん、そうね」
両腿をきっちりくっつけたまま俺の膝に座りなおした。
「がばっと開けて密着したらいいのに」
「恥ずかしいわよ」
「今さらでしょ? ほら」
手で割り開いて引き寄せた。
力をこめて抵抗していたが流石に俺の力にはかなわないようだ。
「もうっ、ばか、こんな格好させないで」
「もっとえっちな格好がいい? そうだな、ペニバン使って立ったままするとか」
赤くなったり青くなったり。
「ってのは冗談ですよ」
ぺちっと額を叩かれた。
キスして暫くゆっくりと腕を擦る。
徐々に肩の力が抜けていって俺にもたれかかってきた。
「ね、するならベッドでお願い…」
「ここじゃいや?」
「うん…」
言うことを聞く振りしてソファの上で組み敷く。
実際抱くとなると落ちるから戯れだ。
抵抗。
「可愛いなぁ」
笑って引き起こしてあげてベッドへ連れて行き、抱いた。
終った後少し愚痴を言われたが。
「で、晩飯どこか行きますか?」
「そうねぇ…お鮨食べたいわ」
「ああ、いいですね、久しぶりに。待っててください、席あいてるか聞きます」
「着替えてくるわ」
問い合わせればあいてるとのこと、カウンターをお願いして俺も着替え。
先生は少しけだるげで綺麗で。
ん、もう一度したくなる。
キスだけにしてお鮨屋さんへ行くことにした。
戸締り戸締り。
先生は家から出たらしゃっきりして、崩れた雰囲気など毛ほども出さない。
それに釣られて俺も背筋が伸びる。
でも、俺の手にそっと手を重ねてくるところは可愛い。
お鮨屋さんはおまかせで頼み、先生のおいしそうに食べてるのを楽しむ。
俺のはちゃんと白身の魚や胡瓜やおこうこや梅や卵など食えるものだけが出てくる。
先生のはイクラや中トロも出てきて美味いところを少しずつ沢山の種類出してくれた。
「幸せ~♪」
やっぱり年々量が食べられなくなってる、と言う。
まだそんな年じゃないでしょ、と答えた。
「あなたもこの年になったらわかる…その食欲じゃわからないかもしれないわねぇ」
「ははは、これでも懐石なら満腹になってますよ?」
一気食いはどうしても量食べるけど。
お茶をいただいてお会計。
先生は先に店から出て待っている。
「ご馳走様、美味しかったわぁ」
つれて歩く途中も先生はニコニコしている。
さて、車に乗せておうちまで行こうかな。
「電車で一人で帰るわよ」
「もうちょっと一緒に居たいんですけど」
「明日も来るでしょ?」
「行きますけど…べたべたできないし」
「ばかねぇ…あちらの部屋に行けばできるじゃないの」
「いいんですかね?」
「いいわよ、お母さんもそうしなさいって言ってたわよ~。
 律に気づかれるよりいいじゃないって」
「八重子先生、何でそうまでしてくださるのか…」
「聞いてみたら?」
「そうします」
駅について、お別れだ。
ちょっと切ない。
「じゃまた明日いらっしゃい」
「はい、参ります」
手を振ってくださって振り返す。
見えなくなるまで見送って、帰宅した。
着替えてベッドにもぐりこんですぐに寝る。

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320

虫やしないに美味しく食べ終わって少しゆったり。
「そろそろお買物行きましょ」
「あ、はい」
「律ー、あんた何か食べたいものある?」
「…冷しゃぶかな。この間テレビでしてた奴」
「春キャベツのかしら、わかったわ」
キャベツうまいよな、この時期。
お買い物についていって先生の荷物もち。
豚のスライスとキャベツを2玉と卵を買った。
それ以外に人参葉、かぶ、ウインナー。
何作るんだろう。
台所に入り指示通り下拵え。
人参葉はおひたしに。
かぶとウインナーでスープ。
それから湯通ししたキャベツのざく切りを下にして上に冷しゃぶを乗せ、
更に温泉卵のようにしたものを乗せてある。
うーん、うまそう。
そしてやっぱりセンスがいい。
盛り付けで結構変わるよな。
お夕飯をしっかりいただいて明日の仕事、頑張って来てね、と見送られて帰る。
帰宅したらすぐに寝て明日に備えた。
木曜日。やはり仕事は暇だ。
桜も終った。
暇していると社長からお話が。
来月営業強化で木曜の昼2時まで営業かけろと。
こりゃ水屋が出来ないな。先生に言わなきゃいかん。
変わりにやっぱり月曜行こうかな。
でもそうすると木金と逢えなくなる。悩ましい。
仕事が終って帰宅し、身を清めてお稽古へ。
いつものように生徒さん達のお稽古を見守り、帰られてからが俺のお稽古。
涙目直前程度が先生もわかってきたようだ。
少しの手加減を加えてもらえてる。
お稽古が終わり、夕飯をいただいた。
その後先生方にご相談。
来月までに対応策を考えてくださるそうだ。
とりあえず今日のところは帰宅して、土日かな。
本日は雨。
花粉があまり飛んでないから会社の人もくしゃみをしていない。
仕事もやっぱり雨だから暇で。
バカ話をしつつ仕事の時間は過ぎて行く。
今日の昼は何を食べようかなぁ。
チャーハンと餃子でいいや。
帰り道で食べて帰宅。
少し昼寝をしよう、とベッドにもぐりこんでいると先生からメール。
お昼ごはんの写真。
すっかり使いこなしているようだ。
食後なのに美味しそうに感じる。
食べたい、とメールして昼寝。
ふと物音で目が覚めた。
ベッドから這い出してみると居間で先生が新聞読んでた。
「あら起きたの?」
「なんで?」
「食べたいってメールしたじゃない。持ってきたわよ。今食べるわよね」
マジか。
ちょっと待ってて、と鍋を温めて食卓に並べてくれた。
ちょうどお八つ時でおいしくいただいて。
汁まで飲んだら笑われた。
「他所ではしませんよ? でもあなたの味付け美味しいから」
「あらあら」
にこにこと笑っている先生は綺麗で可愛い。
「それよりこれ食べさせるためだけにうちに来たんですか?」
「そうよ?」
「俺はあなたも食べたいな」
「えっ…そんなつもりで来てないわよ、ちょっとストップ、だめ!」
抱きしめてキスしたら抵抗された。どうしたんだろう。
「お風呂入ってきてないのよ。昨日も入れてないし」
ぶふっと笑ってしまった。
「はいはい、俺がいいって言ってもイヤなんですね? 風呂入ってらっしゃいよ」
くっくっと笑ってると怒ったようなそぶりでお風呂に行った。
可愛いなー。
台所に行ってタッパーと鍋とお皿を洗ってしばし待つと先生が出てきた。
抱かれるために風呂に入る、と言うのはやっぱり恥ずかしいようだ。

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