忍者ブログ
百鬼夜行抄 二次創作

let

伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

264

「お夕飯食べて帰るわよね、あ、でも冷え込まないうちのほうがいいのかしら」
「それともこれからうち来ます?」
にやっと笑っていえばペシッとはたかれた。
「アレ、終ったんでしょ?」
「終ったけど…だめよ。あなたの家だと身体が持たないわよ」
可愛いねえ。
ふふっと笑って許してあげることにしたが。さて飯ねぇ。
空を見る。
雪雲は出てないな。
「お夕飯いただいて帰ろうかな」
「そうしなさいよ、どうせコンビニ弁当でしょ?」
台所へ行くと八重子先生いわく司ちゃんも来てるとのこと。
飯の用意を手伝って、一緒にいただく。
寒いから温かいものにした、と。
厚揚げうまいなー。
ご馳走様をして、片付けようとしたらあんたはもう帰りなさい、と言われた。
今日来たときの格好じゃ夜は寒いから、と。
「あっそうそう、駅まで一緒に行くわ。買い忘れたものがあるのよ」
「今日必要なのかい?」
「明日の朝、要るのよ。今の内に行かないと」
先生がぱたぱたとコートやショールをとってきて、一緒に駅へ。
「寒いですねえ」
「うん…あのね、明日朝から人が来るのよ。だから」
「あー、そりゃうちには来れませんね」
「じゃなくて、いやそうだけど。そのお客さんのために必要なものがあったの」
「ああ! そりゃ失礼しました」
思わず笑ってしまった。
「笑わないの」
きゅっと頬をつねられたが笑えてしまうものは仕方ない。
駅前について名残惜しいが…また明後日ね。と頭を撫でられて別れた。
帰宅してすぐに寝る。
家の中が寒い。布団最高…。
途中夢で目が覚めたりして朝。布団から出たくない。
寒い。
うへぇと思いつつ出勤すれば入荷少なく。
風が強いから仕方ないね。
こっちは雪にならないだけいい。
少し忙しく仕事をして、終って帰宅。
昼遊びに行こうじゃないか。
梅見だ。
亀戸から浅草へ抜けて戻るか、平日だからすいてるだろう。
そう決めてふらりと出る。
バスで亀戸まで。
うん、やっぱりすいている。
そして満開だ。
梅はやっぱりいいね。
東は亀戸湯島台っていうし。
それなりに満足してまたバスへ。浅草へ出る。
さてついでだから足袋を買って帰ることにしよう。
足袋と、ついでに羽織紐にいいのがあって買ってしまった。
衝動買いだ…。
どこかでお茶飲んで帰ろうかな。
っとスタバ発見。
さくらチョコラテwithストロベリーフレーバーとベーコンとほうれん草のキッシュ。
言うのに噛んだ…。
先生とこういう店入らないからなぁ。
うん、甘い。コーヒーベースじゃなかった。
なんとか飲みきって身体も温まったことだし、と帰宅。
ストーブをつけて暫く離れられん。

拍手[1回]

PR

263

ふと外を見れば雨雲。
「洗濯物内干しにしましょうか、雨降りそうな気がします」
「ん?あー本当だね、取り込んでくれるかい?」
斐さんと八重子先生が内干しすべくロープなど用意してる。
大物から取っては渡し、取っては渡し。
部屋が多いっていいなぁ。
最後に下着類。
持って入った途端雨が落ちてきた。
セーーーフッ!
八重子先生が少し恥ずかしげなのはやはり下着は他人に触られるのは嫌なんだろう。
俺も先生に下着洗われたりとか嫌だからなあ。
おこたでゆっくりして、さてそろそろお暇しようか。
先生の様子を部屋に伺いに行く。
いい感じに寝息。
寝顔も気持ち良さそうな。
可愛いなぁ。
さてと。
先日お貸しした着物を持って帰ろうと思ってたがあいにくの天気だ。
置いて帰ろう。
手荷物だけ持って八重子先生と斐さんに辞去を伝える。
気をつけてお帰り、と見送られて帰宅した。
うちへ帰る頃には本降りで。八重子先生に持たされた傘が役に立った。
寒いなぁ。
帰宅してニュースや天気予報を見れば今週から来週は真冬の気温か。
また仕舞った服を出さねばならんのか。
面倒くさい。
明日着る物を用意して、軽く飯を食って寝た。
翌朝やっぱり寒い。
客も少なめ。そりゃ寒いしな、来たくないよな。
買う量は多目。明日絶対入荷がないとにらんでだろう。
配達の依頼は沢山ある。
っと先生からメール。
昨日寝たまま見送りもしなかったことの侘びが書いてある。
可愛いなー、ほんわかとなって気にしてないことを返事して仕事に励んだ。
さっさと終らせてお稽古行くぜ!
てきぱきと仕事を終えて先生のお宅へ。
「こんにちは、寒いですねー」
「寒いわよねぇ、いらっしゃい。ちょっとおこたに入ってからにしたら?」
「有難うございます。うぅ」
炬燵に入れてもらって少し温まる。
落ち着いてふっと息をついて水屋の支度を。
今日は…やっぱり何人か、キャンセルの連絡があるとか。
「山沢さんをしごくいい機会だわ」
なんて先生が楽しそうにしている。怖い。
指示をいただいて生徒さんの分と自分のお稽古の用意を整える。
生徒さんが居るときは中級までしか出来ないから。
復習セットだそうで5種目させられた。
忘れてるいろいろを叱られつつ。
生徒さん方が帰られたので続いては円草。
ちょっとは叱られる回数が減ってきた。
「さ、そろそろ片付けましょ」
「はい」
二人で水屋を片付けた。

拍手[1回]

262

冷蔵庫に入った雛あられのチョコがけを取って居間に戻る。
「お皿」
はい。
気がつきませんでした。
お皿にあけて、お茶のお菓子に。
「やーねー、絹ちゃん。あんた」
「なぁに?」
「旦那を尻に敷いてる奥さんみたいに見えるわよ」
ぶっ。思わず笑ってしまったじゃないか。
「あらー、そう?」
「ただいまー、あぁ寒かった」
「おかえり」
「おかえりなさい」
外は昼前なのに寒いようだ。
「お母さん、おかえり、待ってたのよ」
「あら斐、どうしたんだい」
「それがねぇ…」
身内の話になりそうなので居間から自室へ。
半襟を付け替えたり足袋をつくろったり。
しばらくして先生が部屋に来た。
「布団敷いてくれる?」
「だるい?」
「うん、そうなの」
布団を敷いてる間に先生は寝巻きに着替えた。
敷き終わったところへ横になる。
「そろそろ更年期かしらねぇ…」
「ああ、早い人は35からって言いますしね。
 でもそれならあなたが良いようにしていかないといけませんねぇ、夜」
「夜って?」
「女性ホルモンの量が減るからですよね、更年期」
「そうよ」
「減ると分泌も減るんですよね。
 潤いがないのに無理にしたりして膣炎になったりしやすい。だから」
あ、顔赤くしてる。
「してる途中に乾くようならやり方改めないと辛いだけでしょ?」
「ばか…」
あー、枕に顔を伏せちゃった。
ふふっと笑いつつ、繕い物を続ける。
しばらくして寝息が聞こえ出した。
裁縫箱を片付けて居間へ。
お昼ごはんはどうしようかな。
「絹は?」
「お休み中です」
「お昼どうしようかねえ。あの子の分。ま、いいわ、おなかすいたらなんか作るでしょ。
 あんたら何食べたい?丼でいいのかい?」
「あー、はいなんでも」
「そうねぇ、お肉有るなら開化丼食べたいわ」
「…開化丼?」
「苦手?」
「いや聞きなれないので。何が入ってるんですか?」
「お肉と玉葱をとじたものよ」
「ああ、なんだ他人丼ですか、好物です」
「他人丼なんて初めて聞くわねえ」
「結構色々名前変わりますよね。中身とか。
 私はどこかでカツ丼頼んでソースカツ丼だったのはショックでした」
「それはショックかも」
なんて話しつつ八重子先生とお台所へ。
一緒に作って3人でいただく。
「孝弘さんはいいんですか?」
「私帰ってくるときに出かけてくるって出てっちゃったわよ」
ありゃ。

拍手[1回]

261

朝、目が覚めると先生が先に起きてた。
俺の頭を撫でている。
「おはよう」
「おはよーございます」
まだねむい。
先生は昨日俺が布団入る前に一度トイレに行ったらしい。
眠かったのは生理だそう。
結局出来ないのは一緒だったようだ。
まだ起きる時間には間があると思っていると先生が俺の胸を舐めた。
「なんでなめる?」
「なんとなく?」
疑問符で返されてしまった。
ぺたぺたと身体を触られているが。まぁいいか。
そういう時だってあるよな。
ぴたっと手が止まった。
「そろそろ起きないといけないわねえ」
「ん、そんな時間ですか」
「寒くて。お布団から出たくないわ、でも起きないと」
「俺はお布団より…」
「だめよ」
「はーい」
仕方ないのではなれて布団から出る。
「あ、そうそう、土曜なんだけど」
「お芝居でしょ?昨日八重子先生に聞きましたよ」
「うん、悪いけど。一週間開いちゃうけど大丈夫?」
「火曜日にまぁちょっと我慢してもらうかも?」
「あら、あんまり無茶はしないで頂戴ね」
ふふっと笑いながら身支度をして台所へ。
先生は化粧をするから俺よりほんの少し遅れて。
手早く用意して食事、律君は大学へ。
八重子先生はお友達のところへ。
「お掃除手伝いましょうか?」
「あぁ…それよりお洗濯干してくれる? ちょっと軽い貧血みたい」
「了解、そこで寝といてください」
洗濯機から出して一度畳み、物干しに干して行く。
律君の下着や孝弘さんの下着、八重子先生の下着や先生方の腰巻なども。
はたはたと洗濯物がなびく。
先生は帯だけ解いて横になっている。
「茶室、掃除してきますね」
「ん、おねがい」
窓を開け放ち上から下へ掃除をする。
こんなものかな?と思って居間へ行くと斐さんがいた。
いつの間に。
「こんにちは」
「悪いわねぇ、絹のすることさせちゃって」
「姉さんは茶室はわからないもの、仕方ないわよ。ね、山沢さん」
「じゃなくて洗濯物よ」
「相身互いじゃないですか。具合が悪いときは」
「あら、今時聞かない言葉ねぇ」
「最近は個人主義ですもんね」
ぬるくなった先生のお茶を俺の湯飲みに移動して熱いお茶を煎れる。
「え? ぬるいの捨てたらいいのに」
斐さんは俺が猫舌と知らないんだった。
「この子凄い猫なのよね。濃茶のお正客すると口つけずに隣へ渡すのよ」
「あらあら、じゃお薄はどうしてるの?」
「点てる人がお湯をぬるくして点てるの、それもお稽古よ」
「そうなの?」
「熱いのが好き、濃い目が好きお客様は色々だからそれに合わせるのが本来だもの」
「へぇ。そんなものなのねえ」
「家にお客様きたらその人の好きなもの出すじゃない?」
「ああ、そういうこと」
「そうよー。呼ぶ人が決まってると合わせるの。
 あ、山沢さん。チョコあられ取ってきてくれる?」
ほいほい。

拍手[1回]

260

先生がくすくす笑ってる。
落ち着いてからでいいわよ、と居間に残されて暫く深呼吸。
用意を整えて水屋に入る。
今の生徒さんの用意は先生がされてお稽古が始まってしまってた。
ギリアウトだったようだ。
失敗失敗。
次の方の用意をして客の席に控えることにした。
正客の稽古だ。
次の生徒さんが来られた。
先生に挨拶、今の生徒さんが終られればすぐにお点前に入れるよう支度なさっている。
お点前を終られたので正客の座を譲る。
次の方の用意、後は次客として。
そんな感じでお稽古は進み皆さん帰られてから俺のお稽古。
「そろそろ真の行、と思うけれど円草をちゃんと覚えたらね」
「はい」
中々スムーズに動かないんだよね。
「許状はもう来てるのよ。だから早く覚えなさいね」
「あ、来てるんですか」
「夏前に引次式したいからそれまでにね」
「うー、頑張ります」
お稽古が終わり水屋を片付ける。
今日の晩御飯は何かなー。
いーいにおいだ。
孝弘さんがメシに執着する理由のひとつは絶対うまいからだろう。
美味しくご飯をいただいて、ゆったりとした時間。
ふと気づくと先生がうつらうつらとしている。
俺にもたれて。
律君をちらりと見る。気にしてないようだ。
暫くこのままでいいか。
孝弘さんと律君が風呂から出て、八重子先生が風呂に。
良く寝てるなぁ。
しばらくして八重子先生が上がってきた。
そろそろ起こして寝かせたら、と言う。
呼んでも起きないので脱がして布団にと言うことに。
ごそごそと帯を解き、着物を脱がせて長襦袢にした。
「もうそのままでいいよ、布団入れてきてやってくれるかい。着物は畳んどくから」
部屋に抱えて入り、布団に押し込む。
居間に戻ると風呂入っといで、とのことで風呂をいただく。
すっかりあったまって出てきた。
「最近どうなんだい?」
「どう、といいますと?」
「絹にされたりしてないかい?」
「ああ、あの2回程度でその後は特には」
「それならいいけどねえ」
炬燵でお茶を頂きながら八重子先生とお話しする。
今週の土曜の夜は先生方はお芝居に行くので家にいない、とか。
んじゃ泊まらず帰りましょう。
「さてそろそろ寝ようかね。戸締りしてきてくれるかい?私は火の始末見てくるから」
雨戸を確認し玄関の戸締りを確かめ、お勝手へ。
八重子先生が火消しつぼの中身を確かめたりガスの元を閉めている。
よし、戸締りの確認完了。
「じゃおやすみなさい」
「おやすみなさい」
部屋に入って先生の寝ている布団にもぐりこむ。
今日は出来ないけど先生の甘い匂いに包まれて気分良く寝た。

拍手[1回]