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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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259

さて翌日、仕事はやはり暇で。
時間も余るからと和菓子屋で羊羹2棹を購入する。
それから風呂に入ったり着替えたりして先生のお宅へ。
「こんにちは。早く終ったんでこれ、買ってきましたよ。孝弘さんお好きでしょ?」
と羊羹を八重子先生に渡す。
「あら、ここの結構美味しいのよね。三国屋さんのお菓子も美味しいけど」
先生が嬉しそうだ。
「ね、お昼の生徒さんにお出ししてもいいかしら」
「どうぞ。余って干からびるよりゃいいですもんね」
「うちは余らせたりしないわよ?全部お父さんが食べちゃうから」
そりゃそうだ。
お稽古のときに生徒さんにも出されて、残り1棹は孝弘さんのものに。
律君が勿体無いなんていってる。
笑って本日は辞去した。
翌日の仕事はちょっと忙しく疲れて帰宅。
昼と夜のお弁当を買って、昼を食べる。
明日のために昼寝をしておこう。
夕方起きて食事。
ちょっと散歩に出る。最近歩いてないからなあ。
ぶらぶらと銀座を歩く。
銀座の女たちの出勤時刻か。
最近の銀座の女の着付けが今一つなんだよな、ぐっとこない。
どうも自分で仕立てない、自分に合った着物を作ってない世代が増えたからだそうだが。
自分で仕立てられるとここは詰めてここは抜いてここを広く、なんて。
体をより美しく見せる仕立てをしたりしてたらしい。
自分で縫わないまでもそんな注文を出して作っていたとか。
今はと言うと標準割り出しで作っちゃうんだそうな。
っと良い着物に目が留まる。
うーん、こんなの欲しい。
って値段が凄いな、130万か。
苦笑してふとその横の太物に目移りする。
会津木綿か。
普段着を作るのにいいな。
いくつか見せてもらって3反購入した。
仕立てはどうされます?と言われたが木綿だし普段着だし。
自分で縫うからと引き取ってきた。
しかし安い。
良い練習になるな、特に裁ち方の。
帰って手を洗ってまずは1枚目を見積もって印をつけて裁つ。
袖を縫い終わって一旦終了。
先生のお宅のへら台は折りたたみ式だったな。
うちにあるのは1枚もの。
いわゆる裁ち台で、足が取り外せるものだ。
見た目ただの板だけど。
普段はナイロンをかけて納戸においてあるが、先生はあるのも知らなかったらしい。
納戸に入るの嫌がってたからだろう。
さてと、そろそろ寝ようか。
針の数を調べて、よし合った。
片付けておやすみなさい。
翌朝、出社。
忙しいというかややこしい半日を過ごし帰宅、すぐ風呂、着替えて先生のお宅へ。
慌しくお宅に飛び込めばぎりぎりセーフ。

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さてと、庭掃除でもしましょうか。
庭の枯葉や枝を始末して纏める。
先生が廊下の土埃を掃き落として、俺は靴脱ぎ石を掃く。
庭を掃き清め、居間に戻る。
八重子先生が丼物を作り、軽くお昼をいただいた。
お茶室の拭き掃除を手伝ってお買物へ。
「あなた何食べたい?」
「うーん。あ、昨日シャケ持ってきてますしチャンチャン焼きとかどうです?」
「あら、いいわね。じゃお野菜かいましょ。後は筑前煮作ろうかしら」
「あー筑前煮好きです」
にこっと先生が笑って野菜を選んで行く。
会計して店を出た。
「あっそうそう、トイレットペーパー忘れるところだったわ」
戻って二つ購入する。
「あら飯島さん。旦那さん? お元気そうじゃない」
「あ、いえこの方はお教室の生徒さんですの」
「あらあらそれは失礼しました、てっきり」
とトイレットペーパを見てる。
先生もそれに気づいた。
そりゃね、普通生徒さんとは買いに来ないよね。
生理用品入った袋も提げてるわけだけど。
携帯が鳴った、取ると客からだ。
書く物を、と手振りで示すとボールペンと懐紙を下さる。
ササッと控えてお返しした。
電話の間に適当にお知り合いと別れたようだ。
「また噂になっちゃうかしら」
「何度か立ち上がっては消えてますし。そろそろ噂する人も少ないとは思いますが」
「だといいわねえ」
パパッとクラクション。
「絹ー」
っと八重子先生だ。助手席に孝弘さん。どうしたんだろう。
なにやら孝弘さんを車で回収することになったそうで、その途中で俺らを見たと。
そういって後ろに乗せてくださった。
しかし運転席に八重子先生、助手席に孝弘さん、後部に先生と俺じゃ傍から見るとね。
まるで親世代と子世帯の夫婦が乗ってるようで何かおかしい。
かといって俺が運転して先生を助手席にするのも。
孝弘さんを助手席に座らせて俺が運転するのがいいのかなぁ。
そうこうしてる間に到着。
荷降ししてお夕飯の用意だ。
野菜を洗って先生に渡せばおかずになって行く。
ことことと良い匂い。
おいしそうだな、早く食べたい。
しばらくして食卓を片付けできたものから配膳する。
先生は律君の分を除けている。
「お父さん、お夕飯ですよ」
「ん」
ご飯をよそってもらってお夕飯をいただく。
やっぱりうまいなー。
食後、一服して先生と別れる。
「じゃまた次のお稽古日に」
「はい、いらっしゃいね」
にこっと笑って別れた。

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257

朝、起きる。
先生は布団にいない。
あれ?
寝過ごしたかな、と時計を見る。
そうでもない。
身づくろいして台所に行くと既にお味噌汁の匂い。
「おはようございます」
「おはよう」
「早かったですね」
「なんだか目覚めが良かったのよねーうふふ」
それはよかった。
「お手伝いすることありますか?」
「お膳拭いてお父さん起こしてきてくれる?」
「はい」
布巾を絞って食卓へ。拭いてお箸などを出す。
それから離れに行き、孝弘さんにそろそろ朝食と呼びかけた。
っと律君もいた。
「あれ?」
「司ちゃん遅くに来て僕の部屋で寝ちゃって」
「ああ、それでお父さんの部屋に避難?」
「他の部屋だと寒くて。夏はいいけど」
「八重子先生の部屋には行かないんだね、やっぱり男の子だなぁ」
「いやおばあちゃん朝早いですし」
そっちか。
居間に戻ると司ちゃんが配膳を手伝っている。
「おはよう、山沢さん」
「司さん、おはようございます」
「おばあちゃんも起こしてきてくれるー?」
台所から指示が飛ぶ。
はいはい、と。
珍しく遅いようだ。
八重子先生の部屋の前で声を掛けると良い所にきたと招じ入れられた。
どうやら髪とボタンが絡んで四苦八苦してたらしい。
ほどいてやっと八重子先生が着替えを再開できた。
帯をちょっと手伝って居間に連れ立つ。
「おはよう」
「ああ、おばぁちゃん、今日は遅かったわねえ」
「髪がねぇボタンに絡まってね。山沢さん来てくれて助かったよ」
「あらー」
座って先生にハイとご飯を渡されていただく。
今日は茗荷とナスの味噌汁、だ。
ちゃんと俺のは具なし。
と思ってたら麩が入ってた。嬉しいなあ。
にこにこと朝食をいただいて律君と司ちゃんは大学へ。
洗い物を片付けて戻ると孝弘さんも外出してしまったらしい。
八重子先生がトイレに立った。
「ねえ、昨日みたいなのだったらもっと年取っても大丈夫だと思うわ」
「え?ああ、昨夜のことですか」
「うん、あれなら。朝起きられるしいいわ」
「良かった、じゃ何年かたったら徐々に切り替えましょう」
「そうね」
ふふっと先生も笑って、俺も笑う。
いつまでこういう生活が出来るだろうか。

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256

翌日仕事をこなし昼寝。
先生もきっと今日は一日中あくびしているんだろう。
八重子先生にはばれてるだろうな。
夕方、買物に出て一人鍋。
一人暮らしには慣れているけど先生が帰ってしまった後は何かわびしい。
さて、久々に動画の整理をしないと。
DVDに動画を焼き、パソコンから消して行く。
ふと、こんなこともしてみたい、などと思いつつ見てしまう。
きっと嫌がるだろうけど。
結局ペニバンも使いたがらないし。
なんだかんだ意見通すよね。
そういえば乳首のリング、いつからつけてくれてないんだろう。
ある程度焼き終えて、一旦終了だ。
おやすみなさい。
火曜日、仕事を終えお稽古に行く。
そのまま水屋を手伝い、お稽古を終らせ夕飯をいただいた。
ゆったりと喋って風呂に入ったりでなんだかんだ寝る時間だ。
今日は別に抱かなくても大丈夫。
たっぷり抱いたから。
布団に入れて背を撫でる。
やわらかいなあ。
「ねぇ、今日はしないの?」
「ん?俺は別に今日は大丈夫ですよ」
「そう? 私は…してほしいわ」
え?
「なぁに?」
「や、あなたからそういうとか思ってなかったので」
「私だってそういうときくらいあるわよ?
 いつもはほら、言わなくてもあなたしてくれるから…」
あーたしかに。言わせる暇もなく抱いてるか。
「ね、いいでしょ?」
「勿論。だけどこの間、あれほどしたのに」
「だからよ…」
……ああ、なるほど、しばらくは感触残ってたりするもんなあ。
「どうしてほしい?」
「優しくに決まってるでしょ? うちなんだから」
「恥ずかしいからって怒らんで下さいよ。激しくとかするはずないでしょう、ここで」
真っ赤になって怒ったようなそぶりでその実、凄く恥ずかしがってるんだよね。
そうだ、あれだ。年をとったときのために考えてた遣り方で一丁行ってみようかな。
キスをして、なでて。ほのかにほのかに感じるように。
一気に、じゃなく。
あ、なんか幸せそうな顔してる。
ゆっくりゆっくりとなでて、先生のそろそろ、というタイミングを逃さず入れる。
中もゆっくりと、一気になんてせずにじっくり。
いつもの俺ならじれて一気に揚げてしまうけれど。
今日はまだ大丈夫。
先生が逝った。
気持ち良さそうだ。
これならどうだろうか。
時計を見れば2時間もたっていて、いつもに比べると時間を取ったなぁ。
結構俺が疲れる。
ま、それくらいのほうがいいのかな。
うつらうつらと先生がしだした。
俺の懐に顔を埋めて、すぐに寝息。
つられて寝てしまいそうになる。
よし、感想は明日だ、寝よう。

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255

夕方、目が覚めると先生が風呂から出たところだった。
「あら起きたの? お風呂借りたわよ。あなたも入ってきたら?」
「ん。メシどうします?」
「そうねえ」
「去年行ったあのホテルのフレンチとかどうですか」
「いいわね。お着物借りていいかしら」
「どうぞ、適当に漁ってください」
のそのそと風呂に入り、ざぶざぶと洗う。
拭いてタオルを頭にかぶって出てくると、はい、と下帯を渡された。
下帯をつけて浴衣を引っ掛けてぼんやり座り込む。
そのタオルで頭をわしゃわしゃと拭かれた。
「早く乾かさないと風邪引くわよ。ドライヤー終ったから早く乾かしてきなさい」
その前に、とフレンチの店に予約を入れる。
髪を乾かして暑い、と部屋に戻れば先生がお茶飲んでた。
飲みかけのぬるいのを貰って、それから着替える。
先生も着替えて化粧をしている。
パチン、と音が聞こえた。
「山沢さん、用意できた?」
「はい、いいですよ」
「お手水行った?」
「いやまだですけど」
「行かなきゃダメよ」
「子供じゃないんですから。先生、先どうぞ」
先を譲ってる間に先生が着てきた着物を畳んでバッグに。
車のトランクに入れた。
先生がトイレを出たので交代で入ってそれからホテルへ車で。
フレンチは流石にそれなりに美味しくて。
先生も満足そうだ。
食後、車に乗せてそのまま先生のお宅へ走らせる。
「あら? どうして?」
「うちに連れて帰ったらまたしたくなっちゃいますもん。もうしんどいでしょ?」
先生はくすくす笑ってる。
「やあねぇ、もう。本当に底なしなんだから」
「だってあなたを好きすぎて」
信号待ちでキスをした。
「このままどこかホテルに入りたいくらいにね」
「だめよ」
先生がくすくすと笑ってるのが耳に心地よい。
安全運転で先生のお宅まで。
トランクからバッグを出して渡す。
「上がってお茶飲んでいきなさいよ」
「帰りたくなくなっちゃいますよ」
「明日お仕事なのに?」
「ええ」
「おや、山沢さんじゃないの、こんばんは。絹、送ってきてもらったの?」
「お茶飲んでいきなさいって言ってるのに帰るって言うのよ」
「あんた、首、どうしたんだい?赤くなってるよ」
「あー、ははは…まぁちょっと。明日仕事ありますんでもう帰りますね」
「はいはい、気をつけてね」
「じゃ明後日ね」
「失礼します」
別れて帰宅。自分から帰らせてもさびしいものはさびしいなぁ。
戻って着替えてすぐに寝た。

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