翌日の仕事は台風が近いこともあり、入荷量整わず暇で。
天気予報やニュースを見るとやはり明日直撃の予報である。
うーん、本当に明日、いけるのだろうか。
帰宅後、雨ゴートの用意などをする。
傘は絶対役に立たない。むしろ危険だ。
今日は早めに寝ておこう。
さても夜中から結構な雨である。
出勤しても客が来ないほどの有様だがとりあえず仕事を終えて帰宅する。
軽く食事を取り、風呂に入る。
着替えて雨ゴートを纏い、首元を防水布で覆ってレインキャップ。
後頭部から背中まで被う防水布が付いており、前は透明シールドになっているものだ。
普段、雨降りに自転車に乗るときに使っているものだが着物の時には結構役に立つ。
足元は防水脚絆。雨ごしらえをしっかりとしてさあ行こう。
…洋服で行けばいいのでは、という突っ込みはなしで!
結構な雨の中、電車は動いていて順調にたどり着く。
「こんにちはー」
「よく来たねえ、こんな雨なのに」
軒先で雨コートや帽子などを吊るして、脚絆も取る。
足洗にと桶に湯を持ってきてくれた。ありがたい。
洗ってくれようとするが流石にそれは断って自分で濯いだ。
からげていた袴も下ろして家にあがる。
お稽古は?と聞くとやはり今日は皆さんお休みとか。
「お稽古お願いしていいですか?」
と聞くとかまわないと仰る。
いそいそと用意をしてお稽古すること4時間、外は風が強くなってきた。
そろそろお仕舞いにして、ということで水屋を片付けていると近くに雷が落ちた。
絹先生が思わず私に飛びつくほど地響き。
耳を済ませて火事になってないか探る。大丈夫そうだ。
今の今まで先生として厳しく稽古つけてらしたのに、この可愛さ。
思わず水屋だということをわかっていながらキスしてしまった。
「駄目…ここじゃ…」
うぅ…わかってますよ、わかってますって。
深呼吸して落ち着く。ふぅ。
「さっさと片付けちまいましょう」
片付けを済ませ、居間に戻った。
ご飯の用意できてるから、と八重子先生。
孝弘さんを呼びに行く。
律君は司ちゃんの家に泊まることにしたらしい。
家まで送っていったが電車が止まったとのことだ。
司ちゃんを律君のお嫁さんに~と先生方がニコニコしている。
いい加減それはないと思うぞ、司ちゃんには星野君という彼氏いるし。
しかし孝弘さんは外の嵐を見て楽しそうだな。
食事も終わり、テレビの台風情報を見ると今夜半から朝方がきつそうだ。
八重子先生は早く寝るといって部屋に退けて行かれた。
残るは絹先生と私だけである。
…とりあえず戸締りと火の始末、しましょうということになり動く。
確かめて、私のいつもの部屋に先生を連れ込む。
「ああ、そうだ。アレ、終わりました?」
「…ええ、この間は八つ当たりしてごめんなさい」
え?八つ当たりされたっけ?
あれか、気づかなかっただけで八つ当たりされてたのか。
会話しつつ布団を敷く。
先日、そろそろ客じゃないので自前の布団、ダブルを持ち込んでいた。
寝相が悪いからシングルだと寒い、とかなんとか言って。
八重子先生はわかってるだろうけど。
ちょっと高いが綿をシンサレートにした。厚手で軽く温い。
さてと。
座ってる先生の前に膝を突いて、まずはキスを。
「ここならいいでしょう?」
先生は頬を染めてうなづいた。
キスをしつつ、帯締めに手を掛け。帯揚げ帯枕をほどき、帯を解く。
脱ぐから待って、というので一度離れる。
着物ハンガーを持ってきて帯を掛け脱いだ着物をかけている。
AVなんかだと脱ぎ散らしてヤってたりするが。
どうしても着物を掛けたくなる。貧乏性なのだろうか?
まあ、その間に私も脱いで着物と襦袢を衣桁にかけた。
うっ寒。秋の夜はひんやりとしているな。
まだ長襦袢の先生を布団に引きずりこんだ。
しばらく抱き合っている。うう、ぬくい。
布団の中で長襦袢と肌襦袢まとめて脱がせ、胸を弄りはじめた。
先生の荒い息が耳に心地よい。
あまり声が出ない程度にあちらこちらを弄り、煽る。
逝かさず逸らさず、楽しむ。もう少し焦らすか、それとも…。
ああでもせつなそうだ。
いいところを探そうとして腰が動いている。
それを敢えて外して楽しんでいると、お願い、と辛そうに言われた。
可愛いなあ。
そろそろ、いいか。
さっきまで外していたスポットを重点的に刺激する。
私の肩を噛んで声を潰し、しがみついて逝った。
荒い息。
背を撫でる。
うちだったらなあ、声出してもいいんだけどな。防音だし。
さすがにこの家で声を立てられると困るんだが噛まれるの痛い…。
先生が噛み痕を舐め、くすぐったくて驚いた。
なんだ、もう落ち着いたのか。
「ねえ、山沢さん…私にされるのは無理ってお母さんに言ってたみたいだけど…」
はいはい、いいました。
って俺の乳を揉むんじゃありません。
「イタズラするなら腕縛っちゃいますよ?」
と言ってるのに先生の手が下腹に伸びる。
その手首を握り少し力を入れ、耳朶を噛む。
「駄目と言ってるでしょう?」
「どうして?」
どうしても、ですよと言いつつ先生の乳首を摘む。
ビクッとして楽しい。
布団の中にもぐりこんで濡れているそこを舐めると好い声が漏れる。
「罰として声は自分で我慢してください」
先生は枕に顔を押し付けて声が漏れないようにしている。
指を入れ、まさぐると我慢するのがつらそうだ。
いいスポットに当たったらしく枕の下からくぐもった声が聞こえる。
楽しい楽しい楽しい。至福。
ぎゅうっと指が締め付けられて、足が痙攣して。
私を掴む手が強く握られて。
感じてくれて逝ってくれるのは嬉しいなあ。
涙目になってるその瞼にキスをして。
唇にも、首筋にも、鎖骨にもキスを落とす。
そのままゆっくり背中や腕を撫でていると先生の荒い息は寝息に変わっていた。
ふぅ。
しかし先生は何をしようとしていた?まさか、な。
…一応ちゃんと浴衣着て寝るか。