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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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40

帰宅。
持って帰ってきたタッパーのおかずでメシを済ませ、ざっと翌日の用意。
風呂に入ってさっさと寝ることにした。
翌日、仕事は暇だった。
やる気も出ない。
ぼんやりしていると携帯が鳴った。
以前やっていた習い事の師匠からだ。
手が足りないので今日来れないかという。枯れ木も山の賑わいか。
暇だから行くことにした。
久しぶりに化粧をして女の着物に袖を通す。
宝尽小紋に名古屋の洒落帯をあわせる。
かなり襟を抜く。
よし、こんなものか。
指定された現場に行くとすでに何人か来ていた。
うん、いい感じに埋没できそうな着物だな。
師匠も来た。
やってる振りだけでいいし、後ろのほうに居ればOKとのことだ。
指示通りに動いていい感じに終われた。
終わった後お茶に誘われて喫茶店に行く。
師匠から何か動きが男っぽくなってるとの指摘。
最近ほぼ男装だからなあ。
小一時間歓談して散会。帰宅する。
すぐに脱いでシャワーを浴びた。化粧が気持ち悪い。
着物を片付け、晩飯に悩む。
冷凍庫に肉有ったな。
付け合せ…めんどくせえ、メシと肉だけでいいや。
食った後、明日はどう説得しようか悩む。
ごろごろして悩んでいるうちに寝てしまった。
翌日の仕事も暇。
あまりに暇なあまり昨日の続き、説得のやり方に悩んでしまう。
結局思いつかないまま、そろそろ帰宅して稽古場に行かなくてはならない時間だ。
稽古場に着くと朝の方がまだ居られる。
庭から回って直接居間に行くと男性が居る、誰だろう。
困ったな、先に部屋に鞄を置きに行くか。
逡巡していると、絹先生が来て男性に抱きついた。
男性は絹先生の背を撫でている。ギリッと歯が鳴った。
絹先生がこちらを見た。
私は思わず踵を返し、外へ出た。
追いかけては、来ない…。
落ち着け。息を整えろ。歩き回る。
半刻ほどして少し落ち着いて茶室へ戻る。
すでにお昼の生徒さんが来ておられる。
お稽古の用意を整え水屋に待機する。
時間だ。

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39

「ど、どうしたんですか急に」
「なんかあんた、落ち込んでるように見えてね」
あー…まあね。
煮物は下手だしお花も苦手だし色々とね、へこんではいますがね。
朝は朝で失言してわけわからんことになったしね。
「まあ、あんたはあんたで他に色々とできることあるだろ」
「お茶には生かせないことばかりですよ…」
撫でられてると絹先生が戻ってきた。
「あらあら、どうしたの?」
くすくす笑ってる。
お茶にしましょということで居間に戻ってテレビをつける。
台風のニュース。
週末にかけてくるらしい。先日も大変だった。
山崩れとかなったら怖いなあ。
「お稽古お休みにしたほうがいいのかしら」
「そうだねえ。危ないからね。そうしたほうがいいね」
「でも仕事は休みにならないんですよねえ。客来ないのに」
「台風前日はうちに来るんじゃないよ。遠いんだから」
いやむしろ泊まってたい、仕事行きたくねー。
「休前日ならこっち来ていたいですけどねえ…。
 いっそ仕事も暇だし京都にでも避難してもいいですが」
「何か展覧会があるのかい?」
「あっちならいつでもなにかあるでしょう」
ん、絹先生がなにか言いたそうだ。
「どうしたんです?」
「……芸者さん呼ぶのかしら」
「呼びましょうか?」
売り言葉に買い言葉、八重子先生がため息吐いてる。
「絹も一緒に行ったらいいだろ」
「いやいやそんな頻繁に一緒に旅行はちょっと」
他のお弟子さんとか、律君とかに怪しまれそうだよ。
「いいから行っといで」
参ったな…。
「…お夕飯の支度してくるわ」
絹先生は言い捨てて台所に行ってしまった。
私はため息を一つ。
「なんで芸者にこだわるんでしょうねえ…」
「ほんと朴念仁だね、あんたも」
「娼妓の居る時代じゃあるまいし。
 私の場合呼ぶのは年寄り芸妓だしで色っぽい話なんて皆無なんですけどねえ」
「そりゃお座敷遊びしたことない人にはわからないよ」
そんなもんかなあ。
「うーん。じゃ今度、絹先生連れてお座敷かけましょうか」
なんて話をしているうちにそろそろ帰らねばならない時間だ。
八重子先生に挨拶し、台所に立ち寄る。
「そろそろ帰りますね」
「どうぞご勝手に」
苦笑して調理中の絹先生の腕を引き、こちらに向かせてキスをする。
「また明後日きます」
「…こなくても構わないわ」
「そう仰らずに…先生、意外に嫉妬しますね」
後ろ向いちゃった。
「嬉しいですよ。だからこっち向いてください。それとも…」
ちょうどそこにまな板と包丁があることだし。
「こうしましょうか?」
と、包丁を私の小指にあてがう。
すっと皮一枚切ったところで止められた。
詰られる。
卑怯者といわれてもこういう手立てが一番誠意が判るかなーと思ってしまう。
ただ抜本的解決になってないから一度ちゃんと話をしないといけないな。
「じゃまた明後日きてちょうだいね」
明々後日は休みだから泊り込んでしっかり説得するか。

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38

先生は気恥ずかしそうに、孝弘さんにご飯をよそう。
煮物を食べて不審そうに私を見る。
「…まずいなら食わなくて結構です」
仕方ない。自力消費だな。
「うまいじゃないか、これ」
孝弘さんは謎の舌だな。
「うん、おいしいわよ?濃いけど」
濃いのが問題だと思うんだが。
どうしても常備菜系の濃い味になるんだよなあ。
先生までもごはんのおかわりしてる。
全体的に濃いんだな。
「ただいまあ」
おや、八重子先生のお帰りだ。
「ああ、おなかすいた。何かあるかい、絹」
絹先生は私のほうを見る。
「出してきます」
かなり多く作っちまったんだよね。
ただ八重子先生に濃い味はどうなんだ、血圧とか。
八重子先生の分を食卓に並べ、絹先生がご飯をよそう。
一口食べ、しばらく手が止まった。
「これ。絹、あんた作ったのかい?」
あーやっぱり口に合わないよね。
「今日は全部山沢さんなのよ」
「あんた濃いよ、これ。煮物苦手って言ってたけどこういうことかい?」
「そういうことです。ついつい濃くなっちゃって」
八重子先生までもご飯お代わりしてる、駄目だこりゃ。
持って帰って今晩のおかずにしよう。
「普段これならあんたうちのごはん味が薄くて食べにくかったろ?」
「いや、いつも美味しくいただいてますよ」
「そういえば山沢さんごはんの後いつも塩飴舐めてるわよねえ」
見られてたか。
「ああ、まえに晶が貰って食べて吐き出してたの、そうかい?」
「いやそれはみょうが飴かと」
「なんだい、それ」
「いや、いろいろあるんですよ。ネギ飴とか玉葱飴とか。青唐とか壬生菜とか。ごぼうも」
実は京都土産だったりする。
入れればいいってもんじゃないだろってツッコミがあるのに、なぜか種類が増えている。
食事も終わり絹先生と台所に引き上げる。
残ったおかずはタッパーに回収し、洗物を片付けた。
台所から廊下に出ると、八重子先生が花を抱えている。
生けるのを見せていただく。
花を生けるのだけはセンスがないから遠慮したい。
けど茶花はやんなきゃならんから困ったものである。
残った花と花いけを渡されて、さあどう生ける?と言われた
入れてみると溜息を二人から吐かれた。うぅ。
「こう、なんで壊滅的なんだろうねえ」
「ほんとねえ」
ひょいと絹先生が入れる。うわぜんぜん違う。
それを八重子先生が入れなおす。うーん。定位置と言う感じに。
「絹のは若い人向きだね。感性がまだ若いからね」
なるほど。
「なんというかきっちり決まってるものならなんとかなるかもしれないんですが…」
「ああじゃあ生花なんかやるといいかもしれないねえ」
絹先生が残った花材などを片付けに出て行った。
わしわしっと八重子先生に頭を混ぜられた。
な、なんだ?

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37

バスの中、携帯が鳴る。表示は飯嶋…。出るか出まいか迷って、出た。
「あのっそんなつもりじゃなかったの…戻ってきて?」
珍しい、誰にかかっているか確認もなく本題だ。
少しためらって、戻ると返事をした。
戻ってみると玄関まで出迎えに出ていた。
すぐ二階へ連れて上がられる。
襖を閉めると私に寄りかかってきた。
無言…。
ああもう、どうしたらいいんだ。
私も困っているが先生も困っているのがわかるし。
とりあえず顎に手をかけ、キスをしてみた。
「私は別れたくはないです。でもあなたが別れたいというものを無理にというのは
 あなたが困るだろうから離れるといっているんです。わかってくださいますか」
「はい…」
「怖がらせてすみませんでした」
ひんやりとした先生の手を両手で包み込む。
「その、私もあんな態度取っちゃってごめんなさい…」
あ、なんか抱きたくなってきた。
可愛い。
そっと帯締めを解くと先生はビクッとしたが、されるがままだ。
帯揚げ、枕を外し、帯を解く。
すでに頬を染めている。
長着を脱がせて隅にやり、長襦袢も脱がせる。
「しても、いいですか?」
いまさら聞いてみた。ここまできてまさか断らんだろうに。
というか今断られたらかなりつらいぞ。
先生はこくり、と頷き自ら私の手を自分の胸に持ってきた。
ひんやりとした外気に晒され乳首がつんと立っている。
今日は少し痕をつけてしまうかもしれない。所有の印を刻みたい。
私は長着を脱ぎその上に先生を横たわらせた。
唇、首筋、胸、乳首とキスを落とす。
乳輪をなで乳首をしごきひねりつぶす。
その都度いい声が聞こえ、私は興奮を新たにあちらこちらをまさぐる。
そして私の手が叢に達すると少し抵抗をされた。
「抵抗しないで…」
耳朶を咬んで囁く。
とろけそうに熱くなっているそこに指を滑らす。
音がするほどに濡れている。
乳首にしたようにしごいてひねりつぶすと大きく声が出た。
あわててキスをして口をふさぐ。
一応孝弘さん在宅だからな。
キスをしながらやや強く弄る。痙攣している。
早速逝ったようだ。
指を最初から二本挿入する。
きつい。
だが何度か抽送するうちにほぐれてくる。
ちょうど裏のあたり、ここをこすると良いらしく眉間にしわを寄せて耐えている
急に焦った顔をしてやめてほしいという。
どうしたのかと思うとお手水に行きたくなったらしい(笑)
私の長着を着てあわてて飛んでいった。
あれ?もしかして潮吹く手前だった?
勿体無いことしたなあ…。
しばらくして戻ってきた。照れている。可愛いなあ。
そして私の前で膝をつき帯を解いて着物をくつろげた。
私は先生を膝立ちになるよう言い、翳りの所に口づけた。
いやいやをするが腰に手を回して動けないようにして舐めて楽しむ。
吸っても溢れるほどだ。
膝立ちがつらくなってきたらしいので仰向けにして指を入れて弄る。
先ほどの場所を入念に。もがきだした。
無理そうだ。まあ最初からは無理だよな。
ぬめった指を後ろの穴に突き立てようとすると抵抗する。
突起を親指で刺激すると力が抜け、関節ひとつ分が入った。
そのまま刺激を続けつつゆっくり指をねじ込む。
「もう許して…」
「こっちで逝ったら許してあげますよ」
まあ無理だろうけど。絶望したような顔をしている。
ぬるぬるしてるしまだ体は大丈夫だろう。
ゆっくり奥まで差し込み、ぎりぎりまで抜く。
繰り返しているうちに反応してきた。
を、意外といけるかな?
突起を刺激しつつ反応を引き出す。
荒々しくしたい気持ちを我慢して丁寧に拾う。
きゅうっと指が締め付けられた。逝けたようだ。
愛しくなってキスをするとさらにきゅっと締った。
「ねぇ、ぬいて…」というので抜く。
「ひどいわ…こんなの…アッ」
「でも気持ちよかったんでしょう?」
そういいつつ突起をつまみ扱く。
汚れてないほうの指を差し入れて中を楽しむ。
蹂躙。楽しい。涙目。愛しい。
もう一度逝かせて、動けない先生をおいて手を洗いに立つ。
戻ってきたがまだ動けないようだ。
ぬめるそこを舐め取り、綺麗にした。
なでていると先生はちょっと怒っている。
後ろはやっぱりいやだったらしい。そうだろうなあ。
くぅきゅるる。先生のおなかがなった。
そういえば朝飯食ってないのか。
時計を見ると昼を回っている。何か簡単なものでも作るか。
先に階下に下り、3人分の昼飯を作る。
食卓に並べ孝弘さんを呼んで戻ると絹先生が下りてきた。
ちゃんときちっと着物を着ていて、うん、美しい。
さっきまでの痴態が嘘のようだ。

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36

私は絹先生を引き寄せ、頬にそっと手を添える。
「別れたいですか?」
「ど、どうして?」
「いや、その、ばれて居心地悪くなって別れるとかたまに聞くもので…」
むっとした顔をしてる。あれ?
「山沢さんが、そうなの?」
ありゃ、怒ってる?
「私は、あなたが別れてくれというまで離れる気はありませんよ」
「別れてっていったら離れるの?」
「八重子先生にそういわれたので…」
ストーカー化するのはどうかとも思うし。
と思ってたら、手を振り払われて居間から出て行ってしまった。
ええっと、なんでだ?
困惑していると、八重子先生が戻ってきた。
「どうしたんだい?」
かくかくしかじかと伝える。
「ばかだねえ、あんた。何があっても離れたくないとか言っとくもんだろ、そこは」
そういうものなのか。
女心がわかってないとか言われてしまった。
「帰るまでになんとかしときな」
そういって出かけられた。
ええっと絹先生はどこに居るんだろう。お部屋かな。
…いない。うーん。二階?
いたいた。
「先生…」
そっと肩に触れる。その手を叩かれた。
ん……。
無理にこちらに引き寄せる。
抵抗された。
イラつく。
「痛っ」
と。力を入れすぎた。落ち着け、俺。
「ねえ、先生。別れて欲しいのにしつこく付きまとわれるの、嫌じゃないんですか?
 そういうの、嫌だろうから離れるって言ったんですよ。
 別れてっていった後に私に監禁されたいですか」
駄目だ怖がらせてどうする。
手を離すと距離をとられてしまった。
「…別れたいんですか」
あ、駄目だなんか無理だ。私は二階を後にし、帰宅することにした。
帰りのバスで頭を抱えたくなってしまった。何でこうなるんだ。

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