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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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410

いつものように寝ている先生を置いて出勤した。
なんだか忙しい。
途中で気づく、そうか、三連休か。
お稽古、ないんだった。
道理でうちに来ちゃったわけだ。
忙しくて仕事が終わらない。
先生から電話が来た。
まだ帰れない、少し遅くなると伝えて仕事に励む。
やっと終ったころには昼前で。
急いで帰宅。
「ただいま」
「あ、お帰りなさい、遅かったわね。先に食べる?」
「もうちょっと待てますか? シャワー浴びたいです」
「はいはい、入ってらっしゃい」
ざっと浴びて出るとちゃんと着替えが用意してあった。
羽織って食卓につくと熱々のお味噌汁やおかずが用意されていた。
部屋も掃除されていて洗濯物も干されてる。
良い奥さんだよなぁ、先生。
「ありがとう」
炊き立てご飯をよそってもらってお昼ご飯をいただく。
先生が座って、いただきます。
うーん、うまいなぁ、メシ。
「今日はどうしたの? いつもより遅かったけど」
「すいません、三連休と言うことで忙しくて。久々に忙しいから焦りました」
「忘れてたの? じゃ今日お稽古だと思ってた?」
「勿論。帰ったら先生はとっくに居ないって気でいました」
「だから昨日帰らそうとしてたのねえ」
「だって朝からお稽古のつもりでしたし」
「でもご飯食べたら帰るわよ?」
「えー」
「灰、しなきゃいけないもの」
「あー…そういえば土用ですか、もうすぐ」
「そうよ」
「手伝いますから一緒にいても良いですか」
「あら。嬉しいわ」
じゃメシ食ったら土弄りできるような服持って先生の家に行こう。
「着替えてから来たら良いじゃないの。時間の無駄だわよ」
それもそうか。
ご馳走様をして洗い物をしたら服に着替えて車に乗り込んだ。
先生を後部座席に乗せひた走る。
「このままどこか遠くに行きたいわね。折角のお休みだもの」
「そうしてもいいんですけどね。俺は」
「でも駄目ね、お母さんだけじゃもう出来ないものね」
先生は溜息一つついて。
「まぁ俺はね、あなたがそう思ってくれたんで良しとしますよ」
「ごめんなさいね」
「早く終わるようならどこか行きましょう」
「そうね」
途中で検問。呼気。
こんな時間から? と言うと三連休だから昼酒飲んで走るのがいるらしい。
あと脱法ハーブ。
「そんなことして何が良いのかしらね」
発進してから先生がぽつりと言う。
「どうせエロにでも使うんでしょう。昔からsexと麻薬は切っても切れませんからね」
「そうなの?」
「シャブをコンドームの上から塗ってね、ぶち込むんですよ。
 するとそれなしでのsexじゃ逝けなくなるって話がありましてね」
「えっ…」
「あなたにゃしませんよ」
「…ちょっと待って、持ってたりするの?」
「今持ってませんが簡単に手に入ります。あえて脱法ハーブ選ぶメリットがない」
「そんなに?」
「ああ、単純所持で捕まらないメリットはありますが…。
 脱法ハーブで死んだり後遺症残るくらいなら古い麻薬のほうが安全性は格段…」
「え、そうなの? そんなに違うの?」
「あのですねぇ、昔からある奴はいわばたくさんの人体実験の上で、
 何がどう残るかわかってる薬物です。どれを選ぶかは本人次第。
 脱法ハーブはどうなるかわからないんです。
 吸った時問題なくても翌年に脳みそが溶けるかもしれない」
「溶けるの!?」
「シンナーは溶けると有名です。そういう人学校にいませんでした?」
「居たかもしれないけど知らないわ」
「でしょうね、あなたにそういう友達は似合わない」
「あんたにはいたの?」
「いますよ。第一。市場自体そういうやつらの受け皿ですよ、若い子のね」
ふと笑ってしまった。
「なぁに?」
「いや、俺の場合周囲がこうだからかさっさと風俗遊びもしてましたけど…。
 あなたがね、Mだなんて思ったとしてもそういうお店いけなくて苦しいだろうなって」
「うーん、そうねぇわたしがMって若い頃に思ったら、と言うことよね?」
「ええ」
「多分…ううん、絶対いけないわよ」
「もしか若い頃にあなたと出会ってたらどうなってたでしょうね。もっと酷くしてたかも」
「怖いこといわないで頂戴よ」
「今はもう手加減できるようになりましたからねえ」
「してくれてても怖いのに」
そうこうしてるうちに到着。
「ただいまぁ」
「ん、早かったねえ、おかえり。なんだあんた連れてきたの。いらっしゃい」
「お邪魔します」
「うん、灰、この子にも手伝ってもらおうと思って」
「そりゃいいね。着替えといで」
先生が着替えられる間にお茶を頂いた。
八重子先生もしっかり日に焼けない工夫をされて庭へ。
まずは灰を篩う。
「今日はもうこの時間だからね、篩うだけ篩うよ」
三人で庭で篩う。日陰に椅子を置いて。
家ん中でしない理由わかった、灰だらけになる。
すべて終ったころには日が暮れかけていた。
「あんた顔洗っといで」
手拭で顔を覆ってたのは日に焼けない工夫じゃなく灰をかぶらない工夫だったそうだ。
そのまま庭の水栓で洗う。ぬるぬるする。アルカリか。
「山沢さん、服洗うから上がって脱いで頂戴」
「ここで脱いではたいてからのほうが良くないですか」
「だめよ、人が来たらどうするの」
しょうがないのであちこちはたいてから上がって、脱いだ。
洗面所に行って洗顔料を使って顔を洗いなおすとやっとぬるつきが取れた。
「ごはんどうする?」
「今から作るのも面倒だね、なんかとろうか」
「そうねぇ」
「この間ほら、広告入ってたろ、パエリア」
「それがいいの?」
「肉の入ってる奴も有ったから良いんじゃないかねぇ山沢さんも」
「山沢さーん、パエリアで良い?」
居間からの声に答える。
「良いですよー、何でも」
先生があれやこれや決めて電話した。
「30分くらいですって」
「ああ、じゃ私先にシャワー浴びてくるよ」
「はーい」
八重子先生が風呂から上がって一服してると届いた。
サラダといくつかのサイドメニュー。
おいしく頂いて満腹で先生は少し眠そうだ。
「あぁ、ほら、お風呂入ってきて。じゃないと汗で痒くなるでしょう?」
「ん、そうね。入らないと」
あふ、とあくびをして風呂に行かれた。
「風呂場でそのまま寝そうだねぇ。あんた一緒に入っといで」
八重子先生に言われて風呂場へ行くと先生の着替えも出てない。
部屋に一度行き布団を敷き、先生の分も着替えを持って風呂に行く。
先生は風呂の中でぼんやりしてて俺が後ろに座るともたれてきた。
「もう洗ったんですか?」
「まだよー」
「じゃ洗ってあげますね」
体を泡で洗って髪も丁寧に洗う。
気持ち良さそうで、もう寝そうだ。
「もうちょっとだけ起きててくださいよ」
「んー」
全部洗って拭いて。
髪をタオルで包んで布団に転がす。
バスタオルを枕にして。
戻って俺も頭と体を洗った。
居間へ寄って戸締りをしてくると声を掛け、玄関を確かめてお勝手にまわる。
八重子先生が火の元の確認をしている。
「絹は?」
「寝ちゃってると思いますよ。ドライヤーしてないんでしてあげないと」
「甘やかしてるねえ」
「ですねえ」
頭をなでられた。
「あんたもちゃんとあの子に甘えてる?」
「ええ、十分に」
「ならいいけどね」
鍵を確かめて居間に戻る。
「じゃもう寝るよ。明日は早いからね」
「はい、おやすみなさい」
「おやすみ」
ドライヤー片手に部屋に戻ると先生はすっかり寝ている。
優しく髪を乾かしてから俺も横にもぐりこんだ。
おやすみなさい。

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409

朝。起きると先生が横にいた。
またか…。
多分終電でうちに来たんだろう。
来客は夜には帰ったのかな。
頬を撫でて出勤の支度をして置いて出た。
暇だから本当なら会社を休んで一日、先生と遊びたいが…。
会社勤めの悲しさ、勝手にゃ休めない。
いや自営業でも勝手休みは中々難しいご時勢だろうが。
仕事を頑張って昼前に帰宅した。
電気がついていない…。
帰ったか、寝ているかどっちだろう。
玄関を開けた。草履がない。
帰っちゃったか…。
ちょっとがっくりした。寝に来ただけか。
腹減ったなぁ…。
シャワーを浴びて風呂から出ると台所から物音。
覗き込むと先生がいた。
「帰ったんじゃなかったのか」
「買物行ってたのよ。冷蔵庫何も入ってないじゃないの」
「週の半分以上あなたの家で食ってるからね」
「お昼簡単なものだけど作るから。服着なさいよ」
「んー」
もそもそと着替えるとすぐ、出来たわよと声がかかる。
「今日は冷製パスタね」
さっぱりとうまそうだ。
オリーブオイル多目にトマトとバジルとなんかの葉っぱ?
「有機ベビーリーフが売ってたのよ」
なるほど。
食べると少し塩は薄いものの冷たさが嬉しい。
そしてアイスコーヒー。
体の中から冷える。
クーラーの設定温度が高めなのはそういうことか。
ごちそうさまをして洗い物をしていると先生が寝巻に着替えている。
片付け終わったのを見て先生が手招きして寝室に入った。
していいんだな?
明日俺も仕事で先生もお稽古なのはネックだが…今日はペニバンを用意してみた。
ちょっと顔が引きつってる。
装着したまま挿入はせずゆったりと抱いているが気になるようだ。
「入れてあげよう」
「やだ…」
「というかたまには入れさせなさい」
真っ赤になって身を縮めている。
「無理強いしないと駄目なのかな?」
あ、うなづいた。
「恥ずかしいから出来ない?」
再度うなづく。
そういうとこ可愛いよなぁ。
「今更恥ずかしがらなくても良いじゃないか」
「でも…」
ひょいと先生の片足を肩に担ぐ。
「やっ、やだ」
あてがいゆっくりと擦り付けると腰が前に出てきた。
体は正直だ。
じっくりと入れていく。
ん、もう入らないな。
「ほら、入った。動かすよ」
蠕動を繰り返すと喘ぎ声が出る。
先生の良いところを狙いつつ逝きそうな所でやめた。
「あっ、なんでっ」
「んー?ふふ、動いて欲しい?」
「やだ、ちが…」
「動いて欲しけりゃ言いなさい、じゃないとこのままだよ?」
体が治まらないよう適度に動いたりして焦らす。
「あぅ、お願い、もう…」
「なにかな?」
「お願いだから、最後までして…あっ」
一挙に追い詰めて昇り詰めさせた。
言葉にならない声が沢山出て、俺の足に先生の足が絡みつく。
ぎゅっとしがみつかれつつ暫く腰を動かすとひときわ強くしがみつかれた。
逝った様だ。
入れていたものをゆったりと動かす。
徐々に脱力してきた。
整いかけた息をまた乱させる。
再度逝かせて抜いた。
外してから寝転がって先生を上に乗せた。
ゆっくり背を撫でて落ち着かせる。
暫くして息も整ってきたようだ。
「お疲れ様。ちょっと寝ますか?」
「うん…」
ふぅ、と息をついて寝る体制に入られた。
俺も疲れて眠くなり、そのまま寝た。
ふと目が覚めると既に外は暗く、8時を過ぎていた。
あー、メシ、なんか食わせて帰さないといかん。
冷蔵庫を漁る。
昼に先生が色々買って来てたのでそれを調理して3品ほどだが用意した。
先生を起こす。
「んー?」
「もう8時過ぎですよ。メシ食って帰らないとあなた明日お稽古あるでしょう?」
「うー…」
上体を引き起こしてもずるずると崩れてしまう。
「ほら、起きて。明日の朝帰るつもりですか?」
「そうするわー家に電話しといて」
苦笑して布団をかけて先にお宅へ電話することにした。
最近眠い眠いといってるからか、すぐにOKが出る。
とりあえずは俺だけ飯を食って残りは冷蔵庫に仕舞った。
明日の朝食うかもしれんし。
ざっとシャワーを浴び、着替えて先生の横にもぐりこんでおやすみなさい。

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408

そっと枕にされてる腕を抜いて身づくろい。
台所で支度をしてると八重子先生が起きてきた。
「おはよう。相変わらず早いねえ」
「昨日早く寝てますから」
暫くして先生。
「ねむーい…」
「あんた早く寝たじゃないの」
「だって夜中この子触るんだもの。起きちゃったわよ」
「すいません。もうちょっと寝てても良かったんですよ」
「もういいわよ」
朝飯を出して皆で食べて。
律君が学校に行ったあと先生が洗濯をする。
その間に俺は草むしり。
そろそろお昼ご飯と呼ばれたり、おやつの時間と呼ばれたり。
あっという間に水曜は過ぎ去っていく。
庭広いって大変だったんだな…。
ご飯前にシャワーに入るように言われ浴びた。
あ、着替え出てない。
しかたないなーとペタペタと部屋に向かって着替えて出たとこで先生に会った。
「あら、着替え出すの忘れたと思って取りに来たのに」
「遅うござった。着替えちゃいました」
「…裸で歩いちゃ駄目」
「…はーい」
「ご飯できたからそろそろ食べる? おなかすいてるでしょ」
「皆そろってからで良いですよ。それより」
ひょいっと先生の頬に手を当ててキスしてみた。
「あなたを食べたいな、なんて」
「ばか、こんな時間に…」
「うーん、先生可愛いなぁ。好きだな」
後ろ向いちゃったので抱き締める。
「良い匂い」
「汗臭いでしょ…」
うなじにキス。
「臭くないよ」
すっと胸に手を差し入れて軽く揉んだ。
「駄目よ」
「わかったよ、明日。うちに来るかあちらで」
「そうね。それがいいわ」
離したくなかったが玄関で物音がしたので諦めた。
ささっと先生が胸元を直し終えて一緒に居間へ行く。
「おかえり、律」
「ただいまー。もー暑いよ、外」
「あんたもシャワー入ってきたら?」
「そうする」
「着替え持って行くのよー」
「んー」
律君が部屋に行ったのを見て早くも食卓におかずを出そうとする。
「待たなくて良いんですか?」
「すぐ出てくるわよ」
配膳してしばし待つとタオル片手に戻ってきた。
本当にすぐだな。
「お父さんは?」
「いらないんですって。じゃいただきましょうか」
4人で食卓を囲み団欒を享受する。
いいなぁこういうの。
ご飯を食べて一服したら帰宅、家の中が暑い。
クーラーをうんと効かせて就寝。
寒くなって目が覚めたがどうせそろそろ起きる時間だ。
支度をして出勤。
いつもの暇な木曜日。
だらけつつも仕事をしてるとメールが来た。
夜に来客のため遊べない旨、先生から。
残念だ。
土曜日の夜に回収するかな。
昼前に仕事を終え、帰宅して先生のお宅へ。
お稽古を手伝い、自分のお稽古をつけてもらっている時に訪なう声。
来客、だな。
八重子先生が応対している。
俺へのお稽古が終ったので水屋は引き受け先生を送り出した。
「勝手に帰りますから。構わなくて良いですよ」
「ごめんね。じゃ」
「ん、また明後日来ますから」
頭を一撫でして先生は居間へ行かれた。
俺はゆっくりと水屋を片付けてから帰宅。
今日はタイマー設定してあったので極楽だ、部屋涼しい。
シャワーを浴びベッドにもぐりこんだ。
おやすみなさい。

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407

まぁ結局一般的には夜中と言われる時間帯に目が覚めてしまったわけだが。
気持ち良さそうに寝てるなぁ。
少し悪戯心が沸く。
そっと胸に手を滑り込ませ胸をやわやわと揉む。
良い感じにまだ寝てる。
やはり興奮してない時に揉んでもたいしたことはないようだ。
だったら俺が満足するまで触ってても良いかな?
起こさないように気をつけながら。
気持ち良いなぁ、先生の肌。
伊達締めをほどいてお腹や毛、その下もまさぐる。
あれ? ぬめってる。
…普通の寝息、だよな。
感じてるという風もない、が。
反応はしてるのかな。
これだけ濡れてたら良いか…入れても。
いや、流石に入れたら起きるよね。
折角寝てるんだから起こすのは忍びない。
ぬめった指は舐め取って着せなおそう、うん。
ごそごそと着せて伊達締めを結んで。
「うぅん…ん?」
あ、起きた。
「何してるの?」
「あー…ほどいたから結んでる?」
「…触ってたのね?」
「はい」
むぎゅっと鼻をつままれた。
「寝てるのに変なことしないで頂戴」
「うー」
「うーじゃありません。寝なさい」
「はい…」
怒られてしまった。うーむ。
仕方なく抱きかかえて寝る努力。
先生は本当にすぐに寝息を立ててる。
可愛いな。
まあそのままうつらうつらと夜明けを迎えた。
さて、メシ作ろう。

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406

翌日は稽古もないし仕事が終わり次第京都へ立った。
何って祇園祭関係の茶菓子を一通り買う気でだ。
先生は昼寝をしたかったようだがお稽古があるから眠くても頑張ってるらしい。
デパートの地下でがっさりと沢山購入した。
明日の夕方までとの事なので余裕だ。
東京へ引き返して車に乗り換え先生のお宅へ行く途中メールが来た。
夕食の写真とともに食べたら寝ると。
俺の胸で寝たい、なんてメールに書いてきたので消すよう指示して。
嬉しいけどさ、一応不倫だし見られて困るメールは駄目だよね。
メールがやんだ。
拗ねちゃったかな?
5分ほどして到着し玄関を開ける。
ガラガラッ。
「お今晩はーお邪魔します」
「はーい…えっ山沢さん…どうして? えっ?」
「これどうぞ、祇園祭の菓子です」
「いいの?こんなに」
「アソートしてみました、今おやつにされるもよし、明日お稽古に使うもよし」
「あら山沢さんじゃないの。どうしたの」
「京都の祇園祭にちなんだ菓子、買って来ました」
「おばあちゃん、ほらこんなに沢山よ」
「凄いわねぇ。あらあんたお夕飯は食べたの?」
「帰ってから食おうかと」
「食べて行きなさいよ。あと出来たらで良いんだけど…」
「ありがとうございます。なんでしょうか」
「一緒に寝てやってくれる?」
「ああ、はい」
先生が俺の分としてパスタを用意してくれた。
鮭とネギのしょうゆバター。それと八重子先生の煮物。
おいしい。
ご馳走様をするころには先生の上体が揺れている。
「後片付けはしておくから。寝かせてやって」
「はーい」
満腹のまま先生を部屋につれて入り懐に抱いて少し寝た。
5時間たっぷり寝て先生の横から脱出し着替えてそっと玄関から出た。
外から鍵を閉めて帰宅する。
車で来て正解。
電車だと1時間半早く出なきゃいけない。
家に帰って1時間半なんて寝た気もしないし。
そのまま出勤し仕事。
朝から暑い、たまらん。
やる気なく暇な火曜日で客も定休日が多い。
だらだらと仕事を終え先生のお宅へ向かった。
「いらっしゃい、あなた昨日いつのまに帰ったの?」
「こんにちは、12時くらいですよ。よく寝ておいででしたよ」
鞄を置いて水屋を整え、待つ。
生徒さんも来られて御菓子は…うん、昨日の。
楽しそうだ、先生も生徒さんも。
お稽古が終った後、俺にはチーズケーキをくれた。
濃くてうまい。
「ご飯前だけど、おいしいですね」
「あ、そうだったわね。一つだけね。あとはご飯済んでから」
頭をなでられてしまった。
夕飯に期待しつつ食卓を片付ける。
今日はぶりの照り焼きがメインにカボチャの煮物や切り干し大根、お味噌汁。
それと揚げの炊いたんに蕗が入ってる鉢。
俺へはぶりの変わりに鶏の照り焼き。
八重子先生の作る飯はおいしい。
おいしくいただいてご馳走様をして洗い物にかかる。
先生が台所に来て俺の背に手を置いて甘えてきた。
「もうちょっと待って。眠いんですか?」
「わかる?」
「手、あったかいですし」
「ごめんね…出来ないの…」
「眠いなら仕方ないかな」
片付け終えて居間に先生を置き、布団を敷いて戻った。
「寝ますか?」
「うん。じゃおばあちゃん、お先に」
「おやすみー」
「あんたも早く寝なさいよ、おやすみ」
「おやすみなさい」
部屋で着物を脱いで着替え髪も解いた先生はやはり色っぽくて。
抱いちゃ駄目とはやはり辛いね。
懐に抱いて背中をなでると入っていた力が抜けてすぐに寝息を立てる。
熟睡し始めたら居間へ行ってお茶でも飲もうかな。
流石に今寝たら朝日が昇る前に起きてしまう。
とか思いつつも先生の体の感触や寝息、匂いに意識が飛んでいつしか寝てしまった。

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