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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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515

朝になって仕事をしていると社長が呼ぶ。
「折角芝居を、と予定入れさせたのにすまん! 会合忘れてたから行ってくれ」
「えぇーー、そんなのありですか」
「すまん、本当にすまん。すっかり忘れてた」
「もー! じゃ先生にお友達でも誘うように言います」
携帯から電話を掛け、先生を呼び出す。
「いまいいですか。芝居誰か他の人と行ってください。八重子先生でもお友達でも」
どうしたのよ、と聞かれて説明をするとわかってくださった。
電話を終えて溜息一つ。
あーぁ、久々のお出かけだったのにな。
会合の中身はまた芸者遊び。
他の奴ら、芸者はちょっとと敬遠するからなぁ。
ピンクコンパニオンの方が良いらしい。
当日来るの、誰だろ。宗直さんいると楽でいいんだけど。
若い子を相手にしちゃ先生に聞こえた時に困る。
古い人たちは外で声を掛けてこないし、掛けられたところで先生も気にしないだろうが。
若いのは営業しようとするのもいたからなぁ。
仕事を終えて面白くないので飲みに出た。
久々にくどいものを食べる。
塩辛く感じて、やっぱり先生の家のご飯に慣れているのと疲れてないのと。
夕方、思いついて髪結さんへ。
随分伸びたから切ってもらった。
襟元が少し寒い。
風邪を引かぬ間にあわてて帰宅。軽いものを食って早めに就寝した。
翌朝久々にネックウォーマーをつけて出勤した。
「お、短くなったなー」
「マジ寒いわー!」
「風邪引くなよ」
「ちょっと切っただけなのになぁ。くっそ寒い」
それでも仕事が忙しければ温まるんだが。
寒いなーと思ったまま帰宅して風呂が気持ちいい。
家を出る時に暖かい方のマフラーをして出た。
「こんにちはー」
「あら、いらっしゃい。どうしたのそんなモコモコで」
「はぁ」
マフラーを取って見せると髪を混ぜっ返された。
「あらやだ、随分短くしちゃったのねえ。寒いの?」
「寒いです」
「火に当たってなさいよ」
居間に連れて行かれて炬燵に入れられた。
「いや、そこまで寒いわけでは」
「風邪引いたら困るじゃない」
「過保護ですよねえ」
八重子先生が笑ってる。
「しかしえらく切ったもんだね」
「なんか今流行の髪形も進められたんですが流石にそれは…先生とつろくしないので」
「つろく?」
「あ、ええと、釣り合わないかと思いまして」
「どんな髪型かしら」
「うーんと、そうだ。先日律君のお友達で白い服の子。あの子のような頭です」
「あぁ。あれはちょっとねぇ」
さてと温まった。もう良いだろう。
「そろそろ用意してきます」
「まだ良いんじゃない?」
「いや、そろそろしないといけません」
炬燵から出て水屋で支度をする。
整った頃生徒さんがいらした。
ほら、丁度良いじゃないか。
先生も戻ってきて挨拶を交わし、開始した。
まったりとした雰囲気でお稽古は進む。
先生の機嫌もまぁ良い。
そのまま俺へのお稽古にかかる。
優しい。やっぱり機嫌がいいときは優しい。
明日のことは知られないようにしないといけないな。
後片付けをしている間に先生は台所の手伝いへ。
おいしそうな匂いがする。今日は何だろう。
先生がご飯をよそう前に気づいた。
「待って、俺の良いですっ」
「…もしかしてひじき苦手なの?」
「すっごく苦手です」
「仕方ないわねぇ。冷凍庫の温めてきなさいよ」
「はい、すいません」
蕪と鶏の葛煮がおいしそうだ。
チンしてお茶碗に入れて戻れば律君以外席に着いている。
「律は遅くなるんですってよ」
「あらそうなの」
いただきます、と手をつけて肉の甘味噌炒めがうまい。
今日のメインは魚だから俺の分は別にしてくださっている。
菊菜の胡麻和えもうまい。
「ごちそうさまでした」
「はい、お粗末様」
「そういえば献立、どうやって決めてるんですか」
「ん?」
「ほら、こういうのいつも作られないでしょう?」
「そりゃあ買物行った時に目に付いたからとかそういうもんだよ」
「いやそういうんじゃなくて。たまに傾向が違う物が」
「あれじゃないの。お母さんが買ってくる雑誌」
「これかねえ」
あ、レタスクラブ。なるほど。
「ただいまー」
「おかえり、手を洗ってらっしゃい」
「うん」
手を洗って着替えてから戻ってきた。
「あぁおなかすいた」
くすくす笑って先生がご飯をよそってあげている。
お母さんしてるのも良いね、ほほえましい。
先生は明日の用意をしはじめた。どれを着るかは決めてたようだ。
俺も一緒に行きたかった。
「誰と行くことにしたんですか?」
「お友達。あ、そうそう。一応、あちらにも窓口でどう言うか伝えたいんだけど」
「メールアドレスご存知です?」
「うん、知ってるわよ。ちょっと待ってね」
携帯を探ってメール作成画面を出し、明日のことについての文面を打っている。
「続き書いてくれる?」
「はいはい」
できるだけわかりやすく、且つ簡潔にを心がけて書いた。
「これでいいですか」
ぶつぶつ、と先生が読んで納得したようだ。
いくらか付け加えて送信した。
「明日はおばあちゃんもおでかけなのよ」
「あ、それでお友達ですか」
なるほどね。
「お昼済んでからだからあんたもその時間までいるわよね?」
「どちらでもいいですよ、手間なら早く帰ります」
「三人分も四人分も変わらないわよ」
そういいつつ支度を済ませ、風呂に入られた。
俺は洗い物を。
台所を綺麗にし終わって戻ると次に入れと指示が出る。
だったら待たずに、と先生の入ってるところにお邪魔した。
「お邪魔しまーす」
「あら? もうちょっとしたら出るのに待てなかったの?」
「待てませんね」
抱き締めてキスをする。
「ん…だめよ。もうっ」
先生が湯船に入り俺は掛湯して股間を洗ってから一緒に浸かる。
くいくいっと股間の毛を引っ張られた。
「なに?」
「白髪あるわね」
「そりゃありますよ」
「切らないの?」
「なんで?」
「切ってあげるわよ」
「…身ぃ切りそうだから遠慮する」
「そんな不器用に見える?」
「だって悪戯するでしょ、どうせ。そしたら危ないじゃないか」
「あら、ばれちゃった?」
「いたずらはされるよりするほうが良いな」
そう言って先生の乳首に軽く歯を当てる。
そのまま後頭部を押さえ込まれて湯面に顔を突っ込むことになった。
暢気に押さえたまま数え歌を歌っている。
3つばかり歌い終えた後やっと離してくれた。
「はっ、はっ、はっ、はっ、ひでぇ」
「うふふ、こんなところであんなことするからよ」
「だからって」
「口答えしないの。また浸けるわよ」
「う…」
「さ、そろそろ上がりましょ」
「はーい」
しっかりと水滴を拭き取って寝巻きに着替える。
交代で皆が入っている間に先生は寝間の準備、俺は火の始末と戸締りを終えた。
八重子先生が上がってきたので寝ることにして挨拶をする。
先生はまだ戻ってこないのでこっそり明日のことをお耳に入れた。
「わかったよ、大丈夫内緒にしておくよ」
「お願いします」
おやすみなさい、と別れて寝間に入るとすっかり寝支度は整っている。
「寝ましょうか」
「そうね、そうしましょ。あ、今日はしちゃだめよ」
「…わかりました」
諦めた。
布団の中に入ってなでているとむらむらするが仕方ない。
すぐに寝息に変わっている。
キスしたら叱られた。
「寝るっていったでしょ。おとなしくしないなら部屋で寝るわよ」
「むー…」
頭をなでられて寝かしつけられる。不本意だ。
少し唸ったのが聞こえたらしい。
「ねぇ。明日お芝居の後あなたの家に寄るから。ね、了見して」
ふうっと息をついてわかったと答え、先生を寝かせた。
翌日、昼を食ってから帰宅。
外出の用意を整えた。

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514

そして結局今週の水曜日にはお稽古してもらうことになったわけだが。
朝の9時から夕方の6時まで、食事とトイレの休憩を入れてずっと稽古をした。
流石に疲れたが先生はいつもの事だからまったくお疲れではなく。
稽古の後、片付けているとお疲れ様と甘いものをくれた。
「ありがとうございます。嬉しいけどもうメシですよ?」
「あら。じゃ一つにして後は持って帰ると良いわ」
「そうします」
片付け終えて軽く茶室を掃く。
「ご飯よー」
「あっ、はい」
手早く済ませて手を洗い、食卓に着いた。
「あれ、孝弘さんは?」
「でかけちゃったのよ。困るわ。ご飯炊いたのに」
「それはすごく困りますね」
「同じものでよかったら明日の朝食べない?」
「ありがたくいただきます。お弁当嬉しいです」
「助かるわ~」
どうせ明日も仕事は暇に決まってる。
愛妻弁当を見せ付けるオヤジになってやろう。
飯を食って先生にお弁当をつめてもらった。
翌朝出勤し、一仕事してから弁当を食う。うまい。
寒いから傷む心配がない。
料理屋の客に一口食われてしまったがイケる、と言われた。
何か嬉しい。
仕事を終えた後お稽古へ向かい、先生にそう伝えると先生も嬉しそうだ
「今日もじゃあ作ってあげるわね」
「をっ、いいんですか。嬉しいなあ」
笑って頭を撫でて行かれた。
それからお稽古をこなし済んで夕飯をいただく。
お弁当を渡されて帰宅。
翌朝、弁当を使っているとまたも味見をされ、褒められた。
仕事が終わるころ事務と社長が呼ぶ。
「はい?」
「お前、お稽古の先生と行かないか? 芝居」
「何やんの?」
聞くと先生も好きそうだ。
チケットではなく、料理屋が取ってくれる席なので受付に名前を言うだけ。
行けるか先生に電話した。OKだ。
夜はどこ行こうかなー。
忘れちゃいけないのでメモを携帯で撮って先生にメールをしておいた。
帰りにジムへ寄り、一汗流して帰宅すると眠くなりそのまま朝まで寝てしまった。
翌日は土曜とはいえ、流石に二月で暇である。
お稽古にも悠々と間に合い、先生と芝居の後どこへいこうかと言う話で団欒を過ごし。
風呂に入るときに生理がきたことに気づいた。
浴衣を引っ掛けて先にパンツを取りに戻ると怪訝な顔の先生。
「あぁ。そろそろって言ってたわね。汚れ物は?」
「自分で洗います」
「するわよ」
「いや、こういうのはいかんです」
「そう? いいのに」
「じゃ風呂入ってきますね」
昼に洗ってきているが念入りに洗いなおし、下帯の汚れも洗う。
当てるものを当て寝巻を着て、下洗いした下帯を洗濯機に入れると先生が来た。
「一緒に洗うわ」
「いまから? 1時間でしょう? 眠いんじゃ」
「そんなにかかんないから大丈夫よ」
お急ぎモードに設定して回し始めた。
「ほら、体冷えるわよ。来なさい」
「はい」
腕を取られて居間に連れて帰られ、炬燵で温まる。
「眠そうだねぇ。もう寝たら? 絹、布団敷いてきてあげなさいよ」
「そうね、そうするわ」
「すいません」
先生がパタパタと寝間へ消えて、八重子先生がお茶を入れてくれる。
「女は面倒くさいねぇ」
「男が羨ましいですよ。ほんと」
「けどあんた男だったら、ねぇ。同じ布団というわけに行かないからねぇ」
「それはそうですね、無理ですよね」
ははは、と笑って暫くすると先生が戻ってきた。
「布団敷いたから温かいうちに早く寝なさい。ほらほら」
引き起こされ背中を押されて部屋に入り、布団に有無を言わせず押し込まれた。
寝るまで俺の手を取っていてくれてたようだ。
夜半、起きると横でぐっすり寝ている。
起こさないようそっと布団を抜け出したのだが、トイレに行って戻ると起きてた。
「お手水?」
「うん。起こしちゃったね、ごめん」
「いいの。一緒に寝ましょ」
横に潜り込み軽くキスをして先生を寝かしつける。
寝息が心地良く、よく寝れた。
朝、目が覚めると先生が居なくて外では鳥が鳴いている。
どうやら寝過ごしたようだ。
お味噌汁の匂い。
急に空腹を覚えそのまま台所に行くと叱られた。
「こら、もうっ、胸を仕舞いなさい、胸を」
「腹減りました」
「もうすぐ出来るから着替えて待っててちょうだい」
「うっす」
洗顔、トイレを済ませ戻ると食卓にはすっかり用意が整っている。
「お、うまそう」
「言葉が汚くなってるわよ」
「と。失礼、おいしそうです」
座ってご飯をよそってもらい皆で朝飯を食う。
久々の先生の朝ご飯はやはり美味い。
満足していると先生が薬をくれた。
「何です?」
「痛み止め。先に飲んでおきなさい」
「あー…はい」
飲むと眠くなるんだけどな。
「どこか痛いの?」
「あ、まだ痛くないんだけどね、予防だよ」
「ふーん」
何で飲んだか、はわかってないようだ。
恋人が出来たら変わるだろうか。
痛くも眠くもないうちに布団を干したり、洗濯物を畳んだり。
部屋の掃除を終えて先生と買物に出る。
「なんにしようかしら」
先生の視線の先にはレバー。
「俺、レバー食えません」
「あらそう? どうしよう…」
「鉄分なら味噌汁で具を油揚げと卵ってのどうですか。あと意外とお抹茶、多いですよね」
「お抹茶、そんなに多いの?」
「確か60gで一日所要量クリアです」
「……お濃茶15杯も飲むつもり?」
「それはさすがに無理ですが。まあレバー以外でも取れますしね」
「ホウレン草のおひたしもどうかしら」
「この間見たんですが意外と少ないんで小松菜かつまみ菜がいいそうです」
「ええ?」
「あとは大根葉がいいそうですよ。あ、とうがらしの葉が売ってますね」
「どうするの? まさか唐辛子って鉄分多いの?」
「そのまさかですね」
しかしながら何を作ろう、とは思いつかないようだ。
「あ、でも俺、今日は肉じゃが食いたいです」
「そうね、そうしましょ」
先生は決まったとばかりにジャガイモなどを買っている。
「しかし。暗算早いですね」
「なにが?」
「お抹茶のグラム換算」
「あぁ。簡単じゃないの」
「俺、計算苦手だから」
くすっと笑っている。
「お昼は律もお父さんもいないから…丼物するけどいいかしら」
「他人丼を希望します」
「…中身なに入ってるの?」
「牛肉ですよ」
「あ、いつだったか作ってくれたわね」
「どうでしよう」
「うーん」
「…俺が出しますから」
「だったらいいわよ」
昼飯にするには値段が、と言うことだったようだ。
卵と牛スライスを買い足して買物終了。
お昼ご飯を作ってもらっておいしく頂いた。
その後もそう痛みはしなかったので他の部屋を掃除。
先生がお夕飯を作るというので手伝おうとしたら追い払われた
炬燵に押し込まれると眠くなってしまい、少し転寝しているうちにいい匂い。
「あら起きたの? もうできるわよ」
「ん」
食卓の上を片付けて背を丸めていたらおいしそうなおかずが並ぶ。
やっぱり豚肉か。肉じゃが。
今度うちで牛で作ってやろう。そうしよう。
味はちゃんとおいしくて、先生が小皿にとって押し付けてくる野菜などを食べつつ完食。
「ごちそうさまでした」
「お粗末様。さてと、あんた今日は早く帰りなさいよ」
「はい」
「なんなら一緒に」
「いいですよ。一人で帰れます」
また火曜日にと別れを告げて帰宅した。

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513

翌日、仕事の後。
先生の忘れ物とチョコを持ってお稽古に伺う。
「こんにちは、お邪魔します」
「あらいらっしゃい。この間はありがと」
「はい、これ。どうぞ」
「あらあら、なぁに? あら」
「今日バレンタインデーでしょう? だから」
先生の頬が赤くなった。
「こっちは八重子先生に。じゃ、用意してきますね」
「あ、はい、よろしくね」
そのままパタパタと居間へ入っていく先生を可愛いなぁと思いつつ。
茶室に入って昼からの支度をする。
のんどりと穏やかに待っていると生徒さんが来た。
「こんにちは」
「こんにちは、お願いしますー」
「先生はもうちょっとしたら来られますから」
「はぁい、用意してますねー」
しばらくして生徒さんの用意が整った頃、先生が戻ってきた。
「いらっしゃい」
「あ、こんにちはー。先生、今日もお願いしますぅ」
「はい、じゃお稽古始めましょうね。久さん、用意出来てるかしら」
「茶筌荘ですね」
「そう」
生徒さんに道具を説明して先生が指導なさる。
順々に次の生徒さんが来られてお客に入ってもらったりとやはり土曜は忙しい。
夕方、皆さんが帰られて先生は一息入れる。
「ね、一服点ててくれないかしら」
「どちらで?」
「お薄」
先生の好きな器をチョイスしてささっと平点前で点ててあげた。
「ん、おいしいわね」
穏やかな中、俺のお稽古。
ピリッとした空気に変わった。
先日いじめた仕返しも兼ねてか随分と厳しい稽古である。
「あなたねぇ。もうちょっとしゃんとしなさい」
「すいません」
「もう一度最初から」
「はい」
そして点前の途中、台所から漂うおいしそうな匂いに心を動かされた瞬間。
「手が違うわよ。集中しなさい」
「は、はい」
最後には溜息を疲れてしまった。
「今日はこれで良いわ」
「ありがとうございました」
「もうちょっとお稽古しなきゃいけないわねぇ。今度水曜にでも半日使おうかしら」
「それは先生が疲れちゃいませんか」
「疲れるわよ」
「でしたら別に…」
「ダメよ。早く覚えて頂戴」
「…はい」
「さっ片付けましょ。お腹すいちゃったわ」
釜を片付け、炭を壷に入れると先生は台所へ行ってしまい後は俺が始末した。
台所に顔を出すと運んで、と言われておかずを食卓へ並べる。
うまそうだ。
「あ、お父さん呼んできて」
「はーい」
離れに行って連れて戻る。
そろって食卓につく。
「あれ、律君は?」
「合コンですって。お友達と」
「へぇ、いい子いると良いですね」
「めし」
「はい、どうぞ」
ごはんをよそっていただく。
仕事して、お稽古してもらって美味いメシにありつく。
充実。
食後くつろいでると先生がチョコを持ってきた。
「お父さん、久さん。バレンタインだからチョコレートどうぞ」
「わ、ありがとうございます」
孝弘さんのは量多目で俺のはちょっとだけど俺のと多分値段は変わらんな。
八重子先生はニコニコして見ている。
「いま食べて良いですか?」
「どうぞ。コーヒー淹れてあげるわ」
「嬉しいです」
俺の分のコーヒーと先生たちのお茶をお盆に載せ、先生が戻ってきた。
あ、さっき俺があげたチョコも持ってる。
「私も今いただくわね」
開封する。美味そうだ。
「おいしそうだねぇ」
「おばあちゃんのはどんなの?」
「練りきりかねぇ?」
「と、見せかけましてー、まぁ食べてみてください」
付属の黒文字で切ると益々それっぽいけど。
「あ、中もチョコレートだね。外はホワイトチョコか何かかねえ」
「ガワはホワイトチョコと白餡だそうですよ」
「私の…これは羊羹かしら」
「あんたのは色々入ってるねえ」
そんな会話を眺めつつチョコとコーヒーをいただく。うまい。
「あ、ねぇ。これ日持ちするの?」
「両方冷蔵庫で1週間程度です」
「良かったわ。だって二日なんかじゃ太っちゃうもの」
「もうちょっと太っても良いじゃないですか」
「糖尿も怖いわよ」
「それは怖いですね」
くつろぐ時間も終って順次風呂へ。
先生が入っていると律君が帰ってきた。
「やぁおかえり。チョコは貰った?」
「こんばんは、山沢さん。いやー、ははは…」
晶ちゃんから貰ったと言うチョコを見せて諦めた様子。
「あら、帰ってたの。お帰り。お風呂入ったら?」
「ただいま。後で入るから先に山沢さんどうぞ」
「ああ、じゃお先に」
風呂を浴びて芯まで暖まって居間に戻ると律君が先生から貰ったチョコを食べてる。
「お、いいなぁ。ゴディバ? うまい?」
「量は食べないのよね、この子」
なるほど。
ちょっと悋気したじゃないか。
律君が入っている間に戸締りを確認し、火を落とす。
居間へ戻ると八重子先生のお休みの挨拶を受けて返し、俺たちも部屋へ。
明日の着る物の用意などしている先生の尻を触ったら叱られた。
「あれ? まだ痛い?」
「痛くはないわよ…。でももうちょっと待ってて頂戴」
「待てない♪」
後ろから抱き締めて胸を弄り、感触を楽しんでたら肘鉄が入った。
「こら、もうっ」
「いってぇ…テメェ」
睨んだら怯えた顔をする。
「ごめんなさい、痛かった?」
「痛ぇに決まってるだろ、胃に入った…」
うー、と唸ってると心配そうに見ている。
「ごめんね、ごめんなさい…」
おどおどと、怯えつつも背中をなでてくるのをひっくり返して押し倒した。
「ちょっ…だめっ」
がぶり、と肩に噛み跡をつけてやると痛みに耐えている。
「これでお相子な」
「痛ぁい…、もう、何で噛むのよ~」
「用意済ませてて」
起こしてやってからトイレに立つ。
戻るともう布団に入ってる。
そっと横にもぐりこむと擦り寄ってきた。
「ねぇ…もしかしてそろそろなの?」
「何が?」
「その、月の物…」
「あー…? そういえばそうかも」
「それともしかしてなんだけど、さっき律に妬いてなかった?」
「わかる?」
「やっぱり…。ねぇ、律に嫉妬なんかしないで頂戴よ」
「しょうがないと思ってくれないかな」
困った顔をしている。
「…寝ようか。おやすみ」
キスをして背中をなでているうちに困惑して縮めていた肩から力が抜けて行く。
今日は寝息になるまで少し時間がかかった。
もはや日付が変わる時間だ。珍しい。
俺ももう眠くてたまらないので寝た。お休みなさい。

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512

朝、先生を置いて出勤する。
帰る頃にはいないだろう。
そう思っていたのに帰宅するとお昼ご飯を作っていた。
「お稽古は?」
「あ、おかえりなさい。昨日のうちにお母さんにお願いしたの」
「ただいま。いつのまに?」
脱ぎつつ聞く。着替え着替え。
「朝あなたがご飯作ってくれてる間よ」
「へぇ、泊まるつもりだったんだ?」
「あら。家に来いってそういうつもりでしょ? 違ったの?」
「違わない」
後ろから抱きついて胸をまさぐると叱られた。
ご飯食べてからにしなさいって。
「お尻、調子どう?」
「まだ痛いわ…」
「後で見てあげようね」
「ばか、もうっ。服着なさいよ」
「はーい」
着替えて手を洗うと飯ができていた。
テーブルに並べようとすると卓袱台を指定される。
なるほど、確かにまだらしい。
先生は恐る恐る座って楽な体位を探している。
「これでお稽古に行けって言うなんて…」
ぶつぶつと文句を言われてしまった。
「あぁむしろ見たいですね。生徒さんの前でどうするか」
「階段から落ちたっていうわよ」
「……そういう回答は望んでなかった」
「あらそう。早く食べなさい」
軽くかわされて昼飯を食う。
「おいしいなぁ」
「ありがと」
食事中に少し愚痴を言われてしまったものの、メシは美味しかった。
片付けてから押し倒す。
「あ、こら、痛いわよ」
「ごめん、乗って」
うん、確かに床の上でごろ寝は後頭部が痛い。
先生はケツが痛かったんだろうけど。
割烹着を俺の太腿の上で解いて脱いで、畳んでる。何か面白い光景だ。
そういえば昨日散らかした色々なものが片付いてる気がする。
「せんせ。ペニバンとかどうしました?」
「あの、洗っておいてあるわ…。その…ベランダの縄って」
「あなた専用の縄。もうちょっと手を掛けますけどね」
「洗濯物かけようかと思っちゃったわよ」
「あれ作るの大変なんですよ、やめて下さい」
「そうなの?」
「教えますから手入れ、家でします? 俺より繊細だろうし」
「遠慮するわ、律にそれ何? なんて聞かれたら困るもの」
「八重子先生になら良いんですか?」
「ばか、しらない…」
横向いて耳を赤くしている。
「可愛いな、そろそろしましょうか」
上から退かせて先ずはお尻の点検。
トイレをする時のように着物をたくし上げた。
「壁に手を突いて前傾してー。はい、足を肩幅に開く」
「こんな格好させるなんて…酷い人よね」
お尻に触れて様子を見る。
「赤くはそうなってもいないし、蚯蚓腫れもない。腫れてもない感じだな」
「座ると痛いのに?」
「中のほうがまだなんでしょう。あそこは痛くなかった? 最後当たっちゃったけど」
「あ…、うん、大丈夫よ」
「一応確認ね」
「えっあっ、だめ」
割り開いて確認する。
「もう濡れてるねぇ」
「ぅ…、あっ待ってちょっと」
「どうした?」
「窓、開いてるの。閉めないとダメ」
「おっとと、それはいかん」
慌てて窓を締めている間に先生は寝室で脱いでいた。
こんにゃろう。
「なんで勝手に脱いでるのかなー? 脱いでいいって誰が言いました?」
「えっ、だってするんでしょ? 脱がないと…」
「脱がせる楽しみってものがあるんですよ?」
「え、じゃ着たほうがいいかしら」
「もういいですけどね、勝手に脱がないでくださいよ」
とりあえず脱いだものをハンガーにかけてやって、それからベッドイン。
今日は帰らなきゃいけないだろうからと軽くに止めた。
疲れて寝ているのを見るのが結構好きでついキスしたら起こしてしまった。
「ん、もう帰らないと……眠~い」
「もうちょっと寝てたら良いじゃないか」
「だめ、帰らないと。明日もお稽古だもの」
「だったら送るから車の中で寝る?」
「そうしてくれる? お風呂はいるわ…」
「洗ってあげるよ」
眠すぎて体に力が入ってない先生を抱きあげて風呂に連れて入る。
ゆったりと髪を洗い体も洗ってあげた。
このまま布団に戻して寝かせてやりたいほど眠そうだが帰る意志は強固だ。
体を拭いて髪をドライヤーで乾かし、着替えさせるにも立つと体が揺れるほど。
もうこれは寝巻きの上にロングコートが一番だ。
ということでネルの寝巻きを着せ、とりあえずベッドへ転がし、帰す用意をした。
着替えて車を玄関前につけ、先生の鞄や買物した物を載せる。
それから先生にダウンコートを着せ抱えあげて車へ。
後部座席から寝息が聞こえる中、安全運転でお宅まで走らせた。
玄関を開けて先生を運び込む。
八重子先生が驚いていたが、ただ寝てるだけと知って布団を敷いてくださった。
「あんたら夕飯食べたの?」
「まだです」
「何か作ろうか?」
「そんな、いいですよ。先生の夜食だけお願いします」
「そう? お腹すかない?」
「大丈夫です。お昼ちょっと多かったんで」
一旦車へ戻って鞄などを運び入れた。
チョコは冷蔵庫へ。
「すいません、袋忘れてきました。必要でしたら土曜に持ってきます」
「どうだろうね、連絡させるよ」
「あ。草履も。着物も土曜でいいですよね?」
「悪いねぇ」
「いや、私の所為ですから」
謝ってから帰宅した。
途中で買ってきた弁当を食って部屋を片付けた。
脱ぎ散らかした着物とか。
とりあえずで出てきたからなぁ。
なんだかんだで眠くなってベッドにもぐりこむとすぐに起きる時間だ。
疲れてたみたいでまだ眠いが仕事仕事。
それが終って帰宅すると不在票が入っていた。
風呂に入ってから連絡して持ってきてもらったのは、先生に渡すチョコ。
京都の今年は和菓子コラボ品。
明日渡そう。忘れないようにしなければ。
取敢えずは眠いので昼寝をして夕方起きて食事を取りまた寝た。

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511

翌朝は食事の後、着替えて銀座へ出る。
楽しそうだ。
百貨店に着いたら先ずは特設会場。
俺には呉服エリアで待っているように言残して一人で入っていった。
あー、チョコね。
渡す前から何渡すか知られるのはいやと言うところか。
ま、楽しみに取っておくか。
呉服売り場をうろついていると作り帯の面白いのがあった。
切らずにできると言うもの。
まぁ先生には必要はないだろうが俺には必要だ。
袋帯、苦手なんだよね。
説明を受けてチラシを貰っている所へ先生がきた。
「あらあ、なぁに?」
「作り帯ですね」
「着付けてあげるわよ? それくらい」
「それはありがたいんですが一人で他所の土地に行くことだってありますしね」
「あ、そうね」
納得しつつどうなっているのか確かめている。
「うーん、良く考えてあるわねぇ」
「ですよね、今度作ろうかな。見立ててください」
「そうね、一つあったら便利よね」
その後、帯や着物を見て、でもぴんと来るのがなくて。
アウトドア衣料の所で先生に仕事着を見繕ってもらった。
シャツの首が伸びてたりして見苦しいって。
どうしても仕事だと見えないところはどうでもよくなるからそのままにしていた。
いくつか買ってそれからお昼を食べにレストランエリア。
ごった返していて先生が嫌な顔をした。
「お弁当買わない?」
「そうしますか。いや混んでますねえ」
「平日よねぇ」
「みんな同じ考えでしょう。チョコ買ってお昼に良いもの食べて帰る」
「そうなるわよねぇ」
地下へ降りてお弁当やお惣菜を見て回る。
「これがいいわ。あんたは?」
「俺はこっちが…」
「……サラダか何か買いなさいよ」
「うぃっす」
ローストビーフのサラダを買おうとしてると背後から怖い声。
「こら、ダメ。そこのほうれん草と小松菜とチーズとトマトの温サラダの方がいいわ」
「…うぅ、はい」
「お肉にお肉なんてダメでしょ」
「生ハムのサラダは」
「だめよ。体冷えるわ」
苦笑して先生の言うサラダを200g頼んだ。
持って帰って手を洗い着替えて食卓に着く。
先生は俺が着物をつるしている間に冷蔵庫にチョコを仕舞った。
部屋暖かくなるからね、解けちゃう。
「先生、食べましょう」
「ん、ちょっと待ってね」
ガサゴソと紙袋を片しているのを尻目に弁当を広げる。
お皿を出した。
サラダは先生も食べるだろ。
「お待たせ。いただきましょ」
いただきます、と手をつけ始めた。
と思ったら箸を置いた。
「ねぇ、おつゆ何かあったわよね」
「ありますよ」
「何か貰っていい? ちょっと温かいものほしいわ」
「ああ、ちょっと待って」
台所で湯を沸かしつついくつか持って出す。
「どれがいいですか?」
「そうねぇ、この鯛のお吸い物がいいわ」
一人分の味噌汁なんて作らないから買ってあるんだが、こういうとき都合がいい。
俺は試食用で貰った湯葉と海苔の吸い物。
味噌汁碗で出して食事再開。
「意外とおいしいわね」
「こっちも中々」
「こら、サラダから食べなさい。お肉からはダメよ」
「はい」
あ、意外とうまい。
見た目が微妙だったんだけど。
「おいしいわねえ」
「ですねぇ」
お弁当もおいしくて先生も俺もすべて食べてしまった。
片付けて少し一服。
先生から俺の膝に手を突いてもたれかかってきた。
キスをして胸に手を這わすと身を震わせ俺の手首を掴んだ。
「もうちょっと食休み、させてちょうだい。ねぇ」
「したくなった」
「まだ時間あるじゃないの」
「しょうがないなぁ」
後ろに手を突いて好きなようにさせる。
ま、家じゃこんなこと出来ないからいいけどね。
暫くして先生が立ち上がり、ストーブの設定を下げた。
「暑くなっちゃったわ」
そのままトイレへ行き、シャワーを使う音がした。
汗ばんでるほうが好きなのになぁ。
と思ったらすぐに浴衣を羽織って戻ってきた。
「早いな」
「だって、あなた舐めるでしょ、だから」
顔を赤らめている。
なるほど、股間だけ洗ってきたか。
「どれどれ?」
ぴらっと裾をまくってやったら慌てて隠そうとする。
「隠すなよ、どうせ裸になるんだから」
「いやよ、恥ずかしいわよ」
「じゃそのままここでしよう」
壁に押し詰めて弄ってやるとぎゅっと俺の肩を掴んで声を出すのを耐えているようだ。
乳首を捻り上げるようにすると声が出た。
「あっ、うぅ、痛、ん…」
中もほぐして結構いい感じになってきたところでペニバンをつける。
さっき先生がチョコを仕舞っている間に出してきておいた訳だ。
座り込んでしまってる先生に舐めさせようとするといやいやをした。
「舐めなきゃ痛い思いをするよ? いいんだね?」
「ぁ、う……」
唇に押し付けると諦めたようで舐め始めた。
「ん…ぐ、うぅ…はっ」
おっと奥へ入れ過ぎたようだ。抜いてやると咳をしている。
それでも健気に治まったらまた舐めて。
「よし、後ろを向いてお尻をこっちに突き出して」
「あ、お願い。ここじゃいや…」
「ベッドでもいいけどそれなら自分で入れてもらうよ」
「えっ」
「自分から俺の上に乗って。おまんこ広げてこいつを中にぶち込むの、自分でやるんだ」
「そ、んなの、むりよ…」
結局その場で挿入した。
とはいうものの膝も痛いし先生も辛そうで抱え上げてベッドに下ろした。
乳首を責めつつ中を抉る。
突いてるうちに先生が潰れてきた。
腰を抱え後背位のままあぐらの上に座らせる。
足を開かせて三点責め。
まだ始めて1時間も経ってないのにもう辛そうだ。
手があと二本あれば両乳首と尻の穴も追加で弄れるのにな。
そこまでしたら狂っちゃうか?
狂ったら俺がずっと面倒みればいい話だな。
おっと痙攣している。一旦休憩だ。
抜いて横臥させてやった。落ち着くまで様子を見る。
息が落ち着いてきたがまだぼんやりしている。
乳首をつねると焦点が合った。
「い、た……あっ、だめっ」
尻の穴を弄ったものだから抵抗している。
「ほら、力を抜いて息を吐いて」
「やだぁ」
「暴れたら痛いの知ってるだろう? それとも痛い事されたい?」
痛いのと秤にかけたような、微妙な顔をする。
「ど、どれくらい?」
「泣くまでかな」
「う……なに、するつもりなの…」
「鞭」
「ひっ」
「はまだ早いから手で叩いてあげましょう」
「あ…それなら」
膝に抱え込んで先ずは軽く。
眉間に皺をよせて痛みに耐えている。
まだまだ余裕はあるな、大丈夫。
少しずつ強く打っていくと耐えかねてか声が出た。
まだだ。
逃げようと暴れだす、それを押さえ込んで打ち続けるとついに泣き出した。
「いやよ、もういやぁっ、ぎゃっ」
暴れた拍子に膝から動いてしまい、股間を叩いてしまった。
「今のは痛かったね、でもおとなしくしないからだよ」
「もう勘弁してぇ…お願い」
「まぁいいよ、初めてにしては頑張ったね」
キスをするとちゃんと舌を絡めてきた。
痛い後は優しく抱いて。
すっかり疲れた先生は夕方には寝てしまった。
尻は結構赤くなっていて熱を持っている。
濡れタオルで冷やす。
その俺の手も結構腫れているので絞りにくい。
何度かタオルを替えて赤みが引いてきた。
ところどころ指の痕になっているのが嬉しくて。
楽しみつつもどうせ夜中まで起きはすまい、とある程度冷やしてから寝た。
やはり夜中に揺り起こされてトイレに。
だが痛くて座るのがつらいと言う。
「こういうときは和式のほうが楽ですね。ああ。風呂でする?」
「えっ、やだ、それはいやよ」
「だって痛いんでしょう? 座るの」
「痛いけど…恥ずかしいもの…」
「今更」
「お手洗いでいいわよ、ね、連れてって」
トイレでそろりと腰を下ろして、痛そうに顔をしかめる。
心なしか音も途切れ途切れで。
「あっやだ、なんでいるの?」
「なんでって…あ、止まっちゃった? ちゃんと出し切らないと膀胱炎になるよ」
「やだもぅっ、出ててっ」
腕をバシバシと叩かれて追い出された。
恥ずかしがってるのが可愛い。
まぁすぐに呼ばれて部屋に連れ戻したんだが。
ベッドの上で点検する。
そんなには腫れてないかな。
ついでにもう一戦、と思ったら先生のお腹がなった。
「ありゃ。なんか食いますか」
「でも冷蔵庫、何にもないわよ」
「食べには…むりですね、このお尻じゃ」
「無理ねえ…」
「何か買ってきましょう。何がいいですか」
「軽いものがいいわね。こんな時間だもの」
「スープご飯なんてどうです?」
「あ、それいいわね」
「トマト系? 塩系?」
「塩系でいいわ」
「OK」
ささっと会話しつつ着替えて買物に出た。
コンビニにあるものでスープの具材をそろえる。
袋野菜とサラダとウインナー。
帰宅して湯を沸かした鍋にあけ、味付けをして行く。
「いい匂い~おいしそうね」
炊けた頃ご飯をチンして丼へ。
その上にスープをかけ、具材もたっぷり載せる。
少しゴマをあたって散らした。
先生を食卓につかせ、食べさせた。
正座の方が楽らしいので卓袱台でだけれど。
「おいし♪ おつゆかけご飯なんて行儀が悪いって言われてたのよ」
「これはスープご飯ですから。別物別物」
おいしく食べ終えると先生が横たわった。
正座しててもやっぱり痛むようだ。
洗い物を終えてからベッドに連れて戻り、添い伏し。
お腹も膨れて先生はとっても眠そう。
キスをして撫でているうちに寝息に変わった。
可愛いなぁ。
明日もたっぷりしてあげよう。
おやすみなさい。

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