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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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529

今夜はペニバンも使って責めるつもりでいる。
縄を出した。鞭は…まだ早いか。
トイレから出てきて先生がこっちを見た。
「あっ、駄目、明後日お稽古あるのよ、縄はやめて頂戴…」
あっそうだったそうだった。
そんじゃあどうしようか。蝋燭だって縛らないと身をよじられたときに危険だし。
「いまうんこした?」
「えっ、してないわよ」
「じゃ浣腸してあげよう」
「便秘じゃないしいらないわよ…やめて、お願い」
「おなか痛くならないようにしてあげるし、覗かない」
「でもいやっ、するなら帰るわ」
抱きすくめようとしたのに抵抗している。
「本当にいや? やってみたら気持ちいいかもしれないよ?」
「嫌だからしないで、ねぇ、お願いよ」
必死の抵抗が可愛らしい。
「しょうがないなー、でもペニバンは使うからね」
「あ、ぅ、はい…」
「いつかさぁ自分から入れてって言うようになれよ」
「そんなの…できないわ」
「先に部屋行ってな、俺も便所行ってくるから」
「は、はい」
解放するとそそくさと寝室に行った。
便所便所、と済ませ、俺も寝室へ。
先生は脱ごうかどうしようか迷っている様子。
そのまま抱きしめてキスをすると少しぎこちなく舌を絡ませてきた。
半日置いたら照れくさくなったようだ。
ゆっくりと指を這わせ、首筋、鎖骨、脇乳、腹や背に満遍なく触れて行く。
ベッドに寝かせて足の指から太ももの裏まで丹念に。
先生の息が荒い。
掠めるように乳首に触れる。
「あっ」
幾度も股間や乳首に軽く触れるだけにして楽しんでいると焦れて腰が動く。
押し付けようとする。
快感を知っているだけに追いたくなるものだ。
「久さん、ねぇっ」
「なにかな?」
「焦らさないで…」
顔を赤らめて消え入りそうな声だ。
「どうしてほしい?」
「あの、さわって…」
「ここを?」
ふっとお尻の穴めがけて息を吹きかける。
「いやっ、そこじゃない、違うの」
「じゃあここ?」
尿道口に指をあてがう。
「ここに入れてみようか」
「そんなところ入らないぃっ」
慌ててるの可愛い。
「冗談だよ、で、どこかな?」
そっと俺の手をつかんで持っていった。
言うのは無理だったようだ。
三点責めをすると大いに啼く。
逝きそうで逝けないように留めてやると涙ぐんでなじる。
「入れてくださいって言いな、逝かせてあげるからさ」
首を振って、でも辛そうにして、それからようやくおねだりした。
「入れてちょうだい…」
「自分で入れてみろよ、ほら」
仰向けになって寝てやるとペニバンは上を向いた。
「そんな…」
「ああ、忘れてた。これつけないとな」
ベッドサイドから首輪を取って付けてやる。
「あ…」
少し呆然としたような様子で俺が声をかけるとびくりとした。
「ほら乗れ」
またがせて腰を引き寄せる。
恐る恐る、という様子で先生は腰を下ろすが入らない。
困った顔で助けを求めてくる。
先生の手をペニバンに添えさせてあてがい、融通をしながら押し入った。
すべてを飲み込んだところで一仕事終わったような顔をしている。
腰をバウンドさせると慌て、はしたない声を上げだした。
乳房をもてあそびながら腰を使うとすぐに逝ったようだがそのまま続けた。
3回連続で逝かせると俺の胸に倒れこんで息が辛そうになってる。
「抜いて、お願い…」
「膝立ちになったら抜けるよ」
「無理…」
そりゃそうだ、力入らないよね。
そのまま横倒しにして抜く、それだけで声が出る。
少し落ち着かせてから伏せさせて後ろから貫く。
動くたびに漏れる声、のけぞる背。
もう駄目、と微かに聞こえて気をやるまで続けた。
「絹、好きだよ。愛してる」
だからもっとしたい。とは思うがさすがに先生の体力が限界だ。
暫くしてなかっただけに。
抜いて、首輪も外してやり、ホットタオルを作って体を拭いてあげた。
なされるがままにぼうっと私を見る。
乳房を拭いていると目が合って、そして逸らした。
股間を拭くと少し喘いで。
「拭いてもきりがないね」
そう言うと恥ずかしそうにしている。
足の指まで拭いているとあくび。眠くなったらしい。
「いいよ、寝て。おやすみ」
「ん、でも裸じゃ…」
「はいはい、ちょっと待ち、寝巻き着せてあげよう」
ベッドサイドに脱ぎ落としていた寝巻きを拾って着せ、布団にいれる。
お休み、と程なく寝息になった。
俺はいろいろ後始末をしてから就寝。

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528

先生をなぶって楽しんでいると寿司がきた。
さっと手をぬぐって取りに出て支払う。
テーブル、いや卓袱台が良いだろう。
納戸から座椅子を出した。
「先生、落ち着いた?」
かすれ声でののしられた。
ベッドに膝をついてキスをしてやると俺の腕をつねられた。
「かわいいなぁ、怒ってるのも良いね」
額を叩こうとしたようだけど鼻先を爪が掠めた。
「イテッ…」
「あ、ごめんなさい、あの、ひっかくつもりじゃ」
慌てているのも可愛いからいいや。
「大丈夫そうだね、じゃあ飯を食おうか」
抱え上げて座椅子へおろす。
「あら? いつ買ったの?」
「この間ね、ほらどうしてもこうなっちゃうだろ。食いにくいって言うし」
「ここまでしないでいてくれたら一番良いのだけど…」
「なにか言った?」
笑って聞くと困った顔をする。
お醤油とワサビを用意して、隣に座って食べる。
相変わらずうまい。
先生もうれしそうだ。
おいしく食べ終わって先生を布団に入れたら後片付けとお買い物。
晩飯は作ってやろう。
そのかわり、もう少し楽しませてもらわなくては。
先生に買い物と言い置いて何件か回る。
今日は鳥の甘酢だ。
まぁたぶん食えないだろうけど。
明日の朝食べれば良いからね。
帰宅すると先生は寝息を立てている。
下ごしらえを済ませ、俺も少し仮眠を取った。
すっかり寝過ごしてしまい、先生が飯を作っている。
鳥甘酢のつもりだったのに別のメニューになっていた。
「起きたの? ごはんにするわよ」
「意外と復活早いな…」
まぁ昨日はペニバンも使ってないし、そこまで辛くなかったのかもしれない。
起き出して食卓についた。
「いただきます」
「ねぇなに作ろうと思ってたの?」
「ん? 鳥甘酢の予定だったんだけどな」
「あ、そうだったの? まったく違うものにしちゃったわね」
「酢は疲労回復に良いからさ」
「だったら酢の物作ろうかしら」
「いいよ、作らなくても」
んー、やっぱり俺の作ったのより先生の作るほうがうまいなあ。
先生は俺より早く食べ終えた。
「食欲ないのか?」
「うぅん、その、…またするんでしょ?」
「するけど」
「沢山食べるとつらいのよ…」
そういえばいつも胃がこなれるまで待てって言うな。
なるほどなぁ。
食べ終わって片付け物をしてニュースを見る。
見終わると先生がトイレに立った。
さて、そろそろ。

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527

ふと目が覚めると久さんは隣にいなくて、もうお仕事行っちゃったのね、と寂しくなる。
気だるい。
昨日は久しぶりに久さんが本気で求めてきた。
もう無理、と何度繰り返したかわからない。
こほっ、と一つ咳。
枕元のお茶を飲んで寝返りを打つ。
私が起きるのはお昼になってもかまわない、あの人はそういう人。
安心して二度寝をする。
きっと起きたら久さんが横にいる。
首輪が目に入った。
手にとって眺めるとなかなか手の込んだものだった。
パチン、と音がしたのは磁石でくっつくのね。
縫い目は、これは手縫いね。端も綺麗に始末してある。
ちゃんとした職人さんに作ってもらったのかしら。
少し恥ずかしいけれど何かうれしい。
触っているうちにいつしか寝てしまって夢を見た。
久さんに職人さんのところへ連れて行ってもらう夢。
首にメジャーを当てられる。
布地を選ぶ。
そんな夢だった。
次に目が覚めると久さんは横に座って私の髪をなでている。
「おはよう。よく眠れた?」
手に首輪を握り締めたまま寝ていたことに気づく。
これじゃまるでして欲しいみたいであわてて隠した。
「トイレ連れて行こうか?」
そういわれると尿意を感じてうなづく。
軽々と久さんは私を抱き上げる。
あ、裸。
ちょっと恥ずかしい。
トイレの便座におろされて、久さんは楽しげに私がするのを見る。
これはちょっとじゃなく恥ずかしくて好きじゃないのに、久さんは好きみたい。
たまにしている最中にキスしてくるのはやめて欲しい。
大きいほうの時だけはがんばって追い出すのだけど。
始末をしたらまた抱き上げられて布団へ連れて行かれた。
寝巻を着せてもらってもう一度寝るか聞かれる。
まだ眠気はあるけれど空腹感が強い。
お鮨を取ってくれるという。
いつものところ。あそこはおいしくて好き。
届くまで、と久さんが言って私をなぶる。
せつなくて、気持ち良いけれど人が来る前にというのは恥ずかしくて落ち着かない。
でもきっと久さんはここしばらくずっとしてないから、私を欲しているのだと思うから。
快感だけを追いたくなってこのまま、と思いそうになる。
私のもので汚れた指をなめさせられて口の中もなぶられた。
久さんはひどい人…。
余韻に浸っているとピンポンがなり、久さんが出て行く。
きっとお鮨がきたのね。

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526

翌朝、出勤しようとしたら先生が目を覚ました。
「もうそんな時間?」
眠そうにしつつも見送ってくれた。
かなり久しぶりかもしれない、これは。レアだ。
ということでやる気が出て仕事も好調だ。
GW明けではあるのでそんなに売れないが。
先生にイセエビ食いたいかと聞く。それよりは白身の魚、というので目板鰈をチョイス。
お造りにして盛り付けて持って帰った。
「ただいま」
「おかえりなさい。何もって帰ってきたの?」
皿を渡して着替える。
「あらお刺身、おいしそうね。何のお魚?」
「メイタですよ、こっちでは煮付けにするんでしたっけ?」
「あれをお刺身にしたの? おいしい?」
「うまいですよ、保証します」
後は何かいろいろ作ってくれていた。
「買い物いったんだ?」
「だって冷蔵庫、何にも入ってないんだもの。ほら、座って? もうできるから」
「はーい」
食卓の上も片付いていて、洗ってある布巾が置いてある。
やっぱり先生は完璧だなぁ。
お味噌汁におひたし、お漬物、メイタ、それと俺には肉の味噌炒め。
「足りるかしら」
「少し多いかも知れないな、最近そんなに食べてなかったから」
「あら、そうだったの?」
「急ぐから適当に軽く食うようになっちゃって」
「だめよ、ちゃんと食べないと」
そうだよな、と返してご飯を食べる。
「うん、やっぱり先生の味付けはうまいなー」
「そうね、朝ごはんくらいしか作らなかったから」
うまくて飯がすすむ。
「ご飯とお味噌汁、おかわりいらない?」
「あ、欲しいな」
にこっと微笑みつつよそってくれた。
いちいち台所に立つの面倒だろうにそんなことは毛ほども見せない。
お変わりしたのも食べつくして、おかずもなくなった。ご馳走様。満腹満腹。
「お粗末さま」
洗い物は引き受けた。
先生は広告を見ている。何か良いもの載ってるのかな。
「ねぇ、久さん? 三越だめかしら」
「良いですよ、行きましょう」
水を切って手を拭いて、それじゃ着替えるか、と声をかけた。
俺も部屋着だが先生もだから銀座へ出るのにはちょっとそぐわない。
先生が着替えを済まして顔を直すのと、俺が着替えるのが同じくらいの時間。
着慣れてる差が出る。
トイレに行ったらお出かけだ。
久々に先生が綺麗に装っているのを見た。
普段は化粧も薄くしかしないし着物だってお稽古着か普段着だからね。
「なぁに?」
「綺麗だな、って思ったんだよ」
「あら嬉しいわ」
三越へ着いて先生は早速にも呉服売場へ。
単の着物、夏の着物。
その中の一反に目を止めた。
「これどうかな」
「あら、良いわね。涼しそう」
「惜しむらくは正絹だ。お稽古に使えないけど」
「うーん、でも良いわぁ
 帯をこういうのにしたらどうかしら、こういうときに着るのには良いんじゃない?」
「あ、そりゃいいですね」
店員さんが寄ってきたのでもう3本、帯を持ってきてもらった。
並べてためつすがめつ。
やはり最初のものがよさそうだ。
「仕立てはどうなさいます?」
「あ、そのままで結構です」
「すざきに頼むんですか?」
「そう。あそこもほら、大変だったでしょ、だからちょっとでもと思うのよね」
後は足袋を二足買い、それからミセスのファッションフロア。
めったに着なくても見るのは好き、というのはわからなくもない。
ストールの感じの良いのを見つけたようだが値札を見て戻した。
「買ってあげるから戻さなくて良いよ」
「だって悪いわ」
「俺の金で好きな女が綺麗に装う、そういうの良いじゃないですか」
あ、耳赤くなってる。
「さらっとそういうこと言うわよね、あなたって…」
ふふっと笑って買ってあげた。
ストールは着物でも洋服でも使えるからコスパ高いんだよね。
よく見ると米沢織。なるほど高いわけだ。
後は夕飯になりそうなものを地下で買って先生の明日の朝飯分も確保する。
帰宅。
お茶を先生が入れてくれてなんとなく落ち着いた。
「あぁ楽しかった。久しぶりだわ」
「心の余裕ですね」
まぁこの後その余裕はなくなるだろうけど。
くつろいでいる先生に着替えてくるように言い、支度をする。
久々でもあるし、そんなに飛ばしては大変だから今日の所は軽めに気持ちよくしてやろう。
ペニバンはどうするか。
とりあえず使えるようにだけしておくか。
無理そうなら入れなくても別に良いわけだし。
あ、シャワーの音。
別に入らなくても良いのに。
まぁいいか。俺も脱いで入ってやろう。
風呂場の戸を開けると先生が驚いている。
うーん、良い体だ。
背中から抱きしめる。
首筋にキスを落としてあちこちに手を這わせた。
「だめ、こんなとこで…」
「たまにはいいだろ?」
乳首をつまみ転がし、もう片方の手を股間に這わせる。
敏感なところに触れると身じろぎするがシャワーの音であえぎ声は聞こえない。
「声を出して」
「やだ、恥ずかしいもの…」
啼かせたくなり、少しきついが先生の片足をかかえた。
「あっ、こんな格好、だめ、ねぇっ」
浴室の鏡になぶられる股間が映って顔を背けている。
黒々とした毛の中に俺の指が埋まってうごめいて。なんとも淫靡だ。
先生は俺の腕をつかみ指が動くたび呻く。
俺が男ならこのまま突っ込んでしまうんだが。
そうも行かないので一度逝かせ、ぐったりした先生を風呂場から回収した。
「もうっだめって言ってるのに」
「だめ? 今日はだめは通用しないよ」
にっこり笑ってやる。
「絹、首輪。出来てるからね」
「えっちょっと、い、いらないわよ」
「ほら、これ」
渡してやると顔を赤らめて俺と首輪を何度か見る。
手から取り上げて環を外し、先生の首にあてがった。
パチン、と音を立てて首輪が締まる。
「サイズ、ちょうどだね」
「外して…、おねがい」
「鏡見てごらん、似合ってるよ」
鏡を見せると震えている。
ふと女のにおいがして先生の股間に手を這わした。
「随分濡れてるじゃないか。気に入った?」
首を横に振ってさらに外してと訴えてくる。
いやなら自分で外せばすむんだけどね。
俺は鏡越しのプレイが好きだからそのまま背後から弄ることにした。
さすがに首輪の視覚効果は抜群だ。
俺が興奮してしまい少し荒くなってしまったが先生とて被虐心を揺さぶられたようだ。
声も大きくなり、俺の荒さにもよく応えてくれている。
「もうだめ…」
かすかに聞こえた頃、手を止めた。
気づけば暗い。
電気をつけると先生のあちこちに擦れた痕が残る。
キスマークも。
首輪を外してやると首にもこすれた痕。
あわてて軟膏を塗りこむ。
先生はぼうっとしてされるがままだ。
うーん。
明日以降しばらくはコンシーラーか何かでごまかすか。
苦しくないよう少し余裕を持たせたのが仇になったかな。
ホットタオルを作って体を拭いてやると気持ちよさそうだ。
足の指の間まで拭いていると先生の腹が鳴った。
「おなかすいた…」
「飯にしますか」
「うん、でも起きれないわ」
布団の上で食べられるようセッティングをしてお盆に載せて出した。
一口ずつ口に運んでやる。
「おいし…」
今日は弁当ではなく惣菜を買ったので先生は俺の分を残そうとしている。
「好きなものは全部食べたら良いよ。俺は残ってるの食うから」
「でも…」
「品数多目に買ってるし、俺が嫌いなものは買ってないよ」
「そう? じゃ遠慮なく」
嬉しそうに食べてる姿を見るのも楽しい。
暫くしてもうおなかいっぱい、というので下げて寝かせる。
「太っちゃう…」
そう言いながら、うとうととしている。
気持ちよさそうな、幸せそうな顔して。
sex中の気持ちよさとは違った気持ちよさなのだろう。
先生が寝付いたのを確認した後、俺も食べて片付けた。
寝室のあれやこれやも片付けて先生の横に潜り込む。
規則正しい寝息に誘われてあっという間に寝た。

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525

夜中、一度八重子先生がトイレに起きたのに付き添う。
翌朝からは無理をせず、ゆっくりと家になれることを重点においてくださった。
GWの三日を過ごして退院はできそうだ、と先生との意見は合致した。
明日、律君付き添いで病院に戻ってお医者様と退院日を決められるそうだ。
ひして先生のお稽古お休みの三日間は先生がうちへ来てくださる。
俺が帰って掃除をする暇はない。
というか掃除をするために来てくださるそうだ。申し訳ない。
翌朝、律君が二人を乗せて病院へ行った後、掃除をして、律君のお昼を用意して置いた。
先生達が戻ってきたのでその足で俺の車に乗せて帰宅する。
「何か久しぶりねぇ、あなたの家に行くのも」
「そうですねえ」
連れて帰って第一声は「汚なっ」だった。
本気で呆れられて、あきらめた顔で指示をくれる。
もうここまで放置してるとどう掃除して良いか自分ではよくわからんのだよね。
雑然とした部屋が先生の指示に従っているうちにだんだん綺麗になる。
不思議な気分。
整頓も先生が言うようにするとちゃんと収まる。
終わったころはもう日が落ちていて、先生はお疲れである。
「とりあえず銭湯行きましょうか」
「あぁお風呂、洗ってないわね、まだ」
着替えと風呂セットを持って先生と近所の風呂屋へ。
「銭湯って久しぶりねえ」
「久しぶり続きですね」
「あら」
もちろん女湯に入る。番台が一瞬変な顔をした。
俺はたまに仕事帰りに入るから気づいたようだが。
この時間帯、女湯はほぼ無人ゆえ気兼ねなく先生が脱いでいるのを眺めつつ。
汚れを落としてすっきりして、先生の髪を乾かし涼んでから着替えた。
それから飯を食いに出る。
先生のご希望でスパゲティ。
豆乳を使った和風のスープスパに先生は舌鼓を打ち、俺はカレーのスパを食う、
こっちをみてお子様ね、と笑った。
「お子様じゃない所、うち帰ったら見せてあげましょうね」
にやっと笑うと恥ずかしそうにしている。
可愛いね、簡単に墓穴掘っちゃう。
そんなつもりじゃなかったのに、という感がありありと出ている。
先生のスパは半分ほど食べた後ゆず皮のおろした物をかけるようだ。
多分うまいんだろうなぁと思う。
見ていたらスープをすくって俺にくれた。
「あ、うまいな、これ」
「でしょ? あなたもたまには頼んでみたら良いのに」
「でもカレー好きなんだよ」
くすくす笑ってるのも可愛いなぁ。
食べ終えてアイスレモンティと温かいほうじ茶。
「さてと、帰って寝ましょうか」
「あ…はい…」
会計を済ませて手をつないで帰宅した。
さて寝る前に布団を取り入れてシーツをかけねば。
先生がくつろいでる間にそれらを済ませた。
では、と。
「おなかこなれた?」
「ちょっと待って」
トイレに行った。我慢してたのか?
着替えてベッドで待ってると先生が鍵を確かめ、リビングの電気を消して戻ってきた。
そっと浴衣の帯を解く。
「待った、今日はやらないつもりだから」
「えっやだ、恥ずかしい…」
あわてて直して布団にもぐりこんできた。
「だってあなた今日は疲れているでしょう?」
「いいの?」
「良いんだよ、ほら、早いけど寝ましょう」
背中をなでているうちに先生の体が温かくなりあくびが出た。
「おやすみなさい」
「おやすみ」

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