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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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534

数日後、仕事を早めに切り上げて帰宅し、風呂に入る。
すっきりして風呂から上がると既に荷物を持って先生が来ていた。
「早いですね」
「だって遅れたら困るもの。あんたも早く支度しなさいよ」
「はいはい」
ざっと髪をタオルで拭いて着替えた。
「さて、じゃ行きますか」
「乾いてないじゃないの、もう」
なんだかんだいいつつ荷物を担いで駅へ。
グリーン車。なんたって指定席とちょっとしか変わらない料金。
グランクラスはさすがに取れなかった。
それでも新車はいいものだ。
「今度金沢まで乗りたいですね、グランクラスで」
「あら嬉しいわ」
「たしか金沢も茶道人口多いんでしょう?」
「そうよ、よく覚えてたわね」
さっそくながら駅弁を広げる。
「相変わらずお肉ばっかり」
「あなたはやっぱり野菜多いんですね」
「おいしいじゃない」
あ、と先生が手を止める。
「お茶買ってきてくれないかしら。温かいの」
席を立って自販機を探す。…ない。
自販機がない、というと困っている。
「一応、常温の水でよければ持って来てます。あと車内販売回ってくるかと」
渋々、という顔だ。
「すいません、サーチ不足でした」
「仕方ないわねぇ」
俺の水を一口飲んで、駅弁を食べ進める。
「ん、おいしいわぁ」
「こっちもうまいですよ」
食べ終えた頃車内販売が来た。
サンドイッチとお茶とコーヒーを頼む。
「まだ食べる気?」
「勿論」
「ほんと相変わらず良く食べるんだから」
先生のお茶を開封してあげてからサンドイッチに手をつける。うまい。
暫くして先生がトイレに行った。
一人は時間をもてあます。
すぐに戻ってきた先生は俺にトイレに行くように言う。
なんだ?
催してはいないが行って見ると…便座が自動開閉する上にウォッシュレットになっている。
なるほど驚く、これは。
戻って先生と凄いすごいと言っていると後ろの席の人も気になったようで見に行った。
「進化してるのねぇ」
「ですねぇ」
「でももうちょっと広いともっといいのに」
「あー…下手に広くするとそのー、しちゃうやつが」
「なぁに?」
「sex」
あ、黙った。
ベシッと俺の額を叩く。
「バカ、もう。そういう事いわないの」
「したいけどね」
目をそらして窓の外を眺めだした。
かわいいなぁ、こういうところ。
そのうち目をつぶって日差しを楽しんでいるようだ。
綺麗だな。
旅行、久しぶりだ。
ゆっくりと楽しみたくはあるが…。
強行軍かも知れず、また雨に降られれば面倒な事になる。
携帯で天気予報を確認しつつ。
先生のハンカチが手から滑り落ちた。キャッチ。
どうやら寝てしまったようだ。
疲れてるんだろう。
俺も眠いが時計を見るとあと40分ほど。
寝過ごさないかな。
しかし眠気に負けてうつらうつらとしていると揺り起こされた。
「次、降りる駅でしょ」
「んー…? え、もう?」
あわてて降りる支度をする。
駅に着いた。
とりあえず改札を出て時計を見た先生はまだ早くない?という。
「チェックインはあと1時間ありますよ。だから車借りて善光寺行きましょう」
「タクシーでいいじゃない」
まぁそういうなら、と荷物をホテルに預けてタクシーに乗る。
先生は帰りは歩こう、といっている。
みやげ物やらいろんな店が気になるようだ。
運ちゃんが色々と説明してくれる。
もうちょっと時期が早ければ御開帳だったとかで惜しいね、と。
「でも回向柱はあるからね、触っちゃうといいよ」
あ、終わったら護摩にするんだと思ってた。
違うのか。
どうやら歴代の回向柱もあるらしく、自然のまま朽ちさせているそうだ。
「次、御開帳の時に来たいですね」
「それじゃ元気でいなくちゃ」
「余裕でしょう? たかが7年じゃないですか」
「それもそうねー」
タクシーを降りて二人物珍しそうに巡る。
「一度来て見たかったのよねぇ」
「機会なかったんですか?」
「お教室してるでしょ、なかなか休めなくて」
「あー。一人旅は面白くない、と。お友達は?」
「お休みが合わないもの」
俺もあんまり休みはあってないんだが。
先生は何か長いこと願い事をしているようだ。
俺は極く簡単に幸せでいれますように、と願ったが。
「何をお願いしたんです?」
「色々とね。あなたのことも」
「聞きたいな」
「ナイショ」
「夜にね、聞いてあげる」
「ばか…」
照れててかわいい。
手を握ってぶらぶらと参道を歩く。
いろんなものに先生が目移りしてお土産を買っている。
早くもひと荷物になってしまった。
ホテルで発送掛けよう。
門前を外れさすがにお店は少なくなってきた。
「ねぇ、なにか甘いもの食べたいわ」
とはいえ見回しても何かありそうな気配はない。
地元っぽい人に聞いてみる。
左手へ行くとお茶屋さんがあり、そこの抹茶ソフトがお勧めとか。
5分ほど歩く。どこだろうかときょろきょろしつつ。
あ、本当にお茶屋さんだ。
たしかに張り紙もしてある。
先生は気負いもせずにごめんください、と入っていかれた。
抹茶ソフトを頼むとカップか聞かれ、二つ頼んだ。
出てきたのは茶碗?に盛られた抹茶ソフト。色が濃い。
一口食べた先生がおいしいとうれしそうだ。
俺も食べてみる。ん、甘い。
冷えた頃に温かいお茶がまたうまい。
小豆は先生に食べてもらって。
ふと売り場を見ると抹茶チョコなどが並んでいる。
それと東京ではあまり見ない茶園のお茶。
お勧めを聞いて買った。
帰ってから飲んでみよう。
先生は温かいお茶をおいしそうに飲んでいる。
「そろそろ行きましょうか」
「そうね。おいしかったですわ、ごちそうさまです」
お店の人にも先生は愛想を。
そういうところが好きだ。

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533

梅雨に入っていつもならシトシトと鬱陶しい天気のはずなのだが。
今年は暑かったりゲリラ豪雨だったり寒かったりで先生が外出を嫌がる。
たまにはデートしたいんだけどな。
天候不安定だと疲れちまうんだろう。そう納得させて日をすごす。
何か先生は屈託のある様子で心が晴れない。
言いたいことがあるなら言ってくれれば良いんだが。

そんな微妙な雰囲気に焦れたのか八重子先生が長野へ行くようにとおっしゃった。
なにやら新設の美術館ができたらしい。
しかしながら会社は休めない。
となると一泊ということになる。少し渋ってたら先生が機嫌を悪くした。
「ですけど先生が大変でしょう? 4時間くらい電車ですよ、帰りは」
「久さんのうちに泊まって次の日帰るわよ」
「なに言ってるんですか、お稽古どうするんですよ」
「う…」
「いいよ、朝くらい。もう出来るよ」
「お母さん、良いの?」
「なんだったら律に手伝わせるよ、行っといで」
本当に甘いんだから。病み上がりなのに。
と、苦笑いしていると先生に足をつねられた。
「嬉しくないの? 嫌なの?」
「嫌じゃありませんよ」
「もうっ」
あ、席立って行っちゃった。
参ったな。
「取り合えずまぁ来週の火曜にでも、と思いますが」
最近火曜は人が少ないのでお稽古日ではない。
「そうだね、それでいいよ」
「その美術館どういうところなんですか?」
「よく知らないんだけどね…」
と話してくれた。
なんでも以前から上村松園やルノワールなどの絵画がメインの美術館の分館らしい。
そして今回開館に当たって屏風展をしているとか。
屏風かぁ…。
2時間半もかけてみるべきものが屏風。
「あ。戸隠ですよね、ここ。戸隠神社近いんじゃないですか?」
「どうだったかねえ」
さっと地図を調べる。近い。行き道だ。善光寺もあるが。
「先生ー! ちょっと来てください」
暫くしてどうしたの、と戻ってきた。
「善光寺も行きません?」
「近いの?」
「長野駅からすぐだということに気づきました。当日中にいけます」
「それだったら」
「美術館は戸隠なんで、戸隠神社も行きましょう。宿は長野駅近くで取りましょうか」
「近くにないの?」
「ほとんど宿坊なんですよね」
「だったらええ、それでいいわ」
調べる調べる。
あ。JR系列ホテルあるじゃないか。
平日だから予約は簡単に取れた。
「当日に宿に荷物を置いたら善光寺に行きます。で、翌日戸隠行きましょう」
「そうね」
決まった決まった。
先生がうきうきしている。
八重子先生も微笑んでいる。
後は俺の段取り次第だな。如何に仕事を早く終えるか。
ん? 焦げ臭い。
「先生、魚焼いてます?」
「あっいけないっ!」
あわてて台所へ。追いかけるとセーフの合図。
良かった良かった。
「あ、小芋洗ってくれる?」
「はいはい」
料理の支度を手伝ってるうちに律君も帰ってきた。
「ただいまー。あーおなかすいた」
「もうちょっとでできるわよ。そうそう。お母さん、来週火曜から木曜まで旅行だから」
「どこ行くの」
「長野よ。だからあんたおばあちゃんの事頼むわよ」
「うん、わかったよ」
夕飯を食べて風呂に入り、先生と旅行の話をつめる。
「山沢さんと行くんだ?」
「そう、善光寺と戸隠神社と、美術館。冬ならスキーなんだけどね」
「滑れないくせに」
ほほほ、と笑っている。
「雨降らないと良いな」
「そうねえ、週間天気予報はどうなの?」
「一応予定はないようだけど…雨具はもって行きましょう」
「山は天気が代わりやすいって言うものねぇ」
「レンタカーで移動ですし多目に積んでも問題ないですから」
なに着て行こう、と楽しそうにしている先生を律君は微妙な顔して見ている。
ちょっと位は気づいているのかもしれないな。
ふぁぁ、とあくびが出た。
「もう眠いの? 寝る?」
「そうですね、先布団入ってきていいですか」
「私もそれじゃ寝ようかしら」
「んじゃあ律君、悪いけど火の始末と戸締り頼むよ」
「はーい、おやすみなさい」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
先生の寝る支度を尻目に布団を敷き、もぐりこむ。
うー、眠い。
すぐに先生も俺の懐へ。
夜はまだひんやりしているから丁度良い。
もう少ししたらきっと暑くて蹴っ飛ばされるな。
去年はそうだった。
「おやすみなさい」
先生が俺の髪をなぶっている。
「おやすみ」
すぐに寝入ってしまった。

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532

ゴールデンウィークが終わり、平常どおりのお稽古が始まって暫く経った頃。
母が退院してきた。
山沢さんはこれまでのように毎日来てくれる。
様子見、と言ってもう少ししたらまた二日に一度にすると言う。
ずっと毎日いてくれたら私はうれしいのだけど…。

この間、兄さん達や姉さん達が集まってお祝いをしたときは遠慮して来なかったけど。
遠慮なんてしなくていいのに。

そうこうしている間に梅雨に入り、久さんが買ってくれた乾燥機が役に立っている。
久さんはそろそろ、とたまに来ない日が出てきて少し寂しい。

それでも泊まってくれる夜は寝過ごさない程度に、と愛してくれるけれど。
何か心が離れているのじゃないかと不安になってしまう。
母はそんなはずはないと言うけれど。


梅雨に入り仕事が少し忙しくなってきて、先生のお宅に行く気力がない日が出てきた。
幸い八重子先生も復調し、ご飯の支度くらいは、と言っていただいている。
これから夏に向けて暫く毎日は通えない日が続くだろう。
しかし先日の地震には驚いた。
先生は意外と怖がらなかったけれど。
抱きついてくれるかと期待したんだがなあ。
何より先に火の始末に走って行かれるとは思わなかった。
しかし、暑い。
夏になったらまたあっちの部屋で抱くことにしよう。

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531

翌朝は二人ともすっきり早朝に目が覚め、先生は上機嫌で風呂に入っている。
鼻歌まで聞こえ出した。
その間に朝飯を作って昨日の洗濯物をたたむ。
風呂から出てきた先生に皺酷いわね、と指摘された。
「ま、こんなもんですよ。どうせ仕事で着るもんですし」
気にしない。
「もうちょっと気にしなさいよ」
そういいつつ、ベッドからシーツをはいで洗濯をし始めた。
「良い天気ねぇ、これならお昼までに乾くかしら」
「かもしれませんね。さ、メシにしますか」
「そうね、いただくわ」
ゆっくり朝食をとった後、先生がシーツを干し掃除機をかけて俺は風呂とトイレの掃除。
久々に納戸に入り込んだ先生が溜息をついている。
「相変わらず変なもの集めてるのねぇ…」
この間買ったガラスのディルドと見た。
「使ってほしいですか?」
「いらないわよ」
ぺしっと俺の額を叩いた。
「あらいけない、手が汚れてたわ。頭洗ってらっしゃい」
「はいはい」
洗面所で洗うと叱られた。
面倒くさいじゃないか。
タオルドライして生乾きのまま昼飯に誘ったら今度は呆れられてしまった。
「風邪引くわ、だめよ」
連れ戻されてブローされてしまった。何かくすぐったい。
ふと気づくといつもと違う髪形になっている。
「遊んだな?」
うふふ、と楽しそうにしている。
「そろそろ髪切りに行きなさいよ、伸びてるじゃないの」
「ああ、そういえば最近行ってなかった」
「忙しくさせちゃったものねえ」
「まぁそれも八重子先生帰ってきたら気分的に楽でしょう?」
「そうね」
身支度を整え、持ち帰る荷物を積んで途中で昼を食って先生のお宅へ行くことにした。
先生のご希望により昼飯はサブウェイ。
一度買ってみたかったそうだ。
車で食いに来るような物ではないとは思うのだが…。
絶対こぼすだろうと思っていたが意外と先生はこぼさなかった。
上手に食うもんだなぁ。
感心してたらたまねぎが落ちた。
ついニヤッと笑ってしまう。
まぁ俺は俺でかなりこぼしているわけで。
先生のこぼしたのも一緒に始末した。
「おいしかったわ、そろそろ帰りましょ」
「はい」
帰宅して落ち着いたら休み明けの稽古の準備。
風炉になるからね。
でもこの間八重子先生と二人で出すものは出したんだ。
だから先生のしなきゃならない事はほんの少し。
茶室の支度をした先生が稽古をすると言う。
「あなたもお客様のお稽古と、それからそうね、何かお点前しましょ」
「あ、はい、お願いします」
まずは一度平点前を、それから先生は茶筅荘の点前をされた。
「あなた茶碗荘ね」
茶碗荘はあまり好きじゃないんだよなぁ。
それ知ってるからだろうけど。
やってみるとやはりスムーズには行かなくて、先生は無言。
「一応覚えてはいるのねぇ。でももっとお稽古しないと」
「はい」
玄関から律君のただいまが聞こえる。
「あれ、お母さん達帰ってたの?」
「おかえりなさい」
「そうよ~、手を洗ってらっしゃい。お菓子あるわよ」
「うん、わかった」
そういえばさっき何かいろいろ買ってたな。
玄関からごめんくださいの声も聞こえた。
先生がさっと立って行く。
「あ、後始末お願いね」
「はい」
手早く片付けて様子を伺うとおしゃべりに花が咲いてるようだ。
お茶が出てない。
先生が目配せするので支度して出し、買い物へ。
晩飯の用意しないとね。
お昼があれだったから和食が良いかな。
いくつか献立を考えつつ八百屋を見ていたらキャベツがおいしそう。
蒸しキャベツ、しようかな。
だったら人参とシメジと肉で良いだろう。メインは。
あ、しし唐。いためるか。
しかしジャコ高いんだよなぁ、その辺で買うと。まぁでもカルシウムは大事だ。
後はなに作ろうか。
うーむ、思いつかない。
先生にメールしたところ、小松菜の煮浸しが食べたいそうだ。
ちょっと野菜率が高いけどいいだろう。
買って帰って台所へ入る。
下ごしらえを済ましたころ、来客がやっと帰った。
先生が参戦してくれて効率が良くなる。
「あ、お父さん食べるのかしら」
「一応炊いてますよ」
「あらそう、ちょっと聞いてくるわ」
あ、木ベラ持って行っちゃったよ…。
仕方なく菜箸で豚肉を炒める。
菜箸は結構苦手なんだよな、刺さっちゃって。
「お父さん食べるって言ってるけど足りるかしら」
戻ってきておかずを見て考えている。
「常備菜ないんですか? ないなら俺、どっかで食って帰るから良いですよ」
「それはだめよ」
そういって冷蔵庫を覗き込んでいるが明日の朝の分しかない。
「ほら、できましたよ。俺は帰るから後はよろしく」
割烹着を脱いで先生に軽くキスした。
「こら、もう」
「じゃあまた明日」
「ありがと、ごめんね」
ばいばい、と手を振って帰宅する。
途中、居酒屋に入って酒を飲めないのを残念に思いつつがっつり食った。

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530

先生が寝ている間に出勤し、仕事を終えて帰ってきたら風呂から物音がする。
飯は作ってないようだ。
ということは今起きたところかな。
服を着替えて洗濯機を回し、台所の片づけを終えた頃先生が風呂から上がってきた。
「あら、お帰りなさい」
「ただいま」
「お風呂いただいたわ、あなたも入る?」
「そうしようかな。それから飯を食いに行こうか」
「どこ行こうかしら」
「考えといて」
さっき着た服を脱いでシャワーを浴びる。
やっぱりすっきりするね。
風呂から上がると先生がステーキ食べたい、と言うのでそのまま予約を入れた。
着替え、化粧の時間を考えて1時間後。ちょうどランチタイムだ。
さてなに着ていくか。
結局カッターとスラックス、ジャケットにしてしまったが先生には不評だ。
ステーキはうまかったし、ワインもうまかったのだが。
昼酒は楽しい。
機嫌の良くなった先生を連れて歩くのもまた楽しい。
またしばらくはこんなお出かけもできないだろうから先生も楽しんでいる。
夕方、そろそろ夕飯の買い物を、と言い出して百貨店の地下へ。
不断菜のカラフルなものがあった。おひたしにするようだ。
あれこれと買い物をして帰宅、先生が着替える間に下ごしらえをする。
割烹着を身に付けた先生が台所に入り手際よく料理をして行く。
おひたし、といっていたスイスチャードは炒め物になってしまった。
ま、いいんだけどね。
ご飯も炊けて味噌汁もできた。
夕飯をいただいた後はゆったりくつろぐ。
先生は俺にもたれかかってドラマを見ている。
あくび。
「寝ようか」
「もうちょっと待って、見終わったら寝るわ」
「手が暖かくなってるよ、眠いんだろう?」
「だって気になるじゃない」
「まあ、うん。そうだな、気にはなる」
犯人は誰なんだ。
CMの間にちょっかいを出したり、キスをしてみたり。
したくなってしまい膝の上に乗せて後半はドラマの筋が追える程度になぶる。
「ばか、もう。すぐしたがるんだから」
あえぎつつもドラマを見ている先生が可愛くて。
番組が終わった後、気持ちよくしてやった。
とはいえ明日は帰さなくてはいけないのでここで打ち止め。
お手洗いを済ませた先生とベッドにもぐった。
案の定すぐに寝息が聞こえる。
俺もつられてすぐに寝た。

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