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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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139

「ご飯もう食べてきたの?まだならここ座って、ほら」
「やー、荷物とかあるから先においてきますー」
「律の部屋の隣に布団敷いてあるからそこ使ってね」
「はーい」
…朝、軽くでもしといてよかった。
うっかりやりたい気分で見つめたりして、晶ちゃんからばれるとか有りそうだ。
正月から家族争議は困るだろう。
とにかく気をつけねばならんな、酒は控えめにしよう。
先生方にもあまり飲ませないようにしよう。
こうして見ているといいお母さんで、奥さんで。私の腕の中に居るときとは随分違う。
美味しいご飯を作り、家を守り、優しく息子を育て。
厳しくの部分は八重子先生だな(笑)
食べ終わって洗い桶に漬けに行ったついでに晩酌の用意をする。
あれ?徳利あるじゃないか。
聞くと居間で二人で飲むなら都合がいいが、
居間から離れた私の部屋なんかでは燗鍋が都合よかったとのこと。
「居間で飲んでいたら…こうはならなかったかもしれませんね」
「そうねえ」
「後悔、してますか」
「してるって言われたいの? ばかね」
オホホと笑って燗のついた徳利を持っていった。
苦笑して、麒麟山は純辛の一升瓶と棒鱈を持って後を付いて行く。
食中酒にするにはうまいんだよね、これ。
棒だらをつまみに酒を飲み、大晦日番組を見る。
孝弘さんや律君が風呂に入り、若い子の歌はどうでもいいと八重子先生が続いた。
5分ほどして後を追う。
風呂に入ってから来ている時は八重子先生が体を洗う間に浸かるようになった。
ぬくぬくしていると背中の傷が少なくなったね、と言われた。
今朝つけられたのもあるけれど。
八重子先生が洗い終わったので、湯から出る。
股間を掴まれた。
「……っ、なんですか」
「あれから自分でしたかい?」
「いや、してませんが」
「してあげようか?」
「自分でするからいいです」
っていってるのに中をまさぐられてる。
「風呂は駄目です、声。が、やばいですから」
「おや、それもそうだね」
手は止まって開放されたが中途半端に煽られてしまった。
参ったなぁ。
風呂に入る前なら散策して来ればいいが、風呂のあとでは風邪を引く。
ああ、部屋で抜くか。
さっき火鉢に火を入れたから風邪引かん程度には暖かかろう。
一応の為に結界を張って、一発抜く。
自分でする分には声も出なけりゃ息も荒くはならない。
さっさとすませて洗顔シートで手と股間を拭い、それから手を洗いに立つ。
途中律君に会い、ちょっと気恥ずかしい。
手を洗って長襦袢と半襟を持って居間に戻る。
晶ちゃんもお風呂から出ており、先生が入っているらしい。
「ね、山沢さんっておばさんの事好きでしょー?」

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138

お母さんが山沢さんを起こしに行って暫くして戻ってきた。
「山沢さん、あんたと間違えたみたいで布団の中に引き込まれちゃったよ」
「ええっ。で、どうしたの?」
「どうしたのもなにも、すぐ違うってわかったみたいで謝ってたよ」
「うーん、晶ちゃんや律に起こしに行ってもらったら危険ねえ」
「そうだねえ」
お昼の用意が出来たけれど山沢さんが起きてこない。
食卓を拭いて、おかずやお櫃を出しているとお母さんがもう一度呼びに行ってくれた。
ふらふらと揺れて、浴衣を着た山沢さんが食卓について、お昼を食べて。
凄く眠そうで、お母さんが部屋に戻した。
「山沢さんっていつの間に来てたの?」
「朝からよ。気づかなかったの?」
「うん。凄く眠そうだったね」
洗い物をして、御節の準備の続きをして気づけばもうお夕飯の支度をする時間。
山沢さんが持ってきてくれたお刺身と、あとはどうしようかしら。
メインがあるんだからお野菜を煮たものがいいかしらねえ。
豚肉がちょっとあるから大根と煮て、ほうれん草のおひたしも作ろうかしら。
あ、山沢さんのメインは先日いただいたお肉を焼いちゃいましょ。
そういえば冷蔵庫にニシンは入ってなかったわね、持って来たのかしら。
土間の棚をみると冷蔵庫に入らなかったと思われる食材がいくつか収められていた。
ニシンの真空パックや、お餅、白味噌等々。
……なんでお鍋が置いてあるのかしら。二つも。
お大根を煮ていると山沢さんが起きてきた。

次に目が覚めたとき、また美味しそうな匂いがしていて、もう夕刻か、と思った。
ちゃんと腹が減っている。
ひょいと台所をのぞくと先生方がお夕飯の支度をしている。
「あら、起きたの?」
「ええ美味しそうな匂いがして目が覚めました」
先生はクスクス笑ってる。
「そういえば玄関も勝手口も締まってたけどどうやって入ったんだい?」
「玄関の鍵は一つお預かりしてますよ?」
「そうね、山沢さんに前に一つ渡してたわねえ。忘れてたわ」
「二週間ほど前にこちらで飲んだときもその鍵で鍵かけて帰りましたから」
「ああ、あれって私が締めたと思ってたよ」
「先生方お二人とも先寝てしまわれたんで私が掛けました」
「あらあら、そうだったの?」
布巾を渡される。食卓を拭いて用意だな。
お座布団も出して、台所からおかずを出して行く。
朝持ってきたお造りとか、風呂吹き大根かな。そういった普通のおかず。
お櫃も持ってきて、孝弘さんと律君を呼ぶ。
「うわっどうしたのこれ」
イセエビの見た目か?むしろメインは鯛だ。トロもあるが。
折角俺が居るんだからお造りくらいはね。
「あ、そうだ。こちらだと初詣は二年参りですか?それとも元日のみですか?」
「二年参り?なぁに?それ」
「大晦日も元日もってやつです。ということは元旦だけですか」
「そうねえ、いつも元旦の朝に行ってるわねえ」
「あんたも一緒に行くんだからちゃんと寝なさいよ」
「あー、はい。着物で行かれます?一応紋付持ってきたんですが」
「今年は律も着せようと思ってるの」
「ええっ僕も?」
「たまには着なさいよ」
「ええー」
ほほえましい光景だ。
「先生。あとで針と糸とお借りできませんか」
「どうしたの?」
「半襟つけそびれちゃって」
「あららら~。つけてあげるわ、後で持ってきなさいよ」
「いや、そんな勿体無い、自分でつけますから」
「つけてもらいなさいな」
「いいんですか?なんか悪いですね…」
玄関の開く音。
「こんばんわー」
「晶ちゃん、いらっしゃい」
「お邪魔しまーす」
「ご飯もう食べてきたの?まだならここ座って、ほら」
「こんばんわ、晶さん」
「あ、山沢さん、こんばんわー」

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137

弄られて目が覚めて。
寝ている間に山沢さんが来ていたみたい。
何度か昇りつめて、息を荒くしていると背を撫でてくれるの。
今日はシャツを着ていて素肌じゃないけれど。
いつもは肌同士密着して、それも好き。
あら、石鹸の香り、お風呂入ってきたのね。
落ち着いて山沢さんにお帰りなさい、と言った。
さすがに十日は長かったみたい、私を抱きたかったのね。
凄い隈が出来ていて、眠そう。
寝るより私を抱きにくるなんて可愛いわよね。
頭を撫でるとまだ湿っている。
寝かしつけて、布団から出ると脱ぎ捨てた服が散乱している。
ワイシャツを畳んで、ジャケットとスラックスは釣って置いた。
身づくろいをして朝食の支度へ。
「おはよう」
「ん、おはよう。山沢さんいつ来たのか土間の棚に魚が置いてあったよ」
「うん、さっき来たみたいよ、今私の部屋で寝てるわ」
「あぁ直行したのかい、可愛い子だねえ」
恥ずかしいわね、ちょっと。
朝御飯を作って夫と息子を呼んで食べさせて。
一服したら御節の準備にとりかかる。
足の早い物は今晩作ることにして、元旦の夕方につまむようなものを。
「絹ー、ちょっとー」
あら何かしら。
「晶がねえ、今晩からこっちに来たいって。
 三が日って言うけど御節、量的に大丈夫かねえ?」
「少し多い目に用意してるから大丈夫だと思うわ」
「そう?」
「後でお買物に行くときに何か買い足したほうがいいものあったかしら?」
「今晩の分くらいでいいんじゃないかね」
「お部屋、用意しなくっちゃね。律の隣の部屋でいいかしらねえ」
「その方が無難かね、あんたと山沢さんの部屋からは離れてるほうがいいだろうしねえ」
「お母さん、もうっ」
そんなことを言いながら御節の支度を進めて、足りないものをメモしてお買物へ。
戻ると母がお昼の支度をしていたから後は私がするわ、と引き受ける。

昼前、八重子先生が覗きに来た
その時、寝ぼけて布団の中に引きずり込んでしまったらしく、
お昼ご飯にと八重子先生が呼びに来たときは距離を保って起こされてしまった。
脱ぎ捨てたはずのシャツなどがきちんと畳まれてある。
着ようと思うと浴衣を渡された。それを着る。
ご飯をいただいて、まだ眠そうだからと布団に押し込められた。
確かにまだ足りないようですぐに眠りに落ちた。

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136

今年の御節はいつもより一段増えて、山沢さんの希望に応じて色々入れる予定に。
たたきごぼうとか、なます・田作りを多めにとか、味噌漬け、焼鰤、等々。
お味噌とお餅は持ってくるって言ってたけど。
こちらのお雑煮だとお正月気分になれないって言ってたわねぇ。
すこしお相伴させてもらおうかしらね。
そういえばところてんをおかずに出したら手をつけてもらえなかったわね。
食文化が色々と違うみたいだからうちに入ってもらったら大変かしら。
うーん、自分で作ってもらえばいいわよね。
そうそう、年越しのおそばは山沢さんの分もいるわよね。
天麩羅でよかったかしら。メールしてみましょ。
すぐにメールが帰ってきて、天麩羅はいらなくて鰊を持っていくからと書いてある。
ああ、そういえばあちらはにしんそばなのね。
メールって便利ねえ。お仕事中でも気にしなくて良くて。
山沢さんはメールで愚痴を書いてこなくて、私の愚痴に対して励ましてくれる。
もっと甘えてくれてもいいのに。
お母さんにそういったら、ちゃんと山沢さんは甘えてるだろ、と言われた。
そうは見えないわ…。

大晦日。
昨日は仕事が終わり仮眠。
そのままの格好で今は加工場にいる。
鯛を焼いているのだ。
火に掛けだすとしばらく放置することになる。
先生のお宅にもって行く味噌漬けやお造りの用意。
すべて段取りが終った頃、焼き終わった。
車に積む。
一旦帰宅してシャワーを浴びて着替え、用意した紋付、これも車に積む。
匂いが移らないようにして。
さあ、先生のお宅へ車を走らせよう。
まだ暗い中、渋滞もなくスムーズに到着した。
お勝手口を開けて魚を搬入する。
焼鯛は風通しの良いところにおいてあとは冷蔵庫へ。
刺身が入らない。
……寒いから良いか、袋もかけてあるし。
お勝手の鍵を締めてから、寝間に行き紋付を衣桁にかける。寒い。
時計を見れば4時過ぎ。先生のお部屋に行こう。
そっと襖を開けてはいる。良く寝ている。
ジャケット、カッターシャツ、スラックスを脱いで、そろりと布団に進入し、キス。
寝ている先生の浴衣の帯を解き乳房を揉み乳首を舐め、翳りに手を伸ばす。
暫くして濡れて来たそれを突起にまぶして弄る。
かすかに喘ぎ声。
指を入れて弄っていると起きたようだ。
きゅっと私の胸にしがみついて、声を我慢している。愛しい。
中に入れながら突起をコリコリと弄って感じている顔を楽しむ。
そのまま3回程逝かせて、声が出そうなのはキスで塞いだ。
ディープキス。先生も離れようとしない。
遠くで居間の時計が5時を告げている。
「お仕事終ったのね…おかえりなさい」
お帰りなさいって…それって…。うわー。なにそれ。嬉しい。
「……ただいま戻りました」
「三ヶ日終るの待てなかったのね?」
「はい。今ならまだそんなに激しくしないですみますし…」
「十分激しかったと思うけど…凄い隈ね」
先生がそっと私の目の下をなぞる。
「髪もまだ湿ってるわねえ」
頭を撫でられた。
「お昼まで寝てなさい。このまま。私はもう起きるけど」
「はい、そうさせてもらいます」
暫く頭や背を撫でられているうちに寝てしまったようだ。

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135 -回想-

最近お風呂に入っているときや寝るときに山沢さんを思い出してしまう。
あの人はうちに来ると優しくて、あの人のおうちだと激しくて。
うちだとちゃんと声が他の部屋に聞こえないように気を使ってくれる。
朝、山沢さんの腕は私の噛んだ跡で腫れている。
いつも私の限界を見てやめてくれる。
物足りないって思ってるのはわかるわ。
だから。
あの人のおうちでするときは泣いてもやめてくれない。
次の日立てないほどされて。
たまに激しいだけじゃなく酷いことをされる。
私がしたことへの報復に。
でも痛いことはされたことがなくて。
体は気持ちと裏腹に喜んでしまう。
女っていやね。
あの人は怖がらせるのが好きなのに怖がられると悲しそうにする。
だから、つい受け入れてしまうのよね。
優しくしてって言うとしてくれるし。
本当は激しくしたがってるのわかってるんだけど。
私、激しいのはあまり好きじゃないのよね…。
以前はうちでも酷いことをされてたけど。お尻に入れられたり。
あんなところで気持ちよくなったなんて言えないわ…。
あの人だけが知っているけれど。
裸で抱き合っていると山沢さんもやはり女の子で、胸もあって。
でも私より筋肉質で。
いつも泣かされるから山沢さんを泣かせたくなっちゃって。
でも手を出すと後が怖いのよね。
気持ちよくなるのがいやなのかしら。
それとも弱みを握られたと思っちゃうのかしら。
よくわからないけれど。
私よりほんの少し背が高いけれどキスをするときは少し上を向けば出来て。
お稽古前にわざとしてみたり。
だって山沢さんはお稽古のときはえっちなこと絶対してこないから。
困ってる顔が可愛くてついしちゃうのよねー。
結構律儀で旅行のときもご飯の前とか時間が決まってるときはしなかったわ。
うちでも夜、私が部屋に行くまで待っていてくれる。
だけどお昼間、抱きつかれるのも嫌いじゃないわ。
見られる心配がなければだけど。
いい着物を着てるとき、絶対触れてくれないのよね。
普段の、木綿の着物だと不意に引き込んでキスしたりするくせに。
脱がせて、と言っても手を洗ってからしか脱がせてくれない。
前に怒ったからかしら。
あら?そういえば山沢さん、月の物はいつなのかしら。
スパッツを穿いてるときがあるけれどそれがそうだったのかしら。
それとも妙にいらいらしてるとき?
激しいとき?
今度機会があれば聞いてみましょ。

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