大きいかぶと白菜など重量系を買って帰宅。
野菜を洗って下拵えまでお手伝い。
「さ、そろそろ帰ります」
「うん、じゃまた明日ねぇ」
久々に暖かいうちに帰宅だ。こんな日が続けばいいなぁ。
帰りがけにお惣菜を買って帰宅。
メシだ!
食ってしばらくしてから寝た。
縫い物しなきゃなぁ…。
朝、出勤、本日は雨の予報。
今日は先生のところへは車で行くべきかなぁ。
沢山降るなら。
大して客も来ないまま仕事が終る。
ま、明日も平日だし…雨だし仕方ないか。
気温も上がってきて予報を見れば戻る頃だけかな、酷いのも。
まぁ適当な駅からタクシーに乗るなり何なりすればいいだろう。
支度をして電車に乗る。
少し雨が落ちてきた。
あまり降るようなら生徒さんは少ないだろう。
晩御飯はどうするかメールが来た。
どうしよう…。
メニューは?と聞くと肉じゃが&白菜とかぶの炊いたもの。
うまそう。これは食いたい。
食べさせてください、とメールを返す。
晩飯という楽しみもあり、いそいそとお稽古にお邪魔する。
普段なりに生徒さんも来てお稽古が進む。
「今度花月してもいいわねぇ」
「ああ、最近してませんよね、私も足がわからなくなりそうです」
「足はこうよ」
と、歩いて見せてくださる。
「行きなのか帰りなのか、ちゃんと考えれば歩けるでしょ」
「うーん、そうなんですよね、考えればいいんですけど…つい」
「あなたは且座の正客をしないんだからそれくらい覚えて頂戴よ」
「はい」
お花が苦手すぎるのでいつも外してもらってるんだよね。
「土曜日に特訓しようかしら。夜は暇でしょ。日曜のお昼からと」
「う…わかりました」
「ほんと苦手なのねえ」
「や、その」
「なぁに?」
「いや、いいです」
「なんなのー?」
あ、八重子先生。
「ご飯もうすぐできるから早く片付けなさい」
「はい」
「はーい」
水屋を片付けてお台所へ。
「ほら、これ持って行って」
配膳をしてご飯の用意。
孝弘さんも出てきた。
「あら律は?」
「遅くなるんだってよ」
「じゃいただきましょうか」
「いただきます」
うーん、おいしい。幸せ。
ご飯が美味しいっていいなぁ、帰ると美味しいご飯が待ってるとか幸せだよなあ。
その上可愛い嫁が待ってるとかもっと最高だよな。
若い頃の孝弘さんって幸せ者だよな。
そのまま普通に先生と夫婦をしてたら俺なんて入り込む隙、針の穴程もなかっただろう。
うまそうに食ってる俺と孝弘さんを先生はニコニコと見ている。
食後、雑談しているときに最近の血液検査で中性脂肪が下がったなんて話をする。
TGは体脂肪率関係なく上がるらしく。
何かしてる?と医師に聞かれて最近の食生活を話すと続けるように言われたと。
「先生方の作ってくださる食事のおかげですねー」
「普段からお野菜食べないからよ~」
「あんたできるだけうちで食べなさいよ」
「はい、ありがとうございます」
「あ、そうそう。これ。ホワイトデーだから」
「嬉しいな。俺も後でお渡ししようかと。クッキーじゃないけど」
「あら。嬉しいわ」
一旦部屋に戻ってとってきた。
はい、とお渡しする。
風呂敷三段重。
「あら、なにかしら」
マールブランシュの茶の菓とマカロン&ムラング、生茶の菓だ。
うち二つが京都限定となっている。
取り寄せたった。
先生もよろこんでくれている。
でもこんなものより、先生がくれたクッキーのほうが価値がある。先生の自作だ。
にこにこしたまま今日も帰途につく。
帰ったら食べよう。
会社の奴らに自慢してやる。
雨降りの中帰宅、部屋で美味しくいただいた。
幸せなままおやすみなさい。