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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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翌朝、さっくり仕事を終らせてシャワーを浴び先生のお宅へ。
挨拶をしてお昼からのお稽古の用意をする。
来るお弟子さんの順に道具をそろえて。
暫くするとお弟子さんが入れ替わり立ち代り。
と、一人インフルエンザで来られないとのこと、俺の稽古をつけてもらう。
少し直されてしていると次のお弟子さんが来たので切り上げた。
最後のお弟子さんが帰られてから俺のお稽古。
円草を、と言われてうっとなっているとお稽古してなかったでしょ?と。
大変に叱られつつ3度ほどお稽古をつけていただいた。
八重子先生に色惚けしているから、などと言われた。
言い返せないじゃないか。
お稽古の後、夕飯をいただいてお風呂をよばれる。
「山沢さん、ちょっといいですか」
律君に呼ばれた、なんだろう。
パソコン?
「学校で使うことになったけど何を買ったらいいかわからないんですよね」
と、必要スペックが書かれた紙を見せてもらう。
「なんだ、これならうちに有るやつとりあえず貸すよ?
 使ってみて不具合があってから買いに行けばいい」
「いや、僕、機械壊しやすいんで…」
「ならなおさら新しいのを買うなんて勿体無い」
「壊しても弁償できないですよ」
「壊れてもいいよ」
先生がお風呂から出てきた、色っぽいなぁ。
「あら、どうしたの?珍しいわね、二人で話してるの」
「律君が学校でパソコン必要なんだそうですよ。で、私の使ってないのどうかと」
「あら、いいの?」
「使ってないやつで壊れてもいいのがあります。
 使いにくければ新しいの買ったらいいんじゃないかと今言ってたんですよ」
「パソコンって高いんじゃないの?よくわからないけど」
「今4万とかそんなもんですよ?」
「昔おじいちゃんが40万のカタログ持ってなかったっけ?」
「高いから買わないって言ってたわ。今そんなに安いの?」
「ええと、広告。土曜日あたりの広告に電気屋の入るでしょう?あれ見てください」
「今ってそんなに安いのねえ」
「そりゃあね、いいものは25万とかしますけど。
 この紙に有る程度なら4万のやつ位でいけなくもないって所です」
「25万?何がどう違うんだろう…」
「うーん、たとえば絵をかくソフトや最近のゲームをするには結構パワーが必要で」
「あんたゲームしないでしょ?」
「うん、しないね」
「となれば別にいらないと思いますね。とりあえず使って慣れて壊すのがコツです」
「壊すのまでセットなんだ?」
「大体一度は壊すもの、私は5台ほど使い潰してるよ。だから壊れて元々」
「なるほど」
「いついるのかな。土曜日に持ってこようか?」
「あ、お願いします」
その後寝間に入ると先生からキスしてもらった。
「いいの?パソコン」
「あ、エロサイトの設定どうします? 見られない様にしちゃった方がいい?」
「律もいい年だから…そういうのと現実が一緒になることはないでしょうけど…」
「そうだな…無修正とドギツイところだけ見えなくしますか」
「無修正?」
「AVとかそういうサイトなんかはモザイクかかってるでしょ?」
「そうなの?」
「あー…見たことがない?」
「山沢さんが見せてくれたのとかかかってなかったわよ?」
「かかってないのが無修正。国内法によりかけねばならないんですよ、モザイク」
「ま、とりあえずは見れないようにしておきましょう」
「そうね」
「さて、俺の見たいの見せてもらいましょうかね」
と先生の裾を捲り上げて股間を舐める。
ん?
指を入れて出して見た。
「先生、生理今来たみたいですよ? どうします?」
「ええっやだ、汚れてない? どうしますってどう?」
「いや、このまま抱いていいのかどうか」
「あれの最中は汚れるからいやよ…」
「んじゃ、当ててきてください。手、洗ってきます」
先生がパタパタと部屋に帰っていって、俺は手を洗いに立つ。
戻ってしばらくすると先生も戻ってきた。
布団に一緒に入り、抱きしめる。
「私、こうされてるのも好きだけど…あなたは物足りないんでしょうね」
「まぁね、抱きたいのはありますが。こうしてるのも好きですよ」
頭を撫でてキスして寝かしつけた。
夜半、起きて暫くすると先生も目が覚めたようだ。
ぼんやりと抱きしめていると先生が俺の手を取って胸に差し込む。
さわり心地の良い先生の肌を楽しみ、乳首を弄る。
先生の息が荒くなってきて、詰まったかと思えば吐き出した。
逝ったか。
しかし珍しいことも有るもんだ、自分からとは。
生理だからかな。
そのまま抱きしめてるとまた寝てしまったようだ。
そして朝起きて、夜中のことを言うと覚えてないという。
寝ぼけたのかよ!
頬を染めてお手洗いに行ってから身づくろいしてくる、と言う。
余裕が有るならもうちょっと落ち着いてからにしなさいと引き寄せた。
「だめ、落ち着かなくなっちゃうから」
そういって俺の手から逃れて部屋を出て行った。
苦笑し身支度して台所へ。
八重子先生に挨拶して朝食の支度。
追って先生も。
昨日はしてないのかと言われ、先生が生理来たのでと答えたら先生は赤面して怒ってる。
「もう、お母さんたら。そんなこと聞かないでよ。山沢さんも!」
可愛いなぁと思ってニヤニヤしてると額をピシャッと叩かれた。
それをみて八重子先生がほほえましそうにしている。
「大根おろし、かわりますよ」
と先生の手から取り上げた。
怒りに任せておろすと辛くなっちゃう。
で、今日は何を焼いたんだろう。
大根おろしと言うことは。
苦手な魚いろいろが浮かぶ。
八重子先生がグリルをあけてひっくり返すのを見れば鮭だった、助かった。
先生はお味噌汁を作っている。
具は、と見れば麩。
後は納豆に金平ごぼうと用意され、配膳して律君を呼ぶ。
孝弘さんは部屋で食うというので律君が持っていった。
おいしいなぁ、味噌汁。
「山沢さんって本当においしそうに食べるよね」
「一人暮らしするとわかるよ、きっと。
 朝から味噌汁を出汁とって作るなんて絶対しないから」
「あら山沢さんは朝早い仕事だからじゃないの?」
「独り者で朝から出汁とってまで作る気がしませんよ。誰も食わないんですよ」
「そういうもんかねぇ」
「食べてくれる相手がいてこそ作る気になるってもんですよ。
 美味しいなんていってくれればなおさらでしょう?」
「それはそうね」
「だから律君もお母さんに感謝したほうがいい、作ってくれる人が居るのは有難いよ」
くすくすと先生が笑ってる。
ごちそうさまをして、片付ける。
律君は学校へ。
大学生は朝があわただしくなくて良いねえ。
一限目がない日は。
居間に戻ってお茶を頂いていると先生が席を立ったすきに八重子先生から聞かれた。
なにをって、その、俺がまたされてないか、と。
一昨日された。けどトレードオフかと思って受け入れたと話す。
頭を撫でられた。
何とトレードオフかと聞かれたが言えずに居ると先生が戻ってきた。
「なぁに?なんで撫でてもらってるのよ」
「なんでもないです」
聞こうとする八重子先生をとどめて。
話を変えて来月の京都行きの話をする。
三週目の月曜に行き水曜に帰るのでどうか、と。
「あら、火曜日も?」
「こちらのお稽古日ですが…」
「ほら、お母さん、京都のお教室の先生。
 火曜か水曜ならいつでもどうぞって仰ってたじゃない?どうかしら」
「ああ、それはいいね、行っといで。山沢さんも連れて行ったらいいんじゃない?」
「何時からですか?」
「ええっとねえ、ちょっとまってね」
と引き出しをあさって目的のメモを探す。
「朝とお昼と夜と有るのよ」
「うーん、夜ならいけそうです。お昼は無理かも」
「じゃ私は昼と夜、あなたは夜でどうかしら」
「そういうことでしたら」
「ならあちらのお教室に連絡しないとねえ」
「宿、取りますね」
「あら、山沢さんのおうち行きたいわ。あちらにもあるんでしょう?」
「きったなくしてますからそれは勘弁してください」
「片付けてあげるわよ?」
「いや、マジやめたほうが。うちの納戸よりひどいんで」
「……やめとくわ」
「山沢さんの納戸ってそんなに散らかってるのかい?」
「違うのよ…片付いてるのに道具が…」
「道具?」
「いやいやいや、この話よしましょう」
「あぁ、エッチな道具だね」
「納得せんで下さいよ…」
がっくりして居ると二人して笑う。
ええい生理が終わったら悲鳴出させてやろうか。
昼をいただいたあと帰宅して昼寝、夕飯を食ってまた寝て翌朝仕事。
仕事の後はシャワーを浴びてお稽古へ。
お稽古の後食事をいただき、風呂から出た先生の足を居間でマッサージする。
裾を割って先生の片足を肩に引っ掛けて押していたら律君が見て絶句していた。
先生は気にしてないようだから、いいか。
帰宅して翌日は仕事のみ。家の掃除や洗濯を済ます。
土曜。
仕事の後、ノートパソコンを別鞄に入れもって行く。
お稽古、夕飯の後律君に手渡した。
使い方をざっと教えているとそろそろ寝ましょ、と先生に誘われた。
おっともうそんな時間か。
とはいえ今日も抱けぬわけだが。
ともに布団に入れば懐に。
風呂上りにしっとり湿った肌。
抱きたくなる。
先生はどうなのだろう。
キスをして舌を差し込めば絡めてきて、同じ気分なのかな、と思う。
「抱いていい?」
「だめ…」
だよな。
でもしっかり俺に身を寄せてくる。
「…火曜日、泊まっていくわよね?」
「勿論。どうして?」
顔を赤らめて俺の胸につけて何も言おうとしない。
「あなたも。俺に抱いて欲しいと思ってる?」
そう言うとかすかに頷いた。
嬉しいね、嬉しい。
でも自分の口から言わせたくなる。
仕方ないか。
言えないんだから。
先生からキスしてきてしばし感触を楽しむ。
背を撫でて二人、寝た。
朝も離れたくない様子で布団の中で珍しく先生がぐずついた。
これまで気づかなかったけど先生もやっぱり生理のときは精神不安定なのかな。
なだめて朝の支度をする。
食事の後、片付けに立つとついてきて、洗い物をする私の背に触れてくる。
困った、と思っていると開さんが内覧の誘いに来た。
近場にいい部屋が出たそうだ。
先生の目覚まし時計を借りて内覧。
中で鳴らして外に聞こえないことを確認してもらった。
出入りも人目に付かないようだ。
妙に安い理由はと言えば出ると言うだけだった。
その辺は開さんが片付け済みで入居実績が欲しいとのこと。
先生も気に入った様子なので決めて本日よりと言うことで家賃を手渡した。
開さんは不動産屋に戻るとのことで先生と二人。
その部屋にどんな家具とベッドを入れるか話し合った。
その間ずっと先生は俺から離れようとしない。
台所道具などはさほどいらないだろう。寝具はやはりダブルだね、など。
まずは明日、布団だけでも買って搬入することを決めた。
明後日来るときにベッドや家具のカタログを持ってこよう。
俺の寝床でも有るが先生もくつろげるほうが良いに決まっている。
「暖房器具もいるわよ?」
ああ、そうか。
今はエアコンかかってるから気づかなかったが床が冷えるな。
床暖はついてないというしホットカーペットでお茶を濁すべきか。
相談すると機密性はそれなりみたいだから食卓のあたりだけ敷いて、
後は絨毯かカーペットにしたら?と言う。
掃除が大変だから、と言ったら掃除位してあげる、と仰る。
うーん、と悩んでいたらキスされた。
人目がないと大胆だな。でもここは足が冷えて先生にはよろしくない。
帰りましょう、と言うと拗ねたような顔をする。
可愛い、といえば照れる。
戻ってからお昼をいただいて、八重子先生に近くに借りたことを話す。
床が冷えるのでと話しているとタイルカーペットはどうかと言われた。
ご友人のお宅で家の中で中型犬を飼っていて、タイルカーペットを敷いているとか。
なるほどあれなら汚れれば洗えばよい。
早速に発注をかけるべく、受け取りはどうしようと悩めば、
連絡先を先生のお宅にすればよいとのこと。
貰った間取り図を元に枚数を考え、発注をかけた。
少し多めに。
先生はずっと俺の膝に手を突いている。
ま、これくらいなら誰かが見ていても問題はない、多分。
何を置きたいか聞いてコーディネートしてゆく。
優しげな印象の部屋になりそうだ。
俺の家は何か硬質な感じがするらしい。そりゃ黒中心だからだ。
ベッドも黒いからなぁ。
だがピンクのベッドは却下だ!
結局白いベッドにしてシーツをピンクにしたらいいじゃないといわれてそう決まった。
シーツなら普段は別のに出来るから。
ピンク、やっぱりダメでも捨てれば済むからと。
先生も納得できたようだ。
さてそろそろ、と夕方。
先生は帰って欲しくなさそうだ。
ちゃんと明後日も来るから、と周囲をうかがってからキス。
別れて帰宅の途中、夕飯になりそうなものを見繕う。
少ししょんぼりとしていた先生は可愛かったなぁ。
家にたどり着いて食事をしながら、思い出して独り顔がニヤついた。
翌朝出勤し、仕事。
節分だ。いわし以外は大して売れず暇を託つ。
帰宅、さてカタログを集めねば。
あちこち立ち寄り5,6冊集めるだけ集め、鞄に入れる。かなり重いな。
なんだかんだ夕方になり食事を取って寝ることにした。
明日は会える。そしてえっちしていいはずだ。
翌朝仕事を手早く済ませ、稽古に行く。
早く行ったところでできるのはいつもと同じ時間だけれど。
着いて挨拶したところ、荷が届いてるそうで。
開さんが立会いで鍵開けて中に入れてくれたそうだ。
お稽古の水屋を手伝い、その後自分のお稽古をつけていただく。
少し厳しくは有るが先日よりは優しい。
それでも他のお弟子さんに言わせれば山沢さんには先生は厳しすぎるそうだ。
普段優しいから問題ないと思うんだが。
晩御飯をいただいて、時間もまだ有るのであちらの床だけでもしておきたいと言い、
団欒の家を出て寒い中、敷きに行く。
きっちり流し張りにして端の始末もして完了。
買ってきた布団も置いて。
汗も少しかいている。
先生のお宅へ戻るとお風呂丁度開いてるから、と直ぐに放り込まれた。
しっかり洗って寝巻きを引っ掛けて風呂を出る。
暑くて前を緩く着ていたら覚さんがきていて慌てられてしまった。
ササッと手直しをした。
「や、これは失礼、今晩は。もうこっち向いていただいて結構です」
挨拶を返されて懐から煙草を出して吸おうとされる。
「あら山沢さん、あなたそういえば煙草売ってた?」
「いや、そういえばまだ買ってないです」
「返したほうが良いかしらね?」
「え? 彼女、煙草吸うの?」
「今はあまり吸ってません。だからあれはそのままで構いませんよ、先生」
「煙管吸うのよ~。秋に縁側で、夜月を見ながら吸ってるのは格好良かったわ」
へぇ?とこちらを覚さんが見る。
「あれ、覚おじさん? 司ちゃんさっき帰ったよ?」
司ちゃん来てたのか。
「あ、いや今日は別の話なんだ」
チラッとこっちを見る。
ああ内輪の話ね、俺は寝間に引っ込んでおこう。
部屋にいますので、と声を掛けて出る。
暫くして先生が部屋にやってきた。
「覚兄さん、帰ったわよ。なに見てるの?」
「カタログ。一緒に見ましょう」
そういって招くと身を寄せるようにしてくる。
先生の体温にドキっとしつつ平静を装ってベッドのカタログを見せた。
「どんなベッドがいいです?
 背の高い、今くらいの高さがいいか、布団に近い感覚の背の低いのがいいか」
「そうね…低いと降りにくいかしら?…ん」
そっと、やわやわと先生の胸を楽しみつつ会話も楽しむ。
暫くこれが良い、あれが良いと言ってる内に本が先生の手から滑り落ちた。
「もうだめ、焦らさないで頂戴」
「まだ時間、早くないですか」
「あなたが煽るから…」
と俺の手を掴み股間に持って行く。
既に凄く濡れていた。
そのまま弄っていると布団に、とお願いされる。
暫くそのままでキスしながらなぶれば胸に爪を立てられ、諦めて布団に連れて行った。
布団の上でなら抱かれてくれる。
言葉にしないがいつもよりはもう少しして欲しそうなので沢山目にして。
疲れ果てて直ぐに先生は寝てしまった。
可愛いね。
翌朝流石に二人ともいつもの時間には起きられず久々に八重子先生から起こされる始末。
雷が落ちると思ったがそんなことはなく、肩透かしを食った気分だ。
先生はパタパタと身支度して何とか食事の時間に間に合い、俺は間に合わず。
除けておいて貰ったご飯をいただく。
既に律君は学校へ、孝弘さんは部屋に戻ってしまったらしい。
居候としては駄目な部類の食事をして洗い物を片付けて居間に戻る。
カタログを持ってきて、と言うので持ってきて一緒に家具を選ぶことに。
八重子先生も一緒に楽しそうだ。
箪笥は和ダンス半棹洋箪笥半棹程度でいいだろう。
たしかこのあたりに半々になったのが…と見る。色は先生のお任せだ。
後はちょっとした茶箪笥や小物類。
おおよそ決めて発注をかけた。
住むわけじゃないからね。簡易、簡易。
茶箪笥が来たら一緒に中に入れるものを買いに行って、台所のものもそろえよう。
不意に抱きたくなって、先生に床を見てもらえるかと誘う。
部屋について中に入れば一面カーペットを敷き詰めてあり素足でも冷たくはない。
布団のみ、ベッドを置こうと思っている場所に敷いてある。
鍵をかけて後ろから抱きしめる。
「どうしたの?」
「抱きたくなった」
「あらー…、こんな時間に? どうしたのよ」
「急にあなたを抱きたくなって。だから誘いました」
「そう…いいわよ」
ゆっくりと胸を揉み解し、帯を解く。はらりと着物を脱がせて布団へ。
吸い付くような肌。
沢山舐めてたくさん撫でて。
うなじを舐めるとビクッと反応する。
耳を齧ると息が漏れる。
ゆっくりと太腿をなで、お尻を撫でる。
ひんやりした身体もすぐに温まり、熱く燃え出す。
あぁ、と声が聞こえる。
もっと声を出していいのに。
窓の外に広がる青空を見て先生が固まった。
「や、だ…ここ、見えちゃう」
「大丈夫、見えない。先に周囲確認済みですよ。ベランダに出てしたら見えるけど」
そういいつつ乳首を噛んで。
手は濡れはじめているそこをなぶる。
いつもより濡れる量が多い。
見られてるかもと思うのが原因?
身体を入れ替えて敢えて外に先生を見せ付けるような形を取る。
いや、と言いつつずんと濡れて来た。
やっぱり、そうか。
「ねぇ先生? こんな姿、お弟子さんに見られたらどうしましょうねぇ」
「いや、いやいや…」
きゅうきゅうと指を締め付けて。
身をよじって俺の懐に顔を押し付けようとする。
「いじわる、いわないで」
「ふふ、見せません、そんな勿体無いことできないな」
暫く先生の身体を楽しんで、先生が落ち着くまでの間タオルを買いに走った。
シャワー浴びさせないと舐めすぎたよ…律君にバレても困る。
戻って風呂に入って貰い、着物を着た先生をつれて戻る。
八重子先生は何してたかわかってたようで…先生が恥ずかしそうだ。
うなじが赤く染まってて色っぽくて。
可愛いな。
ではそろそろ、と退去の時刻。
買物に行くという先生とともに玄関を出る。
スーパーまで同道してまた明日、と別れて帰宅した。
翌日、仕事が終る直前先生から電話をいただく。
行きがけに一人拾ってきて欲しいとのことだ。
この雪ではね。
場所を聞けば拾える場所では有る。
服装などを聞いて電話を切り、帰宅して着替えて車に乗り込む。
相手の会社の前に乗り付けて暫く待てばそれらしき服装の女性が出てきた。
降りて問えばやはりその人で、座席に乗せると先生とはどういう、と聞かれてしまった。
仲の良い弟子、と答えたが男のお弟子さんが迎えに来られると思ってなくて、と言う。
「はは、私、女ですよ。男装しているだけです。だからそう硬くならずとも」
「えぇっそうなんですか? やだ、ごめんなさい」
「そりゃこんな格好ですからね。てっきり先生から聞いてるものと」
「弟子を迎えに、としか仰ってなかったので…」
あはは、と笑って車を走らせる。
先生のお宅にたどり着いて、引き渡して。
水屋の準備にかかる。
「雪道をわざわざご苦労さんだったねえ」
「あ、八重子先生、こんにちは。まだ積もってなくてよかったですよ」
「今晩積もるって言ってたから電車で帰ったほうがいいんじゃないかねえ」
「電車が止まるんじゃないでしょうか。チェーンつんでますから。つけて帰ります」
「律につけるの手伝わせるよ。慣れてるからね」
「そりゃ助かります、あの辺つけるほど降らないから慣れてないんですよね」
「結構降ってきたねぇ…土曜日なら泊まっていったら済むのにねえ」
「ですねぇ…」
そういってる間にお弟子さんが来だして、八重子先生が相手をする。
お稽古の用意も整い、先生が戻って八重子先生と交代。
さあ、お稽古だ。
雪でこられない方が出て、その合間合間に私の稽古をつけてくださる。
そうなると"優しい絹先生"は"山沢さんにはとても厳しい"ということが
他のお弟子さんにわかってしまう結果となる。
あまりいいことじゃない気がするんだけど。
贔屓じゃないか、と言う噂にならないのが不思議だ。
有るお弟子さん曰く。
「あなたにだけ優しいなら贔屓に見えるけど逆じゃねぇ。むしろ可哀想かも」
ということらしい。そんなに怖いんだろうか。
最終のお弟子さんがお稽古を終られて円草再び。
八重子先生と二人がかりで見てもらえば、あれ忘れてるこれ忘れてると厳しい。
色々と直されて少し落ち込んだら、後で先生に頭を撫でてもらった。
水屋を片付けて律君にチェーンつけるのを手伝ってもらって、
手を洗っておにぎりを貰って帰路に着いた。
途中で渋滞には待っておなかすいたらいけないから、と握ってくださった。
お漬物がついていて、嬉しい。
外は寒いのにおなかの中が温まる。
ナビが言う道を走るがやはりチェーンをつけてない車による事故で少し帰宅が遅れた。
おにぎりをいただいていてよかったと思う。
軽く食事を取って風呂で温まり、そして就寝。
翌朝、出勤すると客が少ない。
やはり凍結等で来られない、配達よろしくと言うところがあった。
仕事を終えて帰宅する。
昼飯を食って一服。
今日は久しぶりに三味線を触ろうか。
ゆっくりと、いくつか弾いて見ると暫く弾いてない所為か手がうまく動かない。
それでも何度か弾いてるうちに滑らかに弾けて時計を見れば夕飯の支度すべき時間だ。
何食おう…面倒くさい。
焼肉でも食うか。
先生とは行けないしな。
ふらりと食べに出てガッツリ食う。
だが昔に比べれば量は減った。脂身は苦手になった。
帰宅してウーロン茶を飲む。
気休めでもいいんだよ…。
帰宅して布団にもぐる。外寒すぎ。
腹も朽ちて布団の中は暖かく、すぐに寝た。
さて本日も雪模様。
こりゃ週末にお出かけと言うのは少なくて料理屋が動かないな。
うぅ、寒い。
客が来ないと余計に寒いぞ。
今頃先生は起床した頃か。布団から出たくないだろうな。
ご飯の支度して、お稽古の用意をしている筈。
朝の方々は上級だから先生方もそれなりに気が張るんだろうし。
今頃焦っておられたりして。
そんなことを考えつつ、仕事を終わらせれば帰宅してシャワーを浴び着替えて移動だ。
先生のお宅についてご挨拶。
お食事に入られてその間に昼からの水屋の用意を済ます。
暫くすると昼イチの生徒さん。
時間になるまでお待ちいただいてお稽古開始。
今日は時間通り稽古がすすんで中々具合がよろしい。
夕方、最後の生徒さんを送り出して、さて俺のお稽古。
行之行、円草各2回。前回よりは怒られずにすんだ。
じゃ水屋よろしく、と先生はご飯拵えに台所に行かれ、俺は一人片付ける。
しまうものは仕舞い、茶室に雑巾をかける。
ご飯よ、の声が聞こえたので手を洗って食卓に着いた。
今日は筑前煮か、うまそうだ。
律君は大学生になった割にはお母さんとよく話す。
律が目を合わせてくれないの、とは言うが大学生の男の子だからそれくらいは普通、
他の家では家を嫌って出て行ったり暴言食らったり色々ありますよ、そう答えている。
そうそう、今日は…。
食事の後先生を部屋に連れて行く。
ちょっと八重子先生の前ではね。
鞄からコンドームを10種類ほど出した。
先生はなんだか苦笑している。
「これ、つぶつぶラムネ」
とディルドに被せてみせる。
「つぶつぶはわかるけどラムネって?」
「匂いがラムネです」
くん、と嗅いで納得の表情。
「でこれは脱落防止加工のみの。こっちはゼリーがついててスムーズにというもの。
 これ、光ります。こっちはミントの刺激つき。グレープの匂いのもあります。
 ピーチにストロベリー。これはオレンジ。あとこれは敢えて分厚いもの」
「い、色々有るのねぇ…」
「先生に使ってるのは普通のどこにでも売ってるやつですけどね。
 舐めてもらおうとか思ってない分。それに外れて困るということもないでしょ」
「そ、そうね」
頬を染めていて可愛い。
からかっているとお母さん、と部屋の外から律君の声。
と同時に襖が開いて、手を出してなくてよかったとほっとする。
が、先生と律君がなんとも言えない顔を。
あー、そうか、まだ仕舞ってなかった。ディルドは片付けてあったけれど。
「律君、彼女いたっけ?」
「い、いや居ませんけど…」
「おや残念。じゃこれ君のご友人にでもあげてくれるかな」
「…山沢さん、何を言うの」
「いや、どうせネタに持ってきただけで使う予定もないわけですし。
 だったらいざそういうときに持ってるのと持ってないじゃ違いますでしょ?
 相手の女の子が。持ってないけどしたいからする、それで出来た、ではね」
「それはそうだけど…」
「丁度いい、律君。彼女出来たら勢いのままにしたりしないこと。
 コンビニにも売ってるから。500円か1000円で。つけ方わかる?」
後頭部をバシッと先生にやられた。
「つけ方によってもれたり外れたりしますよ?」
「わかるけど…私の前でそういう話は」
「…ああ母親の前でする話では確かにないですね。
 律君、つけ方は友達に聞いて練習するといいよ~」
「ところで、なんで呼びにきたの?」
先生は拳骨を落としつつ律君に問う。
「ええっと、おばあちゃんがお菓子食べないかって、頂き物が有るみたいで」
「山沢さんちゃんとそれ片付けて頂戴」
「はい、どうせ餡でしょうからどうぞ先に」
ん、と律君とともに部屋を出て行った。
ちょいちょいっと袋に詰め込み片付ける。
すぐ後を追うと八重子先生が先生に何してたのか聞いていた。
「山沢さんがコンドーム持ってきちゃったのよ…こんなに種類が有るんです、って」
ぶっと八重子先生がお茶吹いてる。
「そういうことであれだったの?」
「山沢さんが全部見せてるときに律が急に入ってきたのよ…」
ひょいと居間に入る。
「片付けておきましたよ」
「山沢さん、そんなにいま色々有るのかい?」
「んー、一時に比べるとそうでもないですが匂い付が増えましたね」
「"家族計画"しか知らないからねぇ」
「でしょうね。わざわざ面白いのとか買ってきたんですよ」
「だからって」
「勿体無いじゃないですか。律君のお友達にあげてくれって律君に言ったんですよ」
「ほんと山沢さんってさばさばしてるよね…」
「というか羞恥心がない」
「確かに」
「でなんで突然にコンドーム?」
「以前何かの話のときにコンビニに売ってる自体ご存じなかったので、
 今は色々有るって話をしまして。で、現物お持ちしたわけです」
「コンビニにそんなの有ったかねえ」
「目に入りにくいんですよ、大体男性化粧品の辺りにあります」
「へぇ…律、あんたも彼女出来たらちゃんと使いなさいよ」
律君の顔が赤い、純情だなぁ。
先生もなんか照れてるが。
はい、と八重子先生がお干菓子を下さって食べる。
先生方は薯蕷を。
うーむ、お茶が美味しい。
と、見ていたら先生が薯蕷の皮だけくれた。
食べていると律君が引いている。
あ、先生の歯形ついてた。皮。
食べ物の口移しをやってるからまったく忌避感なく食ってしまった。
先生も気にしてないな、その辺は。
「雪、止んできたねぇ」
「あらそうねえ、明日積らないのかしら」
天気予報を見るとそれほどでもなく、夜半には霙、明日朝には晴れるようだ。
「お風呂そろそろ沸いたかしら。お父さんに先に入ってくれるように言って頂戴」
先生に言われて律君は離れに孝弘さんを呼びに行った。
律君が戻ってきて炬燵に入る。
先生は物足りなかったのか蜜柑を剥きだした。
四半分ほどを私にくれて食べる。
「うっ…」
「あら、酸っぱかった?じゃ全部食べて」
うなづいて残りも貰うと律君がお母さん、それはちょっと、と言う。
「食べかけとか酸っぱいのとか…酷いんじゃない?」
「あら、酸っぱい方が身体によさそうじゃない」
「なんとなくそういう気しますよね」
だが実は甘い蜜柑とそう変わらないんだよね。
先生が身体に良さそうだからとくれるものは断れん。
と思いつつ残りを食べる。
先生方が順繰りに風呂に入ってる間に律君と話す。
「部屋、来たときね、声を掛けてから良いというまで開けてくれないでくれるかな?
 多分ご家族だけで居たからついあけてしまうんだろうけどね。
 着替えとか見たいんなら別だけど」
「あー…はい、そうします」
なんて頼みつつお茶をいただいてると先生が上がってきた。
「あぁ良いお湯だった、律、あんたも早く入んなさい」
うん、と風呂に行く。
濡れた髪がちらりと首筋にかかって色っぽい。
ドキドキしているとふっと先生が笑って戸締りしてきて、と言う。
慌てて戸締りをして火の元を確かめる。
居間に戻ると八重子先生はもう寝たそうだ。
律君が戻ってきて部屋に行ったら寝ましょと仰る。
はい、としばしなんでもないような会話をしていると戻ってきた。
「じゃおやすみなさい」
と先生が律君に行って居間を出た。
律君も一服して部屋に戻っていった。
電気を消して俺も寝間へ。
先生が座って髪を乾かしている。
布団を敷いて先生を待っていると先に布団に入ってて、と言われた。
足だけ入れて待っているとくすくす笑ってる。
「なんで足だけなの?」
「うっかり寝たら勿体無いからかな」
「眠いんなら寝たらいいわよ?」
「嫌ですよ」
「子供みたいね」
苦笑して待つ。
暫くして乾いたようで落ちた毛を拾って捨てている。
「白髪増えたわねえ…」
「そうですか?」
「そりゃやっぱりこの年だもの…抜けるし」
「ああ、先生は髪長いから余計に沢山抜けてるように見えるんですよね」
「そうなの?」
「俺、いつももっと抜けますよ。風呂はいると」
「でも白髪ないじゃない」
「抜いてますもん」
「痛くない?」
「痛いですよ。気になるなら白髪だけ切ってあげましょうか」
「髪少なくなりそう」
「だったら染めるしかないですね」
「髪痛むでしょう?」
「一本ずつ染める方法ありますよ。マスカラなんかのブラシと染め液とラップ使って」
「面倒くさそうねえ」
「気になるんでしたらやってあげます」
「考えとくわ」
と布団に入ってきた。
「この間…あなたのここにも白髪見つけちゃったわよ」
「ああ、脇とかもありますよ」
「そうなの?」
「先生は脇とか鼻毛とかにはないですよね」
「そうねぇ、お母さんは眉にあるけど」
「そりゃ八重子先生は有るでしょ」
そんな会話をしつつ胸を揉んだり股間をなぶったり。
少し息が荒くなってきて声が出そうとのことで腕を渡す。
しばし楽しみ、腕を噛まれる。
3度ばかり逝かせて落ち着かせた。
先生は少し俺をなぶりたそうにしているが…。
胸くらいならいいよ、とされるがままに触らせる。
暫く触ってるうちに眠くなったようだ。
寝かしつけて俺も寝た。
朝、朝食を取ってゆっくりしていると電話があり、先生が出る。
荷物が届くそうだ。
先生が手伝ってあげる、と一緒についてきてくれた。
中でしばらく待つと宅配が来た。
開梱し、組み立てる。
茶箪笥と、洋箪笥の上が和箪笥になっているもの。
それからベッド。
箪笥類は一人で作れたがベッドだけはちょっと支えてもらったりした。
コイルマットを載せて、布団を敷く。
良い感じだ。
一緒に戻るとシャワー浴びてきて、と言われて風呂に入る。
さっと濯いで出てくるとデパートに行こうと仰るので着替えた。
30分ほど先の駅前のデパートに入る。
同じ系列のデパートはやはり売り場の空気も似ている気がする。
さて何を買うのだろう。
「さ、まずは催し物会場行きましょ。律とお父さんの買わなきゃ」
とついていけば沢山の人、人、人。
ここで待ってて、と言われて子供服売り場に取り残された。
こんなところにおいてかれても困るんだが、とフロアガイドを見ることにした。
この後上で呉服ちょっと見ようかな?
30分ほど待つと戻ってきた。
何も買わなかったのかと思ったが配送してもらうことにしたらしい。
「呉服売り場、ちょっと見ます?」
「そうね、ついでだものね」
見に行けばそれなりにものは置いて有るようだ。
うろついていると先生がこれ面白いわねえ、という。
「お稽古じゃ着られないけど…あなたとお芝居行ったりするのにどうかしら」
「それは…いいですね」
値札を見ると正絹7万と消費税。ふむ、まあ良い。
店員に言うと今日は仕立て・八掛・胴裏込みでこの値段と言う。
手縫いかミシンか聞けばミシンと言うので手縫いに変更してもらって追加1万5千円。
ついでに合う帯締めと帯揚げを買い10万を支払った。
仕上がりは三月下旬のようだ。
それから降りてキッチン・バス・トイレ用品を色々と買い揃える。
ついでにうち用のスープカップを二つおそろいで。
少し先生の洋装の服を見て、ブラウスを買ってまずは俺の借りてる部屋へ。
すべてを片付け、途中で買った洗剤やシャンプーなども設置して一気に簡易な所帯に。
後は足りないものは追々に、と先生と戻った。
早、夕暮れ。
寒くならないうちに帰りなさい、と言われて帰宅する。
帰り道、デパートにより先生へのチョコを購入した。
いや先に既に今日と限定品を送ってもらうよう話をつけては有るが。
帰宅し、食事を取って寝た。
明日、先生から仕事が終ったらいらっしゃい、と言われている。

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首筋を舐める。
「えっ!ちょっとまって!」
「へ?」
「うそっ…」
身を捻ってテレビを見ている。
「え、このニュース朝からやってましたよ?」
「そうなの?やだ、知らなかったわ」
苦笑して俺のシャツを先生の肩に掛け、膝から降ろして立つ。
先生がそのままテレビに見入っている間に着物を片付けた。
「テレビ、もういいでしょう?ベッドに行きませんか?」
「あっ、ごめんなさいね。つい」
「…ああでも素肌にカッターシャツも色っぽいな」
頬を染めるくせになんでまたテレビを見るんだ…。
「だってこのドラマ見たかったの…ね、お願い」
「しょうがないなぁ。でもそのままだと風邪引くから。寝巻着てください」
「うん」
そういったままテレビを見て動かない。
寝巻きを取りに行って渡すと着替えてくれた。
番組表を見ると1時間物か。
仕方ない、一緒に横で見るのがいいだろう。
って突っ込みどころの多いドラマだなぁ。
しかしこれ、いまの化学屋が当時に行って研究したら面白いだろうな。
ってこれ続き物なのか。
消化不良だ。まぁ結構良い部類のドラマだな。
忘れなければ来週も先生と見てもいい。
しかしだな。
こんなもの見てすぐやる気になれんじゃないか…。
トイレに先生が立ったのでテレビを消して、寝巻を着た。
って俺も行っておかねば。
入れ替わりに行って、戻るとすでに部屋の電気を消されていた。
寝間の豆球がついている。
ベッドに座って髪を解いている先生にキスした。
もうちょっと待って、と言うので眺めているとアレがサイドテーブルにおいてある。
「…なぜここにアレ」
と呟いたら俺が食卓に置いていったから、とか。
「納戸に捨ててこなかったんですか? 使っていいのかな」
先生は一気に胸まで赤く染まった。
「その、使わないでくれたほうがいいけど…」
「じゃどうして持ってきたの?」
「だってご飯食べるところにあんなの…」
そっちか!
「居間でするのはイヤだった?」
「ごめんなさい」
「ま、予想はしてましたが。
 布団の有るところ以外ではしちゃいけない気がするんでしょ?」
うん、とうなづく。
「俺はそういうあなた、好きですよ。でも居間で恥ずかしがるあなたも好きなんだ」
「よくわからないわ」
「あなたの羞恥心、感じてるところも好きだと言ってるんですよ。
 大胆な所も好きですけどね」
「大胆?」
「大胆になってる、と思いません?
 わざわざ俺の家に抱かれに来て。俺のベッドに一緒に入るんだから」
「あ……そうね、そうよね」
自覚はなかったのか。
「もっと大胆になってくれてもいいんですよ?」
そういって寝巻で隠された乳房を撫でる。
「恥ずかしいわ」
真っ赤になってて、可愛くてそのままベッドに倒れこませた。
「あなたからキスして。大胆にね」
ついばむようなキス。
「大胆に」
少し戸惑ったような間が空き、ディープキス。
唇を離すと目が潤んでいる。
そっと翳りをまさぐり、聞いた。
「どうして欲しいか言ってごらん?」
首を振る。
「大胆になって。俺に聞かせて?」
「あの…触って…」
「どこをどのように?」
体を朱に染めて、いやいやをする。
「ここかな」
すっと尻の穴に触れる。
きゃっと言って身をよじる姿が可愛らしく、つい軽く乳首にキスをしてしまう。
「言わなきゃ今日はここ、ですね」
「っばか…もうっ。そこはいやよ。もうちょっと上っ」
こっち、と濡れているところに触れると頷いた。
「で?ここをどうするのかな?」
「あの…入れて……」
「入れるだけでいいのかな? 動かして欲しいんじゃないの?
 気持ちよくして欲しいって言いなさい?」
目を瞑って真っ赤な顔で。唸ってる。
「言えませんか?」
そういうと、私を抱きしめて耳元で小さな、本当に小さな声で言う。
「入れて動かして気持ちよくしてっ」
触れてる体が熱くて、本当に恥ずかしくて仕方ないんだろうとわかる。
「もっと大きな声で…。と言おうと思ったけれど。よく言えましたね」
いい子だ、と中に入れてかき回す。
あっあぁっ、と喘ぎ声、びちょびちょになる手。
中も熱くなっていて凄くしまって気持ちいい。
突起もしごきつつ、乳首も舐めると喘ぎ声と言うよりは悲鳴に近くなって。
中の膨らんで居るところを擦ったり、奥をつついたり。
途中で手を止めると、やめないで、と言ってくれた。
嬉しくなって沢山にしてしまう。
求められるのは嬉しい。気持ちよくなってくれるのは嬉しい。
先生が逝くたび、俺も快感を感じ気持ちよくなる。
時折、触ってもいないのに逝くことすらある。
あまりの気持ちよさにくらくらするが、先生もそれくらい感じていてくれればと思う。
ひとしきり楽しんで、疲れて。
眠そうなのに私が触る物だから困った顔をしている。
あくび、ふふっと笑って瞼にキスをする。
「もう明日にしない?」
「寝かなさい…なんてね。睡眠不足じゃあなたのここにクマが出来ますね」
目のふちに触れ、頬に触れ。唇を撫でる。
かぷっと指を噛まれた。
ぎょっとする。
「寝かせてくれないなら…」
と乳首をつねられた。
「しちゃうわよ?」
「わかった、わかりました。寝ましょう。寝ましょう」
くすくすと笑って手を離してくれて、そしてキス。
抱きしめて、頭や背中をなでいてると寝息。
つられてそのまま寝そうになる。
暫く待って本格的に寝たところで腕を外し、トイレへ。
ああ面倒くさい…。
それからベッドに戻って寝た。
朝。
瞼の裏側に日光の明かりがちらちらして目が覚める。
ああ、もうこんな時間か。寝過ごしたな。
横を見れば先生もまだ寝ていて。
無防備なその姿が綺麗で、写真に撮りたくなるほど可愛い。
本当はえっちしているところも何もかも、ビデオに撮りたいが…。
誰かに見られるのが怖いからな、できない。
あ。今度テープを入れてないビデオ回してみようか。
先生の反応が楽しかろう。
いや、泣かれるか?
そっと瞼に触れると夢を見ているようで眼球が動いているのがわかる。
どんな夢を見てるのかなぁ。
ふっと息をついてトイレに起きた。
そろそろ終りそうではある。
手を洗って台所に立ち炊飯器の中を見る。
二人で食うには足りないな。
ラップにあけて冷まし、釜を洗って米をかし、炊く。
何を食おう…あ。昨日雑炊にするって言ってたなぁ…。
食卓を先に拭いて、米が炊けるのを待つ間、ベッドに座って先生の寝顔を眺める。
米がご飯に変わっていくにおいが流れてくる。
「ん…おはよう」
起きたようだ。
「おはようございます」
「ご飯炊いてるの?」
ふぁっとあくびをして伸び。
「ええ。どうします?昨日雑炊にするって言ってましたが」
「んーそうね、そういってたわね。あとどれくらいで炊けるの?」
20分くらいと言うと、じゃ着替える時間有るわねと言って着替えだした。
白い乳房が朝日に照らされて、美しくてつい触れてしまった。
当然ながら怒られました。とほほ。
髪を整えて着替えてそれから割烹着を着て。
「なんかすっかり"お母さん"ですよね」
「そうよ?だからご飯の支度してるときにえっちなことはしないで頂戴よ」
「いやだな」
頬に手を添えて軽くキスする。
「だめよ」
ぺちっと額を叩かれて、ご飯作ってるときとか食べてるときはしないように言われる。
ちゃんとけじめをつけなさい、と。
「しょうがないな、聞いてあげますよ。
 本当は家に居るときはずっと抱いてたいんですからね?」
耳まで赤くして可愛いなあ。
座ってて、というので座って待つと、炊けたご飯を鍋に投入して雑炊にしている。
うーまーそー。
「出来たわよ、動かないでね」
熱々の鍋ごと食卓に持ってきた。
中央の新聞紙を置いてある上に乗せる。
おたまで掬ってお茶碗に。
「さ。いただきましょ」
いただきますを言って食べる。おいしいなぁ。
ふと目線を上げると先生がにこやかだ。
俺がうまそうに食ってるのが嬉しいと言う。
俺は先生がにこやかなのが嬉しい。
そう返したら照れている。
夫婦茶碗にもすっかりなれて、次に気になるのは俺の箸の握り方だと言う。
ほんの少し、変だそうだ。
食後、ゴマを出してきて一粒一粒掴んで所定の位置にやらされる
「変ねえ。普通握り方がおかしいと出来ないのに」
と、次は手を添えて、ああだこうだと持ち方を修正されるものの…。
うまくいかない。
ゴマと対決するにも飽きて、先生にお出かけをねだるが却下され、
しばしゴマと戯れる。
「遊びに行きましょうよーねぇ、駄目ですか?」
「駄目よ、ちゃんとできるようにしないと」
「展覧会行きましょうよ」
「何かいい展示、有るの?」
「五島、どうです?取り合わせやってますよ」
「んーそうねえ…着物持ってきてないし…」
「お貸ししますから」
「展覧会どうしても行きたいの?」
「外出したくはないですか?」
「折角あなたとこうしていられるんだもの…おうちでいいじゃないの」
「…嬉しいですね。凄く嬉しい」
べったりと私の背にくっついて離れようとしなくて。
甘えてくれる。
「でもいい加減ゴマはあきました」
後ろから笑ってるらしき震えが伝わる。
耳たぶを齧られてびくっとすると、ちゃんとしないと、しちゃうわよ?と脅された。
「してもいいですがね。その代わり後が大変ですよ?」
脅し返して笑いあう。
お箸を置いて、先生もろとも寝そべってキス。
くっついてじゃれて。
そのうちしたくなってきて褄から手を進入させた。
裾を乱して内太腿をなめる。
「するなら脱いでベッドで、ね、だめ?」
「無理…我慢できない」
そのまま濡れ始めたところを舐めて喘がせる。
一度逝かせて脱力しているのを起こして帯を解き、紐を抜いて脱がせた。
先生はベッドに連れて行ってもらえると思ったようだが、風呂場へ連れて行った。
中に指を入れてある場所を重点的に擦る。
暫くして、喘ぎつつもお手洗いに、と言うが却下をして、
暴れる体をなだめながらしばし刺激する。
「だめ、でちゃうっ、よしてっ」
その悲鳴の後、出た。
真っ赤な顔して、涙目になっているがそのまま刺激するとそのたびに出る。
ニヤついてると胸をこぶしで叩かれた。
「ひどい…お手洗い行きたいって言ったのに」
ぐすぐすと涙声でなじられて、満足する。
「気持ちよかった?」
「今は気持ち悪いわ…流させて。お願い」
シャワーの温度を確かめて、ゆっくりとかける。
流しきって体も温まったようなので拭いて抱き上げ、今度こそベッドへ。
「なんであんなこと、するの?」
「してみたかった」
「理由になってないわよ…もらすなんて、そんな恥ずかしいことさせて…」
あれ?
「今の、なんだと思ってます?」
「お小水」
「違います、それ、違いますから」
「そんな」
「潮吹きって聞いたことは……なさそうですね」
「昆布くらいしかないわ」
「そっちじゃなくて鯨の。あんな感じでさっきのところを上手に擦ると出るのが潮。
 お小水ではなく、違う成分のものです」
「違うの?でも恥ずかしいわ…」
「やる側の技巧と、女性側の体によって吹く吹かないが決まるんですが…、
 前からなんとなく吹きそうな気がしてたんですよね。だから。風呂で試そうかと」
「もうやらないで」
「あなたがそう言うなら」
「お願いね」
「でも可愛かったな、あなた」
そういってキスをする。
「俺ね、あなたにならおしっこかけられてもいいですよ」
「なんなのよそれは…そんなことしないわよ」
笑われてしまった。
「なんで笑うんですか。それでもいいくらいあなたが好きなだけです」
くすくす笑いながら頭を撫でられた。
ひょい、と先生のお腹に触れる。
「…お手洗い行きたいわ。さっき出さされたのに…」
「だからあれはおしっこじゃないですから。我慢せずにどうぞ」
「そういいながら手を離してくれないのはどうしてかしらね」
「かけてもいいですよ?」
「……ばかね、後始末が大変じゃないの」
そっちかっ。
確かにベッドだとマットレスとか大変なことになるが。
「だったら後でお風呂場で、ってイテテテテ、わかった、わかりました」
乳首をつねり上げるのはやめて欲しいな。
手を離して開放してあげるとトイレに行った。
トイレに行くにもちゃんと浴衣を羽織っていくんだからえらいなぁ。
俺は面倒くさいからそのまま行っちゃうんだが。
ま、その浴衣をいちいち脱がせるのも楽しみである。
戻ってきて、まだ日も高いのにするのは、とか言い出した。
「だって夕方には帰るつもりなんでしょう?」
「お母さんに言って明日帰ることにするわ」
「そういうことはいけませんよ。ちゃんと家を大事にしないと」
「でも…一緒にいたいわ」
「俺もです。だけどけじめ、ちゃんとつけないと」
さびしそうな顔をする。
思わず抱きしめた。
「えっち、しなくていいから。肌を合わせていてもいいでしょう?」
うん、とうなづいてくれたので、ベッドに引き戻した。
キスして柔らかい素肌を撫でる。
気持ちいいなぁ。
先生も触れたいようであちらこちら指が這い、くすぐったい。
くに、と乳首を摘むと、あっと声が出てだめと言おうとする口にキスして塞ぐ。
暫く揉みこむと感じているのがよくわかる。
「しないっていったのに…」
「したくなりました。いいでしょう?」
言いつつ股間をなでる。
「良いも何も、する気の癖に」
ふふっと笑って弄ると気持ち良さそうな顔をする。
中を弄りつつ突起をしごき乳首を舐めるとすぐ逝ってしまう。
逝った後は敏感で、おへそを舐めるだけでも中が締まる。
あまり沢山逝かせると却って俺を触りにくるのはどうしたものか。
俺の股間に滑り込んだ手を取り上げては布団に押し付ける。
時折、敏感な部分に触れられて声が出そうになる。
「ねぇ先生?実はお仕置きされたいの?」
嫌がるくせに、なんで触ろうとするかなぁ…。
「されたくないなら触っていいのは胸まで」
って言ったら舐められた。
「なんで舐めるんですか…」
だめ?って可愛らしく聞いてきた。
「そんなことできるくらいの余力、有るならアレ入れましょう」
膝立ちになってペニバンを取りセットする。
「まって、待って、しないから勘弁して、ね、お願い」
「そんなに慌てるくらいならそういうことしないで欲しいな」
しょんぼりしてる。
何か可哀想になって撫でた。
「こんなもの、見えるところにおいてるから突っ込みたくもなるんですよ。
 納戸に戻してくるから待ってなさい」
納戸にとりあえず放り込んでから戻ると、落ち着かなさげに座り込んでいる。
先生の右足を取って足首から上へと舐めた。
膝の裏なんかもくすぐったいようだ。
「ここ、キスマークつけますよ。着物着たら見えないし」
そういって左膝の裏につける。
あとは…そうだな、太腿の付け根。
ここは股を開かない限り見えないはずだ。
キスをすると直ぐ横に滑らせて舐める。
突起に少し歯を当てると、やめて、という。
「痛い?」
「痛くはないけど…怖いわ」
「…噛み切ったりはしませんよ?」
敏感だから特に怖いのかもなぁ…。
そっと舌先で突くといい声が聞こえて、なんとなく満足する。
指を入り口に押し当てると吸い込まれる。
中は温かくて、子供を産んでいるのに緩くない。
入れたまま半身を起こしてキスした。
中が勝手にうねっていて、体は正直だと思う。
暫くそのままにしていると先生は動かして欲しそうにする。
指は動かさないまま、乳首を舐めたり噛んだり。
中のうごめくのを楽しんでいると焦らさないで、と言われた。
可愛いなぁ。
嬉しくなって中を責めだすと直ぐに逝き、そのまま何度か連続で逝かせた。
脱力している先生のあちこちを舐めるとそれにすら反応する。
肩や脇の下、腕。
肘や手首の内側を舐めるとうっとりしている。
胸の下や脇腹、おへそ。
くすぐったそうだ。
「ねぇ、おなかすかないの?」
「へ?もうそんな時間ですか?」
時計を見れば確かに昼飯食うべき時間。
「どうしますか?何ぞ取りますか?食いにいきますか?」
「何食べたいの?」
あなたを食べたい、といったら頭叩かれた。
「先生は何食べたいんです?」
「そうねえ、あ、そうそう、湯葉とお豆腐のお店、このあたりにないかしら?」
「銀座に有るやつですか?」
「そうそれ、一度行ってみたいのよ。美味しければ研修会の後とかいけるじゃない?」
「あー、先生方とのお付き合いって大変ですよね」
「そうなのよ。どう?」
「そうしましょう、じゃシャワー浴びて着替えてください」
先生が浴びている間に一応電話を入れると開いてるとのことで、予約。
手を洗い、着替えて髪を整える。
先生もさっと濯いで着替えられたようだ
髪を整え化粧を終えるのを待つ。
こちらを見てニコリ、と微笑まれた。
「格好いいわね」
「先生もお綺麗です」
でもちょっと、と着付けを直されてしまう。
車に乗って食事へ。
コースを依頼したので少し時間はかかるが、それなりに美味しく。
先生は上機嫌で、でも結構カロリーが有ることに驚きつつ。
ま、豆腐って結構脂質もあるしね。
お腹一杯になって、帰宅した。
部屋で先生はテレビを見ながら俺の膝に座っている。
俺の部屋だとこういうこともしてくれるから嬉しい。
あくび、眠くなったらしい。
お昼寝の時間(笑)
「ベッドにいきますか?」
と問えばこのままで、という。
布団に入ったら熟睡してしまって夜になりそうだとか。
疲れてるんだねぇ。
座布団を枕にして添い寝する。
直ぐに寝息。
いいね。
なんでこう、無防備に寝れるんだろう、とは思うけど。
先生の匂い、温かさ、寝息。
心が落ち着くときもあり、騒ぐことも有り。
暫くそのままでいると眠気が降りてきた。
うつらうつらと一緒に寝てしまう。
ふと気づけば早や夕方で、先生はしっかり寝てしまっている。
そろそろ帰さないといけないな。
でも。
帰したくない。
いや我慢だ我慢、どうせ明後日にはまた会えるんだぞ。
でも。
先生のお宅では大胆なことは出来ない。
しかしそれのために八重子先生に電話するのはきっと先生も恥ずかしいだろう。
諦めを付けて先生を揺り起こす。
が、起きてくれない。
困ったな…もう少し様子を見るか?
とりあえずベッドに連れて行って布団をかぶせておこう。
帯だけ解いて…いや長着も脱がせておくか。
襦袢姿にして抱き上げベッドに寝かせる。
布団をかけて着物を片付けた。
暇だから今のうちにシャワー浴びよう。
頭を洗って、体を洗う。
ふと鏡を見ると胸に噛まれた痕。
いつの間に噛まれてたんだ。
背中がしみるのは引っかかれたようだ。
濯いですっきりして風呂から出る。
タオルで頭をガシガシ拭きつつ先生がまだ寝ているか確かめる。
うーん、よく寝ているな。
寝返りを打ったようで、襦袢の合わせが緩んで…胸が見えている。
うん、いかん、いかんな。
したくなる。
とりあえずキスだけでも、と唇を重ねる。
しっとりとしてやわらかくて。
それから起こしにかかった。
ゆすっても起きなくて、どうしたらいいんだろう。
いっそ、抱いてしまえば起きるだろうか。
少し悩んで、先生のお家に電話をした。
「起こそうとしたんですが熟睡されてしまいました。すいません。
 明日朝か昼にと思うのですが」
「いいけどね、明日はお稽古ないから。あんたも疲れないように。明日仕事だろ?」
などと会話をして了解を取り付けた。
そろそろ晩御飯の支度をしなければならんな。何食べよう。
回鍋肉食いたいぞ。
と言うことは買い物は豚肉にキャベツ、ピーマン、長ネギくらいか。
豆板醤は、よし、まだある。
一応のため書置きを作って買物に出た。
野菜を籠に入れていると電話。先生からだ。
大根の半分のやつを買って来い?なにするんだろう。
買物を終えて戻り、何を作る気かと聞けば大根の味噌汁。
俺が好きなの思い出したらしい。
野菜を洗って支度していると大根の使わない部分を塩漬けしている。
ちょっとでも野菜を食べろと(笑)
ざっと作って、夕飯をいただいた。
「で、どうします? 今から帰りますか?」
「あら、お母さんに電話してくれたんでしょ?」
「しましたけどね、帰るのなら送ろうかと」
「帰らせたいの?」
「いいえ、可能ならこのままずっとあなたと二人で居たいですよ」
「あら…」
頬を染めて可愛らしい。
「さっきね、あなた起きないから。抱いたら起きるかなとか考えちゃいましたよ」
「やだ、もう…まだしたいの?」
「あなたがよろしければ」
「……あれ、使ってもいいわよ。だから触っても怒らないで」
「使いません」
「さわらせてくれたっていいじゃない…」
眉根に皺を寄せて拗ねられてしまった。
「そんな顔しないで。痕がついたらどうするんですか」
撫でたら胸を掴まれた。
…どうしてもしたいのか。参ったな。
「今日どうしても、ですか?俺、明日朝早いんですが…」
って言ってるのにずっと俺の乳を触って揉んでいる。
手が下りてきて敏感なところを掠めるようにつつかれた。
平常心平常心…。
かり、と爪を立てられたところで叱った。
「先生、重ねて言いますが俺、朝が早いんですよ? と言うか夜中ですよ?
 やるなら今度、来週の土曜日とかにしていただけませんかね」
「だめなの?」
「だめです。逝くの疲れるんですからね、今からじゃ絶対寝過ごします」
「わかったわ…」
「だったら手を離しておとなしく俺に抱かれてくださいよ。ね?」
こんなになってるて癖に、とか言ってそこを触って離そうとしない。
先生の携帯が鳴る。
「電話、出て」
「いや」
止んだ。うちの電話が鳴る。
先生の腕を外して電話に出た。八重子先生だ。
絹にかわって、と言うのでかわる。
途中から不機嫌そうな顔が嬉しそうな顔に変わった。
どうしたのだろう。
電話を持ったままくるっと振り向いた。
「ね、今から帰ってもいいかしら。昔のお友達が来てくれたみたいなの」
「ああ、はい。お送りしましょう」
電話に戻って今から帰るから、お友達を泊めるように言っている。
俺は服を着なおして、先生の着替えの用意を整えた。
終ったようなので着付けを手伝い、車に乗せて先生のお宅へ連れ帰った。
車から降ろして直ぐ帰ろうとすると引き止められたが、先生のお友達に会ってもね。
そんなわけで帰宅して、就寝。
翌日仕事して、昼寝して飯食ってまた寝て、火曜日。
仕事から帰宅して風呂、着替えて先生のお宅へ。
久々のお稽古だ。
初釜にこられなかった方もいらっしゃるので新春らしく茶会風味に。
これが木曜と土曜日にもあるんだな。
今日はそういうわけでいつもより早く終ってゆっくりと夕飯の支度まで暇が有る。
「この間は送ってくれて助かったわ。今朝までいたのよ」
「ああ、お友達でしたっけ」
「そうなの、あなたの話をしたわよ、吃驚してた」
「え?どこまで話したんですか…」
「どこって、その…させてくれないところまで」
「それはかなり驚くかと…と言うかなんでそんなところまで話したんですか」
「だってこんなこと他の人に相談できないもの」
「ん?八重子先生には」
「言えるわけないじゃないの」
「そういうもんですか」
「でね、相談したんだけど」
「ええ」
「今日、うちでする時に無理やり襲っちゃいなさいって言われたんだけど。どう?」
「むりや…ええと。それくらいなら今からホテル、行きましょう。
 うちまで行ってここに戻るには時間がかかりすぎますから」
さすがに八重子先生乱入してきそうで怖いよ、この家でされるのは。
さっと立って八重子先生を探して、夜までには戻ると告げて先生を引っ張り出した。
「ちょっと、ちょっとまって頂戴よ、ホテルって、ちょっと」
車に乗せて、近場のファッションホテルへ突入、先生の手を引っ張って部屋に入った。
うーん、こういうところ入るの久しぶりすぎて。
てかカラオケが有るんだな、今の。
とりあえず脱ぐか。
さっさと脱ぎ散らして先生を見ると困ったような顔をしている。
「どうしたんです? 私を抱くんでしょう? ほらあなたも脱いで」
慌てて脱ぎ始めたが脱いだところでどうしていいのか戸惑っているようだ。
「普段私があなたにしてるようにしたらいいんですよ。まずはキスしてください」
ベッドに引き寄せて俺が下になるように寝そべる。
キスをしているうちにそういう気分になってきたようで、
恐る恐ると手が胸に伸び、下腹部に触れ、下の毛をまさぐり敏感なところに触れた。
ふっと息が詰まる。
ぬるりと襞を弄られてびくっとなり、中に指が入ってきてうごめかされぞくっとしつつ。
我慢だ、我慢しろ。
音を立てて指をうごめかされ、突起を弄られて逝ってしまう。
はっはっ、と息をついてこれでいいか、と言うともうちょっとしたい、と言う。
やけっぱちでやらせる。
結局3回ほど逝かせられてくたびれた。
「つまんないわ…」
「なにがですか」
「だって声出してくれないんだもの」
「諦めてください、それは。あなたに逝かされる自体、なんというか…」
キスをされる。
「とりあえず、これでいいでしょう?風呂入って帰りましょうよ」
「そうねえ。今回はこれでいいわ、させてくれたんだし」
ほっとして起きてシャワーを浴びる。
しかし今回は、か。またする気か。やだなあ。
今度は声が出るまでとか言われそうだ。
俺が風呂から出ると先生は手を洗って着替えている。
さっと着替えて先生を連れて出た。
戻ると八重子先生が何か言いたげだが、時間も時間、ご飯をいただいた。
律君と孝弘さんが掃けたあと、先生は逃げてしまった。
八重子先生に何をどこでして来たのか聞かれてラブホでヤられました、と。
正直に答えると頭を撫でてなぐさめてくれた。
疲れました、と言うと今日は早く寝たらいいと言われたが流石にこんな時間からは。
ふと思いついてお薄のお稽古をさせて欲しいとお願いし、
空の釜でお稽古を見ていただいた。
やはり屈託が稽古に出ているようで八重子先生が心配そうだ。
それでも3回程お稽古を見ていただいてるうちに落ち着いてきて道具を片付け、
布団を敷いて先に休むと告げて寝た。
翌朝。
気づくと先生が横に寝ていて、気づかないほどくたびれていたのかと思う。
朝から抱く気になり、喘ぎ声が出ない程度に弄った。
逝かせてしばし抱きしめてると先生は昨日叱られたという。
まずは無理に俺を抱いたことと、そんな事を人に相談したこと。
もういいから、と撫でて宥めて身支度をして朝食を作りに立った。
さっと魚を焼いている間に先生がお味噌汁を。
今日は焼鮭と納豆と玉子と味噌汁。普通の朝食だ。
味噌汁がうまくて、やっぱり出汁取ってるからだろうなぁ。
ご馳走様をしたあと食器を洗ってお茶をいただいてゆっくりと。
律君は大学へ行って孝弘さんは離れで寝ている。
外は冬だがややつぼみが膨らんできていて、春が近づいているのを知る。
さて。掃除でも手伝おうか。
茶室の畳の掃き掃除をしたり、廊下の拭き掃除をしたり。
洗濯物は手伝わせてくれないからなぁ。
しかし座敷箒なんてこの家の掃除するようになって初めて使ったんだよな。
お掃除もあらかた終って片付けて手を洗い、居間に戻るとお買物行かない?と言う。
今晩はカレーだそうだ。
ジャガイモにんじん玉葱を籠に入れ、ルーを買い、肉のエリアへ。
私が牛肉のスライスを手に取ると不思議そうな顔をする。
「お昼にお肉食べたいの?」
「いやカレーに…」
「普通豚肉でしょ?」
「あ、そうか、関東は豚肉ですね」
「京都は牛肉なの?」
「関東は豚肉、関西は牛肉だったかと思います」
「そんなところも違うのねえ…どうしようかしら」
「別に豚でいいですよ。先生のカレー食べてみたいですし」
あ、なんか照れてる。
牛肉を戻して豚肉を…どれがいいんだろう。
肩ロースのスライスがいいらしい。
ついでにお昼何にしよう、と言うのでかしわの唐揚がいいというと何それって言われた。
鶏の唐揚、と言い直すと籠に入れてくれ、買物を済ませ帰宅。
さっと唐揚とご飯とお漬物でお昼を済ませ、カレーの下ごしらえにかかる。
ジャガイモやニンジンの皮をむいたり玉葱を刻んだり。
豚肉を炒めて皿に上げ、そこに玉葱を投入し炒める。
しっかり飴色になってから野菜をいれ、炒めて炊きこむ。
火が通ったらルーを溶かして火を止めて一旦冷ますことにした。
味がしみるのを待つばかり。
すっかりカレーのにおいがする。
おいしそうだ。
先生が繕い物や半襟付けをしているのをぼんやり眺めて幸せな気分なる。
ん?針に糸が通らない?はいはい。
通してあげて繕い物再開。
八重子先生はテレビを見ている。
まったりと時間が進み、はや暮れてきた。
目が疲れる、と繕い物を終えた先生にお茶を入れた。
一服して、台所へ。
付け合わせを用意するのを手伝う。
律君が帰ってきたのでカレーに火を入れて夕飯。
ご飯をいただいて少しゆっくりとくつろぎ、帰る時間だ。
明日も来るから、と別れて帰宅する。
翌朝仕事を済ませばまた先生のお宅へ。
木曜の生徒さんにも火曜と同じようにすませた。
ゆったりと先生と八重子先生とで時間を過ごし食事をいただいて帰る。
金曜は仕事を済ませたら昼寝、食事、また寝る。
最近はもっぱらこうだ。
寝れるときに寝る、それが必要だ。
そしてそんなに忙しくもない土曜の仕事を終えて先生のお宅へ向かった。
このお稽古で正月気分は終了、と言うところだ。
お弟子さんたちを見送り、晩の支度をするにはまだ間がある。
座ってゆっくりしていると先生が膝枕を求めた。
どうぞ、と膝を貸してテレビを見る。
先生はうつらうつらとしていたがいつしか寝息に変わった。
八重子先生がぱさり、と羽織物をかけてゆったりと時間が過ぎる。
律君が帰ってきてその様子に少し驚いたようだ。
今日は早く終ったらしい。
八重子先生が生菓子が残っているといってお茶を煎れた。
珍しいね、と律君が言う。
こんなところで寝ているのが?それとも膝枕がだろうか。
目を落とすとほつれた髪が口に入りそうだ。
よけてなでつける。
かわいいなぁ。
無防備に身体を預けられるのは気分のいいものだ。
しばらくして目が覚めた。
「あら、律。帰ってたの?」
「だって雪になるって言ってたから」
ふと外を見れば確かに落ちてきている。
道理で寒いはずだ。
もぞもぞと半身を起こして私の胸に身体を預ける。
まだ寝ているな、これは。
ぼうっとしているもんな。
5分ほどそんな状態ではっとした気配。
あ、中身も起きた(笑)
先生は慌てて離れて台所へ逃げて行った。
八重子先生と目を合わせて笑う。
「晩御飯の用意、手伝ってきますね」
そういって台所に追いかけると隅で顔を赤くしている。
「何します? 晩御飯。ほら、そこ寒いでしょう、こっち来ないと」
隅から引き出して軽く腕にキス。
「さっき抱きたくなりましたよ…ふふ、律君もいたのに」
「ダメよ…」
「何食べましょうかね、お鍋でもしますか? 丁度ふぐ持ってきましたし」
「あら、いいわねえ。お野菜とかあったかしら」
冷蔵庫を見ていくつか足りないものを書き出してもらい買いに出る。
野菜類と、俺のための肉少々(焼)
うへぇ、寒い。
さっさと買物を過ごして戻り、野菜を洗って切る。
鍋に出汁を張って火の通りにくいものから投入される。
火を通す間に俺の分の肉が焼かれ、皿に取った。
鍋が食卓へ。
ふぐを皆が食べる間に俺は鍋から野菜を取り、肉と食べる。
別に苦手じゃないけれど、ふぐ。
そうして雑炊。
俺はご飯を食べているのに雑炊もいただくことになってしまった。
食べ過ぎた。お腹一杯だ。
鍋の中身は綺麗さっぱり孝弘さんが始末して、先生が台所へ。
洗い物をして居間に戻りお茶を一服。
団欒。
先生の横に座る。
ぼんやりテレビを見ているとそろそろ部屋に戻れば、と八重子先生が言う。
「この後のドラマ、先生が見たいそうなので」
「後編だろ?前の見てないだろうに」
「見たわよ。続き見たかったの」
八重子先生が苦笑いしている。
不倫相手の家でドラマを夜に見るのはナシなのか。
先生の手を玩びながらドラマを見る。
へぇ、こう持ってきたか。なるほどね。
終ってふうっと息をついてトイレやお風呂。
そして、俺の寝間に先生が来る。
懐に抱いてゆっくりと胸に手を差し入れて揉む。
すべすべで、柔らかくて。
気持ちいいなぁ。
ゆったりとした気分で先生をなぶれば先生も気持ち良さそうだ。
軽いキスをして柔らかな唇を楽しむ。
布団に入って柔らかな胸に顔を埋めて舐めたり歯を当てても見たり。
先生を優しく抱いて楽しませて、そして寝た。
朝もいい気分で目が覚めて、同じ頃に先生も起きた。
寝起きのキスをして起きなければいけない時間まで肌を楽しむ。
起床して食事の支度。
ご飯をいただいていると八重子先生に展覧会にでも行けばと言われた。
それもいいな。
どこへ行こうか。
南部鉄器見に行きたい? どこだ?
汐留?うちの近くじゃないか。
一旦うちへ着て着替えてから行くのが良い?じゃあそうしましょう。
晩飯も食ってこい? なんなら泊まって?
いいのか、そうか。
着替えて先生を連れて出る。
着物は俺のでいいだろうという話になった。
うちについて少し一服し、着物を着替えていただいた。
「綺麗だなぁ、先生…」
思わず声が出る。
化粧を直す前に、とキスをしてもらった。
自分も釣り合う格好に着替えて汐留へ。
歩いて20分ほど、車で5分と聞いて歩きましょ、と仰る。
ゆっくりと昼の道を歩き到着した。
中に入ると釜や鉄瓶。
なるほど先生が見たがる理由がわかった。
色々見てるとこういう釜欲しくなっちゃうわ、なんて声が聞こえたりもする。
釜の展覧はこういうものなのか。
とすると先日京都の釜の展覧、見ないのは失敗だったか。
後半は現代もの。
こんなのありなのか。
これ、お茶で使ったら面白いな。ネタにはなるな。
なんて思いつつ展覧を楽しむ。
ピンクの鉄瓶なんて先生の家の火鉢の上においてみたい。
なんて楽しく見物した後、お昼ご飯をどこで取ろうという話になった。
魚料理の店に手を引かれて入った。
メインに肉が選べて助かったが。
先生がおいしそうに食べているのが可愛くてにこにこしてしまう。
苦手な魚を先生がすけてくれて、代わりのものをくれた。
今回だけよ、といいつつ。
「あのピンクの鉄瓶、面白いですね」
「そうねぇ。でも火にかけられないって言ってたわよ。残念だわ」
「あ、そうなんですか。それは残念。居間の火鉢に乗せたかったな」
なんて会話をしつつお昼をいただいて、ゆっくりと歩いて帰宅する。
手を洗って着替えて。
先生は寝巻姿になった。わかってるね(笑)
「昼間から寝巻、いいんですか?」
あえて聞いてみる。
「あら、だってしたいんでしょ?」
さらっと返されてしまった。
恥ずかしがるかな、と思ったんだけどな。
たまに、さらっと言ってくるところが怖い。
俺の横にすっと座りもたれかかってきた。
ん?あぁわかったぞ、さっき酒飲んでたからだな、この大胆さ。
唇にキスを落としてここでも良いのか?といえば頷く。
酔っ払いめとばかりに抱いて、いい声を聞く。
「あれ、使うよ?」
うん、というので取りに行きセットする。
このタイムラグがいやなんだが。
ゆっくりと入れてしばらく密着してキスをする。
前回より少し太くしたからそんなに急に動かしたら痛いかもしれない。
舌を絡めつつゆっくりと出し入れをすると気持ち良さそうだ。
そのまま先生の腰を掴み、持ち上げて尻の下に膝を入れる。
背中に腕を回して持ち上げ、膝の上に座らせた。
先生の尻を掴んで上下に揺さぶると辛そうに、でも気持ち良さそうな声が出る。
随分よくなってきたと思える頃、動かすのをやめた。
先生がもじもじとするのが可愛い。
「自分でいいところ、探って動いていいんですよ?」
「そんなのできないわよ…」
酔っ払ってても無理か、そこまでは。
「動かして欲しい?」
躊躇って頷く。
ぐいぐいと突くようにしたり、捩るようにしたり。
高まってきたようで俺を掴む力が強くなる。
ぐっと一瞬声が止みしがみつく腕にいっそう力が入る。
そして脱力。
なのに俺は休ませず、動かす。
「やだ、だめ、もうだめ」
といいつつ気持ちよいらしくしがみついたままだ。
2回目は早い。がくがくしている。
「もう一度」
慌てて立ち上がって逃れようとするが足に力が入らないらしく、
半分くらい抜いたところで俺の引く手に捕まり、腰が落ちて奥を突いたようだ。
それだけで逝けた様で動けなくなっている。
あまりに可愛くてそのまま落ち着くまで待ってあげることにした。
息が整ったのを見計らってキスをする。
一旦抜いてベッドに連れて行った。
自分が下になり、上に寝かせて入れる。
「これが茶臼のばしです。何なら今日は四十八手すべてしましょうか」
「四十八手って?」
そうだった、疎いんだった。
「体位ですよ、48通りの体位。先ほどのは唐草茶臼っていいます。
 つまりいろんな体位をしましょうか、と。後ろからとか、立ったままとか」
「そ、そんなのいやよ」
少し腰を突き上げると喘ぎ声。
「どうして? どれが気持ちいいのかわかりますよ。
 ふふ、後ろからが良いのかもしれませんしね」
くいくいと腰を突き上げつついじめればよく喘ぐ。
この体位は確か締まるからブツがしっかり擦れる感じがするとか聞いた覚えが有る。
「ほら、あなたも腰が動いてる。気づいてる?」
「だって…」
喘ぎつつ言い訳しようとする。
かわいいなぁ、つい唇をむさぼって。
逝かせた後、抜けばたっぷりと汚れていて先生は大変恥ずかしそうだ。
「舐めて」
といえば真っ赤になって嫌がる。
酔いはすっかりさめてしまったらしい(笑)
あんまりにも恥ずかしげで可愛くなって解放してあげた。
ペニバンを外すとそれがあった部分が赤くなっていて、
やはり何かクッション入れたほうがいいのかな?と思いつつ後始末をする。
ディルドを外し、洗って片付けた。
戻ると先生はすっかりくたびれてうとうとしている。
横に寝転べば手が伸びて抱きつかれ、そのまま寝息が聞こえ出す。
もう一戦したかったのだが…。
そのまま先生の肌に触れて感触を楽しんでいるうち、少し寝てしまったようだ。
いい匂いがして目がさめた。
隣に先生がいないところを見ると何か作ってくれているのかな。
起きて台所に顔を出すとやっぱり料理している。
「何、作ってるんです?」
「あら、起きたの。久さん、ハンバーグ好きでしょ?」
「よくそんな面倒くさいもん作りますね…」
「主婦だもの」
「それでも最近の主婦は買ってきて済ませちゃうものでしょうに」
「だって久さん、コンビニのは胃もたれするって言ってたじゃないの」
「ああ、そういえばいいました。嬉しいな、覚えててくれたんだ?ありがとう」
キスしたら叱られた。
「料理の最中はダメ、って言ったでしょ」
はーい、と受けてスープを出そうと冷蔵庫を見る。
期限期限、よし。
「先生、カボチャかコーンかグリーンピースかどれがいいです?スープ」
「ポタージュ? んーそうねえ、カボチャいただこうかしらね」
湯煎してハンバーグの用意が出来るまで待ち、配膳前に振り混ぜてカップに入れる。
しかしスープカップは一つしかないため、俺は味噌汁碗だ。
「あらあら、今度一緒に買いに行きましょ」
夫婦茶碗ならぬスープカップか(笑)
ハンバーグを一口いただいて美味しさに嬉しくなる。
やっぱり手作りいいなー。
しかし3つめを食べる頃気づいた。
「先生、茗荷。入れたでしょ…」
「あら今頃気づいたの? うふふ、食べられるじゃないの~」
きゃらきゃら笑っている。
まぁ、そのまま出さないところに愛を感じるがっ。
こぅたまーに嫌いなものを混ぜ込んでくるんだよな。
この間はツナになって出てきたな、マグロ。
なんだかんだ美味しくすべていただいて、満腹満腹。
先生がお茶を入れて飲んでる間に洗い物をして、俺にも一杯いただく。
ゆったりとしていい気分だ。
これで明日仕事じゃなければなぁ。
そう思いつつ、ハンドクリームで先生の手を揉みこむ。
「シャワー浴びたんですね」
「汗かいてたもの」
「また汗かくのに?」
「後で汗かくからって汚れたままでは出られないわよ」
「そういうところ、清潔でいいですね。あんなに乱れてたのに」
「それとこれとは別よ」
ひょいっと肘をつかんで引き寄せる。
「そういうところ、俺、好きだな」
耳元で言えば身体を預けてきた。
「本当言やぁこのままあなたと逃げたいくらいにね。好きだよ、絹」
「ばかね、そんなことしなくたって。お母さんだって認めてくれてるじゃないの」
「堂々と外を手を繋いで歩いたり、外でキスしたりしたい」
「…それ、夫でもいやよ。恥ずかしいじゃないの」
「あ。そうか、あなたはそうだよな、はは、そうだ」
「そういうの、したいなら他の人じゃないと無理よ?」
「他の人じゃやりたくないな、何も嬉しくない」
「私も、あんなこと…出来るのあなたとだけだわ…」
「誰とでも出来る、なんていわれたら泣きます」
「夫としてたわよ?」
「いやそれは当然でしょ、してなかったら律君いませんし」
「それはいいの?」
「旦那さんは仕方ないです。だけど他の人だと嫌ですよ」
今の孝弘さんとしてるといわれたら嫌だけどさ。
くすくす笑いながら俺の頬を撫でて、キスしてきた。
びくっとする。胸を揉まれた。
まぁこれくらいは。
太腿を触ったり、お腹を触ったり。
もしかして。したいのかな…これは。
と思っていればやはりそうだったらしく。
触れてきたが着物を着ている上に先生が膝に乗ってるからうまく出来ないようだ。
させてやるべきか、諦めさせるべきか。
さっき無茶をしたからトレードオフ、ってことかなぁ。
仕方ない。一旦手を離させて脱ぐ。
おいで、とベッドに誘って先ほどと同じ、先生を上に寝転ぶ。
「俺を抱きたいの?」
と聞けば頷く。
「いいよ」
そういうと嬉しそうにキスしてきた。
俺がいつもやることを思い出せる限り手を動かし、乳首を舐めて。
ぎこちないのは慣れてないからだろう。
そろりそろりと先生の指が翳りに分け入る。
一応少しは濡れているから指の一本や二本、痛くはないけれど。
中を探られるのは違和感だ。
それでも好きな人に触れている自体で身体は高まっているのでそう時間はかからない。
「あれ、私も久さんに入れてみたいわ」
「あなた俺いじめて楽しいですか?」
「ちょっと楽しいかも」
「ダメですよ、そんなことしたら。アレをこっちで味わいたいですか?」
とお尻の穴をつつく。
きゃっと声を上げて俺の中から指が引き抜かれた。
「あんなの入らないわよ…指でも辛かったのよ?」
「大丈夫、切れないように入れて差し上げます」
ニヤッと笑うとむっとして、汚れた指を口に押し込まれた。
先生の眼を見ながら綺麗に舐め取る。
手を外してそのままキス。
「俺の、舐めちゃいましたね、これで」
くすっと笑って反転、今度は俺が抱く番だ。
2,3回と逝かせて寝かしつけた。
翌朝、良く寝ている唇にキスをして出勤する。
仕事を終えて帰宅するとお昼ご飯の良い匂いが漂う。
うーん、いいなぁ、家に好きな人が俺を待っていて美味しいお昼ご飯が有る。
世の中の夫婦はいつもこうなんだろう。
ただいま、というとお帰りなさい、と返ってくる。
ご飯できてるわよ、と言われて食卓についてお昼をいただく。
「じゃ、今日は帰るから」
「もうちょっとうちにいませんか?」
「帰らさないつもりでしょ? 駄目よ」
「仕方ないな、お送りします」
「お昼間なんだから一人で帰れるわよ?」
「ちょっとでも一緒にいたい、と思ったんですが」
「あら。可愛いこと言うわねえ。じゃ送ってもらおうかしら」
「車か電車どちらがいいですか?」
「だったら電車の方がいいわね、車だと手をつなげないでしょ?」
「よくおわかりで」
くすくす笑って私の支度ができるのを待ち、一緒に家を出る。
駅まで行って電車に乗り、なんでもないような話をしつつ。
空いてる車内、先生と手を繋いでゆっくりと。
駅についておうちまで。
玄関先で別れようとすればお茶飲んでいきなさい、と仰る。
八重子先生にお茶を入れていただいた。
昨日はハンバーグを作ってもらった、茗荷が入っていたなどと話して笑われたり、
来月京都に行く用が有るが先生を誘っていいかなどと聞いたり。
少し話してから帰ることに。
誰もいない家に帰るのってさびしいなぁ。
かといってずっと、と言うわけに行かないから仕方ない。
結構に欲深だな、俺。
まぁひと晩寝ればまた明日は稽古、会える。
そう思って晩飯を買ってから家に戻った。
洗濯物を取り入れて畳む。
乾燥機有るんだから乾燥までしたらいい、と言ってあるのに必ず外で干すのは何故だ。
先生の湯文字や浴衣も畳んで引き出しに片付けてから風呂に入る。
ついでに風呂洗おうと思っていたのだがすでに先生によって洗われた後だったようだ。
出てきて一服し、飯を食って寝た。

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h15

明日は初釜か。
先生たちの行かれる家元初釜は17日あたりだろうか。
煙草が吸いたくなって、煙草を置いてきたことを思い出す。
とりあえず夕飯の用意をするか。
…何食おう。
コンビニ行くか。
近くのコンビニでから揚げ弁当を買ってついでにバージニアの小さい箱を買う。
1本か2本しかどうせ吸わないからこれがいい。
水色の箱。
帰宅して、吸いつつ食う。
あー、たしかに女が好きそう。この煙草。
明日会社においてこよう。誰か吸ってくれるに違いない。うん。好かん。
眠くなったので寝てしまえ。
翌朝、出勤。
社員もお客もまったく仕事をする気と言うものもなく。
ただ初釜に噛んでいる料理屋のみ忙しそうにしている。
普段どおりに仕事を終えて、シャワーを浴びる。
着替えて先生のお宅へ。
到着。
荷物を置き直接水屋に入る。
先生の指示に従い動き、席入りの用意を手伝った。
朝の水屋の方々は凄く大変だろうといつも思う。
ベテランの方が多く、教えていただくことが沢山ある。
水屋見舞いに、と持ってきた鉄火巻を置いておく。
これはいつの間にか毎年消えてしまう。
誰が食べてるかは知らない。
しばらくして濃茶の点て出しをするが、私は茶碗に抹茶を仕込む係り。
4人分ずつ、掬い入れ隣の方がお湯を入れ、各人練る。
その間に後炭の用意を整え、先生、平田さんと確認する。
飲み終わられたお茶碗を回収し、後炭。
水屋ではお干菓子や薄茶の用意に取り掛かる。
今年のお干菓子も可愛らしくほほえましい。
干菓子が回される間に茶碗に薄茶の分量を点々と仕込む。
濃茶と違ってこれは人数分茶碗があるが、うち数碗はお点前される方が点てられる。
お薄を立てて、順次出して、返ってくる茶碗を洗って拭いて洗って拭いて。
あ、誰だ油性の口紅。
後回しね、これ。
拝見がそろそろ終りそうだ。
先生のご挨拶があり、生徒さんが帰って行かれた。
水屋に先生方が戻ってこられて。
「お疲れ様でしたね、みなさんこちらへ」
と水屋のものを茶室に。
先生から濃茶を一服点てていただいた。
美味しいなぁ。
その後、先生からのお礼とお干菓子を頂き散会。
私は居残って後始末を手伝う。
「山沢さん。お薄点ててくれないー?」
「いいですよ、八重子先生はどうです?」
「ああ、私も貰おうかね」
水屋で炉から下ろして来た釜からお湯を取って点てる。
自分の分もで3つ。
「あぁおいしいわねぇ」
お釜のお湯を抜いて、炉にかけて乾かし、その間に茶碗を濯ぐ。
先生にこの口紅べったりはどうするかと聞けばリムーバーで落としているとのこと。
いつもこうだからこの方のはそういう扱いをするお茶碗らしい。
ふき取って普通にスポンジで中性洗剤で洗ってよい茶碗だそうだ。
なるほど、ちゃんと読んでるんだ。
茶室も片付けて茶碗も仕舞い、居間で落ち着く。
先生もすっかりお疲れだ。
余った花びら餅をいただいているうち、肩に重みが。
昨日は寝られなかったのかな。
八重子先生もうとうとしている。
「お二人とも、着替えて寝てこられたらどうです?晩飯は適当に俺やりますよ?」
はたと起きられて、そうする、と着物を脱いで。
「着物、衣桁にかけときますからもうそのままでどうぞ」
といえば二人ともに寝巻きに着替えて部屋へ戻られた。
着物や帯を掛けて紐類を片付けていると、来客。
玄関に行くと環さん。
「あら、山沢さん?お母さんは?」
「疲れて寝ておいでですよ」
「じゃあ絹」
「同じく寝ておいでです」
「お客さんほっといて…?」
「ははは、どうぞ」
居間にお通ししてお茶を出す。
まだちょっと残っているので片付けていると、胡乱な視線。
玄関のほうからただいまーと律君の声。
「あれ?おばさんきてたの?」
「今来たのよ。なんであの二人はお客さんほっといて寝てるの?」
「ああ、山沢さん?」
「こんばんは、律君。お疲れでね」
「二人とも昨日あまり寝れなかったって朝言ってたからそれでじゃないの?」
「だからってお客様ほっといて」
「山沢さんはいつもこんなカンジだよ、ご飯作ってくれたり」
「まぁまぁ、好きでやってるので気になさらず」
「で、おばあちゃんに何か用だったの?」
「そうだけど…二人とも今寝たところなの?」
「ええ、つい先ほど。お言付があるなら承りますが」
「…税金のことだから他人様に言付けするのもね。かといって律じゃわからないでしょ」
「あ~…それはたしかに」
「いいわ、日を改めるから」
「食事どうされます?今から作ろうと思ってますが」
「開の分作らなきゃいけないから帰るわよ」
「そうですか、お気をつけて」
送り出して、台所へ行く前に聞かねば。
「律君は食べるね? お父さんはどうか聞いてきてくれないかな」
「あ、はい」
さてと何作るべきか。
とりあえず鍋に昆布入れておこう。
棚の上で使われず袋に入ったままになっていた昆布だ。
先日使ったけどどうも10年は放置されてたらしい。
冷蔵庫と冷凍庫を確認。あ、味噌漬けが底の方にたまってた。
メインこいつだな、決定。
大根がある。風呂吹きにしてしまうか。
あ、エリンギがあるじゃないか。
ピーマンもある。
炒めてしまえ。
味噌汁味噌汁何の具材にしよう。
生麩は不評だったな。
あ、こないだのサトイモ残ってた。
こいつで作ろう。
「山沢さん、父も食べるといってます」
「ああ、律君。ありがとう。エリンギとかピーマンとかサトイモは嫌いかな?」
「いや嫌いじゃないです」
「はい、じゃ出来たら呼ぶから。そのときに先生方起きてるか見てきてくれるかな」
「あ、はい」
まずは冷蔵庫に赤味噌は…なし、ゆずもなし。ゴマはある。
ただのみそ餡とごまみそにするか。
米をかさねば。
とぎ汁で大根を炊くから。
7合をといで、炊飯器にセットする。
そして大根を輪切りにして皮をむいて面取り。
とぎ汁で強火にしてふつふつとしてきた頃、弱火にして放置。
その間にゴマ味噌を作る。
サトイモも湯がいて皮をとっておいた。
炒め物の準備をしておくだけして、味噌漬けを焼く。
弱火の遠火さえ守ればいいんだ。
大根がほぼ煮えたようなので火を止めて大根をさっと濯ぎ、
昆布を入れてた鍋に並べる。隙間にサトイモ。
弱火で30分くらいでいいだろう。
あ、白味噌がまだ有ったな。あれでも味噌餡作っておこう。
やはりてきぱきとは言い難く、試行錯誤しつつ晩御飯をこしらえた。
鍋から大根だけ取り出し、残るサトイモのところに味噌をとくと味噌汁になる。
火を止めていったん放置してご飯が炊けるのを待つ。
炊けたら炒め物して味噌汁を温めようか。
「山沢さん…?」
「あ、先生。起きたんですか?」
「うん。ご飯作ってるの?」
「丁度良かった、味噌汁、味見ていただけます?」
おてしょうに取って渡すともう少しお味噌を落とすようにと言われた。
少し足してOKが出る。
炒め物をお皿に盛り付けている間に律君を先生が呼び、
そのまま先生は八重子先生、律君は孝弘さんを呼びに行った。
配膳をしていると律君、孝弘さんが食卓についたが先生はひとりで戻ってきた。
「おばあちゃんもうちょっと寝てたいって言うのよ」
「あー、はい」
八重子先生の分を別皿にして冷蔵庫に仕舞うことにした。
ごはんをよそっていただいて、いただきます。
うん、ま、俺がつくるにしては薄味だ。
恐る恐る先生の様子を伺えば、まずくはないような様子。
律君は首を捻っている。
味噌汁を飲んだときに変な顔をした。
おかしかったかな、と一口飲む。普通だよな。
「味噌汁が甘い…」
「あ。そうかっ」
「白味噌入れたでしょ、山沢さん」
「入れました、つい癖で」
「お味噌汁も白味噌なの!?」
「いや、ほんのちょっと入れると美味しいからうちでは大抵入れてるんだよね」
「おかわり」
「はい」
孝弘さんは気にすることなく食べている。
「もしかしてこの大根のタレも白味噌とか?」
「そう、こっちが赤味噌、これがゴマ味噌、その白いのは白味噌」
「あ、結構美味しい」
「あらほんと」
律君が食べ終わって、自分でお茶を入れて飲んでいると八重子先生が起き出して来た。
冷蔵庫に入れてた分を温めなおし、味噌汁も温めて出す。
「あれ?お味噌汁が甘いねえ」
「山沢さんが白味噌入れたんですって」
「へえ、結構美味しいもんだね」
大根を食べて、うちの味じゃないなど聞いて。
結局なんだかんだすべてはけて洗いに立つ。
フライパンから鍋から何もかも纏めて洗って片付けて居間に戻る。
先生にお茶を入れて貰って、落ち着く。
ぬるめのお茶。
猫舌だから。
「山沢さんにはもうちょっと料理は教えなきゃだめだねぇ」
「ははは、お願いします」
「結構美味しかったじゃないの」
「うちの味じゃないからね」
「そりゃそうよ、まだ半年も一緒に作ってないのに」
「何かずっと前からいた気がしてたよ、まだ半年もたたないんだねえ」
遠慮がないからかなぁ…。
「さて、先に横にならせて貰うよ」
「もう寝るの?さっき起きたところじゃない」
「年々疲れるね、初釜は」
「そう?おやみなさい」
「おやすみなさい、八重子先生」
「おやすみ。あんたらも早く寝なさいよ」
八重子先生が居間から出て行って、絹先生と二人。
「…戸締りしてきます」
「あ…」
「なんです?」
「ん。私、火の始末見てくるからお願いね」
「はい」
玄関の戸締りや庭側の雨戸のしまりを確かめ、勝手口へ。
先生が炭火が消えているか確かめている。
横にかがみこみ、唇を奪った。
「だめ…」
押し戻される。
むっとしていると、ここじゃだめと言われた。
「律が来たら困るから…ね、お願い。手を離して頂戴」
ふぅ、と息をつき手を離して戸締りを確かめ、
火の始末をした先生を寝間に連れて行く。
布団を敷いてもらう間に寝巻きに着替えた。
腕を取りぐいっと引き寄せる。
「えっ? ど、どうしたの?」
むさぼるようにキスをする。
荒々しく乳をつかみ、揉んだ。
押し返される。
構わず弄ると頬に濡れた感触。
泣いたのか。
唇を外すとどうして、と聞かれる。
「嫌がったから」
と答えて黙っていると呆れ顔になった。
「本っ当に子供ね」
そう言われてぶすくれていると先生が寝巻きを脱ぎ捨てた。
「こっち来なさい」
布団の中にいざなわれる。
「落ち着いて。優しくできるでしょ? 焦らなくてもここにいるんだから」
髪をなでられて先生に抱かれるように先生を抱く。
気持ち良さそうな、幸せそうな顔を見て癒され、自分も気持ちよくなる。
まだ少し機嫌が良くないのをわかって居るのか先生から私を触れるのは控えめだ。
優しくしているのにも焦れて、荒くしそうになると封じるかのように噛まれる。
じっと見つめれば震えて怖がる。
組み敷くのをやめて、先生が上になるように体を入れ替えた。
今日はもう抱きたくない、そういう気になったからだ。
「もう寝たらいい。俺も寝ます」
先生は恐々としつつ、もっとしたいんじゃないの?と聞いてくる。
泣きたいですか、と問えば首を振る。
「じゃ寝なさい」
俺が一緒だと落ち着かないようなので布団に残し、部屋を出る。
中庭に下りて裏木戸をくぐり雑木林の中へ。
ここは絶対この家の人は来ないから。
暫くぼんやりしてると体が冷えてきた。
もうちょっとこうしていたいが仕方ない。
縁側に上がり雨戸を閉める。
うー、さぶい。
寝間に入ると先生に引き寄せられた。
「こんなに冷えて…」
「先に寝てたら良かったのに」
「お風呂、入りましょ」
「は?」
「さっきお湯張ったから一緒に、ね?」
手を引かれて風呂場へ。
「え、いや、なんで突然?」
「だって庭に出た気配がしたから。御風呂入らなきゃ風邪引いちゃうわよ?」
そこでそういう発想になるのが先生らしいというかなんと言うか。
脱衣所で寝巻きを脱いで風呂場に入る。温かい。
掛り湯をすると体が冷えていたことが実感できる。
先生が浴槽をまたいだときに白いものが見えた。
むっ、まだあったのか、白髪。今度切ってやろう…。
そう思いつつ、一緒に浴槽に入る。
ううーっ。気持ちいい。
思わずうなり声が漏れた。
先生がくすくす笑って、俺の頬をなでる。
されるがままに触れられていると私の肩に頭を乗せてきた。
胸を撫でられる。
渋い顔をしたのに気づいたようで、胸から私の腕へと撫でる場所を変えた。
暫くしてその手が止まり、首に生暖かい感触。
なんだ!と思えば寝ていた。
撫でる側が先に寝るとか、しかも風呂で。
体もそれなりに温まったので先生を起こして浴槽から出る。
先生の体を拭いて自分を拭いて、寝巻きを着せて自分も着る。
抱き上げて寝間に連れて行き布団に降ろした。
布団をかぶせれば5秒ももたずに寝息が聞こえる。
さて。
眺めていると落ち込んできた。
二階、確か布団あったな。
そっと部屋を出て二階に上がる。階下の温気でほのかに温かい。
布団を敷いて寝た。
朝の冷気で目が覚める。
時計を見ればそろそろ起きる時間だ。
寝間に戻る。まだ先生は寝ていた。
起こさぬよう着替えて台所へ。
とりあえず米だ。炊こう。
炊き始めた頃八重子先生が起きてきた。
シャケを焼いて味噌汁と納豆を出すことに決まって焼く。
すべて整い、皆を起こす。配膳して朝食をいただいた。
先生はまだおきてこられない。
少し迷ったが、用事が有ると言い、帰ることにした。
帰宅してすぐに布団に入る。
明日お稽古がなくて幸いだ。
来週までにはなんとか持ち直せるだろうけれど。
突撃が怖い…いや、まさか家元初釜の時期に突撃はないだろう、うん。
携帯が鳴る。取りたくない。暫く鳴って留守電に変わる。
やはり先生からだ。気がついたら電話して頂戴、と。
気がつかなかった。気がつかなかったよ。気がつくのはきっと日曜さ。
布団を引き被って寝る。
メール。先生から。
同じ文言。気がつかない。知らない。知らない。知らない。
携帯を寝室から投げ捨てて寝た。
むくり、と夜に起きる。
トイレへ行って気づいた。
なんだ、いらいらしたり落ち込む理由わかったぞ。
時計を見れば9時か、まだ電話していい時間だ。
携帯を拾い上げる。
あの後電話やメールはなかったようだ。
掛けると2コールで先生が出た。
「昨日はお疲れ様、あのね、明後日なんだけど…」
どうやら家元初釜はこちらの近くなのでうちで着替えてもいいかと言うことだ。
なるほど、うちから30分と言うところだが。
「八重子先生とお二人ですよね。もしかしたら俺、家にいないかもしれませんが。
 鍵、お持ちでしたよね?」
「持ってるわ」
「じゃ俺がいなければそれで開けて和室使ってください」
「ありがとう。そうそう、今日環姉さんが来てね、怒られちゃったわよ」
「何をですか?」
「お客様居るのに二人とも寝てるとかご飯作らせるとかどうなってるのって」
「環さんから見たらそうもなりますよね」
「山沢さんのことつい身内のように扱ってしまうのよねぇ」
「まぁ一緒に居る時間結構長いですしね」
「昨日はご飯作ってくれてありがとう、って言ってなかったわね。ごめんね」
「いつも作っていただいてるんだから構いませんよ」
「ねえ…土曜日泊まっていいかしら」
「抱かれたいんですか」
「すぐにそういうこと言わないの」
「俺はあなたを沢山抱きたいと思ってますよ」
「…ばか」
「じゃ、明後日。会えるといいな、あなたの綺麗な姿を見たい」
くすくすと笑い声がする。
「お部屋、お借りするわね。よろしく」
「はい、では」
「ええ、またね」
電話が終って、空腹に気づく。
あ、昼食ってない。
コンビニへ行って弁当を買って戻る。
食って、テレビを見て、暫くして寝直した。
翌日、翌々日とぐったりしつつ仕事をし、家に戻ればすでに先生方が着替えていた。
「あら、お帰りなさい。お邪魔してます」
「こんにちは、山沢さん、お邪魔してるよ」
「ああ、もう来られてたんですか、こんにちは」
手を洗って着替えて和室を覗くとほぼ着付けを終られている。
うん、綺麗だ。
「どう?」
「綺麗です」
「さて、そろそろ行こうかねえ」
「タクシー呼びましょうか?」
「あ、呼んでくれるかい?」
電話を掛けて呼ぶ、到着予定時間を告げ、必ず間に合わせるようにと。
5分と経たずに来た。
「じゃ、行ってきます」
「お気をつけて」
さて。ちょっと寝よう。
外出する気は失せ、2時間ほど寝てお昼を食べた。
ゆっくりしていると電話。
お茶しない?と言うことで外出することに。
ええと、先生の格好に合いそうな着物…これか。
いそいそと出て待ち合わせ場所に行く。
少し待つと先生方。
「この子、うちの弟子で山沢というのよ、よろしくしてやって」
「あ、山沢です、よろしくお願いします」
「こちら準教授の畠中さんと山下さん」
「よろしくねー」
「あなたはお初釜行かないの?」
「はい。まだ早いかと思いまして」
「あら早くないわよー、引次いただいてるっていうじゃないの」
「来年は応募しなさいよー」
「先日欠席者の身代わりにされそうになりましたけどお断りしました」
「あら勿体無い」
「流石に京都の二日目の朝のお席に加わるのは怖かったものですから」
「…それは確かに怖いわね、直門かベテランの先生方ばかりよね」
「あとは大企業の社長や奥様ですし」
「行きたくないわね、それ」
「むしろ何も心得がないほうがいけそうです」
「そうよね」
なんて話をしつつお茶をしてケーキを食べて散会、先生方と帰宅した。
着物を脱ぐとシャワー借りていいかしら?と言うので貸した。
先日置いて行かれた湯文字を出す。
八重子先生は普段着に着替えて絹先生の着物も片付けている。
「あー、気持ちよかった」
と湯文字だけつけて和室に先生が戻ってきた。
「これ、絹、あんたそんな格好で」
「いいじゃない、女ばかりなんだし」
と手渡した浴衣を羽織る。
「疲れちゃったわー」
「緊張するからねえ仕方ないけど」
「山沢さん、お水ー」
「はいはい。八重子先生は要りますか?」
「私はいいよ」
先生にお水を渡すと一気に飲んだ。
いい飲みっぷり。って酒じゃないな。
少し落ち着いた後、ササッと普段の着物に着替えられた。
「お母さん、そろそろ帰りましょうか」
「そうね、お邪魔したわね」
「じゃ、またね」
「はい、お気をつけてお帰りくださいね」
先生方を見送って、ふうっと一息。
さてさて、結構に俺も疲れたぞ。
女の人たちと喋るのって疲れるな、しかも弟子の立場では。
何か腹に入れて寝よう。
…やはりコンビニへ買いに行って食って寝た。
普段の金曜日が終って、土曜日。
仕事を終えて帰ると、先生がいた。
いや来るとは言ってたけど朝からかっ。
お昼ご飯を作ってくれていた。
洗濯物、昨日のうちにしておいてよかった。
着替えて席に着くとお茶碗にご飯をよそってくれる。
ご飯をいただいてお茶を飲んで落ち着いてしまってつい床に転がった。
先生が笑ってる。
手招くと横に添ってくれた。
ゆっくりと頬を撫でたり、首をくすぐったり。
唇をなぞると軽くキスされた。
そのまま帯締めを解き、帯揚げと枕を外して帯を解く。
「するなら、脱ぐから待って…」
というので一旦手を離して先生を起こした。
「脱がしたいな…」
そういって身八つ口から中をまさぐる。
「んっ。だめ、自分で脱ぐから」
そういって胸を揉まれつつ、紐を外していく。
「これもエロくていいな…ほら、鏡、見て。見えるでしょう?」
「や、だ、見ない、意地悪言わないで」
「おとといは風呂上りに湯文字一枚が平気だったくせに」
「あれとこれとは…」
「違う?」
と耳を齧る。
びくんっとして、手が止まる。
「ほら、自分で脱がないなら脱がせちゃいますよ」
そういって剥ぎ取る。
湯文字一枚の白い肌に俺の無骨な指が這い回る。
くにくにと乳首をつまみ、捏ねるとかすかに喘ぎ声。
「もっと声上げていいんですよ? 誰にもはばかることはない」
もじ、と太腿をすり合わせている。
「それとも刺激が足りない?」
そう言って尻を弄る。
きゅっと尻が締まって、いい弾力だ。
「あの、ベッド、連れて行って」
「まだ大丈夫でしょ? まだ肝心なところは触ってないし」
「…意地悪」
「酷くて意地悪なのは知ってるでしょう?」
「知ってるわ」
「今日は優しくなんてしてあげないよ? いつもなら怖ければ帰れというけれど。
 …今日は帰さない」
身が縮まる。
「優しくしなさい、なんて言わないように」
「言ったら、…どうなるの?」
「お仕置きかな。されたいなら言ってもいいですよ」
「お願いするのは、いいの?」
「構いませんよ、でも優しくするかどうかは別ですけどね」
湯文字の上から太腿をなぞって、太腿とのあわいのラインをくすぐる。
ビクビクと触れるたびに体が反応する。
「お願い、ベッドに」
確かに段々と体重が俺に乗ってきて、足に力が入らなさそうだ。
「あなたが逝ったらね」
湯文字を割って、太腿に触れる。
しっとりと汗ばんでいて熱い。
「湯文字、脱いで」
ここまで来ても最後の一枚、脱ぐのは恥ずかしそうだ。
取り去れば私の手が太腿の間に挟まれているのが目視できる。
「足を開きなさい」
じりじりと少しずつ開いていく。
「よく出来ました。ご褒美に気持ちよくしてあげます」
濡らした指で突起を擦り、まずはかるく逝かせる。
大きい声を出させて、足の震えが治まってからゆっくりと中を刺激する。
一度大きい声を出したから、喘ぎ声がしっかり出ている。
鏡が見えて、中に指が入って、出るのがよく見えて。
すっげーエロい。
先生は泣きそうな顔をして鏡越しに俺を見てる。
本気で足に力が入らなくなってきたらしく、足が震えている。
もうだめ、と呟いて崩れそうになるが俺の指で支える形になって、
奥を強く突いた形になった。
流石にその状態ではいられないので抱えあげてベッドに降ろすと涙目。
「痛かった?」
首を横に振る。
「あの格好が恥ずかしかったのかな?」
縦に振る。
「なのに、気持ちよかったんでしょ」
「言わないで」
「だめ、これからが本番だ。恥ずかしいからいや、なんていえない位してあげますよ」
「そんな…」
「気持ちよくなりたくて、来たんでしょ?」
「そんなこと…」
「性欲が有るのって悪いことなのかな。あって当然でしょう?」
突起を扱く。
「もっと気持ちいいなら気持ちいいと言ったらいい」
「いや…」
「あんまり素直にならないとどうなるかわかってますか?」
「え?」
「このままの格好で外歩かせたり、お尻の穴にバイブ突っ込んで四つんばいで歩け」
「それだけは勘弁してっ」
「なんていいますよ」
真っ青になってる。というか乾いてきた。
露出もいやか。そりゃそうか。
「もっと俺に身を任せてくれる気はないのかな? 痛いことはしてないでしょう?」
「だって恥ずかしくて…」
「恥ずかしいからってそう嫌がってばかりいないで下さいよ。それとも。
 俺を受け入れる気はないんですか?」
「そういうわけじゃないの。そうじゃなくて、その、あの……怖いの」
「怖い?」
「気持ちいいって言うのが怖いの…。
 夫もいるのにとか、そういう色々と越えちゃいけない線を越えるような」
「…何を今更なことを。そんな線とっくに越えてるじゃないですか」
「とっくにって…」
「あなた暫く家族だけでいたからそういう気分になったんでしょう。
 また動けなくなるまでしてあげましょう。
 そんな線、疾うに越えてるくらい思い出すんじゃないですか」
「そうなのかしら…?」
「新潟まで追いかけてきたり、抱いてってうちに来たこと忘れてませんよね?」
「あら…? そうね、そうだったわね」
まさか本当に忘れてたのか?
ったく。
ぽふっと先生の胸に顔を埋める。
「あんまり俺のすること、いやって言わんで下さい。他の人としなきゃいけなくなる」
「ごめんなさい、他の人となんてしないで…」
暫く無言で先生の体を撫でて、あちらこちらと触る。
ハァ、と先生の吐息が漏れ、肌が紅潮する。
「お願い、触って?」
と私の手を掴み先生の股間へ持っていく。
「言えるじゃないか」
先ほど乾いてしまっていたそこは沢山の蜜で溢れている。
中を弄る。
声が出て私にしがみついた。
「ほら、気持ち良いならいいといって」
「……い」
「い?」
「ごめんなさい、やっぱり言えない」
まぁ、今すぐは無理か。
「言える様になって」
「…努力するけど」
「今すぐとは言わないから。気持ち良いなら嫌がらないで?」
こくり、とうなづいた。
カリ、と乳首を引っかけば中が締まる。
少し落ち着いたため、ゆっくりとできるだけ普通に抱いた。
ちゃんと俺を求めてるのに、なぜそのことを認めたがらないんだろうな。
女心とはそういうものなのだろうか。
先生を上に乗せて寝転がる。
キスしてきた。
いたた、丁度胸に肘が。体重が乗って痛い。
ずらさせると胸が張ってるのに気づかれてしまった。
「あら?」
胸を揉まれる。
「触らない」
「え?マッサージした方が痛くなくなるわよ?」
「いや、でも」
「お乳が詰まらないようにってよく自分でしてたわよ。だから任せて」
「あー…乳腺マッサージ? あれ生理の胸の張りにも有効なんですか?」
「そうよ。あなたも覚えたら良いわよー」
乳房や脇などを触られる。
「くすぐったい、ってそこ痛いっ」
「痛いけどここはしっかりやっとくほうがいいのよ」
「ちょ!」
乳首を摘むな!何をするんだ!
「乳腺マッサージって言ってるでしょ。暴れないで」
「ん、ほんとにこんな」
「あなたはお乳が詰まってないから良いけど、詰まってたらすっごく痛いのよ。
 千切れるくらい強くつままれるのよ。搾り出すんですって」
「それは痛そうな…」
「痛いわよー。ほら、触ってみて、そんなに今硬くないでしょ」
と、自分の胸を触らされた。おや確かにさっきまでとは違う。
なにか柔らかい。
「で、いつまで乳首触ってるんですか」
「感じる?」
「ええ。だけどそこまでにしなさい」
「だめ?」
「だめ。乳腺マッサージと違うほうに目的が行ってる様だから駄目。
 ほら、手。離して」
「つまんないわ」
「俺を触るより気持ちイイことしてあげますから」
「あ、待って。お手洗い行きたいわ」
「はいはい。行ってらっしゃい」
トイレに行ったので起きて手を洗い、居間で脱ぎ散らかした着物を片付ける。
ふと思い立ち、納戸からペニバンを取った。
ブツは一番柔らかく小さいものを。エラストマーでぷにぷにだ。
一応コンドームとローションをつけ、ベッドに戻る。
「着物、片付けてくれたのね…っそれ」
「後半戦はこういうことで♪」
「…い」
「いやと言ったらだめって言いませんでしたかねー」
うっと声を詰まらせる。
キス。ディープキス。
腰のものが有る以外は普通に愛撫して行く。
指で中をほぐすようにして…ちゃんと濡れているか確かめたら挿入。
先っぽだけを入り口で暫く小刻みに。
先生が目をつぶり耐えているような顔をしている。
「こっち。見て」
目をあけた瞬間にすべてを入れる。
ああっと声がして先生は目を見開く。
暫く動かさず、キスをして、キスをして、キスをする。
ゆっくりと少し動かす。
中に意識が集中してしまうようで紛らわすように私にキスをしてくる。
「痛くないですか?」
「大丈夫…」
少しずつ少しずつ動かす量や早さを増して行くと喘ぎ声が少しでてきた。
足が俺の足に絡まる。
ちゃんと気持ちよくなってきて居るようだ。
腰の動きを早めたり、練るように動かせば声が大きくなったり、荒い息になったり。
「もうだめ、だめっ」
そう言ってどうやら逝った様だ。
け、結構疲れるな、これ。
息が切れたのでゆっくり動かしながら先生の首に頭を埋める。
「動かしたらまたよくなっちゃうわ…」
「痛くならないんだったらそれも良いんじゃないの?」
俺の腰が大丈夫な限りは何回でもできるぞ。
今度は乳首を弄りながら抽送する。
「慣れたらもうちょっと大きいのにしましょうね…物足りないでしょう?」
いまのは女の指2本程度だからなあ。
もう少し大きくしても俺の指3本よりは細い。
って聞こえてないな。
肩に先生の片足を担ぎ抽送していると、
「いや、こんな格好…」
と身をよじろうとする。
「両足担いだほうが良い?」
首を横に振る。目が潤んで可愛い。
「足下ろさせて、お願い」
ふっと笑って下ろして唇にキスを落とす。
「孝弘さんとはいつもこの体位だけだったんですか?」
こくり、とうなづく。
…ノーマルすぎるやろ、おい。
「じゃ、もっと色々教えてあげますよ」
頬を染めている。
「可愛いな。なんでそんなに可愛いんですか、あなた」
思わず勢いつけて腰を動かしてしまって、先生が喘ぐ。
それに煽られて激しくなってしまった。
先生は相変わらず感度良好ですぐに逝ってしまう。
痙攣が治まったところでぬるりと抜いてみればたっぷりと白いものがついている。
ハーハー、と先生の荒い息が聞こえる中、それを外し、ベッドの横に置いた。
先生に引き寄せられて抱きしめる。
背中や頭を撫でて、頑張ったことを褒めると嬉しそうだ。
先生が身じろぎするとブッという音がして凄く恥ずかしそうにしている。
「いまの、屁?」
「違うわよ!もう!」
「じゃ、こっちから?」
と指を膣に入れるとブウッと音がして、先生が泣きそうな顔になった。
「恥ずかしがらないで良いよ、これ、俺の所為だから」
「えっ?」
「あなたの中より細すぎるもので激しくしたから空気が入っただけ」
「そうなの?」
「ジャストサイズでもやりようによっては苦しくなるくらい入るそうですよ」
「あらぁ…」
「口を膨らませてブーっと鳴らすようなもので。だから気にしないで」
クーキュルル、と今度は腹が鳴る。
先生と笑って、晩御飯に何を食べよう?と言う話になった。
「食べた後またするなら軽いものの方がいいわ」
「どっちでもいいですよ。しっかり食べて、明日の朝からでもいいし」
「そうねえ…んっだめっ」
始末をしてないのを思い出して、舐めてみた。
ちゅ、とすすって舐め取る。
ペニバンのディルド部をふき取り、ペニバンから外す。
洗わないとな。
「何が食べたいか考えといてください」
そういって洗面所へディルドを洗いに立った。
拭いて洗濯機にくっつけておく。ちゃんと乾かさないといけない。
戻ると先生は肌襦袢を着て居間に出てきていた。
「スーパー行きましょ。何か作るわ」
ササッと服を着て、先生と一緒にスーパーへ。
「お鍋にしましょう。寒いし食べたくなった」
「んー、そうねえ。何のお鍋がいい?」
「豚で豆乳かな。豆腐入れると木綿が絹みたいになりますよね」
「あら、それもいいわね。じゃそうしましょ」
決まり決まり、お買物して帰宅。
白菜を洗ってざくざくと切って出汁と豆乳と入れて豚・椎茸・豆腐。
適当で温かくて美味しいから鍋は良い。
ご飯の後、お鍋はそのままにと言う。明日雑炊にするのだと。美味そうだ。
洗い物をして、その間に先生は洗濯物を畳んでくれている。
そういや洗濯機に突っ込んだままだった。乾燥はして有るが。
「ねぇ山沢さん?」
「はい?」
「あなたねえ…あれ、洗濯機につけるのやめてくれない?」
「あれ? …あぁ! あれ、ね」
笑っているとにらまれた。
「で、どうしたんです? まだついたまま?」
「触るの嫌だもの。あれってなんで吸盤がついてるの? 乾かすのにいいの?」
「違いますよ。ああやって固定して、自分で入れるんですよ」
「えっ…自分でって」
「床とか、腰の高さの壁とか。固定して自分で」
あ、一気に真っ赤になった。
「後でやって見ますか?」
「ばか、もう。できるわけないでしょ」
「騎乗位。今日はしろって言いませんがいつかして欲しいと思ってますからね。
 自分から入れるのも慣れてほしいかな」
「騎乗位って?」
「うっ。そこからだったか…ちょっと待って」
先生の横に寝転がる。
「俺をまたいで。そう。そのまま和式便所にするようにお尻を下ろして。
 座っていいから。この状態でさっきのアレが先生の中に入ってると思って」
頬を赤らめていて可愛い。
「そのままスクワットをするように自分で動くんです」
「これ、無理よ…」
「だから今すぐとはいってないでしょ?」
よっと。
上体を起こす。
「ほら、この格好は以前キスしたいからってした格好。これもアレを入れてたら…」
「そんなこと考えたことなかったわ」
「でしょうね」
そのまま引き寄せてキスしてみた。
「したくなったの?」
「食べてすぐは嫌かな? だったら後にしますが」
「うん、いまだと食べたもの出ちゃいそうよ? 沢山いただいたもの」
「じゃあもう少し後にしましょう」
「うん。あ、もうこんな時間、見たい番組有るのよ」
はいはい、とテレビの電源を入れてリモコンを渡すと、ぱぱっとチャンネルが変わる。
「あ、この番組ですか、俺もこれ好きですよ」
「面白いわよね」
番組が終って、CM。
先生は洗濯物を片付けてトイレに。
その間に洗濯機につけたものを回収して納戸からほんの少し太いものを出す。
食卓にくっつけておいた。
先生が出てきたので交代でトイレに立つ。
キャッと言う声が食卓のほうから聞こえてきた。
ニヤつきながらトイレへ出て戻ると食卓に背を向けて三角座りしている。
後ろから抱きしめる。
「何してるんですか?」
「もう、なんでこんなところにこんなのつけるのよ」
ひょいと取り外して先生の手に持たせる。
「…あら?さっきのと色、違うわよね」
「ええ。どうです? 抵抗あります? さっきのと比べて」
「んーピンクは生々しくて嫌ね」
「ちなみに他の色は肉色と黒です。持ってきましょう」
納戸からサイズは違うものの各色持ち出す。
眉をひそめて引いてるのがわかる。
「これ、これが嫌なんでしょ。あなたは」
大きくてヒダヒダが凄くついている使い込まれた肉色のディルドを指差す。
「すっっごく気持ち悪いわ、それ」
「でしょうねー。まぁこんなのは入れるつもりまったくないんでご安心を」
「やっぱりこの色ならまだましかしらね…」
と見ているのは透明と白。
「黒はどうです?」
「何か硬くて痛そう」
「触ったら一緒ですよ、ほら」
と渡して触らせる。うん、凄く見ていてエロい。
「あら、ほんとね。って触らせないで頂戴」
ふふっと笑って別のものを見せる。
「これは硬い目。中に芯が入ってて角度を固定できます」
「こんなに色々有るのねえ」
「そりゃあね、硬いのが好きな人もいれば痛くて嫌だとか、
 そのままの角度じゃいいところに当たらないとか。色々有るようです」
「山沢さんはどれが好き?」
「へ?俺?いや使わないんで知りませんよ」
「使わないのに持ってるの?」
「一時期集めたくなったんですよ…だからこんなに色々と」
「ああ吃驚した、これとか使ったのかと思っちゃったわよ…」
と気持ち悪いといってた奴を指差す。
「いや、サイズとして入らない気がします、これ」
「さっきのなら入るかしら」
「入れようなんて気は起こさないように。そんなことしたらこれねじ込みますよ」
「や、やぁね、しないわよ。でも人にしろっていうんだからやって見せて欲しいわ」
「長年入れてないんでまあ無理ですね、痛いだけです」
「あら、私だってそうだったんだからなんとかなるんじゃない?」
「却下」
「いやなの?」
「いやです」
「私がいやって言うと怒るのに…」
「俺はする人、あなたはされる人。これは守ってくれなきゃ」
「ねぇ?どうしていやなの?」
「んー…。簡単に簡単に…ああ。そうだ。男の人が女にケツを掘られる的な」
「…何かわかった気がするわ」
「納得できたならあきらめてくださいね」
「してもよくなったら言って頂戴ね」
「ないとは思いますよ。まあとりあえず片付けましょうか」
納戸に返して戻る。
「これは片付けないの?」
先ほどのピンクの物の透明バージョン。
「片付けませんよ、これはあなたのここに納めます」
と先生の股間を触る。
真っ赤になってうつむいた。
「もうそろそろいいでしょう? 脱いでくれますか」
こくり、とうなづいて、脱ぎ始める。
横で座ってみていると綺麗で、これから抱かれるんだと言うので頬を染めている。
やはり、肌襦袢のあたりで一度手が止まる。
いいよね、羞恥心。
風呂も一緒に入ってるのに。
するりと脱いで私の前に膝を突く。
「久さんも脱いで…」
そういってシャツのボタンを外された。
頬を引き寄せてキスをし、懐に抱く。
「あれ、入れるのと入れないのとどっちが良い?」
「…久さんがしたいほうでいいわ」
「嫌だったんじゃないの?」
「その…恥ずかしいんだけど使うほうがあなたにしっかりと抱きついていられたから。
 だからその、それならそんなに嫌じゃないかなって。
 でも前みたいに道具だけ使われるのは嫌よ?」
ああ、なるほど、いつもだとどうしても半身がずれるから。
「つまり体が離れるような体位なら嫌なままだった?」
うなづく。
最初が肝心、普通の体位にしてよかった。
「まぁ、今回は入れないでいきましょうかね。まだ何か抵抗感じてるでしょ?」
「わかる?」
「わかりますよ。今そういった瞬間に力抜けたし余計にね」
「だってやっぱりああいう形のもの、と思うと」
「ちょっとづつでいいですよ、今はね。それより案外見るのは平気なんですね」
「あれだけあると現実味がないっていうか」
「お道具鑑賞のノリですか?」
「そう、そういう感じよ。買えない値段のお茶碗並べられた感じというのかしら」
くっくっくっと笑ってると、何よ、もう。と胸を叩かれてしまった。
「一本だけじっくりみて触ってっていったらどう?」
「無理よ、恥ずかしくて嫌よ」
「拝見に出た道具と思って」
「ばか、そういうこと言わないで」
「お稽古のときに思い出しちゃうかな?」
「それは困るわよ」
「むしろ舐めてる所見たいな」
「えっ」
「私に装着して、あなたがあれを舐める」
「や、だ…そんなの」
「あなたに入れる前にしっかり濡らさないと痛いですからね?」
「でもさっきは」
「ローションつかってましたから、あれ。後口美味しくないんですよね~」
「まずいの?」
「化粧水舐めちゃったときのような」
「…まずそうね。でもそんなのなめて大丈夫なの?」
「そのまま飲むとかじゃなければ。飲む可能性が有るなら別のローション使いますが」
「別の?」
「味付とかまずくないやつ」
「知らなかったけど色々有るのねえ」
「まさかコンドームの味つきも知りませんか?」
「そんなの有るの?」
「コンビニにも売ってたような気がするんですが…イボつきは?」
「知らない…」
「ちょっと待って、お兄さんたち居たんですからなんか見てるでしょ?
 あなた純情な乙女のままじゃないですか。子供いるのに。なんでだー?」
「だってお友達ともこんな話しないし、兄さんだってそんなもの見せなかったもの。
 夫しか知らないし…。そんなに笑わないでよ」
「いや、もうマジ可愛い。そういう純情な乙女、いいね、好きだよ」
抱きしめてキスすると首に先生の手が回る。
「愛してる、絹」
「もう…やぁね…」
ディープキスしつつ乳首をまさぐる。
ぎゅっと肩をつかまれて、唇を離された。

拍手[0回]

h14

ゆったりと床暖の入っている上でおしゃべりを楽しむ。
その内したくなって先生の手を取り、引き寄せる。
「もう…疲れてるの、だめよ」
「じゃあ布団の中でこうされててください」
「それならいいわよ」
ひょいと持ち上げてベッドへ。
懐に抱いて先生の匂いを嗅いで撫で回す。
段々と先生の息が荒くなってきた。
「だめっていってるのに」
と私の乳首を捻られてしまった。
ククッと笑って先生の股間を撫でるとやはり濡れていた。
「明日、昼まで寝てたらいいじゃないか」
「言われなくてもそうなりそうよ」
「抱いて起こしてあげるから」
「そんなことしてたら帰れなくなっちゃうわ」
「帰らないでいつまでもここにいたらいい」
「だめよ初釜もあるしお稽古もあるじゃないの」
「八重子先生に任しておけば良い」
「そんなわけにはいかないわ。ね、いい子だから聞き分けて」
「しかたないな。でも今日はもう止めれない」
先生も今やめられたら寝つけんだろう。
気持ち良さそうで少し辛そうで。
「キスマークつけたくなるな」
びくっとしていやいやをする姿が可愛くて、わざと言ってしまう。
「いじめないで…」
「いじめたくなる」
首にキス。
「あぁ、だめ」
つけないけどね。
「いじめられるの、結構好きでしょう?」
「いやよ、すきじゃないわ」
「口でそう言ってもこっちは、ね」
と音を立ててあげた。
「やっ、やめて恥ずかしいわ」
「可愛い。可愛いな、本当にあなたは。もっといやらしいことしたくなる」
「おねがい、しないで」
「今日は聞いてあげましょうね」
普通に抱いて泣かせて、己の飢えを収める。
先生を逝かせて、落ち着かせた。
ピロートークする暇もなく、いつもすぐ寝られてしまう。
よっぽど疲れるんだろうなあ。
トイレに行って俺も寝た。
朝、出勤前。
良く寝ている先生を起こさずにと思ったが起こさないと怒ることを思い出した。
なので揺り起こし、行ってきますというと、はいとだけ返った。
すぐに寝息。
お疲れだなぁ…俺のせいだけどさ。
とりあえず食卓に置手紙だ。
ええと…帰るなら俺が帰る前に帰らないと帰せなくなる可能性。
帰らないなら、もし作ってくれるなら…と言う前置きで、
お昼にホウレン草のおひたしを食べたい旨を書いた。
出勤。仕事。今日はそれなりに入荷が多くそれなりに売れた。
一服しているとメール。
白身の魚持って帰ってきて欲しいようだ。
何にするのだろう。うち用か先生のお宅用か。と返信する。
どうやらうち用でムニエルにしたいらしい。
うーん。何もって帰ろうかな。
っとタラの半身が余ってる?よしそれにしよう。
ついでだからと切り身にしてもらった。
荷合せ入出庫を終えて帰宅。
「ただいま戻りました」
「お帰りなさい」
「はい、魚。タラにしました」
「あら沢山ねえ。着替えて手を洗ってきてね」
「はい」
先生がいそいそと食事の支度をしているのが可愛くて嬉しくて。
しかしムニエルとおひたしは合うのだろうか。
あ。洗濯籠の服がない。
しまった。またパンツ洗われてしまった。
着替えてベランダを見れば先生の湯文字も干されている。
ああ、ちゃんと陰干しだ。主婦だなぁと実感する。
ただ不思議なのは"男の世話を焼く女"ではなく"母親の仕事"を感じるのである。
普段の作業のついでに洗いました感。
ああ、バターのいい匂いがたまらんなあ。
そういえば先生は俺の家を掃除してくれたりするのだが絶対に納戸はしない。
掃除機の出し入れで入るのもちょっと嫌なのだそうだ。
多分最初に入ったときに見たのが巨大ディルドだったからだな。
あれはネタで、普段は仕舞ってあるのに。
ってこないだは蝋燭が置いてあるのを見て焦ったとか言ってた。
使っちゃったけど。
「出来たわよ」
というのでご飯をよそって配膳。
おお、うまそう。
食べ始めてから聞いた。
「先生。帰らなくて良かったんですか?」
「これ食べたら帰ろうかしらね」
「帰したくないなぁ」
「いい加減帰らないと叱られちゃうわ」
「ですよねえ。あれ?でも湯文字乾くまで帰れないんじゃ…」
「あら、ここに置いていくわよ。どうせまた泊まるんだし」
「さいですか」
うまうまと食事をいただいて満腹に。
台所に出して、それから先生にキスした。
「なぁに?」
「帰る前にしましょうよ」
「だめよ、帰さないつもりでしょ?」
「わかりますか」
胸に手を這わせる。
「もう…だめよ。帰るわ」
「残念だな。本当に帰っちゃうんですか?」
そういってお尻を撫でる。
あ、我慢してる。可愛いな。
もう一度キスすると私の腕をぎゅっと握る。
離すと額をピシャリと叩かれた。
「もうっ、帰るって言ってるでしょ」
「本当に?」
「憐れそうな顔をしないの。土曜日にいらっしゃい」
「うー。わかりましたっ、今日のところは諦めました。土曜日、行きますから」
お昼間と言うこともありおうちまで送らなくても良いという。
電車で帰られるのを泣く泣く見送り、一人、自宅。
ふと思い出して探る。よし、あった、これは見つからなかったようだ。
もう一度隠しこみ、台所を片付けて少し寝た。
夕方、起きて残りのタラで一人鍋をすべく買物をして。
洗濯物を取り入れ、畳み、しまう。
わびしく食べる。
あ、明日は十日えびすじゃないか。
こっちのえべっさんへ行こうか京都まで足を伸ばそうか。
例年通り京都へ行こう。そうしよう。
昨日行って明日も行くなんておかしな話しだが仕方がない。
だったら早く寝てしまおう、明日は京都に寒波の予報だ!
翌朝、仕事を早めに切り上げ、飾ってある熊手を回収し、一路京都へ。
帰りは混むかと車掌に聞けば自由席は確実に、とのことで京都駅に着くなり指定を取る。
四条大和大路でタクシーを降り、混雑の中すすむ。
途中に鼈甲屋があるのだ。
まずはここへ寄って色々と見る。
目玉は35万ほどするかんざしだ。
流石にこれには手が出ない。
15万ほどの程よいかんざしを見つけた。
しばし相談すると普段は25ほどだが、と20のものを見せてもらえた。
なるほど明らかに細工が違う。
35のを見た後では中々思い切れないが、同じ価格帯ではこれが一番良い。
しかも似合いそうだ。
よし、と手付けを打った。
10万を払い、後は明日って銀行休みか。
いっちょ出金して戻ってこよう。
近くにATMはないか聞けばコンビニが四条出て西にすぐにあるとのこと。
なるほどファミマが有った。
15万出金し、引き返す。即金で残額を支払った。
最近は即金で現金で支払う客が少ないとのことである。
というかお宅基本掛売りちゃうん…。
現物は直接先生のお宅に送ってもらうよう手配をお願いして、ゑびす神社へ。
さて今年の京都は景気概況どんなものだろうか。
周囲の買う福笹や熊手でおおよそがわかる。
…やっぱこんなもんか。
いつものサイズを分けていただいて、本殿横を叩いてお願いする。
えべっさんは耳がよろしくないので打ち鳴らして呼ばないといけないとされる。
だからみんな並んで叩く。
人を押しのけて叩く人あり、ちゃんと並ぶ人あり。
裏から出れば人影少なく、すっきりしている。
さくさくと歩きタクシーを拾って駅へ。
指定の新幹線までまで暫くあるが、寄り道厳禁である。
寒風の中耐えて乗車して帰路につき、駅に着けばそのまま会社へ。
いつもの場所に飾った。
ああやっと喫茶店いける…。
喫茶店に入り、一服。肩凝ったなぁ。
明日復活できなきゃ先生にお願いして踏んでもらおう。
今日中に発送してくれるってことだったが…かんざし…。
明日先生の家に居るときについたら良いなぁ。
八重子先生に怒られるだろうか。
金遣いが荒いって言われたし。
でも次に京都に行ったら京紅を土産にするつもりなんだが…。
そのときはあれだ、花びら餅予約しておこう。
晩飯を牛丼屋で食って帰宅。
あー疲れた、寝よう!
おやすみなさい。
翌朝、鏡開きと言うことで会社に鏡餅を持って出勤。
ストーブで焼いていただく。
本物の餅だからうまい。
缶のお汁粉を買ってきたやつが器にあけてその餅を投入して食っていたり。
連休前なのにそんなには忙しくないなあ。
仕事を済ませて帰宅。
シャワーを浴び、着替えて先生のお宅へ。
「こんにちは」
「いらっしゃい、外は寒かったでしょ」
温かいお茶をいただいた。
うまいなー。
自分で入れると高級茶葉でもまずいのはなんなんだろうな。
先生たちはこれから食事らしい。
ああ、そうか、ついいつもの時間に来てしまった。
「あなたも食べる?」
「ありがとうございます、実は朝餅食いすぎて出てくる前に腹が減らなくて。
 今ちょっと物足りなくなってました」
「あらあら」
「そういえば鏡開きだねぇ。後で山沢さんにも手伝ってもらおうかね」
「律君と孝弘さんはご飯いいんですか?」
「お父さんねえ、お友達のところって言ってたけどいつ帰ってくるかしらねえ」
「律は晶と出かけてるよ」
おかずを出してくださって、いただいた。
うまいなー。
美味しくいただいてご馳走様をして洗いに立つ。
暫くすると宅配便が来た。
受け取って、開封する気配。
「あらぁ~」
「あらあら、きれいねえ、これ」
ふっふっふ♪
洗い物を追えて部屋に戻る。
「ね、これどうしたの?」
「昨日京都行ったんですよね。それで鼈甲屋に行って買ってきました」
「すごいわ、こんな飴色の…高かったんじゃない?」
「まぁそのへんは聞かないでまずは挿してみて下さいよ」
「お母さん鏡とってくれないかしら」
「はいはい」
鏡を見ながら挿してためつすがめつ。
ほぅっと八重子先生の溜息。
「我が娘ながら…似合うねえ」
「美人さんですしね。似合うと思ったんですよね~」
「あら…」
あ、先生、頬染めて可愛い。
「次は紅かい?」
「ええ、次京都に行ったら必ず」
「なぁに?」
「こっちの話です」
「二人してなんなの~」
「しかしこれは高かったろう、細工も細かいし」
「まぁそれなりに」
「嬉しいわ」
おっと抱きつかれた。
いや、八重子先生見てるから。
「これ、絹。山沢さんが困ってるだろ」
「あら、ごめんなさい、つい」
玄関の開く音。
「こんにちはーおばぁちゃんいるー?」
がらっと襖を開けられて絹先生が焦っている。
「どうしたんだい?」
「お母さんからこれ預かってきたんだけど」
「もう手に入ったんだねえ、ありがとう」
とガサゴソと開封されている。
なんだろう。
「あれ。おばさん、それ、綺麗…」
「あぁこれ?鼈甲なのよ~。いいでしょう?」
絹先生と司ちゃんは簪を見て女の会話だ。
先生の髪に重くなったら司ちゃんに渡るんだろうなあ。
八重子先生の手元を覗き込む。
「司の近所に刃物屋があってねえ」
花鋏か。
「青紙ですか。いいですね、高いでしょうねえ」
「そりゃあねえ」
「昔何も知らないで黄紙買ったんですよね。もうどうにもならなくて」
「あんたみたいな不精者ならステンレスがいいんじゃないかい?」
「今思えばそのほうが良かったですねえ」
「やっと今のを研ぎに出せるよ」
「ああ、自分では中々に砥げませんよね、つい両面研ぎそうになります」
「あんた鋏も研ぐの?」
「私は研いでましたよ、なんせ黄紙ですし。
 枝の数本も切れば切れなくなってるの実感できます」
「そんなに黄紙だと切れなくなるかい?」
「普通はそうもならないでしょうが下手に握力がある分、無理に切るので」
「石があれば割れるところを探らずに叩き割るタイプだね」
「まさしくそういうところあります。短気ですので」
簪の話題が終ったようだ。
「司ちゃん今日は泊まってくの?」
あ、それは聞いて欲しい。
「律は今日は…?」
「晶ちゃんと今出てるのよ、夜には戻るけど」
「じゃあ待ってようかな、おばさん、いい?」
ちっ泊まるのか。
八重子先生が笑っている。
「絹、山沢さんと買い物行って来てくれるかい」
「今朝うちのお父さんがねえ、6合食べちゃったのよ。で、お米が心もとないの」
「ああ、はい」
「あ、私も一緒に行った方がいいかな」
「司はうちにいてくれるかい、茶道具出すの手伝っとくれ」
うまく誘導してくれるなぁ。
いそいそと先生と二人でお買物。
結構好きなんだよね、一緒にお買物するの。
野菜や肉などを購入して米を買って担ぐ。
「力持ちの良い旦那さんねー」
なんて言われてしまった。
どこかの資料館に5俵担ぐ女性の模型あるけどあれは無理だと思う。
米どころや米屋なら2袋は軽いらしいが、それすら無理だ。
先生がこれは弟子でと断りを入れている。
二人になったところで、先生がこちらを伺うような目をする。
「あの…気にしないでね?」
「ん?どうしました?」
「ただの弟子って言っちゃったから…」
「あぁ、あれはそう言うしかないでしょう」
「ごめんね」
「それより八重子先生は気を使ってくれたんですね。あなたと二人になれるように」
「そう…かしら」
「きっとそうですよ、俺、あなたと買物してるの結構好きです」
「どうして?」
「あなたと何を買おうって会話がなにか楽しくて。あなたはどうですか?」
「私…も好きよ。あなたの食べたいものを買えるもの」
ゆっくりと帰ろう。
「どこかこのあたりに部屋借りようかなぁ…」
「ん?どうしたの、急に」
「ご兄姉や司ちゃん晶ちゃんが来たときにあなたを抱ける場所が欲しい」
「あ…」
先生は顔を赤くして、袖で顔を覆った。
「可愛いな…。そういう場所、あったらどうです?抱かれてくれますか?」
「……えぇ」
「嬉しいな。開さんに相談してみましょう」
「えっ兄さんに?それは嫌よ」
「嫌ですか?」
「その…するために部屋を借りるなんて。兄さんに知られるのは嫌よ」
「何をバカ正直に言う必要があるんですか。
 皆さんが居るときの俺のごろ寝と安眠場所として借りる、でいいんですよ」
「あっ、そ、そうね、そういえばいいのよね」
ああ、もう。いちいち可愛い。
なんだかんだ喋りつつ、家についてしまった。
台所に下ろす。
「絹ー?帰ったの?山沢さんちょっと手伝ってー」
「はいはい、なんでしょう」
茶室へ行くと、釜が上のほうにあっておろせないとのこと。
確かにあの釜を頭上からおろすのは女性の苦手とするところだろう。
下ろして中を確認。
これでよかったようだ。
「司さんも初釜のお手伝いなさいますか?」
「えっいや、私っ大学あるんで、それにお茶わからないしっ」
「司にはまだ無理だよ。それより絹は?」
「なぁに、おばあちゃん」
水屋にいたようだ。
「ああ、ちょっとおいで。この釜にしようと思うんだけど重さ、大丈夫かねえ?」
「初炭は中野さんに、後炭は平田さんだからお願いしたから大丈夫と思うけど」
「ああ、あのお二人ならいけますよね」
「もし危なそうなら山沢さんが手伝えばいいわよね」
「はいはい」
初釜の準備や打ち合わせ。
女手が有ると凄く助かるんだなぁ。
「懐石は頼んだしお菓子もお願いしたし…」
「あれ、先生、煙草盆の中身がありませんがいいんですか?」
「あっそういえば蛇が出て困るからって使っちゃったんだわ。どうしよう」
「蛇は確かに煙草を嫌うといいますが…この辺に売ってる煙草屋ありましたっけ?」
「吸わないからわからないわ」
「とりあえず私の入れときましょうか。売ってるところ見つけたら買ってきます」
「そうしてくれる?」
「山沢さんって煙草吸われるんですね」
「この家だと司さんのお父さんは吸われるんでしたっけ?」
「そうそう、覚は吸うよ」
「そろそろお夕飯の支度しないといけないわねえ。山沢さん手伝ってくれる?」
「はい。八重子先生、重いのあったら呼んで下さい」
台所へ行ってお手伝い。
あ、電話。
絹先生が電話を取って何か話して戻って来た。
「お父さん帰ってくるみたいだから多めに炊かなきゃいけないわね」
7合でよかったかな。
お米をかして、セットする。
いつも思うが大量で、毎回これをやってるのは凄い。
野菜を洗う。俺が居るときは水を触るのは俺。
手あれしないし冷たい水には慣れてるから。
先生の手は以前に比べれば少し、手あれがマシになったという。
後は先生の指示に従えばうまいメシにありつける。
「ねえ山沢さん。煮物できるようになった?」
「う、チャレンジしてないです」
「明日お昼にしてみる?」
「遠慮したいです」
「だめよ、出来るようにならなきゃ」
「先に司さんに覚えてもらいましょうよ」
「そうねえ、律のお嫁さんになるならね。でも今は山沢さんに覚えて欲しいわ」
うーん。味覚が違うからなぁ。難しいんだよね。
味見。うん、俺ならもっと砂糖と醤油を入れてしまう。
基本的にみりん・醤油・酒・砂糖を同率で煮炊きすることが多い。
だから薄味に作る習慣がない。
「今なら懇切丁寧に教えてあげるわよ。それとも厳しいほうがいいかしら?」
「…わかりました、明日でいいです」
「厳しいほうが覚えられるんじゃないの?うふふ」
たしかに覚えらるけど敢えて厳しくされるのはなぁ。
「お茶だけでいいです、厳しいの」
くすくす笑ってる。
作り終えた頃、律君と孝弘さんが帰ってきた。
司ちゃんと先生が配膳している間に調理道具を洗う。
お夕飯をいただき、司ちゃんは律君の部屋へ。
孝弘さんは居間でごろ寝。
私は食器を洗う。
先生方は初釜の細かい打ち合わせ。
洗い終わって戻ると、今度は着物の話に。
女の人はこういう話題好きだなあ。
「去年はあなた訪問着着てたけど今年はどうするの?」
「袴じゃいけませんか」
「いいわよ、それで。でも華やかさが足りないわよねえ」
「司さんか晶さんがやっぱりいいのでは」
「…司ちゃんねぇ。律のお嫁さんになって欲しかったんだけど。彼がいるのよねぇ」
「ホッシーを婿にして司ちゃんにこの家に来てもらう手もありますよ」
「あら」
「そうすれば孫も沢山見られていいかもしれませんね。いや本来なら姪孫ですが」
「でもそれじゃ…」
「ん?どうしました?」
「司ちゃんの彼とあなたとの関係が難しくないかしら」
「…いや律君の嫁さんとでも同じですから、それ」
「あらそう?」
「まぁそのあたりはよく話し合われたほうがいいでしょうけど」
「あんたが開と結婚してもそれはそれでいいと思うけどね」
「えっ?八重子先生?」
「お母さん…またそんなこと言って。山沢さんだって困るわよ」
「ははは…」
「だってねえ、いまのままの環境でいいんだもの。私と絹が料理を教えるくらいで」
「まぁたしかにそうですがお華はどうするんですか。私じゃ無理ですよ」
「あぁそうだったねぇ。そこは司か晶か」
「やっぱり同居しないと駄目じゃないですか」
「あららら」
むくりと孝弘さんが起きて部屋に帰っていった。
ふぅと息をつけばやはり緊張するんだね、と八重子先生に言われる。
一応なぁ、旦那さんだし。口滑らせたらアレは気にしないだろうが先生方がなぁ。
「あらもうこんな時間。お風呂入れてきましょ」
暫く話してお風呂に入って。戸締り火の用心を終えて各自部屋へ。
フツーに先生は私の部屋に来る。
「いいんですか?抱きますよ」
「えっ駄目よ、司ちゃんきてるから」
「わかってますよ、キスくらいはいいでしょう?」
顎を掴んで持ち上げキスをする。
暫くキスしていたがトンと胸を押され身を離した。
「お布団、敷かないと…」
「抱かれたくなりましたか?」
「外から影が見えちゃうから…」
ああ、なるほど見えるね。
布団を敷いて入る。先生も横に入ってきた。
先生を煽るかのように撫で回す。
「駄目よ、意地悪しないで…ねぇ」
そういいつつも太腿をもじもじさせている。
「一度、しないと辛いんじゃないですか」
「ばか、司ちゃんいるのに…んっ」
乳首を摘んで捏ねると甘い声。
こうなると最後までしたくなって、むしろ興奮する。
先生もいつもより我慢しようとして可愛い。
心なしかいつもより濡れていて羞恥に興奮するんだろうと思う。
かすかな喘ぎ声、俺を噛む。達して荒い息。
綺麗で可愛くて。潤む瞳に見つめられ、気持ちよくなる。
「ね、兄さんと結婚するの?」
「は?」
なんでこの場面でそれ?
「あなたが、久さんが兄さんとするの、私嫌だわ」
「そう思うなら八重子先生に言ってください」
「あなたはどうなの?」
「私は先生が望むならってとこです」
「男の人嫌いなのに?」
「私が男なら…あなたの子がほしい。それは前に言いましたね。
 あなたと同じ血の流れる開さんの子でもいいかと」
「そうなの?」
「まぁ妊娠出産とか凄く欝になりましょうけどね。あなたの男でありたいから」
「あら…そうね、今いつもの山沢さんの格好でお腹が大きいの想像しちゃったわ」
「何かおかしい光景でしょ?」
「でもほら、狸腹の男性多いからそういう感じに見えるんじゃないかしら?」
「そうなった時、欝のあまり八つ当たりのようにあなたを抱くかもしれませんよ?」
「怖いわねえ…」
「だからうまく八重子先生を説得してください」
そういって手にキス。
「頑張るわ」
「じゃ、寝ましょうか」
「ええ、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
明けて6時半。
昨日そんなに疲れさせてないのでお休みの日としては、
まぁまぁ良い時間に目が覚めたようだ。
「おはよう」
「おはようございます」
もう少しこうしていたいなぁと思うが二度寝しそうだ。
起きて身づくろいをして朝飯をつくりに台所に行く。
お味噌汁お味噌汁。
今日は何を作る?
茗荷と茄子か。
俺が魚を焼いてる間に先生は俺の分の肉野菜を炒めてくれている。
今日はカレー風味か。
この間はトマト風味だった。ちょっとアレは微妙だったな。
あったかいトマトは。
ご飯が炊けた頃、律君と司ちゃんが起きてきて、律君に孝弘さんを呼んでもらった。
司ちゃんと先生が配膳する。
「あれ…?」
「どうしたの司ちゃん」
「このお味噌汁、具が入ってないけど」
「それは山沢さんのなのよ」
「え、具なし?」
「そうなのよ。あ、その野菜炒めも」
「もしかして凄い偏食…」
「ああ、山沢さんって凄く好き嫌い多いよね」
「そうなのよ、子供みたいでしょ」
「はいはい、子供みたいなやつですよ、と。はい、お茶碗」
カレー風味の肉野菜炒めは美味しいんだが、しかしちょっと量が多い。
孝弘さんが欲しそうなので少し差し上げて完食。
律君たちはこれから遊びに行くそうである。
食器を洗って、台所を片付けた。
居間に戻ると八重子先生がお茶を入れてくれる。
うまいなぁ。
「あ、そうそう」
先生がどこかへ行った。
しばらくしてアルバムを持って戻ってきた。
「前に見せるって言ってたでしょ」
結婚してからのアルバムなら探さなくてもあるから、と。
おお若い。可愛い。綺麗。
「これが孝弘さんの若い頃」
「随分人相変わられましたねぇ…」
「ほら、ここにお父さんとお母さんが写ってる」
「仲良さげでいいですね」
「もうこの頃は随分悪かったのよね?」
「そうだねえ、お薬いただいてたねえ」
「一度お会いしたかったなぁ、生きておられる間に」
「気配はたまに感じるのよ…」
「そうだねえ、夢に出てきたりするね」
いくつか焼き増しして欲しい写真が出てきてお願いする。
ネガが出てきたら、と言ってもらえた。
会えないときには見たいからと。
「山沢さんはアルバムはないの?」
「独り身だと写真って撮らないものですよ。二十歳以降と言うと4,5枚かな」
「えぇ?そうなの?」
「はい。他だとここの初釜や茶会で撮ってる写真くらいじゃないですかね」
「じゃ、写真撮ってあげるわ、折々に」
「別にいいですよ…」
「もっと若い頃の写真ならあるの?今度見せて頂戴よ」
「あー京都の自宅にあったかな。卒アルとか…」
「私も見たいねぇ山沢さんの若い頃」
「ああ、今度京都いったら探しておきますよ」
「じゃあそろそろ山沢さん、煮物、しましょうか」
「う………。はい」
アルバムを片付けて台所へ。
「まずお出汁だけど」
「朝に用意してあります。これ」
昆布を水につけておいたものだ。
「まずは山沢さんの思うように作ってみて頂戴」
「はい」
里芋をまずは洗い、軽く茹でて皮をむき、切る。
出汁を2杯、酒・みりんを1:1、塩を一つまみ入れた。
しばし炊けるのを待ち、風味付けに醤油を落とす。
出来たので味を見ていただく。
「あら?意外と美味しいわね。やればできるじゃないの」
「私、味見してなかったでしょう…それ、私が食べると味が薄くて」
「ええ?そうなの?」
「一つ食べてもいいかい?」
「あら、お母さん」
「どうぞ」
「あぁ美味しいねえこれも」
「私、普段煮物といえば酒・砂糖・みりん・醤油1:1:1:1で炊きますから」
「それは濃そうだねえ…」
「うちだと煮っ転がしとか佃煮かしら?」
「保存食向きだね」
「大体京都って保存食文化ですよ基本的に」
「京料理は?」
「今は新鮮な魚が随分入りますからいいですが、昔は魚は塩干物ですよ」
「そうなの?」
「材料がそういうものだからこそ、より美味しくより美しく発展したんでしょうね。
 今みたいに良い材料が使えれば野菜も刺身も美味しい塩でうまいじゃないですか」
「あら?そうかも」
「山沢さん、かつお出汁のとり方は知ってるのかい?」
「いや、とったことがないです」
「絹がとってるのは見てるだろ?」
「あー、なんとなく。でもちゃんとは」
「じゃ、やるから覚えなさい」
大体1リットル程度の湯に、これくらい、と鰹節を示される。
30gくらいあるかな?
沸騰したところに入れて弱火にして2分待ち、漉す。
それだけだそうだ。
もっと面倒くさいものだと思っていたのだが。
「で、この出汁で…」
同じように里芋を炊いてゆく。
ちょっとずつ分量が違うのでメモをしつつ。
出来たものをいただいて味に納得する。
「明日この分量で作ってごらん」
「はい、そうします」
「そろそろお昼の支度しなくちゃ。この里芋と後は何にしましょうね」
「あ、俺、大根葉食べたいです」
「そんなのでいいの?」
「卵とじにしたらどうかねぇ」
「それいいわね、そうしましょ」
おじゃこと炒めて卵で閉じられた。
配膳して、いただく。
んーうまい。
幸せ。
台所を片したら後は初釜の細かい打ち合わせだ。
明後日だからね、色々と用意がある。
細々と動いて話し合って。
俺は朝は来られないから。
電話。
律君からで友人宅に泊まるとか。
孝弘さんは離れかな。
何合炊くか変わるから後で確認しよう。
連休と言うのにゆったりとも出来ず、抜け落ちはないかなど確認して。
さぁそろそろ晩御飯を。
孝弘さんは…いない。
「先生、離れにおられませんよ」
「あらそう? どうしようかしら」
なんて会話をしていると電話があり、ご飯不要、どこかに泊まってくるとのこと。
「あらあら、じゃ何食べましょうね」
「手の込まないものでいいですよ、俺は」
「んー、とりあえずお野菜洗ってくれる?」
「はい」
ご飯を炊いて野菜を洗って渡すとササッと炒め物。
お漬物と、ポークチャップとつけあわせ。
美味しく晩飯もいただいて。
お風呂に入る。
風呂上り厚くて胸元を広げてくつろいでると開さんが来た。
「しまいなさい、胸!」
絹先生に叱られた。
そんなに慌てなくともいいのに。
「どうしたの?兄さん」
「家の鍵落とした…」
「なんかよく落としますね。この間も何か落としてませんでしたっけ」
「あー財布?」
「でしたっけ?」
「で、母さんうちの鍵持ってない?」
「ちょっと待って、探してみるわ」
「姉さんは?」
「仕事で帰ってこない」
「会社にとりに行けばいいんじゃないの?」
「姉ちゃんの会社まで遠いんだよ」
引き出しの鍵の中から探しているがどうやら見つからないらしい。
「泊まっていい?」
開さんはがくーっとしている。
「いつもの部屋で寝るの?お布団敷いてくるわよ」
「頼む」
絹先生が布団を敷きに行き、俺はそろそろ熱気も冷め炬燵に入る。
「やーほんと外寒いねえ」
「この辺やっぱり山が近いだけに寒いですよね。風呂まだ湯抜いてないからどうですか」
「ああ、そうしなさいよ。お父さんの浴衣出してあげるから」
「そうするよ」
開さんが風呂に行かれた後、絹先生が戻ってきた。
「あら兄さんは?」
「お風呂ですよ」
「お湯まだ抜いてなかったの?」
「ええ、あとでもう一度浴びようかと思ってたので」
「ふぅん」
八重子先生が浴衣を出してきた。
「山沢さん、これ、開に持ってってやっとくれ。私ゃもう寝るよ」
「もう寝るの?」
「なんだか眠くてね」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
「じゃちょっと持って行ってきます」
「お願いね」
ひたひたと廊下を歩いて風呂場へ。
「開さん、これ浴衣です。八重子先生がお渡しするようにと」
カラリと開けて言うと飛びのかれた。
ここ置いときますね、と風呂場から出てすぐの籠の上に置き、戸を閉めて戻った。
「兄さんが出てきたら私たちも寝ましょうか」
「あ、じゃあ戸締り確認してきます」
勝手口、よし。玄関、よし。
庭側の戸締まりを調べて戻る。
開さんが浴衣を着ていて、寸が足りてない。
「へぇ、怜さんより少し大きいんですね、開さん」
「そうみたいね。山沢さん、男の人が入ってるお風呂の戸を開けちゃだめよ」
「吃驚したよ」
「ああ、失礼しました、つい。まぁ、おあいこと言うことで」
「……ああ、前そういえば見たっけ」
「さて、先生。寝ましょうか」
あ、そこで顔を赤くするなって。
「そ、そうね。おやすみなさい」
あーあ、自室帰っちゃった。
「邪魔してしまったかな」
苦笑。
「飲みますか?酒」
「あー、いや、いいよ。僕も寝るから。絹のところ行ってやって」
「すみません。ではお先に。おやすみなさい」
「おやすみ」
先生の部屋へすすみ、何も言わず襖を開けた。
ぎょっとする先生の腕を取り引き寄せる。
「俺の部屋、行きましょ」
「兄さん知ってるのに…恥ずかしいわ」
「知られてるのだから乱れればいい。聞かなかったことにしてくれますよ」
「いやよ…」
「それともこの部屋でしますか?俺はそれでも構いませんよ」
「いや…」
「部屋においで。聞こえない程度にしてあげるから」
首を振る。
ええい、面倒だ。抱き上げて俺の寝間まで連れて行く。
なじられつつも布団に下ろした。
「ね、俺とするの、いやですか?」
「いやじゃないわよ…兄さんに聞こえたら困るって言ってるのに」
「聞こえないようになら良いの?」
頬を染める。
「恥ずかしいから今日はよして。お願い」
「仕方ないな。今日だけですからね。明々日はしますよ?」
「抱き締めるだけじゃ駄目なのね…」
「というかむしろ抱き締めてるとしたくなって困るというか」
「だったら別の布団」
「は嫌ですね。困るけど別の布団で寝るくらいなら我慢するほうがましです」
ぽふぽふと先生に布団をかぶせて抱き込む。
ぬくい。寒いときは人肌最高!
軽くキスして、おやすみなさいと言えばおやすみなさいと返って来る。
髪をなでればすぐに寝息。
いつも寝つきが良くてうらやましい。
俺はいつも先生の胸や尻を触りたくなって悩ましく寝つきが悪いから。
それでも良く寝て朝になり、朝御飯の支度をして食事をとる。
そろそろ帰ろうかと言う開さんを引き止めて、このあたりに部屋はないかと聞く。
ワンルームでいいから防音。
明日会社に戻ったら探しておいてくれるそうだ。
もしなかったら施工もありと言うことで近場の部屋もピックアップを頼んでおいた。
そのまま一緒に外出する。
このあたりの煙草屋に刻み煙草を求めて。
4,5件回るがどこにもなく、昼過ぎに戻るとお昼が用意されていた。
あーきつねそばだ。甘きつね。うまい。
昔きつねそばを頼んで刻みきつねが出てきて、困ったことがある。
「外寒かったでしょう? あったかい物がいいかと思って」
「ありがとうございます。また寒波とか言ってますよね」
「これからまだ寒い2月が待ってるかと思うとぞっとするね」
「確かにいやですね。仕事も昔から二八の月はお客さんが来なくて余計に寒いです」
「へぇ客商売はそういうんだねぇ」
「寒いと買い物行くの、嫌になるでしょう?暑いといやになるでしょう?」
「ああ、たしかにそうだねえ」
「明日はあったかいといいですねえ。
 皆さん寒い外に順応した格好なさるから暖房難しいですよね」
「炭の熱気もあるからねえ、今日はあったかいうちにお帰り」
「そうね、夜はもっと寒いわ。風邪引かないようにね」
「はい。名残惜しいですが早めに帰ることにします」
玄関に出る前にディープキスをして、では明日と別れた。
電車に乗って帰宅して、寒々しい部屋に暖房を入れる。
結局軽く一度しただけの連休だった。
また、うちにつれてこなきゃな。

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h13

目覚ましが鳴る。
とめて時間を見れば仕事の用意をせねばならない時間。
布団から出て身支度をする。
先生は、と見れば良く寝ていて起こすのは忍びない。
しかしそのまま出て行けば昨日のようになる?それは困るな。
A4にマジックで仕事と大書する。
脇に、良く寝ているので起こせなかった旨を書き加えて布団の上へ。
食卓の上に、台所にパンがある旨を書き昼までには戻ると書いて出勤した。
さすがに初市、まだ酔ってる気配のやつが多い。
皆で手締めもありお正月気分である。
まあセリ値もそれなりに。
お祝いだからね。
マグロは相変わらず恐ろしい価格がついたが。
皆で乾杯して祝い酒祝い酒。
車の人が飲めないから、正月の喧騒もそこまでじゃなくなったが。
さてさて、お客さんたちにご挨拶をして。
うん、そろそろ客も来なくなってきた。荷物も捌けた。
解散するか。
先生の待つ我が家に帰宅。
あれ?鍵かかってる。開けて中に入るといない…。
え。
逃げられた?
マジか…。
呆然としていると後方からガチャッとドアの開く音。
「あら早かったのね、お帰りなさい」
あー…買物。そうかそういうことか、良かった。
「ちょっと待っててね、お昼にしましょ」
ほっとして着替える。
ああもう、本気で焦った。
手を洗って戻ると、簡単にだけど、とハムエッグとサラダ、トーストが出てきた。
「足りないかしら?」
「いや、足りなきゃ後で何かつまみますよ」
「じゃいただきましょ」
「はい」
うちで支度を長々とすると邪魔されるのを良くわかってきたようだ。
あ、トーストがデニッシュだ。
「ニュースで初市の様子映ってたわよ。今年は山沢さんいないか探しちゃったわ」
「あー俺らのセリ場、テレビ来ないんですよね。大体マグロですよねー」
「すごく高いわよねえ」
「ま、落としたら全国区で宣伝できますから。CM打つより安上がりなんでしょう」
「あら、そうなの?」
「ところで、今日は何時ごろ起きられたんです?」
「8時過ぎかしら。山沢さんがいなくて、吃驚したのよ」
「布団の上に紙、ありましたでしょう?」
「それ見てほっとしたわよ。なんで起こしてくれなかったの?」
「キスしても起きないから仕方なく。
 というか良く寝てるの起こしたくないじゃないですか」
「起こして頂戴。それにお昼まででも寝かせてくれるんでしょう?」
「勿論です。でも起こしたくないなぁ。あなたの寝顔見るの結構好きですし」
「私のこと大事だと思うなら、私のわがままを聞いて頂戴」
「わかりました、これからそうしましょう」
コーヒーを淹れに立った。
先生はまだ食べている。
久しぶりにエスプレッソを入れよう。
「先生、シングルかダブルかどうします?お砂糖とフレッシュは要りましたっけ」
「シングルってどれくらいなの?」
一杯作って渡す。
「これはちょっと少ないわねえ。お砂糖は入れてくれるかしら」
「ラジャ。砂糖はスプーン2杯入れますが」
「1杯でいいわよ。そんなに入れたら甘すぎない?」
「むしろあの砂糖がとけ残るくらいがいいんです」
「抹茶ラテは嫌いなくせに」
そんなことを言ったり言われたりしつつ、コーヒーを飲んでお昼ご飯を終る。
さて、と。
「三越でも行きますか?」
「あら、するんじゃなかったの?もういいの?」
「いやしたいことはしたいですが。呉服とか見たいんじゃないかなと。たしか龍村も」
「いいの?嬉しいわ♪ じゃ着替えてくるわね」
「流石に800万だかの帯は無理ですよ…」
「そんなのどこにしてくのよ~。山沢さんも着替えましょ」
「はい。なに着ましょうかねえ」
「ちりめんの着物作ってなかったかしら。お母さんと縫ってた気がしたんだけど」
「ああ、あります、縞のでしょう?」
「それにこの羽織がいいわ。帯はこれね」
渡されたものを着てゆく。
先生は相変わらず着替えるのはやい。
ちょいちょいと俺の着てるのを直されて、おでかけ。
三越…凄い。人一杯。
先生に先導されて呉服売り場へ。
あれ、意外と人少ないね。
婦人服の毛皮売り場は凄い人だったのになあ。
色々と見て、先生が欲しくなった帯留と羽織の紐、草履をまず購入。
反物を見て、帯を見て。
やはり龍村の帯が気になるご様子。
お茶席向き~な帯。
チャンカイが気になるようで悩んでおられる。
「気に入ったんですか?」
「でも龍村だから高いと思うのよ…」
価格を聞く。あれ、もっと高いと思ってた。
現金で支払う。
「いいの?」
「クリスマス、プレゼントできませんでしたしね」
ふ、と視線を動かすと陰山の七宝華文間道があった。
「先生、これ、俺どうですかね、ほら秋口に着ていたあの着物と」
「あら、いいわね。これ。あわせやすそうよね」
じゃ買っとこう。これは…先生の帯に比べると安かった。
「間道のイメージとは違いますね」
「そうね」
「着物はいいんですか?」
「んー、ピンとくるものがなかったわ」
「じゃ今度どこか行きましょうね」
「そんなに沢山悪いわ」
「お正月ですし、好きな人に贈り物するのに何か不都合でも?」
先生が照れてる。
「あ、そうだ。ちょっと付き合ってください。ジャンバー欲しいんですよ」
そのまますぐ近くのスポーツウェアのエリアに移動する。
コロンビアのジャケットを一枚買うことにした。先生のお見立て。
「格好いいわよ」
と仰るのに気を良くして。
着物で試着は結構難しかった。
「そうだ、夕飯のお買物はされたんですか?」
「してないわ…どうせ作らせてくれないでしょ?」
「よくおわかりで。地下行きましょうね。ああでもその前に」
「その前に?」
「3階行きましょう。先生、ブラのサイズ変わったでしょ」
「なっ、んで知ってるの…」
「触ったカンジと持っておられるブラのサイズが合ってないですもん」
「やだ、もう。いつ見たのよ…」
下着売り場に連れて行き、店員にサイズを言ってお高めのものから出してもらう。
俺はパルファージュとかぺレールが良いんじゃないか、と言ったのだが、
先生は大人し目のブラを選択した。
まあたしかに、そういうのをつける機会が少ないから無難なのがいいんだろうけど。
飛び切り色気のあるものと、先生の決めたのをショーツとともに購入した。
「山沢さん…もうっ。男の人に下着を買わせる女って言う自体恥ずかしいのに」
「あ、そうか。このナリでしたね。忘れてました」
商品を受け取って地下へ行く。
さて、なにを食べたいのかな、先生は。
なだ万かな?
穴子?のちらしが良いらしい。
玉ゐという店の穴子チラシを買った。
俺は今半の牛玉。
ケーキも欲しいというので洋菓子売り場へ。
大変に可愛いケーキに先生が吸い寄せられて、その様子が良かったのもあって購入。
先生にはバッグとケーキ、ご飯を持って貰ってその他の荷物は俺が持ち、帰宅。
普段着に着替えて、ケーキをつつく。
可愛い、おいしいと楽しそうだ。
そういう姿を見ていると幸せな気分になれて少し飢えがおさまる。
食べ終わって、先生が私の横に来た。
手を出されやすいように、か?
襦袢の中に手を突っ込んで胸を揉む。
気持ち良さそうにしている姿が心地よい。
先生を膝に乗せて。焦らしたくなり脱がせもせず乳房や乳首のみ触る。
あ、そうだ。
リモコンをとってビデオを再生する。
一覧からあるものを選び、途中のシーンから映し出した。
ぎょっとしてる。
「山沢さん、山沢さん、ね、こんなの見せないで」
画面の女性が声を上げるたび、先生もビクッとする。
乳首に蝋を落とされるのを見て顔を背けた。
「ほら、ちゃんと見て」
「あぁいや、こんなのしたいんでしょ…いやよ、熱いもの…」
「熱くないようにもできますよ…もしかして仏壇の蝋燭こぼしたことあります?」
こくり、とうなづいた。なるほどね、怖いのはそれでか。
「ちょっと待ってて」
納戸からSM蝋燭と普通の蝋燭を出す。
戻って赤い方に火をつける。
まずは自分の腕に。高さを調節して熱く感じない高さを探る。
続いて白を。同じ高さから落とす、うん、熱い。
「腕、出して」
恐る恐る先生が腕を出す。
ポト、と白い蝋をたらした。
「あっ」
慌てて腕を引っ込めようとする。
「少し熱かったでしょう?」
涙目になっている。
そこへ赤い蝋燭を同じ高さから落とす。
ボトボトボトッと落ちた。
先生は顔を背けるも、まったく熱くなくて驚いている。
「あったかい程度でしょ? 仏壇の蝋燭とはまったく温度が違うんです」
ほっとした顔をして居る。
「ただ、この蝋燭でも…」
近づけて落とす、徐々に一滴、一滴と肌に寄せる。
「あっあぁっ熱いっひぃっやめてっ」
「こういう風にね、できるんです」
蝋燭の火を消して横に置く。
「酷い…」
「ふふ、パラフィン浴ってご存知ですか? 今落としたより少し高い温度の
 蝋に腕や足をつけて保温効果を高め、関節痛などにいいんですが」
「こんなに熱いのに…」
「体幹にやったことありますがヘソのあたりは熱かったですよ」
そういいつつついた蝋をはがして行く。
ほんのり赤くなったそこを舐めつつビデオを再開する。
「ほら、あなたと同じ声、上げてる。けどこの女性のほうがもっと蝋燭が近い」
「凄い…私、無理だわ」
「慣れですよ、あぁでもこれは無理かな。あなたでは」
画面は陰裂を開き突起や尿道口をも埋めるように蝋を落としている。
「…しないでね、お願いだから」
「あそこまで敏感な場所にあの近さから落としたら…あなたなら絶対泣くでしょうね」
想像しちゃったらしい。
震えてる。
まああれは俺でもいやだな。
場面はすすんで張型で蝋をたらされつつ玩ばれている。
視覚に煽られて胸を揉んでるだけなのに凄く喘ぐ。
腰がもぞもぞとしていて楽しい。
画面の女が逝ったのに引きづられるように先生も逝った。
「脱がせて欲しい?」
と耳元で囁くとうなづくので帯をとき紐を外して脱がせ、股間を撫でた。
画面の女は縛られて横向きに吊られ、男のものを入れられている。
「こういうのはどうです?されたい?」
「いや…」
「でも見ていると感じるんでしょう?さっきより濡れてる」
「そんなこといわないで…」
私の膝を掴んでいる先生の手を後ろにまとめて先ほどついでに出したビニテで軽く巻く。
「あぁいや、山沢さん、だめ、はずして」
画面の中の女性は更に鞭で打たれ始め、先生が震える。
あそこの具合から見て鞭はだめだな。体が完全に拒否してる。
また股間に蝋燭のシーン。
うん、ちょっと濡れて来た。
ぺニバンで突かれるシーンもそれなりに。
「あれ、されたいですか?」
首を横に振る。そうだよなぁと言うか自分からされたいとは言わんよな。
「でもいつかしますからね」
そういうと中に入れている指を締め付けられた。
「それとも今しちゃいましょうか。物は有りますよ」
「いやよ…お願い」
「どうしようかなぁ、柔らかいものと硬いものどっちがいいです?」
「いやって言ってるのに…」
耳元でくすくす笑いながら弄ぶ。
逃げる体を押さえつけつつ。
画面の女が逝くのと同時に先生も逝って、ビデオをとめた。
抱えあげて風呂に連れて行く。
ざっと汗を流すと自分で出来るからと風呂を追い出されてしまった。
苦笑して蝋燭やビニールテープを回収する。
先生が浴衣を着て出てきた。綺麗だな、色っぽい。
キスをするとご飯食べましょといわれた。
「もう一度したくなった」
「だめよ、ご飯の時間よ。座って?」
頭を撫でられてしまって苦笑する。
「そういえばお正月で何キロ増えました?持った感じ3キロってとこに思いますが」
「やぁね、当たりよ、家事しないとすぐに増えちゃうわよねえ」
「というか俺としてないからじゃないですか?」
「それもあるかもしれないわね」
「体脂肪率とか量ってます?」
「あなたとこういう関係になってから体脂肪率減っててるのよね…体重は変わらないの」
「そりゃ筋肉量が増えたんでしょう。筋肉痛になったりしてましたでしょ」
「そうなのかしら」
「明日体重計買いに行きましょう。筋肉量とか骨量とか出るやつ。骨粗鬆症予防にも」
「あら、そんなのあるの?お母さんにいいわね」
「八重子先生なら小魚結構食べてるから大丈夫かもしれませんが」
うーむ、メシがうまい。
ごちそうさま。
先生はあくびをして眠たげだ。疲れちゃったかな?
食べたものの始末をして、先生を引き寄せる。
「もう寝ますか? 疲れたでしょう?」
「食べてすぐ寝たら太っちゃう…」
「大丈夫、痩せさせてさし上げます」
「…すぐそんなこと言うんだから」
抱えあげてベッドに運ぶ。
布団をかけて俺も添い寝を。
「おやすみなさい」
すぐに寝息が聞こえ出した。寝つきが良くていいなぁ。
いつもの時間に目が覚めて身づくろいをする。
先生を揺り起こし、寝ぼけている耳に行ってきます、と言う。
正月ボケした頭で仕事を済まし帰宅するとお昼ご飯の用意をしていた。
手を止めてお帰りなさい、とキスされた。
ただいま、と手を洗って着替える。
洗濯物は干されていて先生の機嫌もそれなりに良いようだ。
食卓についてご飯をいただく。
うう、久しぶりに青物が。
おいしい。
やっぱなー正月連休は青物に飢える!
大変おいしゅうございました。
「どうしますー?体重計買いに行きます? こっから近いと言えば新橋ですが」
「そうね。どんなのか見たいわねえ」
んじゃ行きましょ行きましょ。
うちから出てバスに乗って新橋駅へ。降りてすぐの量販店。
いくつか見て、表示の大きいものをセレクト。
いちいち眼鏡は面倒だ、八重子先生が。
購入して先生のお宅へ送ってもらう。
さて今晩、先生はお返しせねばなるまい。
初釜の準備があるからね。
まずは帰宅して先生にどうして欲しいか聞いた。
「どうって…」
「激しくが良いか優しくが良いか酷くが良いか、さぁどうします?」
「優しくが良いの、わかってて聞いてるわよね?」
「まぁわかってますけどね」
一応ね。
「で、激しいのよね?」
「怖いんですか?」
「わかっててしないで頂戴」
「無理ですね」
「じゃ聞く意味ないでしょ」
「ありますよ。あなたとこういう会話するの好きなんです」
「意地悪ね」
拗ねる先生にキスをすると頬を染める。
「あまり意地悪するとさせてあげないわよ?」
「それは困ったな。じゃあ意地悪はなしで優しくして差し上げましょう」
くすくすと笑ってベッドルームに行ってくれる。
そのままベッドに押し倒してキスをすると皺になっちゃうわ、と言う。
「んーでも着たまましてみたいな」
「だめよ」
押し返されて、脱いでいただいた。
「なに見てるのよ、あなたも脱ぎなさい」
「あ、はい」
慌てて脱いで、裸になった先生の側に寄り胸元を舐めた。
「なんでそう落ち着きがないの…」
「すいません、つい。おいしそうで」
あ、先生の体が温かくなってる。
「そういうところ可愛いわよ」
うーむ、格好良くありたいのだがどうしても先生の体を前にするといかん。
「なにかねえ、食べられるような気がするわ」
「食欲、確かに近いかもしれませんね」
そういいつつ撫でまわす。
うう、先生の素肌気持ち良い。
「かさぶたを…」
「ん?どうしました?」
「無理やりめくられるような気分がするの」
うん?どういうことだ?
聞いてみると私の手の内に居るといつもは封じている女の部分を
無理やり解放させられるような、そんな何か怖い気分がするらしい。
「孝弘さんは…ああなってからは一度も?」
「ええ。お医者様にも相談したのよ」
「…したいのに勃たないと?」
「ばか、そんなこと言ってないわよ…もう一人律の下に欲しいって相談したの」
「人工授精とか言われませんでした?」
「うん、それしかないって」
「まぁ…お尻の中に指突っ込んで刺激してなんてあなたじゃ無理でしょうし」
「なんなの、それ」
「男性を無理やり勃起させたり射精させたりする方法」
「知ってても出来なかったと思うわ、それは」
「今でも無理でしょ(笑)」
「無理よ」
「ですよね」
「だから…ずっと、だったのよ。あなたがするまでは」
「だったらあなたのその女の部分、俺にもっと見せて。嫉妬も、性欲もすべて」
「性欲だなんて」
「あるでしょう?
 孝弘さんや私にして欲しいと思ったこと、一度もないわけじゃないでしょう?」
「そうね…」
「だから全部俺に下さい。あなたの思い。したくなったらしたいって言ってください」
「そんなの。いえないわ」
「言うのは淫乱だとか思ってますか?」
軽くうなづいた。
「だれかれなしに、なんてのは淫乱でしょうが俺に言う分には違います。
 恋人としたくなるのは当たり前のことです」
「そう?恋人…ねえ」
「恋人じゃないんですか、俺」
そういえば好きとか言ってくれない。
「はいはい、あなた一番は孝弘さんですもんね。愛人でいいです」
「あ、違うのよ、そうじゃなくて」
「愛人でも何でも俺と孝弘さんになら求めても淫乱なんかじゃないです。いいですね」
それ以上の会話を封じるように強く激しくして。
終ったころには涙目になっていた。
「今日はこの辺にしてあげます。帰らないといけないでしょう?」
「いやよ、帰らない」
「なぜです?帰りなさい。帰らなきゃいけないでしょう、あなたは」
「いや」
「わがままはいけません」
「わがまま、聞いてくれないの?」
「きけません」
「どうして?」
「明日初釜でしょう、朝から。欠席できないんでしょ?」
「あ…」
「まさか忘れてたんですか…送ってあげますから、ほら、シャワー浴びてきなさい」
慌ててシャワーを浴びに行く先生を見て溜息。
なんで、こう、うまく噛み合わないんだ。
とりあえず着替えよう。時計を見る。電車、ラッシュタイムか。
車で行くか。となれば洋服がいい。
服を着て待つ。
あ、出てきた。なんだ、髪も洗ったのか。
ドライヤーしなきゃいかんわけで少し出るのが遅くなるな。
手持ち無沙汰で、ベランダに出て煙草を吸った。
帰さなくて良ければ…いいのに。
少し落ち込んでいると先生が着替え終わったようだ。
吸殻を濡らして始末し、手を洗って口をすすぐ。
さてと、気を入れ替えて運転するか。
先生に車に乗るよう言うと、どうして?と聞かれた。
「この時間帯ラッシュでしょう、電車。痴漢されたらどうします」
「こんなおばさんされないわよ」
「されます。おばさんでもない。いいから早く乗りなさい」
助手席に乗り込もうとする。
「そっちじゃない、後ろ。運転席の後ろに乗って。シートベルトもして」
「後ろだったらいいんじゃないの?」
「以前事故のときあなたしてないからあんな怪我したんですよ」
乗せて走り出す。
1時間半ほどだろう。安全運転を心がけて。
「ねえ…明日の晩、来てくれる?」
「お稽古はしないんでしょう? 行かないほうがいいんじゃないかな」
「どうして?」
「一応、私が泊まるのはお稽古があるからとなってますよね。外聞に悪い」
「駄目なの?」
「やめときなさい」
「でも…」
「土曜は寄せていただきますよ。初釜の用意のお手伝いと言う名目でね」
車内の空気はよろしくないまま車はすいすいと流れて先生のお宅へ。
「上がっていって…ねえ」
「いやこのまま帰ります。明日。夜にメールください」
「…わかったわ。じゃあ…気をつけてね」
「ええ、また。会いに来ますよ」
別れて車を飛ばす。
少し前の車を煽ったり、追越をしたりして1時間で帰宅。
疲れた。
すぐさま寝巻きに着替えて寝た。
朝、起きて自己嫌悪。
せめて週末までには立て直して、電話なりメールなりで関係修復したいものだ。
そう思いつつ仕事をこなす。
とりあえず俺がやるべきことはちゃんと仕事することだ。
仕事を終え、食事を取る。
少し飲酒。
夕方、携帯にメール。
先生からか。
昨日あの別れ方をしたのに来いというのか。
少し悩んで、どうせ行かなきゃ突撃されるだけかと思い、行く旨返事する。
着替えて移動。
玄関を開けて声を掛けると律君。
ありゃ?
「あら早かったねえ」
うわっ後ろから八重子先生に肩を叩かれた。
先着してしまったようだ。
「あ、ええと、こんばんは」
上がって着替えを手伝う。
「で、絹先生。お呼びいただいた御用はなんでしょう」
「特に用はないわよ」
「は? 用はない? じゃ帰らせていただきます」
「用がなきゃうちに来てくれないの?」
「あんたら何やってんだい。山沢さんも意地を張らない!」
う…。
「ですが。用もないのに来るなんておかしいでしょう。
 律君だって違和感を感じてますよ。他のお弟子さんにだってどう思われるか」
「それはそうだけど…」
「初釜がどういうものか教えるために呼んだってことでどうだい?」
「…律君へはそういうことで結構です」
「絹。あんたまた何か山沢さんにしたのかい?」
「されてません。特に御用もないようなのでこれで失礼します」
「だからっ」
振り切って先生のお宅を出た。
携帯がなるのを無視しているとメールが入る。
それも無視して。
ふと京都に戻りたくなった。
その足で新幹線に乗り。京都へ。
久々に我が家の鍵を開けて風を通しストーブのスイッチを入れた。
移動に疲れ、うつらうつらとする。
先生より更にメール。
どこにいるの、と。やはり家に突撃されたか。
あなたの知らないところ とだけ返した。
時計を見る。まだ終電はあるだろう。
なければないでうちの鍵を持っているのだから勝手に泊まればいいさ。
すぐに先生自宅から電話、これは八重子先生だな。
電話を取る。
「あんた今どこにいるんだい?絹が行ったけどいないって掛けてきたよ」
「京都です、京都の自宅」
「いったい何があったんだい?
 何もされてないって言うけど、またなんか失言したんだろ、絹が」
「うー…恋人っていったら恋人じゃないって言外におっしゃったんで…拗ねました」
電話の向こうに聞こえる溜息。
「土曜は来る?そのときにちゃんと話ししなさい。律はどこか他所に泊めるから」
「はい、おねがいします」
「あ、それと体重計、きたよ」
「ああ、あれ、骨量も量れますから良いですよ」
「それから絹に帯買ってやったんだって?喜んでたよ」
「あー、はい」
「その意味、あの子わかってなかったようだね。高かっただろ」
「まぁ、そういう話には疎いでしょうから気にはしてません。
 それに高くはないです、お茶用の帯でしたし。
 礼装のほうは流石に龍村、いいお値段してましたが」
いいなぁと思ったら30万とかね。普通にしてたな。
「その上ブラとショーツもだろ」
「ははは…」
「サイズ丁度だったみたいだよ」
「そりゃ良かったです」
「ま、とにかく。土曜日来なさい。初釜の話もあるから」
「はい」
電話を終って、空腹に気づいて飯を食いに出る。
居酒屋に入り飲んでいると先生からメール。
電話は出ないとわかったのだろう、こちらのほうが伝えられると踏んでか。
恋人というよりは身内のような気がして、と言うことのようだ。
余計になんだかなぁと言う気がして、困る。
「おい、山沢じゃねえ?久しぶりー、どうしとるん?」
「あ?なんだお前か。ずっと東京で仕事だよ。今日は家に風通しに来ただけだ」
「そうか、お前恋人とか出来たかぁ?」
「んー恋人と思ってるヤツから恋人じゃなく身内のような、と言われたところだ、今」
「なんだそれ、ひっでぇ」
「だろ。参るよ」
「つーかお前めっちゃ標準語になってんぞ」
「しょうがねぇだろ」
「わかった、東京に恋人が居るんやろー」
「ま、そういうこと。一昨日、龍村の帯買ってやった程度の仲のな」
「マジか。それで身内って言われたんか。なぁ笑って良いか?」
「もー笑え笑え、バカだろ俺。安い手だけどよー」
酒をついでやって。
「でもなあ、相手の親はなあ、帯買ってやった意味とかわかってくれてんだよな」
「えっお前相手の親公認なのか?」
「多分旦那も知ってると思う。息子は知らないとは思うけど。怪しんでるとは思うが」
「相手、息子おるんか…相手いくつよ」
「多分43じゃねえかな」
「お前それ年上すぎね?」
「一回りも離れてねえよ」
「どんな人よ?お前のことだから和の女だろ」
「まぁな、茶の先生だ。普段から着物でな。お花も着付けも教えてる」
「パーフェクトだな、お前の理想のドストライクか」
「だなぁ」
「どうやって落としたんだ?」
夏からの件を大雑把に話す。
「やるなぁ、お前。つーかこっち来てたんなら言えよ」
「なんで楽しい恋人との旅行にお前呼ぶんだよ」
ゲラゲラと笑って酒を飲む。
「俺これから雄琴行くけどお前も一緒に行かんかー?」
「ばばあ抱いてもしょうがねえだろ、おりゃ帰って寝る」
「恋人に操立てか~?はっちゃけちまえよ」
「うるせー」
そして別れて帰宅、そのまま熟睡。
翌朝、軽い二日酔い。
自分の息が酒臭い。
うー…。シャワー浴びよう。
風呂から出て、何かどうせだから見て帰るか、と思い調べる。
京都駅か資料館。昨日から展示をやっていると知り、資料館へ足を運んだ。
釜はみてもよくわからん。
酒器ならわかるだろう。
…一人で来ても楽しくないな。
何してんだろうなぁ俺。
ハラハラと雨が落ちてきて。
ふと見れば初釜に向かわれる方々。
知った顔がありご挨拶。
やはり家元の初釜に行かれる方々は緊張の色が見える。
たしか来週は関東で、だったな。
欠席者があるからと同席するか聞かれたが断る。
この面々に混ざってよいわけない。
その上洋服だし、スラックスとカッターは着てるが上着はコートだからなぁ。
せめてスーツでもっと後の日ならね。
欠席者の身代わりでもぐりこめたかもしれない。
さすがに格好を見て諦められた。
そのままぶらりと北野へ移動。
ぼんやりと境内に居ると沢山の着物の女性。
…月釜今日じゃなかったよな。
どこかの初釜の後かねえ。平日なのに。
この時期はどうしても着物の人が多いな。
得意先の人が散歩をしていて、久々にお話しする。
京都も年末は時化で御節の用意が大変だったそうだ。
やっと仕事も落ち着いて、この時期忙しいのは千家がらみのみとか。
そういえばそうだった、京都は一月半ばまで初釜でややこしかったな。
お茶の世界に身をおいているくせに忘れていた。
冷えてきたので別れて、一旦帰宅する。
ストーブぬくい。
さて。そろそろ東京へ行くか。
逃げてばかりもいられまい、もしか部屋に先生がいればいたでいいじゃないか。
思い定めて戸締りをし、出立。
東京へ。
お昼ごはんに駅弁。帰宅。
部屋は暗く、やはり帰ったようだ。
少しほっとして、鍵を開けて中に入る。
ああ、でも期待してたんだな、先生がいて欲しいと。
苦笑して着替える。ストーブがまだ効いてないにもかかわらずほの温かい。
と言うことはうちに泊まったようだ。
こちらに戻ってる旨メールするとすぐにメールが帰ってきた。
30分ほど前に乗車したらしい。
すれ違いか。
もう一通、家にいて、とメールが来た。
話し合いをいましろと言うのか、八重子先生の仲裁なしで…。
土曜日では駄目なのか書き送れば、早いほうがいいという。
仕方ない、待とう。
40分ほどして先生が戻ってきた。
コーヒーを差し上げる。
「ごめんなさいね、メール、見てくれたかしら」
「どのメールでしょう」
「…身内の」
「先生はご存じないようだから申しあげますが…
 こういう関係にあるものに身内とはあまりにもつれない。
 まだ情人、手掛けのほうがましにすら思えます。私には」
「情人だなんて…思ってないわ。身内くらいに大切、そう思ったの」
「あなたは…身内とセックスするんですか?しないでしょう」
「あ…」
腕を取って引き寄せてキスというか喰らいつく。
そのまま押し倒して胸をまさぐる。
「きゃっ」
「こんなことするヤツのどこが身内ですか」
「あぁっ、やめて、ねぇ」
「それとも、身内のように性的なことは一切ない関係をお望みですか」
「やめてったら!」
っつ、またビンタかよ。
ギリッと奥歯が鳴る。腕を押さえてねめつけると怯えている。
「どうなんですか」
返事がない。
「帰りなさい」
手を離して後ろを向き、そう言った。
ぎゅっと背にしがみつかれて、か細い声で違うの、と言う。
「何が違うと?いやなんでしょうが」
「ごめんなさい、そうじゃないの。驚いたから…叩いちゃってごめんなさい」
すっと息を吸って大きく吐く。
たしかに驚かせたというか、心を乱したのは事実。
「私…山沢さんのことちゃんと恋人としてみてるわ。
 愛人とか、情人とか…そんなこと思っていないわよ」
「だったら…なぜ先日言いよどみました?」
「何か恋人以外に丁度いい言葉がないかしら、と思ったのよ」
ちょっとそれ俺一人が間抜けじゃないか…。
一人で拗ねてただけかいっ。
なんというか、参ったな。
息をつくと先生が前に回って来られ、
そっとキスされて懐に入られた。
「だから…拗ねないで。怖い顔しないで頂戴」
もう一度キス。
欲情してついあちこちを撫でてしまう。
「ねぇ、して」
先生も欲情したのか。って。求められた。
「先生、顔赤い…」
「だって…あなたが見せてって言うから」
可愛い、たまらん。
耳を舐めて胸を揉む。
「でも、ここじゃいやよ」
抱え上げてすぐさまベッドへ。
「脱がせて頂戴」
いそいそと脱がせ、裸にする。
手をあちこちに手や舌を這わす。
つんと起ち上がった乳首や、へそ、乳輪や脇。
もちろん翳りの中をも蹂躙して。
先生の声に煽り煽られ沢山愛した。
抱いて落ち着いて。
「初釜、どうでした」
「良かったわよ…来年はあなたも一緒に行けるといいわね」
「いいんですか?」
「弟子を連れて行くのも先生の勤めよ」
「ぜひお願いします」
「来週、うちの初釜のアシストちゃんとしてね。いつものようにでいいから」
「はい」
「お弁当がねぇ三友居さんのでおいしかったのよ」
「ああ、あそこですか。花びらもちはどこのものでしたか?」
「とらやさんだったわ」
「それは残念、あそこはごぼう1本でしょう?」
「普通一本よ?」
「川端道喜は2本です。まぁ絶対食べにくいですが」
「あら?そうなの?食べたことあるの?」
「一度だけですけど頂きました。まったく持って自分では手に入りませんね。
 面白いのは松屋常盤かな。一度お持ちしましょう。面白いから」
「お正月過ぎたけど大丈夫なのかしら」
「数言えば大丈夫だと思います。多ければ他のお弟子さんにどうぞ」
松風も一緒に頼もう。松風好きなんだ。
ゆっくりと先生の肌を撫でつつ、色々お話をする。
そのうち、先生がもじもじしてきた。
こりっと乳首をつまむといい声。
くにくにと弄って楽しむ。
先生が俺の手をそっと下に導いた。
ああ、よく濡れてる。
また指を入れて中を楽しむと、先生も気持ち良さそうだ。
「久さん」
「はい」
「久さん久さん久さん、好き。好きよ」
ああ、ゾクゾクする。
う、久々に脳内で逝った。
賢者タイム。
自分自身、かなり濡れているのを自覚しつつ、先生を逝かせようとする。
背中を引っかかれてるな。
ちょっと痛い。
先生の言葉にならない喘ぎを聞いて楽しくて仕方がない。
ひときわ大きい声、痙攣。力が入って、そして脱力。
荒い息、いいね。
そのままキスする。
まだ指を抜いてはいない。
少し中でうごめかせる。
キスしているのに呻くのが愛しい。
押しのけたいやらしがみつきたいやら。
口を離して乳首を噛むとまた逝ってしまったようだ。
可愛くて、ニヤニヤしてたら押しのけられた。
え、と思う間もなく慌ててトイレへ。
ああ、コーヒー飲ませたんだっけ。
なんだか笑えてきてしまって、戻ってきた先生に叱られた。
「舐めてあげましょうか」
その一言で顔を赤らめて胸を叩かれる。
「可愛いな、本当に可愛い。ずっと抱いていたくなる」
「今日はもうだめ…疲れちゃったわ」
「はいはい、しょうがありませんね。どうします?泊まるか帰るか」
「うーんお稽古もないし。泊まっちゃおうかしら。いい?」
「じゃ八重子先生に電話しないと。晩御飯とか用意されてるかも」
「あ、そうね。ねえ、手を離してくれない?」
「ここに電話子機ありますよ。どうぞ」
懐に抱いたままかけさせようとする。
「…電話中に触ったりとかしないで頂戴ね、お願いよ」
ばれてた。
おとなしく先生が電話するのを聴いていることにする。
八重子先生の話し声もほんの少し聞こえる。
先生の首筋を舐める。
びくっとして我慢している。
耳たぶを舐めると声が乱れた。
腕をつねられる。
乳首を舐めるとゴンッと頭をグーで叩かれた。
ああ目が笑ってない。
これは怒られるな。
電話が終ってがっちり頭をホールドされた。
「しないでっていったでしょう。なんでするの!」
「うーあなたが可愛いから」
「電話中はやめてっていってるでしょ」
怒っているその口にキスをする。
かり、と舌を噛まれて。
頭を掴む手が緩んだ。
そのまま暫く舌を絡める。
口中を犯すかのように激しく、また、ソフトクリームを舐めるかのように優しく。
唇を離せば怒る気力は途切れたようだ。
「すぐにこうしてごまかすんだから…」
「キス、好きですよね、先生」
「ばか」
「もう一回したいな」
そういってあそこをまさぐる。
たっぷりと濡れていて嬉しくなった。
すぐに気持ち良さそうな顔。
強く抱きしめながら逝かせる。
暴れそうな体を私に押し付けて切羽詰った声を出した。
私に玩具にされている気がする…以前そういってた。
力の差もあるだろう。
いくらこの人が暴れても私には押さえ込める。
沢山玩んでいたぶって暴れても泣いて懇願されてもやめないことも出来る。
それを知ってるからそう思うのかもしれない。
きっちり中で逝かせて己を落ち着かせた。
背中を撫でて、なだめて。
先生が落ち着くまで。
クゥ、と先生のお腹がなった。
なんだそろそろ晩飯の時間じゃないか。
何が食べたい?と聞くとパエリアという。
ああ、あれかあそこのか。
ちょっと待ってて、とチラシを探す。
あったあった。
「どれにします?」
「んー、これがいいわ、これにしましょうよ」
電話で注文して届くまでの間に服を着る。
先生はまだ立てないそうなのでメシが来てから。
財布等用意して、先生の横に座る。
キス。
胸をまさぐり少し煽る。
「またするの?」
「ええ、20分はかかりますからね」
乳首を噛み、股間の感触を楽しむ。
喘ぎ声が気持ちいい。
「この格好で取りに出てもらおうかな、出前」
「やだ、だめ、よして」
中に入れてる指が締め付けられる。
ぎゅうぎゅう締め付けて喘ぐ。やっぱりそういうこと言われるのすきなんじゃないか?
チャイムが鳴ると同時に逝った。
慌てて指を引き抜き、取りに出る。
意外と早かったな。
受け取って食卓にひろげてから手を洗い、先生を連れに寝室へ入った。
あ、少し怒ってる。
私の懐に手を入れて爪を立てて乳をつかまれた。
いててて。
「怒ってる顔も好きだな…」
というとさっと顔に朱が走り横を向かれてしまった。
「さ、食べましょう、立てますか?」
首を横に振る。
浴衣を纏わせ抱えあげて食卓に着かせた。
Mサイズとサラダ、付け合せにいくつかを頼んだ。
パエリア取る時はお玉レンゲを使うとそれなりに取りよい。
食べているときの先生も好きで、ついついにっこりしてしまう。
あと纏わせているだけだから乳や太腿が動作のたびにちらちらして扇情的だ。
気づいたようで胸元の合わせを直し、裾を直されてしまった。
「ね、あんまり見ないで。食べられなくなっちゃうわよ」
可愛い。
「テレビ、つけましょうか?」
気を紛らわせねば更に襲ってしまいそうだ。
テレビを見つつ。
「そういえば家元初釜式、ニュースでやってましたか?」
「ええ、してたわよ。初日は政財界でしょ」
「二日目はお茶の先生方でしたよ」
「あら、どうして知ってるの?」
「資料館に立ち寄ったものですから。向かわれる方々を見れば教授ばかりで」
「何か面白い展示あったの?」
「酒器ですね、でも一人で見ても面白くなかった。あなたと行きたいな」
「じゃあ…今度行きましょ…」
「京都展示巡りの旅、行きたいですね」
2泊か3泊か。
暇な時期に有給でもいいな。
「お稽古は八重子先生に少しお願いして」
「怒られるかしら」
「展覧会メインなら怒られないでしょう、きっと」
「楽しみだわ…楽は行きたいわねえ」
「ああ、楽はいいですね。大西はどうです?」
「見たら欲しくなっちゃうじゃない」
「さすがにいい釜はポンとは買えませんしねえ」
食事が済み、後始末をして手を洗い歯を磨く。
結構脂っこいな。
手を貸して、と言うので先生の腰を支えて洗わせた。

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