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百鬼夜行抄 二次創作

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伶(蝸牛):絹の父・八重子の夫 覚:絹の兄・長男 斐:絹の姉・長女 洸:絹の兄・次男 環:絹の姉・次女 開:絹の兄・三男 律:絹の子 司:覚の子 晶:斐の子

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110

すっきりとした目覚め。
よし出勤だ!
土曜だからそれなりに気忙しく、仕事も多くてちょっと疲れた。
帰宅途中、携帯の契約をする。
かんたんなヤツ。まずはなれてもらおう。
やっぱりピンクかなピンクがいいよね、女持ちだから。
最近のものは普通のガラケくらいに使えるものになっているらしい。
1番に先生のお家、2番に司ちゃん、3番に私。
あとは先生のお宅に行って電話帳をすべて写せば良い。
充電器を二つ、一つはうちに置こう。
帰って、シャワーを浴び久々に着物を着る。
先生のパジャマを入れた袋を忘れずに持って行かなければ。
さて、電車に揺られようか。
暖かくて眠くなっていると電話が鳴った。
ん、先生のお家だ。
「はい、山沢ですが」
「こんにちは。今日お稽古来るのよね?悪いんだけど…」
「ああ、はい、わかりました」
昼の方用の和菓子が足りない模様。羊羹でもいいようだ。であれば…。
途中、日本橋で下車して購う。
早上がりした分時間に余裕があってよかった。
先生宅にいつもの時間につけそうだ。
到着、食事中の先生方に挨拶して羊羹を手渡す。
「あら、あらあら、綺麗ねえ」
「ほんとだねえ、これはいいね」
「お父さんが食べちゃったのよ~それで足りなくなっちゃったの」
「律が車乗って行ってるし買いにいけなくてねえ、助かったよ」
おや、またお出かけか、律くん。
「じゃ私たちお昼食べてるから、お水屋お願いね」
はいはい。
道具を用意して炭も確認する。
食事を終えた八重子先生に確認してもらう。
これで良いということで羊羹を切っていただく。
「おや、山沢さん。あんた芋餡は食べれたんだっけ?」
「あ、食えますじゃなくて食べれます」
「じゃ今日は誰かに濃茶練ってもらおうかね」
「いいですねえ。あ、できれば澁口さんがいいですね、あの方の美味しいから」
「そうだねえ」
しばらくして生徒さんが来られ、八重子先生と共にお稽古開始。
絹先生は外出、上の先生のところへたまにお稽古に行かれるその日らしい。
あそこ岡崎さんも来るらしいからちょっと心配なんだが。
止めるわけにも行かないし。
お稽古がすすみ、主菓子をいただいて澁口さんに濃茶を練っていただく。
美味いなぁ。でも二人で飲むのに五人分で点てた模様で、多い。
正客役は二口で渡してくれたから沢山いただくことに。
ま、いいけど。美味しいし。お正客との問答を聞きつつ。
さてさて順繰りに数人の生徒さんのお稽古も終わり、
私への厳し目の稽古も終ったので水屋をしまった。
そろそろ絹先生も帰ってくるかな?
お台所を手伝う。今日のお夕飯はなんだろう。
かぼちゃの炊いたんと肉豆腐とぬたとかぶのお味噌汁とポテトサラダ。
なぜそこにポテトサラダ。いいけど。
作り終えて居間に戻ってお茶をいただく。
「絹先生遅いですね…」
「たまのことだからお友達と話が弾んでるのかもしれないね」
「そうですねえ」
頭をくしゃくしゃと撫でられた。
「先に食べるかねえ、孝弘さん呼んできてくれるかい」
「はい」
呼びに行く。
「絹はまだ帰らんのか」
とニヤッとされてしまった。わかってていってる絶対。
絹先生がいない中での食事はやはり微妙だなあ。
早く帰ってきて欲しいなあ。

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109

八重子先生が開さんを叱りつつ、食事。
さすがは二十歳程度の中身、最近ちょっと年相応になろうとしてるらしいけど。
久しぶりの先生のご飯が美味しい。
黙々と食べる。
「山沢さんどうしたの?あまり喋らないのね」
「あ、いや、メシ。うまくて」
「子供みたいねえ」
なにぶん一週間ぶりだからなぁ。
「山沢さんも結構食べるね」
「だからタフなのかしら」
「仕事してるときは朝・朝・昼・夜食ってますしね」
「4食も食べてるのかい?あんた食べすぎじゃ…」
「ないんですよね、これが。暫く夜抜きにしたら体脂肪一桁に。
 大体2700カロリー目安に取るように言われてます」
「あら、私1800って言われたわよ」
「デスクワークしてた頃はそれくらいでしたね」
さて、ごちそうさまでした。
お片付けを手伝おうとしたら良いと言われお茶をいただく。
うまいなあ。
ほっこり…しててはいけない、帰らねば。
明日明後日仕事して、お稽古だな。
絹先生も戻ってきた。
「お酒、明後日飲みましょ。買うときは思わなかったけど随分沢山だったわね」
「買いすぎだよ、あんなに飲めないだろ」
「いや、司ちゃんが飲んでくれるでしょうし」
「司ちゃんねえ、誰に似たのかしら」
「八重子先生じゃないですか。いける口ですよね?」
「ああ、そういえば母さん結構飲むよね」
「山沢さんも凄く飲むのよ。利き酒の所で私が半分飲んだ杯、全部飲んでたわよ」
「ああ、でも新潟の酒は辛口で私は飲みにくいです」
「辛かったかしら、美味しいと思ったわよ?」
「京都の酒に慣れているからかもしれませんねえ、うまいとは思いますが」
ああ、タイムアップ、帰らねば。
「それではそろそろお暇を」
「あらもう? 気をつけて帰ってね。明後日お稽古だから忘れずにね」
「はい、よろしくおねがいします」
見送っていただき、バス・電車を乗り継ぎ帰宅。
即布団に転がって寝た。
翌日遅刻しそうになり慌てるものの普通の金曜日、そこまでは忙しくなく。
早めに仕事を切り上げ報告書などを纏めて送る。
帰宅してすぐに荷物が届き開梱して洗濯。
先生のパンツとパジャマ…シルクだ。
手洗いか。
洗い方がわからん。
先生に電話すると明日持ってきたら自分で洗うとの事。
別の袋に除けておく。
自分のは乾燥が済むまで放置だな。
3時間半ある。寝よう。
熟睡。疲れてたんだなぁやはり。
洗濯機が鳴って目が覚める。
畳んで片付けて。
腹が減った。何か食わねばならんがコメを炊くのも面倒だ。
冷凍庫をあさってチャーハンを温める。食べて…寝る。
ひたすら、寝る。

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108

生徒さんのお稽古がすみ、何か質問は?との声に生徒さん。
「先生は山沢さんには厳しくされてますがどうしてですか?」
あ、答えを探しているな、先生。助け舟出すか
「よろしいでしょうか」
「え、えぇ」
「来年にはじめに私、上級の許しをいただく予定でありまして。
 それで上級に上がるからには、と厳しくしていただいてるのですよ」
「ああ、そうなんですか!」
「そうなのよ、ホホホ」
生徒さんが帰られて、助かったわ~と仰る。
「ああいう理由にしときましょう。一番有り得るかと」
「そうねぇ」
水屋を片付けていると八重子先生ご帰宅。
「ただいま。あぁ山沢さん、お帰り。お土産ありがとうね」
「お帰りなさい、先程戻りましてお稽古もつけていただきました」
「あんた今日夕飯食べていくだろ?」
「そうさせていただければ助かります、帰りに買物しないと何もないので」
「あら、そういえば山沢さん洗濯物は?」
「それは明日家に宅配で来ますんで明日やります」
片付け終えて居間へ移動。絹先生はお台所。
八重子先生がお茶を入れてくださった。
「あっちは寒かっただろ?」
「やー流石に海は寒かったです。けど後はほぼ屋内でしたから」
塩沢くらいか、寒かったの。
「…まさかずっとしてたのかい?」
「え、いや、ええと酒飲んだりとか…も、してましたよ」
「若いねえ…」
「ははは…」
「まぁあの子が良いと言うならいいけどね」
「ありがとうございます」
「……あんた、男の人としたことはあるのかい?」
八重子先生が声を潜めて言う。
「あ、一応。後学の為に」
「するのはどうだった?嫌だった?」
「胸の内と体とは別、と言うのが体感できましたね。感覚的には面白い体験でした」
「へぇそんなもんかねぇ」
「しかし八重子先生、聞きにくいこと結構聞かれますね」
「そりゃまぁ絹の相手だからね」
あーじゃ土曜日に渡すか、検査書類。
「お母さん、ご飯できたわよ」
「はいはい」
配膳を手伝う。あれ?孝弘さんと律君は?
「律は合コンだって。お父さんはお出かけ、ご飯炊いたのに~、もうっ」
3人でご飯か。ちょっとさびしいな。
「あれ?律いないの?」
「あら兄さん。どうしたの?」
「いやちょっと借りたいものがあったんだよね。いないのか」
「どうせだからご飯食べていく?」
「助かるな。姉ちゃん今日帰ってこないからどこかで買うかと思ってたんだよね」
「あら環姉さんまた帰ってないの?」
「仕事が忙しいみたいだぜ」
「あの子も早く結婚したら良いのにねえ」
「山沢さんは出張からいつ帰ってきたの?」
「ああ、今日ですよ、昼過ぎに直接こちらへ」
「へぇー、そんなに絹がすきなんだ?」
「兄さん!?」
あ、お茶碗取り落としそうになってる。
「開…なんであんたそういうこと言うかねえ」
「ええ、そうですね」
「山沢さん!」
「あんた知ってたのかい?」
「うん、山沢さんは僕が知ってることも知ってたようだけどね」
「絹先生には言わないってことにしませんでしたっけ?なんで言うんですか」
「面白いから?」
こういう人だった、忘れてた。

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107

翌朝、シャワーを浴びて酒臭さを抜く…無理だ、服が酒臭い。
とりあえず仕事着から臭いのしないの選んで着て、どこかで一式買うか。
どうせそろそろ秋物買うつもりだったし。
ざっと調べると伊勢丹くらいか。
いやまて、帰り大宮で乗り換えるんだから。
うん、スーツカンパニーが大宮にあるな。
デパートで買うくらいならオーダーしたい。
ブランドスーツを買ってもサイズで困るのは事実。
8時半、ホテルの精算を済ませ荷物を自宅に送って、みどりの窓口へ。
9時40分ごろの電車が良いといわれてしまった。お茶飲むか。
っと携帯がなる。先生から。
時間が有るようなら、とお願いされた。
からいすけとお福正宗の大吟醸?はいはい。4合瓶でいい。はい。
余裕で買える。戻って3階で買い、下げやすくしてもらった。
先生の指定の大吟醸3種と私の好みのにごり。
駅弁を買って、新幹線に乗る。
混んでたら指定席にすればいいかと思っていたが、すいてて自由席で全然問題なし。
乗車後すぐに弁当を開ける。
普通の幕の内だけどうまいな。米が違う。
米どころだなぁ、やっぱり。
先生のところの米はコシヒカリとは違う食味で好きではあるが。
家は最近淡雪こまち。秋田米。
ご飯を食べて、コーヒーを飲んで。車窓風景をのんびり眺めて。
しばらくしてトンネル。長いな。抜けた。トンネル。またか。トンネル多いな。
高崎。後20分ほどで大宮だ。
今寝ては危険だ。再度コーヒーで目を覚ます。
よし、大宮だ、降車して一度改札を出た。案内板を見る。
あれ?ユニクロがある。そっちでいいか。
ジャケットとシャツ、チノパン、コートを買ってその場で着替える。
畳んで袋に入れてこれも家へ送ってしまえばいい。
さて、次は埼京線で新宿か。遠回りしてる気分になるなぁ。
新宿で乗り換えて後は最寄まで一本。
駅についてさてタクシーにしようかな、そう思っていると先生から電話。
「あ、山沢さん?今どこかしら。駅?じゃあ悪いんですけど…」
トイレットペーパーついでに頼まれてしまった。
買い置きがあるつもりだったそうだ。
すぐ近くのDSで買ってタクシーに乗って先生宅前まで。
両手ふさがってるし庭から入るか。
「こんちはー三河屋です~」
なんて入ったら先生に笑われた。
「おかえりなさい、山沢さん」
「ただいま戻りました」
「お買物ありがとう。お稽古、していく?」
「ええ、お願いします」
手を洗って部屋から袱紗を取ってきて稽古をつけていただく。
ビシビシ厳しい稽古に疲れた頃、他の生徒さんが来られて水屋に回る。

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106

いつも起きるような時間に目が覚める。
ちょっと散歩してこよう。
ふらりと抜け出し宿周辺を歩く。
真っ暗だ。
空を見上げると曇っている。今日はきっと寒くなるな。
散歩しても体が温まらないので戻って大浴場に行く。
いてて、傷に湯がしみる。
温まったので出て部屋に戻る。
もう一寝入りしよう。
先生は…良く寝ている。寝顔を見るのも好きだ。
横にもぐりこむと抱きついてきた。
「どこいってたの?」
「何だ、起きてたんですか」
「お布団に入ってきたので起きたのよ。なにしてたの?」
「散歩。意外と寒くて風呂も。明日きっと寒いですよ」
「そう…」
「まだ夜中ですから、寝ましょう?」
キスしてきた。
「随分甘えたになりましたね。可愛いな。そんなあなたも」
「ねぇこんな…嫉妬ばかりしてて嫌いにならない?」
「嫉妬もして貰えんとかそれすでに終ってませんか。
 凄く信用されてるならそれはそれでありですが」
「そうなの…?」
「嫉妬してるあなたも可愛いと思ってますよ。だから大丈夫、安心して」
「うん…」
懐に抱いたまま頭を撫で、背中を撫でる。
しばらくして寝息。
まぁたしかにしょうもないことで疑うな!と思うこともあるわけだが。
こうやって懐に入られたら可愛いとしか思えなくて困る。
俺だってかなうことならその笑顔、誰にも見せて欲しくない。
お稽古つけてる間は無理だよなあ。
八重子先生の年になっても無理だろう。
わかってるから言わないが。
寝顔を見ているうちに二度寝。
朝。
ふと目を覚ますと懐に先生がいない。
あ、着物は有る。風呂か。
大浴場へ行くとやっぱり入ってた。
「あら、おはよう」
「おはようございます」
先生がくすくす笑ってる。
「どうしました?」
「ここ、かさぶたになってるわね」
「ああ、昨日血が出てましたからね…」
「かさぶたってめくりたくならない?」
「駄目ですよ!」
「めくらないわよ~」
オホホ、と笑ってる。からかわれてるなー俺。
お風呂から上がって部屋に戻り、身づくろい。
先生は着物に、私はシャツとスラックスを身につける。
朝御飯だ。
二人ともちょっとずつ違って、少し先生の方が良さそうなものを使ってあるのは。
もしや格を考えてくれたかもしれない。先生と呼びかけてるし。
美味しくいただいて、もう一度部屋の風呂でまったりとして。
そろそろチェックアウトだ。
支払いをして宿を出る。駅のホームまで見送りで着いてゆく。
帰りたくなさそうだ。
「明日、先生のお宅に顔出しますから。だから待っててくださいね」
「必ず来てね、待ってるわ…」
「じゃあ」
「また、ね」
新幹線を見送って、私は新潟へ。
あちらで最終日は宴席があるんだよね。
実はキャバクラと決まっている。
八重子先生には日程説明で言ってあるんだが、絹にはいわないと言ってくれていた。
ばれたときが本気で怖い。新潟の宿へ戻り少し寝る。
携帯が鳴り目が覚めた。先生から帰着報告。うむ、よし。
そろそろ起きて昼飯食おう。
イタリアンでゆっくりランチ。
やっぱり今日は冷えるなぁ。
すこし観光。
夜。迎えが来てキャバへ。
…セクキャバかよ。
おっさんども自分たちが楽しみたいんだな!?
女の子がはべってくれて触っても良いのよ~とか言われる。
横に着いた女の子に女だから触ってもねぇとか言うと嘘ーと言われたり。
まぁネタになるし雰囲気は楽しんでしまえ。
触らんけどな!
二次会は今度はピンサロらしい。
せめて三次会にしてくれよ二次会は飲もうよ!
さすがにそれはお断りして、宿に戻った。シャワーを浴びて着替える。
もう少し飲みたいので1階でつまみと酒を頼む。
いくつか食べて3合ほど飲んで部屋に戻ってベッドに転がる。
んー。明日早めにチェックアウトして早く先生に会いに行こう。

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